トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 ボール弁の構造
【発明者】 【氏名】嶋田 浩

【要約】 【課題】加工及び組立を簡単にして生産コストの低減を図りつつ、弁座箱を不測の離脱がないよう弁箱に結合させることができるボール弁の構造を提供する。

【解決手段】弁座箱5を弁箱2のボール弁体通過用開孔部7に着脱自在に装着し、帯板状連結金具13の一端側に弁座箱5の外周面5bに形成した溝部14に係合可能な係合鉤部13Aを形成し、弁箱2に挿入した他端側に弁棒4の先端軸部4bを挿通可能な円形の係合孔部13Bを設け、弁箱2と弁座箱5と弁棒4とを連結金具13を介して離脱不能に結合した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下方向の内部流路を有する弁箱と、弁箱の内部に水平軸線廻りに回転自在に配置するボール弁体と、ボール弁体を回転操作する弁棒と、弁箱の一側に形成したボール弁体通過用開孔部に着脱自在に取付けた弁座箱と、弁座箱の下端周縁に形成したフランジ部とボール弁体通過用開孔部の周縁部との間をシールするシール手段とを備えたボール弁において、弁座箱の外周面に対向するボール弁体通過用開孔部の内周面に、L字状に形成した帯板状連結金具を配置する凹部を形成するとともに、弁座箱の外周面に帯板状連結金具の一端に形成した係合鉤部を挿入可能な溝部を形成し、帯板状連結金具の他端に弁棒を挿通する係合孔部を設けたことを特徴とするボール弁の構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボール弁の構造に関し、消火栓や補修弁などのように平置き状態で使用するボール弁に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図5に示すように、ボール式消火栓Aは、下端部に接続用フランジ1を有する弁箱2の内部にボール弁体3を配置し、ボール弁体3を水平軸線C2の廻りで回転自在に設け、ボール弁体3を水平軸線C2の廻りで回転操作する弁棒4を、その先端の角軸部4aをボール弁体3の周壁部に形成した角孔部3aに嵌合させている。弁箱2は、内部流路6の流路軸線C1が水平軸線C2に直交し、流路軸線C1に沿った下方側にボール弁体3を通過させる円形のボール弁体通過用開孔部7を形成しており、ボール弁体通過用開孔部7内に弁座箱5を着脱自在に取付けている。弁棒4の外側の端部には回転操作軸8との連動機構9を設けている。ボール弁体3に摺接する弁座シート10、11は、一方の弁座シート11が弁座箱5に装着しており、内部流路6の上端部にカバー12を着脱自在に冠着している。
【0003】弁箱2に形成したボール弁体通過用開孔部7は、ボール式消火栓Aの組立時にボール弁体3を挿入するためのものであり、ボール弁体3の最大外径dよりも少し大きい内径Dを有している。ボール弁体通過用開孔部7に装着する弁座箱5が弁箱2から落下(離脱)しないように、従来では、弁座箱5の外周面及びボール弁体通過用開孔部7の内周面に相互に螺合する雄ねじ5a及び雌ねじ7aを形成し、雄ねじ5aと雌ねじ7aとの螺合により弁座箱5を弁箱2に結合させている。弁座箱5の下端周縁に形成したフランジ部5cとボール弁体通過用開孔部7の周縁部との間にはOリング1aを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のボール弁では、弁箱2に対する弁座箱5の取付けに雄ねじ5a及び雌ねじ7aによる螺合構造を採用しているために、ねじ加工に多大な手間を要するばかりでなく、防錆や防食のための塗装に際して、ねじ部のマスキングやねじ浚えのために専用の治具を準備する必要があり、全体として生産コストが高くなる問題があった。
【0005】本発明は上記した課題を解決するものであり、加工及び組立を簡単にして生産コストの低減を図りつつ、弁座箱を不測の離脱がないよう弁箱に確実に結合させることができるボール弁の構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明に係るボール弁の構造は、上下方向の内部流路を有する弁箱と、弁箱の内部に水平軸線廻りに回転自在に配置するボール弁体と、ボール弁体を回転操作する弁棒と、弁箱の一側に形成したボール弁体通過用開孔部に着脱自在に取付けた弁座箱と、弁座箱の下端周縁に形成したフランジ部とボール弁体通過用開孔部の周縁部との間をシールするシール手段とを備えたボール弁において、弁座箱の外周面に対向するボール弁体通過用開孔部の内周面に、L字状に形成した帯板状連結金具を配置する凹部を形成するとともに、弁座箱の外周面に帯板状連結金具の一端に形成した係合鉤部を挿入可能な溝部を形成し、帯板状連結金具の他端に弁棒を挿通する係合孔部を設けたものである。
【0007】上記した構成により、組み立て時には、ボール弁体通過用開孔部からボール弁体を弁箱内に挿入する。帯板状連結金具の係合鉤部を溝部に挿入し、帯板状連結金具を組付けた弁座箱をボール弁体通過用開孔部に装着するとともに、帯板状連結金具を弁箱の凹部に挿入する。帯板状連結金具の他端の係合孔部に弁棒の先端部を挿通し、挿通した弁棒の先端部をボール弁体に連結する。このことによって、弁箱と弁座箱とを離脱不能に結合し、弁座箱を下にした状態で弁全体を持ち上げても弁座箱が不測に落下することを防止できる。このため、ボール弁を簡単に組立てることができ、弁箱と弁座箱との結合にねじ加工が不要となり、防錆や防食のための塗装時にねじ部をマスキングしたり、ねじ浚えしたりすることが全く不要となって、ボール弁全体の生産コストの低減が図れる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図5に示したものと同様の作用を行なうものは同一番号を付して説明を省略する。図1〜図4において、弁箱2の弁体通過用開孔部7に装着する弁座箱5は、その外周面5bが弁箱2の流路軸線C1を中心線とする円柱面をなし、弁体通過用開孔部7の内周面7bの内径と略等しいか、もしくは僅かに小さい外径を有している。弁箱2と弁座箱5と弁棒4とは、それらの組立状態において後述する帯板状連結金具13を介して離脱不能に結合されている。
【0009】図1に示すように、帯板状連結金具13はL字状をなし、弁箱2の内周面に形成した凹部7cに装着して弁箱2の内部に挿入している。図2(A)、(B)に示すように、帯板状連結金具13は弁棒4の軸線C2に沿った一端が係合鉤部13Aをなし、弁座箱5の外周面に形成した溝部14に係合鉤部13Aを挿入している。帯板状連結金具13は流路軸線C1に沿った他端側に円形の係合孔部13Bを形成しており、係合孔部13Bに弁棒4の先端角軸部4aに続く円形軸部4bを挿通する。
【0010】以下、上記した構成における作用を説明する。組み立て時には、弁箱2のボール弁体通過用開孔部7を通してボール弁体3を弁箱2内の所定位置に挿入する。次に、弁座箱5の溝部14に帯板状連結金具13の係合鉤部13Aを挿入し、図3のように帯板状連結金具13を弁座箱5に予め一体に組付ける。帯板状連結金具13を組付けた弁座箱5をボール弁体通過用開孔部7に挿入し、凹部7cに帯板状連結金具13を挿入する。ついで、弁箱2の内部に挿入した帯板状連結金具13の他端の係合孔部13Bに弁棒4の先端角軸部4aに続く円形軸部4bを挿通し、挿通した弁棒4の先端角軸部4aをボール弁体3の角孔部3aに嵌合させ、弁棒4とボール弁体3とを連結する。
【0011】このように組立てられたボール式消火栓においては、弁箱2と弁座箱5と弁棒4とが連結金具13により離脱不能に結合しているので、弁座箱5を下にした状態で弁全体を持ち上げても弁座箱5が弁箱2の弁体通過用開孔部7から不測に落下することがなく、ボール式消火栓をねじ込み操作なしに簡単に組立てることができる。
【0012】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、弁箱と弁座箱との結合構造において、ボール弁体通過用開孔部の内周面と弁座箱の外周面とが互いに円筒面で摺接する嵌合構造を採用しているために、従来の螺合構造の場合に必要としていたねじ加工を全く不要とすることができ、防錆や防食のための塗装に際して、ねじ部に必要なマスキングやねじ浚えなどの作業が不必要となり、弁全体の生産コストを低減することができる。しかも、ボール弁体通過用開孔部に嵌合させた弁座箱を連結金具を介して弁箱及び弁棒に離脱不能に結合させているので、ボール式消火栓をねじ込み操作なしに簡単に組立てることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年12月15日(1999.12.15)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2001−173825(P2001−173825A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−355219