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【発明の名称】 自閉水栓
【発明者】 【氏名】金谷 宣明

【氏名】松尾 祐二

【要約】 【課題】弁体を付勢するスプリングに一体的に設けたクリーニングピンの、スプリングの圧縮に伴う傾きを防止することを目的とする。

【解決手段】流入口から流出口へわたって形成される流路内に設けた圧力室内を進退可能に弁体が装着され、弁体は操作部に連動する操作軸に駆動され、操作軸には操作部方向へ向け付勢するばねが備えられ、圧力室内には弁体を操作部方向へ向け付勢するスプリングが備えられると共に流入口側端部の中心部に流入口に連通する小孔が形成され、小孔内に、この孔径よりも僅かに径小なクリーニングピンが摺動自在に挿通され、クリーニングピンを、スプリングの弁体側の巻線端部から巻線中心部に向けて変曲させてこの中心部から小孔に向けて一体的に延設させることにより形成した自閉水栓において、巻線端部の変曲点を巻線外方に位置させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流入口から流出口へわたって形成される流路内に設けた圧力室内を進退可能に弁体が装着され、該弁体は操作部に連動する操作軸で駆動され、該操作軸には操作部方向へ向け付勢するばねが備えられ、上記圧力室内には上記弁体を操作部方向へ向け付勢するスプリングが備えられると共に流入口側端部の中心部に上記流入口に連通する小孔が形成され、該小孔内に、その孔径よりも僅かに径小なクリーニングピンが摺動自在に挿通され、該クリーニングピンを、上記スプリングの上記弁体側の巻線端部から巻線中心部に向けて変曲させて該中心部から上記小孔に向けて一体的に延設させることにより形成した自閉水栓において、上記巻線端部の変曲点を巻線外方に位置させたことを特徴とする自閉水栓。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力室内に設けた弁体下面に作用する水圧とスプリングの弾発力により自動的に閉弁する自閉水栓に関し、特に圧力室に開設された小孔の詰まりを防止するクリーニングピンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クリーニングピンを圧力室内に設けた自閉水栓として、図5に示す例えば特開平9−112724号公報のものがあり、このものにおいてはケース30と弁体31で区画して形成した圧力室A内に、弁体31を弁座(図示せず)に着座する方向に付勢するスプリング32を設け、このスプリング32に圧力室Aに設けた小孔33内を挿通して小孔33に堆積する異物を除去するクリーニングピン34を一体的に設けている。
【0003】このクリーニングピン34は、図6に示すようにスプリング32の弁体側巻線端部35から巻線中心部に向けて変曲させ、この中心部から小孔33に向けて一体的に延設して形成し、スプリング32の伸縮によりクリーニングピン34が小孔33内を往復動するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この自閉水栓のクリーニングピン34においては、その基端となるスプリング32の弁体側巻線端部35から巻線中心部に向けて変曲させた変曲点36が巻線上に設けられているため、吐水させるためにハンドルを押して弁体31を弁座から離隔させた際スプリング32が圧縮されるが、その変曲点36が巻線の内側に落ち込みクリーニングピン34が傾き、クリーニングピン34が小孔33内周壁に常に接触した状態となって摺動することになり、クリーニングピン34と小孔33内周壁との摩擦力によって弁体31を弁座に復帰させる方向へのスプリングの弾発力が減少し、弁体31が弁座に着座するまでの時間が長くなってしまう。
【0005】本発明はこのような点を考慮してなされたもので、弁体を付勢するスプリングに一体的に設けたクリーニングピンの、スプリングの圧縮に伴う傾きを防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため本発明の自閉水栓は、流入口から流出口へわたって形成される流路内に設けた圧力室内を進退可能に弁体が装着され、弁体は操作部に連動する操作軸に駆動され、操作軸には操作部方向へ向け付勢するばねが備えられ、圧力室内には弁体を操作部方向へ向け付勢するスプリングが備えられると共に流入口側端部の中心部に流入口に連通する小孔が形成され、小孔内に、この孔径よりも僅かに径小なクリーニングピンが摺動自在に挿通され、クリーニングピンを、スプリングの弁体側の巻線端部から巻線中心部に向けて変曲させてこの中心部から小孔に向けて一体的に延設させることにより形成した自閉水栓において、巻線端部の変曲点を巻線外方に位置させたことを特徴としている。
【0007】この様に巻線端部の変曲点を巻線外方に位置させることにより、操作部を押して弁体を弁座から離隔させる方向に移動させることによりスプリングを縮ませたときにおいても、その変曲点が巻線の内側に落ち込むことが無く、クリーニングピンが傾くことを防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明すると、図1は自閉水栓の断面図、図2は要部の拡大断面図、図3はスプリングで(a)は平面図、(b)は一部を切り欠いた正面図、図4はスプリングに加わる力を示す模式図である。
【0009】図中、1は流路2を形成し、流入口3と流出口4を有する水栓本体であり、水栓本体1上端の開口5より、一方を開口した有底筒状のケース6が着脱自在に挿入され、ケース6の底壁7側は流路2の1次側2aと2次側2bとを区画する隔壁8を貫通して流路2次側2bに延びている。
【0010】そしてケース6中途部には流路2次側2bに位置する周壁に出口9が、流路1次側2aに位置する周壁には入り口10が開設され、出口9と入り口10の間には弁座11が形成されると共にこれに接離する弁体12が設けられ、この弁体12背後にはこの弁体12とケース6の底壁7側先端部により流路1次側2aと区画された圧力室Aが設けられ、圧力室Aはケース6の底壁7中央部に設けた小孔13を通して流路1次側2aと連絡している。
【0011】この弁体12は図2に示すように一端側には弁座口14内を摺動する案内羽根15が設けられると共にこの案内羽根15と弁体12の中央部には貫通孔16が開設され、弁体12の他端側にはこの貫通孔16を囲んでパイロット弁座17とこのパイロット弁座17に接離するパイロット弁体18が設けられている。
【0012】そして、このパイロット弁体18にはその中央部に貫通孔16を挿通してその先端部が案内羽根15端部より僅かに突出したパイロット弁軸19が突設されている。
【0013】またこのパイロット弁体18の背面とケース6の底壁7との間には、パイロット弁体18と弁体12とがそれぞれの弁座17、11に着座する方向に常時付勢するスプリング20が介装される。
【0014】このスプリング20は図3に示すようにクリーニングピン21を、一方の巻線端部22から巻線中心部に向けて変曲23させて巻線中心部から他方の端部に向けて一体的に延設させることにより形成しており、この変曲点23を巻線外方に位置させている。
【0015】そして、巻線端部22が弁体12側に位置するようにパイロット弁体18背面とケース6の底壁7との間に縮んだ状態で装着し、クリーニングピン21を小孔13内に挿通させてその先端をケース6より突出させている。
【0016】また、ケース6の開口5側内部には、操作軸24が、ばね25により本体1から離隔する方向に付勢されて軸方向に摺動自在に収納され、操作軸24の先端はケース6から外方に突出し、ハンドルなどの操作部26が取り付けられている。
【0017】操作軸24の他端はケース6内に水密状に挿通して延び、図2に示すようにその先端はパイロット弁軸19と僅かな隙間をもって対向している。
【0018】而して使用に際しては、まず、操作部26をばね25に抗して手で押圧すると、その操作軸24先端がパイロット弁軸19先端に当接してこれを押動し、この押動によってパイロット弁体18がスプリング20の弾発力に抗してパイロット弁座17から離隔する。
【0019】そして圧力室A内の水はパイロット弁軸19と貫通孔16の隙間を通り、出口9を経由して流路2次側2bに至る。
【0020】引き続く操作部26の押圧操作により、その操作軸24先端が案内羽根15先端に当接してこれを押動し、弁体12がパイロット弁体18と共にスプリング20弾発力に抗して移動し、弁座11から離隔する。
【0021】そして、水は流入口3からケース6の入口10、弁座11と弁体12の隙間、弁座口14と案内羽根15の隙間、ケース6の出口9を経て流出口より吐出する。
【0022】勿論、弁体12がパイロット弁体18と共に移動している間は、パイロット弁体18はパイロット弁座17から離隔しており、圧力室A内の水は流路2次側2bに逃げるので、弁体12はスムーズに圧力室A内を摺動できる。
【0023】この操作部26の押圧操作によりスプリング20はその巻線端部22が弁体12と緒に移動するパイロット弁体18によって押され、スプリング20が縮んでクリーニングピン21が小孔13内を摺動、小孔13内をクリーニングする。
【0024】このスプリング20が縮む際、巻線端部22の変曲点23が巻線外方に位置しているので、このスプリング20の圧縮力が分力してその変曲点23には図4に示すように外側に向かう力Bが作用し、変曲点23が巻線の内側に落ち込むことが無く、クリーニングピン21が傾くことを防止できる。
【0025】次に操作部26への押圧を解けば、操作軸24はばね25の復元力によって上方へ移動させられ、操作軸24先端は、パイロット弁軸19及び案内羽根15から離隔し、スプリング20の弾発力によってまずパイロット弁体18がパイロット弁座17に着座し、流路1次側2aの水が小孔13とクリーニングピン21との隙間を通って圧力室A内に流入する。
【0026】そして弁体12は圧力室Aの容積の拡大に伴ってスプリング20に押されながら徐々に弁座11に向かい、終には弁座11に着座して閉弁する。
【0027】即ち、この弁体12が弁座11に着座するまで吐水し続け、所定の水量を流した後自閉する。
【0028】この弁体12の移動に伴って、スプリング20が復元することによりクリーニングピン21も圧力室A側に引き込むように小孔13内を摺動する。
【0029】従って、クリーニングピン21は、弁体12の動作にともなって、小孔13内で往復摺動することとなり、クリーニングピン21は、小孔13がゴミや水垢で詰まるのを防止することとなる。
【0030】尚、スプリング20のバネ定数は小さく構成しており、弁体12の閉弁方向への移動は圧力室Aへの水の流入速度に応じるものであって、スプリング20はパイロット弁部を確実に閉弁させることを目的としている。
【0031】もし、クリーニングピン21が傾いて、小孔13周壁との間に摩擦力が生じると、パイロット弁体18のパイロット弁座17への押し付け力が弱まり僅かながら圧力室A内の水が徐々に抜けるので、圧力室A内に溜まるスピードが遅くなって、結果的に弁体12が弁座11に着座するまで長い時間を要することになる。
【0032】本発明は上述の実施例に限定されること無く種々の変形が可能であり、例えば隔壁に弁座を設け、この弁座の流路1次側に弁体や圧力室を設けても良く、操作部をレバー式にして、レバー操作によって操作軸を押す構造にしても良い。
【0033】また、パイロット弁構造は必ずしも必要ではなく、直接操作軸で弁体を駆動するようにしても良い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、流入口から流出口へわたって形成される流路内に設けた圧力室内を進退可能に弁体が装着され、弁体は操作部に連動する操作軸に駆動され、操作軸には操作部方向へ向け付勢するばねが備えられ、圧力室内には弁体を操作部方向へ向け付勢するスプリングが備えられると共に流入口側端部の中心部に流入口に連通する小孔が形成され、小孔内に、この孔径よりも僅かに径小なクリーニングピンが摺動自在に挿通され、クリーニングピンを、スプリングの弁体側の巻線端部から巻線中心部に向けて変曲させてこの中心部から小孔に向けて一体的に延設させることにより形成した自閉水栓において、巻線端部の変曲点を巻線外方に位置させたので、操作部を操作して弁体を弁座から離隔させる方向に移動させることによりスプリングを縮ませたときにおいても、その変曲点が巻線の内側に落ち込むことが無く、クリーニングピンが傾くことを防止でき、常に安定した水量を吐出させることができる。
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【出願日】 平成11年12月16日(1999.12.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−173821(P2001−173821A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−357180