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【発明の名称】 逆止弁内ボールの移動量測定方法
【発明者】 【氏名】長谷川 信彰

【氏名】藤井 智実

【要約】 【課題】ユニオンボルト型の逆止弁におけるボールの移動量を容易に測定可能な逆止弁内ボールの移動量測定方法を提供することである。

【解決手段】ユニオンボルト型逆止弁2に内蔵されているボール8の移動量を測定する逆止弁内ボールの移動量測定方法であって、ユニオンボルト型逆止弁2のキャップ10の隙間からボール保持用ジグ12の一端を差し込んで、ボール8がボール収容部6aの最下部に位置する状態でボール8を捕捉するボール捕捉工程と、ジグ12をボール8がキャップ10に接触するまで上昇させるボール上昇工程と、ボール上昇工程におけるジグ12の移動量を測定する測定工程とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ユニオンボルト型逆止弁に内蔵されているボールの移動量を測定する逆止弁内ボールの移動量測定方法であって、前記ユニオンボルト型逆止弁のキャップの隙間からジグの一端を差し込んで、前記ボールがボール収容部の最下部に位置する状態で前記ボールを捕捉するボール捕捉工程と、前記ジグを前記ボールが前記キャップに接触するまで上昇させるボール上昇工程と、前記ボール上昇工程における前記ジグの移動量を測定する測定工程とを有することを特徴とする逆止弁内ボールの移動量測定方法。
【請求項2】 前記ボール捕捉工程においては、前記ジグが有する少なくとの2つのボール保持部において前記ボールを挟持することを特徴とする請求項1記載の逆止弁内ボールの移動量測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ユニオンボルト型逆止弁に内蔵されたボールの移動量を測定する逆止弁内ボールの移動量測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ボルトにボールを内蔵したユニオンボルト型の逆止弁を備えたパワーステアリング装置が存在する。このユニオンボルト型の逆止弁においては、逆止弁に内蔵されたボールの移動量がキックバックの抑制、ラックエンドの座屈の防止等の点で重要な意味を有する。即ち、ボールの移動量が大きい場合には、逆止弁が閉じるのに必要な時間長くなり逆止弁の効果が小さくなることからキックバックの抑制効果が小さくなる一方、ボールの移動量が小さい場合には、逆止弁が閉じるのに必要な時間が短く逆止弁の効果が過大となることからラックエンドの座屈等の問題が生じる。従って、逆止弁に内蔵されたボールの移動量を正確に測定することが必要になる。なお、シリンダ内に配置されたピストンの移動量を測定可能な逆止弁として特開平7−113476号公報に開示された逆止弁が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上述のユニオンボルト型の逆止弁においては、ボルト内にボールが内蔵された構造を有することからボールの移動量の測定が困難であった。
【0004】この発明の課題は、ユニオンボルト型の逆止弁におけるボールの移動量を容易に測定可能な逆止弁内ボールの移動量測定方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の逆止弁内ボールの移動量測定方法は、ユニオンボルト型逆止弁に内蔵されているボールの移動量を測定する逆止弁内ボールの移動量測定方法であって、前記ユニオンボルト型逆止弁のキャップの隙間からジグの一端を差し込んで、前記ボールがボール収容部の最下部に位置する状態で前記ボールを捕捉するボール捕捉工程と、前記ジグを前記ボールが前記キャップに接触するまで上昇させるボール上昇工程と、前記ボール上昇工程における前記ジグの移動量を測定する測定工程とを有することを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の逆止弁内ボールの移動量測定方法は、請求項1記載の逆止弁内ボールの移動量測定方法の前記ボール捕捉工程において、前記ジグが有する少なくとの2つのボール保持部において前記ボールを挟持することを特徴とする。
【0007】この請求項1〜請求項2記載の逆止弁内ボールの移動量測定方法によれば、ユニオンボルト型逆止弁のキャップの隙間からジグの一端を差し込んでジグの一端でボールを捕捉し、ジグの移動量をボールの移動量として測定するため、ユニオンボルト型の逆止弁の構造を変更することなく容易にボールの移動量を測定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して、この発明の実施の形態の説明を行う。図1(a)は、ユニオンボルト型逆止弁の部分断面図、図1(b)は、ユニオンボルト型逆止弁を軸部先端方向から視た図である。
【0009】このユニオンボルト型逆止弁2は、頭部4及び軸部6により構成されており、軸部6の側壁に軸部6の中心軸方向に延びる複数個の作動油流入口6aが等間隔に設けられており、作動油流入口6aはボール収容部6bに通じている。ボール収容部6bには、ボール8が収容されており、ボール収容部6bの端部は、半径方向に延びる3本の足を有するキャップ10により塞がれている。
【0010】図2は、ボール8を捕捉するためのボール保持用ジグ12の斜視図である。ボール保持用ジグ12は、3本のボール保持部14を有し、各ボール保持部14の先端部には、ボール8をボール保持部14の先端部分で確実に保持することを可能にするための段部14aが設けられている。
【0011】このボール保持用ジグ12を用いてユニオンボルト型逆止弁2に内蔵されているボール8の移動量を測定する場合には、まず、ユニオンボルト型逆止弁2のキャップ10の隙間からボール保持用ジグ12のボール保持部14を差し込む。即ち、図3(a)のユニオンボルト型逆止弁を軸部先端方向から視た図、図3(b)のユニオンボルト型逆止弁の部分断面図に示すように、キャップ10の3つの隙間に3本のボール保持部14をそれぞれを差し込む。
【0012】次に、ユニオンボルト型逆止弁2のキャップ10側を上に向けてボール8がボール収容部6bの最下部に位置する状態にして、ボール保持用ジグ12を下方に押し込むことによりボール保持部14の段部14aでボール8を保持する。即ち、ボール保持部14の段部14aに内接する円は、ボール8の直径より小さく、ボール保持用ジグ12を下方に押し込むことによりボール保持部14が開き、ボール保持部14のたわみがバネ成分として作用しボールを保持する。
【0013】次に、図4に示すように、ボール保持用ジグ12の上端部に変位計16を取付け、変位計16に設けられているバネ部材16aのバネ力によりボール保持用ジグ12を上昇させる。これによりボール8が摩擦力によりボール保持部14において保持された状態でキャップ10に接触するまで上昇する。ボール8がキャップ10まで上昇した時点で変位計16によりボール8の移動量を測定する。即ち、ボール8がボール収容部の最下部からボール収容部の最上部、即ちキャップ10に接するまでの移動量を測定する。
【0014】この逆止弁内ボールの移動量測定方法によれば、ユニオンボルト型逆止弁2のキャップ10の隙間からボール保持用ジグ12の一端を差し込んでボール保持用ジグ12の一端でボール8を捕捉し、ボール保持用ジグ12の移動量をボール8の移動量として測定するため、ユニオンボルト型逆止弁2の構造を変更することなく容易にボール8移動量を測定することができる。
【0015】従って、製造段階においてユニオンボルト型逆止弁2が所望のキックバック抑制効果、ラックエンドの座屈防止効果等を発揮するものであるか否かを確実に判別することができる。
【0016】なお、上述の実施の形態においては、ボール保持用ジグ12が有する3本のボール保持部14においてボール8を挟持し摩擦力によりボールを持ち上げているが、ボール保持用ジグが有する3本の保持部に磁力を付与し、磁力でボール8を吸い付け持ち上げるようにしても良く、また、ボール保持用ジグが有する3本のボール保持部14内にエアー通路を設け、エアーでボール8を吸い付けて持ち上げるようにしても良い。
【0017】また、上述の実施の形態においては、3本の足を有するキャップ10の隙間のそれぞれにボール保持用ジグ12のボール保持部14をそれぞれ差し込んでボール8を保持しているが、キャップに2つの隙間が設けられている場合には、2つのボール保持部を有するボール保持用ジグを用い、また、キャップに4つの隙間が設けられている場合には、4つのボール保持部を有するボール保持用ジグを用いる等、キャップの形状に応じたボール保持部を用いることが可能である。
【0018】
【発明の効果】この発明によれば、ユニオンボルト型逆止弁のキャップの隙間からジグの一端を差し込んでジグの一端でボールを捕捉し、ジグの移動量をボールの移動量として測定するため、ユニオンボルト型の逆止弁の構造を変更することなく容易にボールの移動量を測定することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年12月20日(1999.12.20)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外1名)
【公開番号】 特開2001−173837(P2001−173837A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−361514