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【発明の名称】 スライド式ガス栓の点検具
【発明者】 【氏名】仁科 雅雄

【要約】 【課題】ソケットが着脱自在に装着されるプラグ部と直列一体化されたスライド式ガス栓内の常時閉弁方向に付勢されているスライド栓の戻り異常を確実に検知することができる点検具を提供すること。

【解決手段】前記ソケットと同様の着脱自在な連結機構を内蔵するソケット部(1) と、これに進退自在に内蔵されると共に前記プラグ部との接続側(一方側)に向かって付勢された進退軸(21)(22)とからなり、進退軸の一方(21)の端部は前記プラグ部内に挿入される位置にあり、ソケット部(1) がガス栓に非接続状態にて、進退軸(21)(22)は所定の設定位置にあり、前記スライド栓が正常な閉弁位置にあるプラグ部にソケット部(1) を接続した時には、進退軸(21)(22)は前記設定位置から所定距離他方へ突出するように、進退軸(21)(22)の前記付勢力の大きさ及びその進退軌跡は設定されており、前記進退は外観し得る構成としたこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガスホース接続用のソケットが着脱自在に接続するプラグ部と直列一体化されたスライド式ガス栓に内蔵され且バネによって常時閉方向に付勢されているスライド栓の戻り異常を検知するスライド式ガス栓の点検具であって、前記ソケットと同様の着脱自在な連結機構を内蔵するソケット部と、前記ソケット部に進退自在に内蔵されると共に前記ソケット部における前記プラグ部との接続側である一方に向かって付勢された進退軸とからなり、前記進退軸は前記一方側の端部が前記プラグ部内に挿入される位置にあり、前記ソケット部が前記ガス栓に接続されていない時は、前記進退軸は所定の設定位置にあり、前記スライド栓が正常な閉弁位置にある前記プラグ部に前記ソケット部が接続された時には、前記進退軸は前記ソケット部内の前記設定位置から所定距離他方へ突出されるように、前記進退軸の前記付勢力の大きさ及び進退軸の進退軌跡は設定されており、前記進退軸の進退を外観し得る構成としたことを特徴とするスライド式ガス栓の点検具。
【請求項2】 請求項1のスライド式ガス栓の点検具において、前記進退軸の前記ソケット部から突出している部分は前記ソケット部に連結された外ケース内に収容されていると共に、前記進退軸の所定位置には軸線方向に連続する一定幅の色付き部が形成されているものとし、前記外ケースには、内部が透視可能な所定幅の透視窓が形成されてあり、前記色付き部の幅は、前記透視窓の幅に略一致させてあり、前記設定位置は、前記色付き部の前記一方側の端部が前記透視窓の前記一方側の端縁にほぼ一致する位置とし、前記スライド栓が正常な閉弁位置にある前記プラグ部に前記ソケット部が接続された時には、前記色付き部の前記端部が前記透視窓の他方の端縁にほぼ一致するように、前記スライド栓を閉方向に付勢している第1バネの付勢力よりも、前記進退軸を前記ソケット側に向かって付勢している第2バネの付勢力を小さく設定したスライド式ガス栓の点検具。
【請求項3】 請求項2のスライド式ガス栓の点検具において、前記進退軸は、前記ソケット部に一端側が内蔵されている第1進退軸と、前記ソケット部から突出している前記第1進退軸の他端に連結され且前記第1進退軸とは異なる色の第2進退軸とからなり、前記第1進退軸と前記第2進退軸との境界部分が前記色付き部の前記一方側の端部であるスライド式ガス栓の点検具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、常時閉方向に付勢されているスライド栓を内蔵するスライド式ガス栓の、前記スライド栓の戻り異常(閉弁異常)を検知する点検具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カップリング装置を用いた可撓管接続具を利用するものの一つとして、ワンタッチ装着を可能にしたガス栓が知られている。この種ガス栓(39)は、図4の右側に示すように、ガス通路(34)に連通するコック本体(31)からプラグ部(3) が突出した構成であり、プラグ部(3) の先端外周部には環状凹溝(30)が形成されてある。又、前記ガス栓(39)内には、リフト弁(37)と、その後方に続くスライド栓(38)とが内蔵されており、これらリフト弁(37)及びスライド栓(38)は、バネ(32)(33)によってプラグ部(3) の開放端側に付勢されている。言い換えれば、プラグ部(3) の開放端部は、バネ(32)に付勢されたリフト弁(37)によって、常時閉塞状態に維持されており、ガス通路(34)は、バネ(33)に付勢されたスライド栓(38)によって常時閉弁状態に維持されている。この形式のガス栓(39)を開弁させるには、同図左に示すような、リフト弁(37)を内方へ押す押圧軸(40)を有する、一般に、ソケット(4) と呼ばれている接続具を接続させれば良い。
【0003】ソケット(4) は、プラグ部(3) の端面に押圧され且バネ(42)によってソケット(4) の開放端側(前方)へ付勢されているゴム筒(41)と、ゴム筒(41)を内蔵する保持筒(43)と、保持筒(43)に貫通するように具備させたロック用ボール(44)と、保持筒(43)に対して軸線方向に摺動自在に外嵌すると共にバネ(45)によってソケット(4) の前方へ突出する方向へ付勢されている進退筒(46)とを具備している。尚、進退筒(46)の後方内周面には小径段部(47)が形成されており、ソケット(4)をガス栓(39)に接続させない状態において、ロック用ボール(44)はゴム筒(41)の外周面によって支持された状態となると共に前記保持筒(43)よりも外方へ突出するロック用ボール(44)の一部分が小径段部(47)よりも前方に収容されるような構成となっている。すなわち、保持筒(43)の小径段部(47)の前端面がロック用ボール(44)に後方から係合することとなり、これにより、進退筒(46)は非突出状態が維持される態様となる。
【0004】このソケット(4) をガス栓(39)の先端に外嵌させて押し込むと、図5に示すように、ゴム筒(41)がプラグ部(3) の先端面で押されて収縮すると共に、プラグ部(3) の環状凹溝(30)がロック用ボール(44)の配設位置に一致した時に、ロック用ボール(44)は小径段部(47)によって内方へ押され、前記環状凹溝(30)に嵌り込む。これと同時に、小径段部(47)のロック用ボール(44)への係合が解除されて、進退筒(46)はバネ(45)の付勢力によって前方へ突出し、ロック用ボール(44)の外方側は小径段部(47)に押えられて、ロック用ボール(44)は環状凹溝(30)に抜止め状態に係合した状態が維持されることとなる。
【0005】この状態において、プラグ部(3) 内のリフト弁(37)は、ソケット(4) の押圧軸(40)によって、ガス栓(39)の内方へ押されると共に、リフト弁(37)によってスライド栓(38)が内方へ押されて、ガス栓(39)は開弁する。これにより、ガス通路(34)内のガスは、ガス栓(39)及びソケット(4) 、さらには、ソケット(4) に取り付けられているガスゴム管を介してガス機器に供給されることとなる。ガス栓(39)からソケット(4) を取り外すには、進退筒(46)を後退させて、小径段部(47)をロック用ボール(44)よりも後方に位置させる。すると、ゴム筒(41)はバネ(42)の付勢力により弾性復帰し、ガス栓(39)の端面を押すと同時にロック用ボール(44)はゴム筒(41)の端面で押されて環状凹溝(30)から弾き出され、ソケット(4) はプラグ部(3) から取り外されることとなる。この状態において、リフト弁(37)及びスライド栓(38)は、バネ(32)(33)によって閉弁状態に復帰することとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ソケット(4) に接続されて開弁させられたスライド栓(38)が、閉弁状態に復帰させられる際に、プラグ部(3) 内にごみ等の不純物が混入してたり、又は、スライド栓(38)がプラグ部(3) 内を正確に摺動せずに途中で引っ掛かったりして、スライド栓(38)が正常に復帰しない不都合がある。この場合でも、バネ(32)に付勢されたリフト弁(37)によって、プラグ部(3) の開放端部は閉塞された状態が維持されるため、スライド栓(38)の戻り異常による閉弁異常がガス栓(39)の外観からは確認することはできない。
【0007】スライド栓(38)の戻り異常を確認するには、リフト弁(37)の内方へ押してみて、その移動距離や移動荷重で判定する方法が採用されているが、ガス栓(39)内におけるスライド栓(38)の異常停止位置によって、その検知方法は一律ではなく、不確実である。又、プラグ部(3) 内に検知治具を挿入する方法では、万一、スライド栓(38)が開弁状態で異常停止していた場合、プラグ部(3) からガス漏れが生じてしまうため危険である。
【0008】本発明は、常時閉弁方向に付勢されているスライド栓が内蔵されたスライド式ガス栓の、前記スライド栓の戻り異常(閉弁異常)を確実に検知することができるスライド式ガス栓の点検具を提供することを課題とする。
[1項]
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決するために講じた本発明の解決手段は、『ガスホース接続用のソケットが着脱自在に接続するプラグ部と直列一体化されたスライド式ガス栓に内蔵され且バネによって常時閉方向に付勢されているスライド栓の戻り異常を検知するスライド式ガス栓の点検具であって、前記ソケットと同様の着脱自在な連結機構を内蔵するソケット部と、前記ソケット部に進退自在に内蔵されると共に前記ソケット部における前記プラグ部との接続側である一方に向かって付勢された進退軸とからなり、前記進退軸は前記一方側の端部が前記プラグ部内に挿入される位置にあり、前記ソケット部が前記ガス栓に接続されていない時は、前記進退軸は所定の設定位置にあり、前記スライド栓が正常な閉弁位置にある前記プラグ部に前記ソケット部が接続された時には、前記進退軸は前記ソケット部内の前記設定位置から所定距離他方へ突出されるように、前記進退軸の前記付勢力の大きさ及び進退軸の進退軌跡は設定されており、前記進退軸の進退を外観し得る構成とした』ことである。
【0010】この点検具は、上記したような通常のスライド式ガス栓に内蔵されているスライド栓の戻り異常を確認するものである。前記ソケット部は、通常のソケットと同様な要領で前記ガス栓のプラグ部に着脱できる。スライド栓が正常な閉弁位置にあるガス栓のプラグ部に、前記ソケット部を接続させると、ソケット部に内蔵されている進退軸は、前記ソケット部内における所定の設定位置から、前記ソケット部のプラグ部への接続側(一方側)と反対側へ所定距離だけ突出する。前記所定の設定位置から前記所定距離だけ移動したかどうかは目で確認することができる。スライド栓が正常に戻っていない状態のガス栓のプラグ部にソケット部を接続させると、前記進退軸の、前記設定位置からの移動距離が通常の場合と異なることから、前記スライド栓の戻り異常(閉弁異常)を検知することができる。
【0011】[2項]上記1項の発明のスライド式ガス栓の点検具において、『前記進退軸の前記ソケット部から突出している部分は前記ソケット部に連結された外ケース内に収容されていると共に、前記進退軸の所定位置には軸線方向に連続する一定幅の色付き部が形成されているものとし、前記外ケースには、内部が透視可能な所定幅の透視窓が形成されてあり、前記色付き部の幅は、前記透視窓の幅に略一致させてあり、前記設定位置は、前記色付き部の前記一方側の端部が前記透視窓の前記一方側の端縁にほぼ一致する位置とし、前記スライド栓が正常な閉弁位置にある前記プラグ部に前記ソケット部が接続された時には、前記色付き部の前記端部が前記透視窓の他方の端縁にほぼ一致するように、前記スライド栓を閉方向に付勢している第1バネの付勢力よりも、前記進退軸を前記ソケット側に向かって付勢している第2バネの付勢力を小さく設定した』ものでは、ソケット部を前記ガス栓に接続させていない状態においては、外ケースに形成されている透視窓から見える前記進退軸の略全域が前記色付き部である。この状態が、進退軸の前記所定の設定位置にある状態である。ソケット部をガス栓に接続させると、前記ガス栓内の第1バネの付勢力よりも、進退軸をソケット部側に付勢している第2バネの付勢力は小さく設定されていることから、前記進退軸は、スライド栓によって前記他方側へ押されて移動することとなる。前記色付き部が前記透視窓から外れる位置まで進退軸が移動させられるかどうかで、ガス栓内のスライド栓が正常な位置に復帰しているかどうかを確認することができる。
【0012】[3項]上記1及び2項の発明のスライド式ガス栓の点検具において、『前記進退軸は、前記ソケット部に一端側が内蔵されている第1進退軸と、前記ソケット部から突出している前記第1進退軸の他端に連結され且前記第1進退軸とは異なる色の第2進退軸とからなり、前記第1進退軸と前記第2進退軸との境界部分が前記色付き部の前記一方側の端部である』ものでは、ソケット部を前記ガス栓に接続させていない状態においては、前記透視窓から見えるのは、第2進退軸のみである。そして、スライド栓が正常位置に復帰しているガス栓にソケット部を接続させると、前記透視窓から見えるのは前記第2進退軸とは異なる色に着色されている第1進退軸のみである。このように、透視窓から見える色の変化で、ガス栓内におけるスライド栓の戻り状態を確認することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明のスライド式ガス栓の点検具では、ガス栓内のスライド栓の戻り状態が、進退軸の移動距離を確認することによって検知することができるから、スライド式ガス栓におけるスライド栓の戻り異常(閉弁異常)の点検を容易に且確実に行うことができる。又、通常のソケットと同様な要領で、前記ソケット部をガス栓の先端に外嵌させて接続することができるから、ガス栓への装着が容易である上に、万一、スライド栓が開状態のままガス栓内で停止している場合でも、外部にガス漏れを生じさせることなくスライド栓の戻り異常を検知することができる。
【0014】2項に記載の発明の点検具では、透視窓から進退軸の色付け部が見えるか見えないかによって、スライド栓の戻り異常を検知することができるから、上記効果に加えて、点検具によるスライド栓の戻り異常をより一層確認し易いという効果がある。
【0015】3項に記載の発明の点検具では、透視窓から見える進退軸の色によって、ガス栓のスライド栓の戻り異常を確認することができるから、2項に記載の発明の場合と同様に、スライド栓の戻り異常をさらに容易に検知することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。この実施の形態のスライド式ガス栓の点検具は、図1に示すように、ガス栓のプラグ部(3) に外嵌接続可能なソケット部(1) と、ソケット部(1) に連通状態に連続する軸部(2) とから構成されているものとする。又、プラグ部(3) の先端部外周には、環状凹溝(30)が形成されている。
【0017】尚、この実施の形態の点検具が使用可能なガス栓としては、図4に示したような形式のスライド式ガス栓でも良いが、この実施の形態では、図2に示すように、図4のリフト弁(37)をスライド栓(38)と一体化させてなるスライド栓(35)を、第1バネ(33)によって閉弁方向に付勢させた形式のスライド式のガス栓(49)を採用する。
【0018】[ソケット部(1) の構成について]ソケット部(1) は、図1に示すように、外筒(10)の開放端(前端)から進退筒(16)が突出した外観を有し、進退筒(16)の後端と外筒(10)内の所定位置に設けられた基端面との間にはバネ(15)が介在されており、バネ(15)によって、進退筒(16)は外筒(10)に対して前方へ突出する方向へ付勢させられている。又、進退筒(16)の後部域は内方へ隆起する小径段部(17)が形成されている。前記外筒(10)及び進退筒(16)の内側には、保持筒(13)が内嵌させられている。保持筒(13)の先端部近傍には、3つの貫通孔(19)が周方向に等間隔に形成されており、各貫通孔(19)にはロック用ボール(14)がそれぞれ嵌め込まれている。尚、ロック用ボール(14)の直径は貫通孔(19)の厚さよりも大きく設定されている。
【0019】又、保持筒(13)の後端部には軸部(2) 内へ延長する軸筒部(23)が形成されている。尚、保持筒(13)は不透明樹脂から構成されているものとする。保持筒(13)内には、ゴム筒(11)が内嵌されており、このゴム筒(11)には、その前端部に金属環(18)が外嵌され、金属環(18)の後端部と、ゴム筒(11)の基端部との間に介在させたバネ(12)によって、ゴム筒(11)は前方へ伸びる方向に付勢されている。
【0020】[軸部(2) の構成について]軸部(2) は、ソケット部(1) の後方に連結された透明樹脂からなる前方開放の筒状の外ケース(20)内に、第1進退軸(21)と第2進退軸(22)とを、第2バネ(24)によって、ソケット部(1) 側へ付勢させた構成である。外ケース(20)の開放端側は、前記ソケット部(1) 内の保持筒(13)の後方に連続させた前記軸筒部(23)に外嵌接続されていると共に、外ケース(20)の後方域には、不透明樹脂からなる筒部材(25)を外嵌させてある。前記筒部材(25)の前方端は前記軸筒部(23)の後方端から所定距離離れて位置するように取り付けられてあり、不透明な筒部材(25)の前方端と同様に不透明な軸筒部(23)の後方端との間の部分が、外ケース(20)の周方向に設けられ且内部を透視できる透視窓(26)として機能する。
【0021】第1進退軸(21)と第2進退軸(22)とは、第2進退軸(22)の底部(27)に形成されている貫通孔に、第1進退軸(21)の後方軸部(28)が貫通することにより、一体となっており、底部(27)の内側面と外ケース(20)の底部内面との間に介在させた第2バネ(24)によって、第2進退軸(22)は、第1進退軸(21)と共にソケット部(1)側へ付勢された態様となる。尚、第1進退軸(21)及び第2進退軸(22)はそれぞれ異なる色に着色されており、この実施の形態のものでは、第1進退軸(21)は緑色、第2進退軸(22)は赤色とする。又、筒部材(25)は白色に着色された不透明樹脂からなり、保持筒(13)も白っぽい樹脂から構成されているものとする。
【0022】[ソケット部(1) をガス栓に接続させない状態について]ソケット部(1) をガス栓に接続させない不使用状態における本発明実施の形態における点検具は、図1に示すように、ロック用ボール(14)の内方には、ゴム筒(11)の前端部分に外嵌されている金属環(18)が位置しており、バネ(15)によって前方へ付勢されている進退筒(16)の小径段部(17)が後方からロック用ボール(14)に係合する態様となっている。これにより、進退筒(16)は、ロック用ボール(14)によって、前記バネ(15)の付勢力による前方への突出が阻止され、外筒(10)に対して、非突出状態が維持される。
【0023】又、軸部(2) 内の、第1進退軸(21)及び第2進退軸(22)は、第2バネ(24)の付勢力により、前方へ最大出力状態となっており、この状態において、第1進退軸(21)と第2進退軸(22)との境界部分(29)は、軸筒部(23)の後端部に一致するか又はそれよりも僅かに前方に位置すると共に、第1進退軸(21)の前端部が、ソケット部(1) の進退筒(16)の前端部に略一致するように、第2バネ(24)の付勢力、第1進退軸(21)及び第2進退軸(22)の長さ、さらには、透視窓(26)の幅は、所定の寸法関係に設定されているものとする。これにより、白色の筒部材(25)と軸筒部(23)との間の透視窓(26)から、赤色の第2進退軸(22)のみが透視されることとなる。尚、第2バネ(24)の付勢力は、ソケット部(1) を接続させるガス栓(49)に内蔵され且、スライド栓(35)を閉弁方向に付勢している第1バネ(33)の付勢力よりも弱く設定しておく。
【0024】[ソケット部(1) をガス栓に接続させた状態について−1]図2は、ソケット部(1) を、スライド栓(35)が正常な戻り状態にあるガス栓(49)に接続させた使用状態を示す前記点検具の断面図である。ガス栓(49)のプラグ部(3) を、ソケット部(1) の開放端に差し込むと、第1進退軸(21)の先端部はプラグ部(3) 内に僅かながら挿入されると共に、スライド栓(35)の端面に当接する。これと同時に、プラグ部(3) の先端面は、ゴム筒(11)の前方端面に当接し、これらを後方へ押し込みながら、ソケット部(1) は、保持筒(13)内に内嵌状態に挿入されて行く。
【0025】第2バネ(24)の付勢力は第1バネ(33)のそれよりも弱く設定されているから、第1進退軸(21)は、スライド栓(35)に押されて、第2進退軸(22)と共に軸部(2)の後方へ移動させられる。又、ゴム筒(11)は弾性変形自在であるから、プラグ部(3) の先端面で押されて強制的に収縮させられる。ゴム筒(11)の金属環(18)が、保持筒(13)における貫通孔(19)よりも、後方に移動させられると、貫通孔(19)に嵌っているロック用ボール(14)は、進退筒(16)の小径段部(17)によって前方へ押されて、保持筒(13)の内方へ落ち、プラグ部(3)の環状凹溝(30)内に嵌り込む。
【0026】この状態において、小径段部(17)とロック用ボール(14)との係合は解除されるため、進退筒(16)は、バネ(15)の付勢力によって、外筒(10)の開放端よりも所定距離だけ前方へ勢いよく突出すると共に、ロック用ボール(14)が環状凹溝(30)内に嵌ることにより、ソケット部(1) は、ガス栓(49)のプラグ部(3) の先端に抜止め状態に装着されることとなる。ソケット部(1) がプラグ部(3) に確実に接続されたかどうかは、進退筒(16)の突出態様によって容易に確認することができる。
【0027】ソケット部(1) をプラグ部(3) から取り外すには、進退筒(16)を強制的に後退させる。保持筒(13)の貫通孔(19)が小径段部(17)の前方域に対応すると、ゴム筒(11)がバネ(12)の付勢力によって弾性復帰すると共に、ロック用ボール(14)はプラグ部(3) の環状凹溝(30)から押し出されて、小径段部(17)の前方域に嵌り込むと同時に、ソケット部(1) は、プラグ部(3) から外れることとなる。尚、このソケット部(1) の、プラグ部(3) への脱着の要領は、従来のスライド式ガス栓のプラグ部と、これを開弁させるためのソケットとの関係と同様である。
【0028】ソケット部(1) がプラグ部(3) に抜止め状態に確実に装着された状態において、第1進退軸(21)はスライド栓(35)によって後方へ押され、第2進退軸(22)との境界部分(29)は、筒部材(25)の前端部分に一致するか、又は、それよりも僅かに後方に位置するように、各部の寸法関係及び位置関係は設定されている。言い換えれば、前記白色の筒部材(25)と軸筒部(23)との間の透視窓(26)からは、緑色の第1進退軸(21)のみが透視される態様となる。
【0029】[ソケット部(1) をガス栓に接続させた状態について−2]図3は、ソケット部(1) を、スライド栓(35)が戻り異常(閉弁異常)状態にあるガス栓(49)に接続させた状態を示す断面図である。
【0030】例えば、スライド栓(35)が、開弁状態から閉弁状態に戻る途中で何らかの原因で停止してしまった状態のガス栓(49)に、ソケット部(1) を接続させた場合、上記した要領と同様に、進退筒(16)がバネ(15)の付勢力によって前方に突出すると共に保持筒(13)に具備させたロック用ボール(14)がプラグ部(3) の環状凹溝(30)に抜止め状態に係合し、ソケット部(1) はプラグ部(3) に抜止め状態に装着されるが、スライド栓(35)の先端面は、正常な場合に比べてプラグ部(3) の内に奥まって位置していることから、前記第1進退軸(21)の先端部がスライド栓(35)の先端面に当接するまで、プラグ部(3) 内に挿入される。この為、スライド栓(35)によって押されることによる第1進退軸(21)が後方へ移動する移動距離が短くなり、第1進退軸(21)と第2進退軸(22)との境界部分(29)が、軸部(2) に設けた透視窓(26)よりも後方にまで移動することができず、透視窓(26)の形成範囲内で止まってしまい、透視窓(26)から透視されてしまう。すなわち、透視窓(26)から、赤色の第2進退軸(21)と、緑色の第1進退軸(21)の両方が見えることとなり、この様子から、ガス栓(49)のスライド栓(35)の戻り異常を検知することができるのである。又、境界部分(29)が、透視窓(26)内のうち、どの位置に見えるかによって、ガス栓(49)内におけるスライド栓(35)のおおよその停止位置も推定することができる。
【0031】この実施の形態で使用したガス栓(49)に内蔵させるスライド栓(35)は、スライド栓とリフト弁とを一体としたスライド栓(35)を採用したため、スライド栓(35)の戻り異常が生じた場合、スライド栓(35)の先端面がプラグ部(3) よりも奥まって位置する為、その外観からスライド栓(35)の戻り異常を発見し易いが、図4に示したもののように、リフト弁(37)をバネ(32)によってスライド栓(38)に対して閉塞方向へ付勢させる形式のガス栓(39)では、スライド栓(38)が戻り異常を生じた場合でも、リフト弁(37)は、バネ(32)によってプラグ部(3) の開放端を閉塞する方向に付勢されるため、外観からは、スライド栓(38)の戻り異常を発見することができない。
【0032】このようなガス栓(39)に、本発明実施の形態の点検具のソケット部(1) を接続すると、第1進退軸(21)が、リフト弁(37)をスライド栓(38)に当接するまで内方へ押すため、この分、前方へ進出し、第1進退軸(21)の後方への移動距離が短くなる。このため、透視窓(26)から、境界部分(29)が見えることとなり、スライド栓(38)の戻り異常を発見することができる。このように、本発明の点検具では、バネ(32)で閉塞方向へ付勢されたリフト弁(37)を具備する形式のガス栓(39)におけるスライド栓(38)の戻り異常を検知する点検具としてより一層有効に使用することができる。
【0033】尚、この場合、第2バネ(24)の付勢力は、スライド栓(38)を閉弁方向に付勢している第1バネ第1バネ(33)のそれよりも弱く、且、リフト弁(38)をプラグ部(3) の開放端を閉塞状態に付勢しているバネ(32)の付勢力よりも強く設定されるものとする。又、上記実施の形態の点検具では、軸部(2) に形成される透視窓(26)は、不透明な筒部材(25)と保持筒(13)に連続している軸筒部(23)との間の範囲としたが、軸筒部(23)に対応する外ケース(20)の外表面に、図1の二点鎖線で示すように、不透明な接着テープ(48)を捲回貼着しておけば、透視窓(26)の存在が一層明確なものとなる。
【0034】この点検具では、ガス栓(39)又はガス栓(49)のプラグ部(3) に、通常のソケットと同様な要領で、ソケット部(1) をプラグ部(3) に装着させることができるので、万一、スライド栓(35)又はスライド栓(38)が、開弁状態で停止していた場合でも、ガス栓の外部へガス漏れを生じさせることなく、スライド栓の戻り異常を検知することができる。
【出願人】 【識別番号】000151977
【氏名又は名称】株式会社藤井合金製作所
【出願日】 平成11年12月17日(1999.12.17)
【代理人】 【識別番号】100076912
【弁理士】
【氏名又は名称】坂上 好博 (外1名)
【公開番号】 特開2001−173839(P2001−173839A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−359195