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【発明の名称】 電磁弁
【発明者】 【氏名】渡辺 一央

【氏名】加藤 康夫

【要約】 【課題】簡単な構成で可動部の軸方向の傾きを抑制し、弁漏れを防止する電磁弁を提供する。

【解決手段】ムービングコア16の反ステータコア側への移動がプレートストッパ13の規制部13bにより規制され、シャフト14の軸方向の傾斜がプレートストッパ13の軸受部13cにより規制されるので、部品点数を増加することなく簡単な構成で、シャフト14の軸方向の傾きが抑制される。したがって、弁部材17のシート部8cに対する当接精度が向上し、弁漏れを防止することができる。さらに、ステータコア5の溝部5aの内壁に内接可能な突出部14aがシャフト14のステータコア5側端部に設けられているので、シャフト14の軸方向の傾きがさらに抑制される。さらにまた、突出部14aの形状を球状または樽状とすることで、シャフト14の軸方向の傾きにより突出部14aが溝部5aの内壁に固着されることを防止し、弁漏れをさらに防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通電することにより磁力を発生するコイルと、磁性材からなる第1の固定子と、前記第1の固定子に対向して設けられ、前記コイルに発生する磁力により前記第1の固定子側に吸引される可動子と、前記可動子とともに往復移動可能なシャフトと、前記第1の固定子および前記可動子とともに磁気回路を形成する第2の固定子と、流体の通路を有する弁ハウジングと、前記シャフトとともに往復移動することにより前記通路を遮断または導通させる弁部材と、前記可動子または前記シャフトを前記通路の導通する方向に付勢する付勢手段と、前記可動子の反第1の固定子側への移動を規制する規制部、ならびに前記シャフトが摺動可能な軸受部を一体に形成するストッパ部材と、を備えることを特徴とする電磁弁。
【請求項2】 前記第1の固定子の前記可動子に対向する部分に形成される溝部と、前記シャフトの前記第1の固定子側端部に設けられ、前記溝部内壁に内接可能な突出部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
【請求項3】 前記突出部は、形状が球状または樽状であることを特徴とする請求項2記載の電磁弁。
【請求項4】 前記シャフトの前記弁部材近傍に設けられ、前記弁ハウジングの内壁に摺動可能なプレート部材を備えることを特徴とする請求項1、2または3記載の電磁弁。
【請求項5】 通電することにより磁力を発生するコイルと、磁性材からなる第1の固定子と、前記第1の固定子に対向して設けられ、前記コイルに発生する磁力により前記第1の固定子側に吸引される可動子と、前記可動子とともに往復移動可能なシャフトと、前記第1の固定子および前記可動子とともに磁気回路を形成する第2の固定子と、流体の通路を有する弁ハウジングと、前記シャフトとともに往復移動することにより前記通路を遮断または導通させる弁部材と、前記可動子または前記シャフトを前記通路の導通する方向に付勢する付勢手段と、前記第1の固定子の前記可動子に対向する部分に形成される溝部と、前記シャフトの前記第1の固定子側端部に設けられ、前記溝部内壁に内接可能な突出部と、前記シャフトの前記弁部材近傍に設けられ、前記弁ハウジングの内壁に摺動可能なプレート部材と、を備えることを特徴とする電磁弁【請求項6】 前記突出部は、形状が球状または樽状であることを特徴とする請求項5記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁に関し、例えば車両の燃料タンク等からの蒸発燃料を吸着処理し大気中への蒸発燃料の放出を防止する蒸発燃料処理装置(以下、「キャニスタ」という。)等の大気圧よりも低い圧力(負圧)の圧力源に接続される電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンク等の燃料系から蒸発する蒸発燃料は揮発性であるため、一時的に蓄える機能が必要となる。そこで、エンジンに接続される燃料吸気管と燃料タンクとの間には活性炭の詰められたキャニスタが設けられ、このキャニスタにより蒸発燃料を除去している。そして、運転時にはキャニスタの外部から大気を取入れ活性炭が捕らえた蒸発燃料を離脱させ、燃料吸気管側に離脱した蒸発燃料を吸込ませることで活性炭を浄化させている。そのため、キャニスタの内外を連通または遮断させる電磁弁がキャニスタに取り付けられており、この電磁弁を開弁させることでキャニスタの外部から大気を取り入れ、またこの電磁弁を閉弁させることによりキャニスタを大気から遮断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の電磁弁として、スプリングに付勢されて可動するシャフトの一端に可動鉄心を取付け、他端に弁体等を取付けることで可動部材を構成し、キャニスタの内外を連通させる通路を弁体によって開閉するものが知られている。上記構成の従来の電磁弁によると、可動鉄心と固定鉄心との対向面積上の条件から可動鉄心を吸引する電磁吸引力が制限されるため、可動鉄心と固定鉄心との離隔距離が制限を受ける。そのため、可動鉄心の移動と連動して移動する弁体の可動長も同様の制限を受けることから、開弁時、弁座を形成する通路の開口と弁体との隙間面積が大気の流通する通路の開口面積に対して十分に確保することができない。したがって、通路の開口と弁体との隙間で圧力損失を生じ大流量の大気の流れを妨げるという問題を生ずる。
【0004】そこで、例えば図6に示すように、低背の釣鐘状に形成されたハウジング110と、このハウジング110内に収容される電磁ソレノイド101と、この電磁ソレノイド101が保持されるコイル保持部材108とから構成され、電磁ソレノイド101を通電状態にすると、ムービングコア116が電磁吸引力によりヨーク103側に吸引され、ムービングコア116自体が磁路構成部材となる電磁弁が知られている。この電磁弁によると、弁体としてヨーク103の連通孔103aを遮蔽するシートゴム117をムービングコア116に取付けることで、部品点数を削減するとともに、大気流路を直線的に形成することで、圧力損失を防止し、大流量の大気の流通を可能にする。
【0005】しかしながら、図6に示す構成の電磁弁では、ムービングコア116の軸受部であるコイル保持部材108の内壁でのみムービングコア116を支持する構成であるため、ムービングコア116の軸が傾き易い傾向にある。ムービングコア116の軸が傾くと、ムービングコア116に取付けられているシートゴム117がヨーク103のシート部に対して傾いて当接するため、弁漏れが発生し易いという問題があった。
【0006】本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で可動部の軸方向の傾きを抑制し、弁漏れを防止する電磁弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の電磁弁によると、ストッパ部材は、可動子の反第1の固定子側への移動を規制する規制部と、シャフトが摺動可能な軸受部とを一体に形成している。このため、可動子の反第1の固定子側への移動と、シャフトの軸方向の傾斜とがストッパ部材という単一の部材により規制される。これにより、部品点数を増加することなく簡単な構成で、シャフトの軸方向の傾きが抑制される。したがって、弁部材の弁ハウジングに対する当接精度が向上し、弁漏れを防止することができる。
【0008】本発明の請求項2記載の電磁弁によると、第1の固定子の可動子に対向する部分に溝部が形成され、上記の溝部内壁に内接可能な突出部がシャフトの第1の固定子側端部に設けられているので、シャフトの軸方向の傾きがさらに抑制される。
【0009】本発明の請求項3記載の電磁弁によると、突出部の形状が球状または樽状であるので、シャフトの軸方向の傾きにより突出部が溝部内壁に固着されることを防止し、弁漏れをさらに防止することができる。
【0010】本発明の請求項4記載の電磁弁によると、弁ハウジングの内壁に摺動可能なプレート部材がシャフトの弁部材近傍に設けられているので、シャフトの軸方向の傾きが確実に抑制される。したがって、弁部材の弁ハウジングに対する当接精度がさらに向上し、弁漏れを確実に防止することができる。
【0011】本発明の請求項5記載の電磁弁によると、第1の固定子の可動子に対向する部分に溝部が形成され、上記の溝部内壁に内接可能な突出部がシャフトの第1の固定子側端部に設けられている。このため、簡単な構成でシャフトの軸方向の傾きが抑制され、弁漏れが防止される。さらに、弁ハウジングの内壁に摺動可能なプレート部材がシャフトの弁部材近傍に設けられているので、シャフトの軸方向の傾きが確実に抑制される。したがって、弁部材の弁ハウジングに対する当接精度がさらに向上し、弁漏れを確実に防止することができる。
【0012】本発明の請求項6記載の電磁弁によると、突出部の形状が球状または樽状であるので、シャフトの軸方向の傾きにより突出部が溝部内壁に固着されることを防止し、弁漏れをさらに防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)本発明の第1実施例による電磁弁を図1および図2に示し、第1実施例による電磁弁を適用したシステムの概要図を図3に示す。
【0014】図3に示すシステムは、燃料タンク23と連通する配管22b、22cから発生するエバポエミッションのリークチェックを実施するシステムである。以下、このシステム構成の概要を説明する。
【0015】燃料タンク23は配管22cを介してキャニスタ22に連通している。この配管22cには一定時間後の圧力上昇を検知する圧力センサ25が接続されている。キャニスタ22はキャニスタ大気開放配管22aを介して電磁弁21に連通するとともに、配管22bを介してパージバルブ24の一端にも連通している。そして、パージバルブ24の他端は吸気管26に連通している。なお、電磁弁21の反キャニスタ側には、大気中のゴミ等の異物を取り除くためのゴミ捕集用フィルタ27が設けられている。
【0016】このシステムで燃料タンク23と、連通する配管22bおよび配管22cから発生するエバポエミッションのリークチェックは次に示す順序により行われる。キャニスタ22のキャニスタ大気開放配管22aを電磁弁21で閉じる。そして、パージバルブ24を開放することにより、吸気管26から大気圧よりも低い所定の圧力(負圧)を配管22b、配管22c側へ導入し、導入後、パージバルブ24を閉じることでエバポエミッションを完全に遮蔽する。一定時間経過したのち、圧力センサ25へどれくらい圧力上昇したかを測定することでエバポエミッションのリークチェックが行われる。
【0017】次に電磁弁21の構成を図1および図2に基づいて説明する。図1は、電磁ソレノイド1に電流を流さないで磁気吸引力を発生させていない弁開状態を示し、図2は、電磁ソレノイド1に電流を流して磁気吸引力を発生させてムービングコアを作動させた弁閉状態を示す。
【0018】図1および図2に示すように、電磁弁21は、筒状に形成されたハウジング10と、このハウジング10に熱圧着等により接着される弁ハウジングとしてのシートバルブ8と、シートバルブ8内に収容および保持される電磁ソレノイド1と、電磁ソレノイド1で発生する磁気吸引力により駆動されるシャフト14および弁部材17等から構成されている。そして、ハウジング10に形成された第1通路10aと、シートバルブ8に形成された第2通路8aとの連通を弁部材17により導通または遮断している。
【0019】ゴム材、樹脂モールド材、これらの混合物または化合物等からなるハウジング10の上部には大気が流入する第1通路10aが形成されており、ハウジング10と同様の材質からなり有底筒状のシートバルブ8には、上記の第1通路10aを流通する大気がシートバルブ8内に流通できるように連通孔8bが形成されている。シートバルブ8の下部には第2通路8aが形成されており、連通孔8bと第2通路8aとの間の内壁には弁部材17が当接可能なシート部8cが形成されている。また、シートバルブ8の図1および図2で下側端部の外周にはOリング18が取付けられている。図3に示すキャニスタ22に電磁弁21を固定するとき、このOリング18によりキャニスタ22側通路と電磁弁21側の第2通路8aとの連通を確実にし、かつキャニスタ22内の気密性を確保している。
【0020】電磁ソレノイド1は、コイル2、ヨーク3、マグネチックプレート4、ステータコア5、ブッシュ7、プレート12およびムービングコア16から構成される磁路構成部材と、コイル2が巻回され、ヨーク3およびマグネチックプレート4により固定される樹脂製のボビンコイル9と、コイル2の巻端が電気的に接続されるターミナル11とを備えている。
【0021】ヨーク3、マグネチックプレート4、ステータコア5、ブッシュ7、プレート12およびムービングコア16は磁性材で形成されている。ヨーク3の一端はステータコア5およびプレート12と磁気的に接続され、ヨーク3の他端はマグネチックプレート4と磁気的に接続され、マグネチックプレート4はブッシュ7と磁気的に接続される。ここで、ステータコア5は第1の固定子を構成し、ヨーク3、マグネチックプレート4、ブッシュ7およびプレート12は第2の固定子を構成し、ムービングコア16は可動子を構成している。
【0022】したがって、ターミナル11からコイル2に電流が供給されると、ヨーク3、マグネチックプレート4、ステータコア5、ブッシュ7、プレート12およびムービングコア16によって構成された磁気回路に磁束が流れ、ステータコア5とムービングコア16との間に磁気吸引力が発生する。すると、ムービングコア16は図1の上方向に移動する。ムービングコア16の図1の上方向への移動はステータコア5により規制され、ムービングコア16の図1の下方向への移動は後述するプレートストッパ13の規制部13bにより規制される。
【0023】ステータコア5は、ムービングコア16と軸方向に対向する部分に溝部5aが形成されており、この溝部5aの内壁に後述するシャフト14の突出部14aが内接可能である。またステータコア5には、溝部5aの内壁下端から下方に向かうにしたがい拡開する断面逆V字形状のテーパ部5bが形成されている。
【0024】ムービングコア16はステータコア5に対向して設けられ、中心部にムービングコア16を軸方向に貫通して非磁性材からなるシャフト14が一体成形等で固定されている。ムービングコア16は、ブッシュ7の内径よりも僅かに小径の外径を有する摺動部16aと、ステータコア5のテーパ部5bの形状に合わせて形成されるテーパ部16bとを有している。摺動部16aとブッシュ7との隙間は、後述するシャフト14の摺動部14cとプレートストッパ13の軸受部13cとのクリアランスよりも大きく形成されている。
【0025】ステータコア5とムービングコア16との間には付勢手段としての圧縮コイルスプリング6が収容されている。この圧縮コイルスプリング6の一端はステータコア5の溝部5aの内壁下端に当接し、他端は後述するシャフト14の鍔部14bに当接している。これにより、ムービングコア16およびシャフト14は圧縮コイルスプリング6によって反ステータコア側に付勢されている。
【0026】シャフト14はムービングコア16に一体成形等で固定されており、ムービングコア16とともに往復移動する。シャフト14の一端はステータコア5の溝部5aの内壁に内接可能な球状の突出部14aが設けられている。図1および図2に示す第1実施例では、突出部14aの形状を球状としたが、突出部の形状は樽状であってもよい。シャフト14のムービングコア16固定部上端には圧縮コイルスプリング6の他端が当接する鍔部14bが設けられており、シャフト14のムービングコア16圧入部下端からシャフト14の他端にかけて摺動部14cが設けられている。摺動部14cは後述するプレートストッパ13の軸受部13cを摺動可能である。またシャフトの他端には、弁部材17およびバルブプレート19がワッシャ20により固定されている。
【0027】ストッパ部材としてのプレートストッパ13は、非磁性材からなり、ヨーク3およびマグネチックプレート4に接触する外縁部13aと、ムービングコア16が当接可能な規制部13bと、シャフト14の摺動部14cが摺動可能な軸受部13cとを有する。外縁部13aとシートバルブ8との間には環状のパッキンシール15が取付けられており、シートバルブ8内にプレートストッパ13が組付けられたとき、電磁ソレノイド1の内側と外側とを液密にシールする。規制部13bは、外縁部13aの内周側に段差を形成して設けられており、ムービングコア16の反ステータコア側への移動を規制する。軸受部13cは、規制部13bの内周側が反ステータコア側に延設しており、シャフト14の摺動部14cが摺動可能である。摺動部14cと軸受部13cとのクリアランスは摺動部16aとブッシュ7との隙間よりも小さく形成されているので、シャフト14の軸方向の傾斜が抑制される。
【0028】弁部材17およびバルブプレート19はワッシャ20によりシャフト14の他端に固定されている。ゴム製の弁部材17は、ムービングコア16が圧縮コイルスプリング6の付勢力に抗してステータコア5側に移動したとき、シートバルブ8のシート部8cに当接することによって連通孔8bと第2通路8aとの連通を遮蔽する。すなわち電磁弁21は、弁部材17がシート部8cに着座することで連通孔8bと第2通路8aとの連通を遮蔽し閉弁することができる。このとき、金属製のバルブプレート19が弁部材17を背後から支えることにより弁部材17がたわむことを防止する。
【0029】次に、上記構成の電磁弁21の作動について、図1、図2および図3を用いて説明する。図1に示すように、コイル2が通電されていないとき、ムービングコア16およびシャフト14は圧縮コイルスプリング6によって反ステータコア側に付勢されている。これにより、シートバルブ8のシート部8cから弁部材17が離座するため、第1通路10aおよび連通孔8bと第2通路8aとが連通する。したがって、大気側に開口する第1通路10aと図3に示すキャニスタ22側に開口する第2通路8aとが連通することになる。
【0030】コイル2に通電したとき、コイル2から発生した磁束はヨーク3、マグネチックプレート4、ブッシュ7、ムービングコア16、ステータコア5およびプレート12を閉磁路として流れる。したがって、図2に示すように、ムービングコア16およびシャフト14は圧縮コイルスプリング6の付勢力に抗してステータコア5側に移動するため、弁部材17がシート部8cに着座する。これにより、第1通路10aおよび連通孔8bと第2通路8aとの連通が遮断され、大気側と図3に示すキャニスタ22側との連通が遮断される。このとき、ムービングコア16のテーパ部16bは、ステータコア5のテーパ部5bの形状に合わせて形成されているので、テーパ状に形成することなく径方向外側に向かってまっすぐに伸びるように形成した場合に較べて、ステータコア5とムービングコア16との対向面積を広くすることができる。これにより、ステータコア5とムービングコア16との磁気的結合をより密にしている。また、シャフト14の摺動部14cがプレートストッパの軸受部13cを摺動することで、シャフト14に軸方向の傾きが発生することが防止される。さらに、シャフト14の突出部14aがステータコア5の溝部5aの内壁に内接しつつシャフト14が軸方向に円滑に移動することで、シャフト14の軸方向の傾きがさらに防止され、シャフト14にスティックが発生することが防止される。
【0031】以上説明した本発明の第1実施例においては、ムービングコア16の反ステータコア側への移動がプレートストッパ13の規制部13bにより規制され、シャフト14の軸方向の傾斜がプレートストッパ13の軸受部13cにより規制される。このため、プレートストッパ13という単一の部材により、部品点数を増加することなく簡単な構成で、シャフト14の軸方向の傾きが抑制される。したがって、弁部材17のシート部8cに対する当接精度が向上し、弁漏れを防止することができる。
【0032】さらに第1実施例においては、ステータコア5の溝部5aの内壁に内接可能な突出部14aがシャフト14のステータコア5側端部に設けられているので、シャフト14の軸方向の傾きがさらに抑制される。また、突出部14aの形状を球状または樽状とすることで、シャフト14の軸方向の傾きにより突出部14aが溝部5aの内壁に固着されることを防止し、弁漏れをさらに防止することができる。
【0033】第1実施例では、電磁弁21をエバポエミッションのリークチェックを実施するシステムに適用した例を説明したが、本発明ではこれに限られることはなく、例えば本発明の電磁弁をオンボードリフューエリングベーパリカバリシステム等の他のシステムに適用してもよい。
【0034】(第2実施例)本発明の第2実施例を図4に示す。図4に示す第2実施例においては、図1に示す第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付す。
【0035】図4に示すように、ストッパ部材としてのプレートストッパ33は、非磁性材からなり、ヨーク3およびマグネチックプレート4に接触する外縁部33aと、ムービングコア16が当接可能な規制部33bとを有する。外縁部33aと弁ハウジングとしてのシートバルブ38との間には環状のパッキンシール15が取付けられており、シートバルブ38内にプレートストッパ33が組付けられたとき、電磁ソレノイド1の内側と外側とを液密にシールする。規制部33bは、外縁部33aの内周側に段差を形成して設けられており、ムービングコア16の反ステータコア側への移動を規制する。
【0036】ゴム材、樹脂モールド材、これらの混合物または化合物等からなる有底筒状のシートバルブ38には、第1通路10aを流通する大気がシートバルブ38内に流通できるように連通孔38bが形成されている。シートバルブ38の下部には第2通路38aが形成されており、連通孔38bと第2通路38aとの間の内壁には弁部材17が当接可能なシート部38cが形成されている。
【0037】弁部材17およびバルブプレート39はワッシャ20によりシャフト14の他端に固定されている。ゴム製の弁部材17は、ムービングコア16が圧縮コイルスプリング6の付勢力に抗してステータコア5側に移動したとき、シートバルブ38のシート部38cに当接することによって連通孔38bと第2通路38aとの連通を遮蔽する。このとき、金属製のバルブプレート39が弁部材17を背後から支えることにより弁部材17がたわむことを防止する。
【0038】プレート部材としてのバルブプレート39は、外縁が反ステータコア側に延設しており、シートバルブ38の内壁38dに摺動可能な摺動部39aを有している。摺動部39aと内壁38dとのクリアランスは摺動部16aとブッシュ7との隙間よりも小さく形成されているので、シャフト14の軸方向の傾斜が抑制される。
【0039】図4に示すように、コイル2に通電されていないとき、ムービングコア16およびシャフト14が圧縮コイルスプリング6によって反ステータコア側に付勢されている。これにより、シートバルブ38のシート部38cから弁部材17が離座し、第1通路10aおよび連通孔38bと第2通路38aとが連通する。
【0040】コイル2に通電したとき、コイル2から発生した磁束はヨーク3、マグネチックプレート4、ブッシュ7、ムービングコア16、ステータコア5およびプレート12を閉磁路として流れる。したがって、ムービングコア16およびシャフト14は圧縮コイルスプリング6の付勢力に抗してステータコア5側に移動するため、弁部材17がシート部38cに着座する。これにより、第1通路10aおよび連通孔38bと第2通路8aとの連通が遮断される。このとき、バルブプレート39の摺動部39aがシートバルブ38の内壁38dを摺動することで、シャフト14に軸方向の傾きが発生することが防止される。
【0041】以上説明した本発明の第2実施例においては、ステータコア5の溝部5aの内壁に内接可能な突出部14aがシャフト14のステータコア5側端部に設けられているので、簡単な構成でシャフト14の軸方向の傾きが抑制され、弁漏れを防止することができる。また、突出部14aの形状を球状または樽状とすることで、シャフト14の軸方向の傾きにより突出部14aが溝部5aの内壁に固着されることを防止し、弁漏れをさらに防止することができる。さらに、バルブプレート39の摺動部39aがシートバルブ38の内壁38dを摺動することで、弁部材17のシート部38cに対する当接精度がさらに向上し、弁漏れを確実に防止することができる。
【0042】(第3実施例)本発明の第3実施例を図5に示す。図5に示す第3実施例においては、図1に示す第1実施例および図4に示す第2実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付す。
【0043】図5に示すように、ストッパ部材としてのプレートストッパ13は、非磁性材からなり、ヨーク3およびマグネチックプレート4に接触する外縁部13aと、ムービングコア16が当接可能な規制部13bと、シャフト14の摺動部14cが摺動可能な軸受部13cとを有する。外縁部13aとシートバルブ38との間には環状のパッキンシール15が取付けられており、シートバルブ38内にプレートストッパ13が組付けられたとき、電磁ソレノイド1の内側と外側とを液密にシールする。規制部13bは、外縁部13aの内周側に段差を形成して設けられており、ムービングコア16の反ステータコア側への移動を規制する。軸受部13cは、規制部13bの内周側が反ステータコア側に延設しており、シャフト14の摺動部14cが摺動可能である。摺動部14cと軸受部13cとのクリアランスは摺動部16aとブッシュ7との隙間よりも小さく形成されているので、シャフト14の軸方向の傾斜が抑制される。
【0044】コイル2に通電したとき、コイル2から発生した磁束はヨーク3、マグネチックプレート4、ブッシュ7、ムービングコア16、ステータコア5およびプレート12を閉磁路として流れる。したがって、ムービングコア16およびシャフト14は圧縮コイルスプリング6の付勢力に抗してステータコア5側に移動するため、弁部材17がシート部38cに着座する。これにより、第1通路10aおよび連通孔38bと第2通路8aとの連通が遮断される。このとき、シャフト14の摺動部14cがプレートストッパの軸受部13cを摺動することで、シャフト14に軸方向の傾きが発生することが防止される。さらに、バルブプレート39の摺動部39aがシートバルブ38の内壁38dを摺動することで、シャフト14に軸方向の傾きが発生することがさらに防止される。
【0045】以上説明した本発明の第3実施例においては、ムービングコア16の反ステータコア側への移動がプレートストッパ13の規制部13bにより規制され、シャフト14の軸方向の傾斜がプレートストッパ13の軸受部13cにより規制される。このため、プレートストッパ13という単一の部材により、部品点数を増加することなく簡単な構成で、シャフト14の軸方向の傾きが抑制される。したがって、弁部材17のシート部8cに対する当接精度が向上し、弁漏れを防止することができる。
【0046】さらに第3実施例においては、バルブプレート39の摺動部39aがシートバルブ38の内壁38dを摺動することで、弁部材17のシート部38cに対する当接精度がさらに向上し、弁漏れを確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年1月17日(2000.1.17)
【代理人】 【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
【公開番号】 特開2001−200948(P2001−200948A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−7463(P2000−7463)