トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 バルブ、試料抜き出し装置及び添加装置
【発明者】 【氏名】鈴木 基夫

【氏名】石川 隆志

【氏名】斎藤 浩一

【要約】 【課題】内部を確実に洗浄できるバルブと、このバルブを用いた試料抜き出し添加装置を得る。

【解決手段】サンプリングバルブ10のサンプリングパイプ14は、シリンダ38によって上下に移動する。サンプリングパイプ14を下方に移動させると、試料取入口16が貯留試料20と対向し、試料の抜き出しができる。サンプリングパイプ14を上方に移動させると、試料取入口16は洗浄水流路60と対向するので、洗浄水を洗浄パイプ58の洗浄水供給口62から洗浄水流路60内に送る。洗浄水は試料取入口16からサンプリングパイプ14内を流れて試料排出口22から流出するので、サンプリングパイプ14の内部の全てを洗浄できる。このサンプリングバルブ10を使用した試料抜き出し装置12においても、試料にエアーや不純物が混入しない状態を常に維持し、安定して抜き出しができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器に貯留された貯留試料内に配設される試料内開口部と貯留試料外に配設される試料外開口部との間で試料が流動可能とされた試料管と、洗浄液を前記試料内開口部へ注入添加可能又は試料内開口部から排出可能な洗浄管と、前記試料管と前記洗浄管とを相対移動させて、前記試料内開口部が前記貯留試料と対向した試料対向位置と試料内開口部が洗浄管と対向した洗浄位置との間で変位させる移動手段と、を有することを特徴とするバルブ。
【請求項2】 前記試料対向位置と前記洗浄位置とが前記試料管の長手方向に沿って設けられ、前記移動手段が、前記試料管と前記洗浄管とを試料管の長手方向に沿って相対移動させることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】 前記洗浄管が、前記試料管の外側に且つ試料管と同軸に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバルブ。
【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバルブと、前記試料外開口部から試料を抜き出す抜出装置と、前記洗浄管へ洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、を有することを特徴とする試料抜き出し装置。
【請求項5】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバルブと、前記試料外開口部へ添加物を供給する添加物供給装置と、前記洗浄管へ洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、を有することを特徴とする添加装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルブ、試料抜き出し装置及び添加装置に関し、さらに詳しくは、例えば、化学プラントや産業設備、実験設備等において使用される試料タンク(試料ストック槽、反応調整槽、攪拌混合槽等)から試料を抜き出し(サンプリング)するためのサンプリングバルブとして使用可能であり、また、試料に添加物を添加することも可能なバルブと、このバブルを用いた試料抜き出し装置及び添加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図13には、試料槽から試料をサンプリングするサンプリングバルブの一例が示されている。
【0003】このサンプリングバブルは、タンク200の底部に設けらた、略T字状のいわゆるT型弁202で構成されている。このT型弁202が、アクチュエータ204等によって開閉することで、パイプ206から所定量の試料を取り出すことが可能になっている。
【0004】しかし、図13に示す構成では、パイプ206の液体流出口208がタンク200内の試料の液面よりも下方にあるため、T型弁202を開いたときにパイプ内に帯在していた空気がパイプ206を通ってタンク200内に入ってしまう。試料が液体の場合には、この空気によって試料液体が発泡状態となり、試料の使用等に支障をきたすおそれもある。
【0005】また、一般にこのようなサンプリングバルブではT型弁202やパイプ206を適宜洗浄することが望まれるが、タンク200内で試料に化学変化や状態変化が生じている場合には、試料をサンプリングした後にパイプ206内の洗浄が速やかに出来ないため、連続したサンプリングを不純物のない状態で行うことが難しかった。
【0006】しかも、この構成では構造上、パイプ206内の洗浄が困難で洗浄液の液溜まりが生じやすく、洗浄液をパイプ206内に導くための配管や、洗浄液の供給を開始及び停止するためのバルブ等の付帯設備等が別途必要になるため、構造が複雑になり、設備コストも高くなっていた。
【0007】これに対し、図14には、固定素子232、236の間に設けられた可動素子234を回転させることでサンプリング経路を切り替え、所定量の試料をサンプリングするサンプリングバルブ230が示されている(特開平5−141549号参照)。そして、特定のサンプリング経路を選択した状態で、対応する弁238を開状態にして吸引手段240で吸引することで洗浄液を流し、サンプリング経路を洗浄するようになっている。
【0008】しかし、このサンプリングバルブ230においても、選択されたサンプリング経路は洗浄されるものの、試料液内に配置されるピペット242部は試料が入っている試験管を取り除かない限り洗浄できなかった。このため、一つの試料の時間をおってのサンプル等は出来なかった。
【0009】図15には、上記したものとは異なるサンプリングバルブ260が示されている(特開平6−241328号参照)。このサンプリングバルブ260は、配管262の途中から分岐するノズル264に設けられており、配管262中の流体の一部を、検査等に用いるサンプルとして所定量採取するために使用されている。サンプリングバルブ260としては、開閉操作時に微量の液体が滞留することがないように、ボールバルブ構造とし、還流片265の部分が洗浄できることを特長としている。
【0010】しかし、連続して流れている試料が配管262内にある限り、このサンプリングバルブ260においても還流片265の部分は洗浄されるが、ノズル264内にはすでにサンプリングした流体の一部が滞留し、しかもノズル264内は洗浄されないため、不純物が残ってしまうおそれがあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を考慮し、サンプリング試料管内部を確実に洗浄できるバルブと、このバルブを用いた試料抜き出し添加装置を得ることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明では、容器に貯留された貯留試料内に配設される試料内開口部と貯留試料外に配設される試料外開口部との間で試料が流動可能とされた試料管と、洗浄液を前記試料内開口部へ注入添加可能又は試料内開口部から排出可能な洗浄管と、前記試料管と前記洗浄管とを相対移動させて、前記試料内開口部が前記貯留試料と対向した試料対向位置と試料内開口部が洗浄管と対向した洗浄位置との間で変位させる移動手段と、を有することを特徴とする。
【0013】従って、移動手段によって試料管と洗浄管とが相対移動され、試料内開口部が試料対向位置となっている状態では、容器内に貯留された貯留試料が試料内開口部から試料管内へ流入して試料外開口部へ流動し、貯留試料を抜き出しすることができる。
【0014】移動手段によって試料管と洗浄管とが相対移動され、試料内開口部が洗浄位置となっている状態では、洗浄管から試料内開口部へ洗浄液を注入して、試料管の内部を洗浄できる。このとき、注入された洗浄液は、試料外開口部から流出する。洗浄液が試料内開口部から試料外開口部まで流れるので、試料管の内部、すなわち試料が流動する領域の全てを洗浄することができる。
【0015】なお、洗浄液を試料内開口部から試料外開口部まで流すことが可能であれば、その流れ方向は特に限定されない。すなわち、試料外開口部から洗浄液を注入して試料内開口部から排出させてもよい。
【0016】また、試料内開口部から貯留試料を取り入れて試料外開口部から試料を抜き出すだけでなく、逆に試料外開口部から試料を注入して試料内開口部から容器内に添加してもよい。後者の場合には、必ずしも試料内開口部が貯留試料と対向している必要はなく、例えば、上方から試料を容器内に注入させて添加する構成でもよい。また、容器内に試料が全くない状態(すなわち容器が空の状態)で添加してもよい。
【0017】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記試料対向位置と前記洗浄位置とが前記試料管の長手方向に沿って設けられ、前記移動手段が、前記試料管と前記洗浄管とを試料管の長手方向に沿って相対移動させることを特徴とする。
【0018】すなわち、試料管と洗浄管とを試料管の長手方向に沿って相対移動させることで、試料内開口部を試料対向位置と洗浄位置との間で変位させることができるので、相対移動させるための構造が簡単になる。
【0019】請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記洗浄管が、前記試料管の外側に且つ試料管と同軸に配置されていることを特徴とする。
【0020】従って、洗浄管が試料管と一体的に配置されるので、洗浄管を試料管に対して別体で、且つ試料管の外部に設けた場合と比較して、より少ないスペースで洗浄管を設けて試料管に洗浄液を注入することが可能になる。
【0021】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバルブと、前記試料外開口部から試料を抜き出す抜出装置と、前記洗浄管へ洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、を有することを特徴とする。
【0022】バルブの試料内開口部が試料対向位置となっているときに抜出装置によって試料外開口部から貯留試料を取り出すことで、所定量の試料を抜き出すことができる。
【0023】また、バルブの試料内開口部が洗浄位置となっているときに洗浄液供給装置によって洗浄液を供給すると、洗浄液が洗浄管を通って試料管の内部に注入され、試料外開口部から流出される。これにより、試料管の内部すなわち試料が流動する領域の全てを洗浄することができる。従って洗浄後に再び試料の抜き出しを行う場合に、空気や不純物が混入しないので、安定して抜き出しを行うことができる。
【0024】なお、洗浄液供給装置によって供給された洗浄液は、試料外開口部から試料管の内部に注入され、洗浄位置にある試料内開口部から洗浄管へ流出されるようになっていてもよい。
【0025】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバルブと、前記試料外開口部へ添加物を供給する添加物供給装置と、前記洗浄管へ洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、を有することを特徴とする。
【0026】バルブの試料内開口部が試料対向位置となっているときに添加物供給装置によって試料外開口部ヘ添加物を供給することで、所定量の添加物を試料に添加することができる。
【0027】また、バルブの試料内開口部が洗浄位置となっているときに洗浄液供給装置によって洗浄液を供給すると、洗浄液が洗浄管を通って試料管の内部に注入され、試料外開口部から流出される。これにより、試料管の内部すなわち添加物が流動する領域の全てを洗浄することができる。従って洗浄後に再び添加物の添加を行う場合に、不純物が混入しないので、安定して添加を行うことができる。
【0028】なお、洗浄液供給装置によって供給された洗浄液は、試料外開口部から試料管の内部に注入され、洗浄位置にある試料内開口部から洗浄管へ流出されるようになっていてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】図1及び図2には、本発明の一実施形態に係るサンプリングバルブ10が示されている。また、図3には、このサンプリングバルブ10を備えた試料抜き出し装置12が示されている。
【0030】図1に示すように、サンプリングバルブ10は、略円筒状に形成されたサンプリングパイプ14を有している。サンプリングパイプ14の下端は封止されると共に、封止部分の直上に試料取入口16が形成されている。図3に示すように、試料取入口16は、試料タンク18内に貯留された液体の貯留試料20内に配置されており、この貯留試料20から試料抜き出し装置12によって所定量の試料の抜き出し(サンプリング)が行われる。
【0031】また、サンプリングパイプ14の上端は試料排出口22とされており、図3に示すように、抜き出しパイプ24の一端が接続されている。抜き出しパイプ24の他端は三方弁26に接続され、さらに三方弁26には、吸引用パイプ28及び排出用パイプ30が接続されている。三方弁26を操作することで、抜き出しパイプ24を吸引用パイプ28又は排出用パイプ30のいずれか一方と連通させることができる。
【0032】抜き出しパイプ24の先端には吸引装置32が設けられており、抜き出しパイプ24と吸引用パイプ28とが連通された状態で吸引装置32を駆動することで、サンプリングバルブ10から試料を吸引することができる。これに対し、排出用パイプ30の先端側には、抜き出す試料の入った抜き出し試料容器33及び洗浄水排出槽34が設けられており、排出用パイプ30を移動させることで、試料を抜き出し試料容器33に、後述する洗浄水を洗浄水排出槽34に選択的に排出することができる。
【0033】抜き出しパイプ24の中間部には流体検出センサー36が設けられており、吸引装置32によってサンプリングパイプ14から吸引した試料を検知し吸引を停止することで、一定量の試料を吸引できるようになっている。流体検出センサー36としては、例えば超音波センサー、マイクロ波センサー等を使用する。
【0034】図1及び図2に示すように、サンプリングパイプ14の長手方向略中央には、シリンダー38が装着されている。シリンダー38は、長手方向両端に配置された一対のシリンダーカバー40と、これらシリンダーカバー40の間に設けられたシリンダーパイプ42とを有しており、サンプリングパイプ14、シリンダーカバー40及びシリンダーパイプ42の間に、移動空間44が構成されている。移動空間44内には、サンプリングパイプ14に固定されたピストン46が収容されている。ピストン46の外周にはピストンパッキン48が取りつけられており、ピストン46の外面とシリンダーパイプ42の内面の間の空気の流れを阻止しつつ、ピストン46を摺動可能としている。
【0035】シリンダーカバー40には、駆動用エアー供給口50が設けられており、図示しない駆動用エアー供給装置から、駆動用エアー供給口50のいずれか一方を選択して駆動用エアーを供給することができるようになっている。駆動用エアー供給口50から供給された駆動用エアーは、シリンダーカバー40とサンプリングパイプ14との間に構成された隙間を通って、移動空間44内に流入する。従って、上側のシリンダーカバー40の駆動用エアー供給口50から駆動用エアーを供給すると、ピストン46がこの駆動用エアーに押されて下方に移動し、サンプリングパイプ14も下方に移動する。反対に、下側のシリンダーカバー40の駆動用エアー供給口50から駆動用エアーを供給すると、ピストン46がこの駆動用エアーに押されて上方に移動し、サンプリングパイプ14も上方に移動する。この上下動は、ピストン46がシリンダーカバー40に当たることで一定範囲に制限される。なお、シリンダー38と駆動用エアー供給装置とで、本発明の移動手段の一例であるエアーアクチュエーターが構成されている。
【0036】駆動用エアー供給口50から移動空間44の反対方向へ向かう駆動用エアーの漏れは、シリンダーカバー40とサンプリングパイプ14との間に設けられたロッドパッキン52によって阻止されるようになっている。同様に、シリンダーカバー40とシリンダーパイプ42との間からの駆動用エアーの漏れは、シリンダーカバー40とシリンダーパイプ42との間に設けられたOリング54によって阻止されるようになっている。
【0037】シリンダー38の下方には、洗浄パイプホルダー56を介して、洗浄パイプ58が配置されている。洗浄パイプ58は、サンプリングパイプ14の外径よりも大きな内径を有する円筒状に形成されており、サンプリングパイプ14を外側から取り巻くようにして同軸的に配置されている。そして、サンプリングパイプ14の外面と洗浄パイプ58の内面及び洗浄パイプホルダー56の内面との間に、洗浄水が流れる筒状の洗浄水流路60が構成されている。
【0038】洗浄パイプホルダー56には、洗浄水流路60に洗浄水を供給する洗浄水供給口62が形成されており、図3に示すように、この洗浄水供給口62に、洗浄水供給パイプ64の一端が接続されている。洗浄水供給パイプ64の他端は、三方弁66に接続され、さらに三方弁66には、エアコンプレッサー68及び洗浄水供給装置70が接続されている。三方弁66を操作することで、洗浄水又は圧縮空気のいずれかを、洗浄水供給パイプ64を介して、洗浄水供給口62から洗浄水流路60に送り込むことができる。洗浄水供給装置70の具体的構成は限定されないが、例えば、洗浄水があらかじめ収容された洗浄水タンクと、この洗浄水タンクに設けられたタンクとを有する構成とすることができる。
【0039】図1に示すように、洗浄パイプ58の下方には、シールケース72が設けられている。シールケース72内には、アダプター74によってパッキン76又はリップシール、グランドシール等が保持され、さらにその下方に、パッキン押さえ78が取りつけられている。パッキン76としては、リップシール、グランドシール、Vパッキン等が用いられる。パッキン押さえ78は、図1に示すようにサンプリングパイプ14が最も下方に位置した状態で、試料取入口16がパッキン押さえ78よりも下側に位置して、試料タンク18内の貯留試料20と対向する(試料対向位置)ように、所定の形状とされている。また、Vパッキン76は、サンプリングパイプ14が図1に示す位置と、図2に示すように最も上方に移動した位置との間を移動可能とすると共に、この移動によって洗浄水流路60内の洗浄水や圧縮空気が貯留試料20内に流出したり、逆に貯留試料20が洗浄水流路60内に流入したりしないように、洗浄パイプ58とサンプリングパイプ14との間をシールしている。
【0040】また、サンプリングパイプ14の長さは、図2に示すように最も上方に位置したときに、試料取入口16が洗浄水流路60と対向する(洗浄位置)ように、所定の長さとされている。
【0041】次に、本実施形態のサンプリングバルブ10及び試料抜き出し装置12の作用を説明する。
【0042】試料タンク18から貯留試料20を抜き出す場合には、図1に示すように、上側のシリンダーカバー40の駆動用エアー供給口50から駆動用エアーを供給し、サンプリングパイプ14を下方に移動させる。これにより、試料取入口16が貯留試料20と対向する(試料対向位置)。そして、三方弁26を操作して抜き出しパイプ24と吸引用パイプ28とを連通させる。
【0043】この状態で吸引装置32を駆動すると、図3に矢印Aで示すように、試料タンク18内の貯留試料20が試料取入口16から吸引される。吸引された試料が流体検出センサー36に達したときに吸引装置32による吸引を停止することで、所定量の試料が抜き出しされる。
【0044】次に、図2に示すように、下側の駆動用エアー供給口50から駆動用エアーを供給して、サンプリングパイプ14を上方に移動させる。これにより、試料取入口16は洗浄位置へと変位し、洗浄水流路60と対向する。ここで、三方弁26を切り替えて抜き出しパイプ24と排出用パイプ30とを連通させる。さらに、三方弁66を操作して、エアコンプレッサー68からサンプリングバルブ10に圧縮空気が送られるようにする。
【0045】この状態でコンプレッサー68を駆動して、図4に矢印Bで示すように圧縮空気を洗浄水供給口62から洗浄水流路60内に送り込む。この圧縮空気によって、矢印Cで示すように、サンプリングバルブ10及び抜き出しパイプ24内に存在していた所定量の試料が押し出され、抜き出し試料容器33内に排出される。
【0046】抜き出し終了後は、図5に示すように、排出用パイプ30を洗浄水排出槽34側に移動させる。そして、三方弁66を切り替えて、洗浄水供給装置70からサンプリングバルブ10に洗浄水が送られるようにする。
【0047】この状態で洗浄水供給装置70を駆動して、矢印Dで示すように洗浄水を洗浄水供給口62から洗浄水流路60内に送り込むと、洗浄水は試料取入口16からサンプリングパイプ14内を流れて試料排出口22から流出する。これにより、サンプリングパイプ14の内部の全てに洗浄水が流れることになるので、サンプリングパイプ14の内部の全てが洗浄される。洗浄後の洗浄液は、図5に矢印Eで示すように、試料排出口22から抜き出しパイプ24及び排出用パイプ30を経て、洗浄水排出槽34に排出される。
【0048】洗浄終了後、三方弁66を切り替えてエアコンプレッサー68からの圧縮空気がサンプリングバルブ10に送られるようにし、エアコンプレッサー68を駆動すると、図6に矢印Fで示すようにエアコンプレッサー68から送られた圧縮空気が、洗浄水供給口62から洗浄水流路60に送り込まれ、さらにサンプリングパイプ14の内部に送り込まれる。この圧縮空気によってサンプリングパイプ14内がいわゆる水切りされ、サンプリングパイプ14の内面への洗浄水の付着がなくなる。水切り後の圧縮空気は、図6に矢印Gで示すように、試料排出口22から抜き出しパイプ24及び排出用パイプ30を経て、洗浄水排出槽34に向かって排出される。
【0049】水切り後は、図7に示すように、排出用パイプ30を抜き出し試料の入った抜き出し試料容器33側に移動させる。また、三方弁26を開放して吸引装置32を初期位置に戻した後、三方弁26を閉じる。
【0050】このように、本実施形態のサンプリングバルブ10では、試料取入口16から試料排出口22までの全て、すなわち、試料が通過した部分の全てを洗浄水によって洗浄することができる。このため、このサンプリングバルブ10を使用した試料抜き出し装置12においても、洗浄後にあらためて抜き出しを行う場合に、試料にエアーや不純物が混入しない状態を常に維持し、安定した抜き出しができる。
【0051】図8には、本発明の第2実施形態のサンプリングバルブ110が部分的に示されている。このサンプリングバルブ110は、第1実施形態のサンプリングバルブ10と略同一の構成とされているので、異なる部分のみ説明し、同一部分については説明を省略する。また、第2実施形態の試料抜き出し装置は、サンプリングバルブ10に代えてサンプリングバルブ110を使用した以外は、第1実施形態と同一構成とされている。
【0052】第2実施形態のサンプリングバルブ110では、サンプリングパイプ14が長手方向に移動すると共に、中心線J周りに所定角度(本実施形態では一例として180°)回転可能とされている。この回転は、例えばサンプリングパイプ14にモータ等を設けることで可能となるが、これに限定されない。
【0053】また、洗浄パイプ118は、図8(B)に示すように、サンプリングパイプ14との間で断面略扇形の洗浄水流路120を構成する形状とされており、この洗浄水流路120に洗浄水を供給するための洗浄水供給口62が形成されている。
【0054】このような構成とされた第2実施形態のサンプリングバルブ110では、貯留試料を抜き出すときは、図8(C)及び(D)に示すように、サンプリングパイプ14を下方に移動させて試料取入口16を貯留試料と対向させる。
【0055】また、サンプリングパイプ14内を洗浄及び水切りするときには、図8(E)及び(F)に示すように、サンプリングパイプ14を上方に移動させると共に中心線J周りに回転させて、試料取入口16を洗浄水流路60と対向させる。
【0056】従って、第2実施形態のサンプリングバルブ110においても第1実施形態のサンプリングバルブ110と全く同様に、試料取入口16から試料排出口22(図1及び図2参照)までの全て、すなわち、試料が通過した部分の全てを洗浄水によって洗浄することができる。
【0057】図9には、本発明の第3実施形態の試料抜き出し装置132が示されている。この試料抜き出し装置132では、第1実施形態の試料抜き出し装置12と略同一の構成とされているが、第1実施形態の吸引装置32に代えて、吸引用パイプ28の中間部にポンプ134が配設されている。また、吸引用パイプ28の先端側には抜き出し試料の入った容器33及び洗浄水排出槽34が選択可能に設けられている。なお、排出用パイプ30の先端側は開放されている。
【0058】第3実施形態の試料抜き出し装置132では、第1実施形態のサンプリングバルブ10であっても第2実施形態のサンプリングバルブ110であっても使用可能であり、特にいずれのサンプリングバルブを使用するかは限定されない。図9では、一例として第1実施形態のサンプリングバルブ10が使用されているものを挙げている。
【0059】これら以外は、第1実施形態の試料抜き出し装置12と同一の構成とされている。
【0060】このような構成とされた第3実施形態の試料抜き出し装置132を使用して試料を抜き出す場合、試料取入口16を試料対向位置(図1参照)とし、三方弁26を操作して抜き出しパイプ24と吸引用パイプ28とを連通させる。
【0061】この状態でポンプ134を駆動すると、図9に矢印Hで示すように、試料タンク18内の貯留試料20が試料取入口16から吸引され、吸引された試料が抜き出し試料の入った抜き出し試料容器33に排出される。所定量の試料を抜き出した時点でポンプ134の駆動を停止する。なお、所定量の試料を吸引したことは、第1実施形態の試料抜き出し装置12と同様、抜き出しパイプ24の中間部に液体検出センサー36を設けて検知してもよいが、例えばポンプ134の駆動時間によって検知するようにしてもよい。
【0062】次に、図10に示すように、吸引用パイプ28を洗浄水排出槽34側に移動させる。また、三方弁66を操作して、洗浄水供給装置70からサンプリングバルブ10に洗浄水が送られるようにし、洗浄水供給装置70を駆動して矢印Kで示すように洗浄水を洗浄水供給口62から洗浄水流路60内に送り込むと、洗浄水はサンプリングパイプ14内を流れて試料排出口22から流出する。これにより、サンプリングパイプ14の内部の全てに洗浄水が流れることになるので、サンプリングパイプ14の内部の全てが洗浄される。洗浄後の洗浄液は、ポンプ134の駆動によって、図10に矢印Lで示すように、試料排出口22から抜き出しパイプ24及び排出用パイプ30を経て、洗浄水排出槽34に排出される。なお、洗浄後の洗浄液は、図10に矢印Mで示すように、三方弁26を操作して抜き出しパイプ24と排出用パイプ30とを連通させ、排出用パイプ30から排出するようにしてもよい。
【0063】洗浄終了後、三方弁66を切り替えてエアコンプレッサー68からの圧縮空気がサンプリングバルブ10に送られるようにし、エアコンプレッサー68を駆動すると、図11に矢印Nで示すようにエアコンプレッサー68から送られた圧縮空気が、洗浄水供給口62から洗浄水流路60に送り込まれ、さらにサンプリングパイプ14の内部に送り込まれる。この圧縮空気によってサンプリングパイプ14内がいわゆる水切りされ、サンプリングパイプ14の内面への洗浄水の付着がなくなる。なお、この水切り後の圧縮空気は、排出用パイプ30から排出してもよいが、三方弁26を操作して抜き出しパイプ24と吸引用パイプ28とを連通させ、洗浄水排出槽34に排出してもよい。
【0064】水切り後、図12に示すように、吸引用パイプ28を抜き出し試料容器33側に移動させる。
【0065】このように、第3実施形態の試料抜き出し装置132においても、サンプリングバルブ10の試料取入口16から試料排出口22までの全て、すなわち、試料が通過した部分の全てを洗浄水によって洗浄することができるので、サンプリングバルブ10の洗浄後にあらためて試料抜き出し装置132を使用して試料の抜き出しを行う場合に、試料にエアーや不純物が混入しない状態を常に維持し安定した抜き出しができる。
【0066】なお、上記説明においては、サンプリングパイプ14の試料取入口16を試料対向位置と洗浄位置との間で変位させるために、洗浄パイプ58、118は固定され、サンプリングパイプ14が移動する構成のものを例に挙げたが、要するに、サンプリングパイプ14と洗浄パイプ58、118とが相対移動して、試料取入口16を試料対向位置と洗浄位置との間で変位すればよい。例えば、サンプリングパイプ14は固定され、洗浄パイプ58、118が移動するようにしてもよいし、サンプリングパイプ14と洗浄パイプ58、118の双方が移動するようにしてもよい。
【0067】また、移動の方向としても特に限定されず、上記したサンプリングパイプ14の長手方向や、周方向(中心線J周りの方向)に限られない。例えば、サンプリングパイプ14の径方向(横方向)に移動するようにしてもよい。上記したように、サンプリングパイプ14の長手方向に沿って移動させる場合には、移動が直線状となるので移動のための構造を簡単にすることができ、サンプリングバルブ10及び試料抜き出し装置12を低コストで構成製作することができる。
【0068】また、サンプリングパイプ14と洗浄パイプ58、118とを相対移動させるための移動手段の具体的構成も限定されす、上記したエアーアクチュエータの他、例えば、モータやソレノイド等の電気的な駆動装置を使用してもよい。
【0069】洗浄パイプ58、118の具体的構成としても上記したものに限定されず、要するに試料取入口16から洗浄水を流入させることが可能とされていればよい。例えば、洗浄パイプ58をサンプリングパイプ14とは別体且つ同軸とならないようにしてサンプリングパイプ14の外側に設けてもよい。上述したように、洗浄パイプ58をサンプリングパイプ14の外側に同軸、且つ一体的に設けた構成では、より少ないスペースで十分な洗浄水流路60を構成することができる。
【0070】洗浄水及び圧縮空気を流す方向としても上記したものに限定されず、サンプリングパイプ14の試料排出口22から試料取入口16へと洗浄水及び圧縮空気が流れるように構成してもよい。
【0071】サンプリングバルブ10、110及び試料抜き出し装置12、132によって抜き出す試料としても、上記した液体の試料に限定されない。例えば、気体であってもよく、要するに流体であれば本発明のサンプリングバルブ10、110及び試料抜き出し装置12、132を使用することができる。さらに、微小な粉体等、吸引装置32(図3参照)やポンプ134(図9参照)で吸引可能であれば、固体であってもよい。
【0072】また、サンプリングバルブ10、110及び試料抜き出し装置12、132の用途も、上記説明では試料を抜き出す場合を例に挙げたが、これに限られない。
【0073】例えば、試料タンク18中に、所定量の添加物を供給する添加装置として使用したり、試料の抜き出し及び添加物の供給が可能な試料抜き出し添加装置として使用してもよい。
【0074】この場合には、例えば、第3実施形態の試料抜き出し装置132において、試料容器33に添加物を入れ、吸引用パイプ28の先端を試料容器33の試料内に配置し、ポンプ134を逆転させることで、試料タンク18内に添加物を添加することができる。
【0075】この場合、必ずしも試料取入口16は貯留試料20内に配置されている必要はないが、図3及び図9に示すように、試料タンク18内を攪拌する攪拌装置80が設けられている試料タンク18に適用する場合には、攪拌機近傍の液中で添加物を添加することがコンタミの混入なく出来かつ添加注入液の混合効率を向上させることができるので好ましい。
【0076】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、容器に貯留された貯留試料内に配設される試料内開口部と貯留試料外に配設される試料外開口部との間で試料が流動可能とされた試料管と、洗浄液を前記試料内開口部へ注入添加可能又は試料内開口部から排出可能な洗浄管と、前記試料管と前記洗浄管とを相対移動させて、前記試料内開口部が前記貯留試料と対向した試料対向位置と試料内開口部が洗浄管と対向した洗浄位置との間で変位させる移動手段と、を有するので、試料管の内部の全てを洗浄することができる。
【0077】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記試料対向位置と前記洗浄位置とが前記試料管の長手方向に沿って設けられ、前記移動手段が、前記試料管と前記洗浄管とを試料管の長手方向に沿って相対移動させるので、試料管と洗浄管とを相対移動させるための構造が簡単になる。
【0078】請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記洗浄管が、前記試料管の外側に且つ試料管と同軸に配置されているので、少ないスペースで洗浄管を設けて試料管に洗浄液を注入することが可能になる。
【0079】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバルブと、前記試料外開口部から試料を抜き出す抜出装置と、前記洗浄管へ洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを有するので、試料管の内部の全てを洗浄することができ、洗浄後に再び試料の抜き出しを行う場合に、空気や不純物を混入させないので、安定した抜き出しを行うことができる。
【0080】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバルブと、前記試料外開口部へ添加物を供給する添加物供給装置と、前記洗浄管へ洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを有するので、試料管の内部の全てを洗浄することができ、洗浄後に再び添加物の添加を行う場合に、不純物を混入させないので、安定した添加を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成11年12月20日(1999.12.20)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2001−173820(P2001−173820A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−361369