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【発明の名称】 高性能ポペット弁体及び弁座の組立体
【発明者】 【氏名】トーマス ジェイ.シーバース

【氏名】マリオ フレゴソ

【要約】 【課題】高効率動作及びゼロ流体滞留をもたらす一方で、高い漏れ防止機構をもたらすこと。

【解決手段】ポペット弁体の外径終端縁を区画形成するフランジ128は、フランジから軸線方向に突出する舌部132を有している。ダイヤフラムは、ポペット弁体32の頭部回りに半径方向に延在し、フランジに関するポペット弁体の頭部の動作ができるようにポペット弁体の頭部とフランジとの間に介在する。ポペット弁体の頭部とフランジとダイヤフラム34とは一体構造部材で、本組立体は、ポペット弁体に隣接対向して位置する円形の弁座36を具備している。弁座は、約2から30度の範囲で弁座の放射軸線方向において半径内方向に向けて上方向に傾斜するポペット弁体接触表面40を有し、ポペット弁体表面及び弁座表面は相互に作用して本組立体の着座及び非着座動作を行う。加えて、ポペット弁体及び弁座の接触表面は、不必要なものが一掃される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体を扱う装置に使用されるポペット弁体及び弁座の組立体であって、ポペット弁体と円形ポペット弁体弁座とを具備し、前記ポペット弁体は、一方のポペット弁体端部における円形無孔頭部及びポペット弁体アクチュエータとの接続に適した反対側端部と、8から25度の範囲内の角度で前記頭部から半径外方向に向けて上方向に傾斜する前記頭部の外側表面に沿う弁座接触表面と、前記頭部回りに半径方向に延在して前記ポペット弁体の外径終端縁を区画形成するフランジであって、前記フランジから軸線方向に突出する舌部を有するフランジと、前記頭部回りに半径方向に延在して、前記フランジに関する前記頭部の動作を可能とするように前記頭部と前記フランジとの間に介在されたダイヤフラムであって、前記頭部と前記フランジと前記ダイヤフラムとは一体構造であるダイヤフラムとを具備し、前記弁座は、前記ポペット弁体に隣接して位置し、約2から30度の範囲で前記弁座の放射軸線方向において半径内方向に向けて上方向に傾斜するポペット弁体接触表面を有し、前記ポペット弁体の作動は、前記弁座接触表面と前記ポペット弁体接触表面との間の漏れ防止シールを形成するように前記ポペット弁体が前記弁座の方向へ移動することを引き起こす組立体。
【請求項2】 前記ダイヤフラムは、前記頭部から軸線方向に延在するスリーブの形状であり、前記スリーブは、ロール動作及び非ロール動作によって前記ポペット弁体の動作を可能とするように、前記頭部と前記フランジとの間の半径方向所定距離より大きな長さを有する請求項1に記載の組立体。
【請求項3】 前記弁座は、流体の滞留を防止するために、凹凸のない表面を有している請求項1に記載の組立体。
【請求項4】 請求項1に記載のポペット弁体及び弁座の組立体を具備する弁装置であって、流体移送ハウジングと、ピストンハウジングと、ピストンとを具備し、前記流体移送ハウジングは、前記流体移送ハウジング内に配置された流体室を有し、前記弁座が前記流体移送ハウジングの断面を横断して位置し、前記ピストンハウジングは、前記流体移送ハウジングに接続されてピストン室を有し、前記ピストンは前記ピストン室内に配置され、前記ポペット弁体は、前記ピストンの端部に取り付けられ、前記頭部と前記弁座との間の流体流れを制御するために前記頭部が前記弁座と相互作用するように、前記流体室内に配置され、前記フランジは、前記流体移送ハウジングと前記ピストンハウジングとの間に挿入され、前記フランジの前記舌部は、前記流体移送ハウジングと前記ピストンハウジングとの間の漏れ防止シールを提供するために、前記弁座回りに同心的に延在する前記流体移送ハウジングの溝内に配置される弁装置。
【請求項5】 前記ダイヤフラムは、前記頭部から軸線方向に延在して薄壁構造を有するスリーブであり、前記スリーブは、前記頭部と前記フランジとの間の半径方向距離の少なくとも二倍の軸線方向長さを有し、前記スリーブは、内側表面と、前記弁装置内の前記ポペット弁体の動作の間において前記ピストン及び前記弁装置の各隣接表面に対してロールする外側表面とを有する請求項4に記載の弁装置。
【請求項6】 前記ポペット弁体は、フルオロポリマー材料から形成されている請求項4に記載の弁装置。
【請求項7】 流体移送装置に使用されるポペット弁体であって、円形断面を有する無孔頭部と、前記頭部の周囲縁から半径方向に延在して前記ポペット弁体の軸線方向動作を可能とするのに適した連続の薄壁構造を有するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムから半径方向に延在して前記流体移送装置の隣接表面に対して漏れ防止適合を提供するのに適し、前記頭部と前記ダイヤフラムとで一体構造となるフランジとを具備し、前記頭部は、8から25度の範囲内の角度で前記頭部から半径外方向に向けて上方向に傾斜する軸線方向端部に沿う弁座接触表面を有するポペット弁体。
【請求項8】 前記ダイヤフラムは、前記頭部と前記フランジとの間の半径方向距離の少なくとも二倍の距離だけ前記頭部と前記フランジとの間を軸線方向に延在するスリーブであり、前記スリーブは連続直径の一定壁厚を有する請求項7に記載のポペット弁体。
【請求項9】 前記頭部の裏側表面から軸線方向に突出して作動ピストンへ前記ポペット弁体を取り付けるための取付手段と、前記ピストンの端部を収容配置して前記スリーブの内側表面を支持するために、前記スリーブと前記取付手段との間に配置された環状空洞とをさらに具備するする請求項8に記載のポペット弁体。
【請求項10】 前記フランジは、漏れ防止適合を提供するために前記流体移送装置の表面の相補的な溝内に適合するのに適した舌部を有する請求項7に記載のポペット弁体。
【請求項11】 請求項7に記載のポペット弁体と共に使用される円形状の弁座であって、前記弁座の放射軸線方向において半径方向に向けて上方向に傾斜する唇部を有するポペット弁体接触表面を具備する弁座。
【請求項12】 前記ポペット弁体接触表面の前記唇部は、2から30度の範囲内で上方向に傾斜している請求項11に記載の弁座。
【請求項13】 流体流れを制御するための弁装置であって、弁本体とポペット弁体とを具備し、前記弁本体は、前記弁本体を通り軸線方向に延在する中央室を有し、前記中央室は、流体移送通路と、流体入口と、前記流体移送通路の反対側端部の流体出口とを有し、前記弁本体は、さらに、前記流体移送通路内に配置された弁座を具備し、前記ポペット弁体は、前記中央室内に配置され、一端部において前記中央室内を軸線方向に移動可能なピストンへ取り付けられ、前記ポペット弁体は、無孔頭部と、ダイヤフラムと、フランジとを具備して一体構造を有し、前記頭部は、円形断面を有して、前記ポペット弁体を通して流体流れを制御するように弁座と接触するために、8から25度の範囲内で前記頭部から半径方向に向けて上方向に傾斜する前記頭部の軸線方向端部に沿う弁座接触表面を有し、前記ダイヤフラムは前記頭部の周囲縁から延在し、前記フランジは、前記ポペット弁体の周囲縁を区画形成するために前記ダイヤフラムから半径方向に延在し、前記弁本体との漏れ防止シールを提供するための手段を有し、前記ダイヤフラムは、前記フランジに関して前記中央室内の前記頭部の軸線方向移動を可能とする弁装置。
【請求項14】 前記ダイヤフラムは、前記頭部から軸線方向に延在するスリーブであり、前記頭部と前記フランジとの間の半径方向距離の少なくとも二倍の軸線方向長さを有する請求項13に記載の弁装置。
【請求項15】 前記スリーブは、薄壁構造と連続直径とを有し、前記スリーブは、内側表面と外側表面とを有し、前記内側表面は、前記ポペット弁体が前記弁座との着座位置にある時に、前記ポペット弁体の一部に対して位置決めされ、前記外側表面は、前記ポペット弁体が非着座位置にある時に、前記弁本体の一部に対して位置決めされる請求項14に記載の弁装置。
【請求項16】 前記ポペット弁体は、さらに、前記頭部の裏側表面から軸線方向に突出してピストンへ前記ポペット弁体を取り付けるための取付手段と、前記取付手段と前記スリーブとの間に位置して、前記スリーブに沿って軸線方向に延在し、前記スリーブへ半径方向支持を提供するために前記ピストンの端部を収納配置するのに適した環状空洞とを具備する請求項14に記載の弁装置。
【請求項17】 前記弁本体との漏れ防止シールを提供するための前記手段は、前記フランジの回りを取り囲んで延在し、前記フランジから軸線方向に突出する舌部であり、前記舌部は、前記弁本体の相補的な溝内に配置される請求項13に記載の弁装置。
【請求項18】 前記ポペット弁体は、フルオロポリマー材料かた形成される請求項13に記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体及び/又は気体を扱う装置に使用されるポペット弁体及び弁座の組立体、さらに詳細には、高効率な開放/非着座動作及び閉鎖/着座動作を提供し、着座及び閉鎖位置において任意の望ましくない流体保留を防止する特別な形状のポペット弁体及び弁座の組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポペット弁体及び弁座の組立体は、一般的に、装置の入口部から出口部への液体又は気体の通過を調整するための弁のように、液体又は気体を扱う装置において使用される。ポペット弁体は、一般的に、弁座へ向けて移動するように、弁本体内を作動させられ、着座ポペット弁体状態を提供してポペット弁体の隣接表面と漏れ防止密閉接触をもたらし、非着座状態を提供するために着座状態から離されるような形状である。弁本体内部がどのような形状であるかに依存して、ポペット弁体の着座及び非着座状態が、弁を通る流体流れに影響を与える可能性がある。
【0003】ポペット弁体は、一般的に、機械式手段、電気式手段、空気式手段、油圧式手段、又は、これらの組み合わせによって作動可能なスプリングを使用して弁本体内を作動させられる。ポペット弁体アクチュエータは、所望の着座又は非着座のポペット弁体及び弁座の状態を実現するために、一方向又は他方向にポペット弁体を移動させるように形成されている。ポペット弁体を着座及び非着座させ、こうして、弁本体内の所望の漏れ防止シールを実現及び非実現するのに必要な力の大きさは、弁座及びポペット弁体の接触表面の特定形状を含む多くの因子の関数である。
【0004】ポペット弁体及び弁座の組立体は、技術的に公知であり、弁使用時において一般的に、弁本体の流路回りに位置する平らな又は実質的に平らなポペット弁体接触表面を有する弁座を具備している。このような弁座と共に使用されるポペット弁体は、しばしば、平らな弁座接触表面を有し、それにより、着座位置に設置される時に、所望の漏れ防止適合を提供するように弁座を覆う。選択的に、技術的に公知のポペット弁体及び弁座の組立体は、ポペット弁体又は弁座の一方又は他方が、所望の漏れ防止接触表面をもたらすために、傾いた接触表面を有する形状である。しかしながら、このような公知の実施形態における特定の弁座又はポペット弁体の接触形状は、ポペット弁体及び弁座の組立体の作動を最適化する形状ではなく、すなわち、それらは、着座又は非着座動作を実施するために、小さな力のポペット弁体動作を促進しない。
【0005】加えて、一般的なポペット弁体及び弁座の形状は、ポペット弁体が着座又は非着座位置にある時に、弁座に隣接する流体の滞留の発生を最小限とする形状であはない。例えば、一般的な弁座は、それ内の容積を維持又は保持するように機能可能な周囲形状を有するように形成されている。ポペット弁体及び弁座が着座及び/又は非着座とされる時に、弁座の形状に依存して、流体滞留が発生する可能性がある。例えば、流体が水である時には藻等の移送される流体内の望ましくない汚れの蓄積に寄与するために、このような流体滞留は望ましくない。
【0006】それにより、ポペット弁体及び弁座は、最小限のスプリング力を使用して流体を扱う装置内で着座及び非着座動作をもらたすように、すなわち、高い動作効率を有するように構成されることが望まれる。さらに、このようなポペット弁体及び弁座は、着座位置又は非着座位置のいずれであっても、望ましくない流体滞留を防止するように構成されることが望まれる。このようなポペット弁体及び弁座が、このような高効率動作及びゼロ流体滞留をもたらす一方で、一般的なポペット弁体及び弁座の組立体から提供される以上の漏れ防止機能をもたらすことが望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】流体を扱う装置への使用のために本発明の原理により構成されたポペット弁体及び弁座の組立体は、高効率のポペット弁体動作を提供すると共に、着座又は非着座のいずれの位置にある時においても望ましくない流体滞留を防止する相補的な接触表面を有するように形成されている。本組立体は、ポペット弁体一端部において円形無孔頭部を有して、ポペット弁体アクチュエータとの接続に適した反対側端部を有するポペット弁体を具備している。ポペット弁体の頭部は、8から25度の範囲の角度で頭部の半径外方向に向かって上方向に傾斜する外側頭部表面に沿う弁座接触表面を有している。ポペット弁体は、頭部から半径方向に延在して、ポペット弁体の終端外径縁を区画形成するフランジを有する。このフランジは、フランジから軸線方向に突出する舌部を有する。ダイヤフラムが、ポペット弁体頭部回りを半径方向に延在し、フランジに関してのポペット弁体頭部の動作を可能にするように、ポペット弁体頭部とフランジとの間に介在されている。ポペット弁体頭部と、フランジと、ダイヤフラムとは、全て一体構造部材である。
【0008】本組立体は、さらに、ポペット弁体の反対側に隣接して位置する円形ポペット弁体弁座を具備している。この弁座は、約2から30度の範囲の角度で弁座の半径内方向に向かって上方向に傾斜するポペット弁体接触表面を有している。相互作用するポペット弁体及び弁座は、本組立体の着座及び非着座動作を提供するのに弁座に相対するポペット弁体の高効率動作を可能とするように、特別に形成されている。加えて、ポペット弁体及び弁座の接触表面は、不必要なものを一掃して、望ましくない流体滞留を引き起こす可能性のある任意の表面特徴を無くしている。
【0009】本発明のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な記述、請求の範囲、及び添付図面を考慮すると、さらに完全に理解される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施により構成されたポペット弁体及び弁座の組立体は、高効率動作を容易にし、完全に不必要なものを一掃して、すなわち、流体滞留容積をもたらさないポペット弁体及び弁座の組立体を提供するために、突出弁座のポペット弁体接触表面と相互作用するように特に形成された弁座接触傾斜表面を有するポペット弁体を具備する。
【0011】図1を参照すると、弁装置の形状の流体を扱う装置10が図示されている。この弁装置10は、全体的に、参照としてここに組み込む米国特許出願番号09/868639に開示及び図示されたものと同様である。弁装置10は、全体的に、基部14と、基部14の上側に配置された流体移送ハウジング(FTH)16と、FTH16の上側に配置されたピストンハウジング18とから形成された(図面の下部から上方向へ向けて)バルブハウジング12を具備している。ネジ又は他の適当な取り付け手段(図示せず)が、ピストンハウジング18及びFTH16を通り延在し、ピストンハウジング及びFTH16を基部14へ取り付けるために、基部へネジ込まれる。
【0012】FTH16は、その一方の側壁を貫通する流体入口ポート24と、反対の側壁を貫通する流体出口ポート22とを有している。弁装置10の空気又は気体作動実施形態において、ピストンハウジング18は、その側壁を貫通する空気入口ポート26及び空気出口ポート又は排気ポート28を有している。FTH16は、さらに、弁装置内の任意の流体漏れの発生を監視するために、その一方の側壁を貫通して延在する漏れ検出ポート30を有する形状としても良い。
【0013】ポペット弁体組立体32は、ピストンハウジング18内に配置され、その一端部に取り付けられたダイヤフラム式ポペット弁体34を有している。ダイヤフラム式ポペット弁体34は、ポペット弁体組立体の作動時に、それを通る流体流れを制御するようにFTH16内の弁座36と相互作用し、外側雰囲気又はピストンハウジング18のいずれへも流体漏れを防止するためにFTH16との漏れ防止シールを提供するように形成されている。ダイヤフラム式ポペット弁体34は、弁座36の隣接ポペット弁体接触表面40と接触するように特に形成された弁座接触表面38を有し、このポペット弁体接触表面は、さらに、ポペット弁体と接触するように特に形成されている。ポペット弁体及び弁座の接触表面における特別な形状的特徴は、以下により詳細に説明される。
【0014】弁装置10は、気体作動式のポペット弁体組立体を具備する。しかしながら、例えば、機械式、電磁式、及び油圧式作動手段等の他のポペット弁体組立体の作動手段に適応するように、本発明の精神を変えないで、弁装置の形状は変更されても良いことは理解される。
【0015】FTH16は、FTHを通り軸線上方向に流体入口ポート24から延在する流体入口通路42を有している。弁座36は、流体入口通路42の端部回りを取り囲み延在している。弁座のポペット弁体接触表面40は、弁座の内径に沿って周囲に延在する唇形状であり、弁座の中心内方向へ向かって所定角度で上方向に突出している。弁座のポペット弁体接触表面40は、弁座を横断して延在する水平面に関して約2から30度の範囲内の角度で上方向に突出することが好ましい。約2度より小さな上方向の突出角度を有するポペット弁体接触表面は、弁座が自身中心位置決め機能を提供しないために、すなわち、ポペット弁体が弁座内に係合する時にポペット弁体を弁座内の中心に位置させないために好ましくない。こうして、弁部材の間の密閉係合は、望ましくない内部的弁漏れを引き起こさない。約30度より大きな上方向の突出角度を有するポペット弁体接触表面は、大きなスプリング力が浪費され、こうして、より強いスプリングが同じ力を弁座へもたらすために使用されなければならないために、望ましくない。より強いスプリングの使用は、弁装置の大きさを増大させることも必要とするために、望ましくない。好適な実施形態において、ポペット弁体接触表面は、約15度の上方向の突出角度を有している。
【0016】弁座36及び弁座のポペット弁体接触表面40は、さらに、それらと接触して位置する流体を保持又は滞留させないように特に形成されている。これは、表面加工のない、例えば、ポペット弁体が着座又は非着座のいずれかとされる時に流体を滞留又は保持するように機能する隆起又は溝等を有しない弁座の横断表面を提供することによって実現される。全体的に滑らかに隆起する表面を有するポペット弁体接触表面40の形状は、それに接触して位置する流体が、この表面に対して保持又は滞留されることを防止する。以下に説明するように、ポペット弁体34及び弁座38が密閉位置に配置される時に、二つの部材の間の接触は、流体保持表面加工のない薄いリング状領域に沿って実現される。
【0017】ダイヤフラム式ポペット弁体の弁座接触表面38は、弁座のポペット弁体接触表面40との高効率作動接触を提供するように特に形成されている。ポペット弁体作動効率は、ポペット弁体を弁座に着座させるか又は弁座からポペット弁体を非着座させるための弁装置内におけるポペット弁体の移動に必要な力の大きさとして測定される。ポペット弁体の作動力測定(半径方向成分及び軸線方向成分の両方)は、多数の異なる弁座接触表面角度を有するポペット弁体形状にとって行われた。予測に反して、45度より小さなポペット弁体の弁座接触表面角度が最高のポペット弁体作動効率を提供することが発見された。一般的なポペット弁体の形状は、理論的にx又は半径方向及びy又は軸線方向の力成分の両方を最小限とするような約45度の角度を有する弁座接触表面を備えるポペット弁体の形状である。慎重な解析及びモデル化によって、この一般的な実施例が約70パーセントの効率だけしかならないポペット弁体の作動効率を提供することが発見された。本出願人は、90から99パーセントの範囲の効率となる、すなわち、一般的なポペット弁体形状を使用して実現するより少なくとも28パーセント大きな効率となるポペット弁体の効率を提供するのにポペット弁体の形状をどのようにするかを発見した。
【0018】ポペット弁体の弁座接触表面38は、ポペット弁体の鼻部44に沿って延在する水平面に関して特定角度方向を有するように形成されている。ポペット弁体の弁座接触表面38は、ポペット弁体の側部からポペット弁体の鼻部44へ半径内方向に向かって下方向に突出している。ポペット弁体の弁座接触表面38は約8から25度の範囲の下方向の突出方向を有していることが好ましい。前述したように、この範囲内の角度方向を有する形状の弁座接触表面は90から99パーセントの範囲内にあるポペット弁体作動効率を提供することが発見されている。約8度より小さい下方向突出角度を有する弁座接触表面38は、ポペット弁体が弁座内の中心位置決め能力を失い始めて、それにより、ポペット弁体及び弁座の密閉性を危うくするために、好ましくない。約25度より大きな下方向突出角度を有する弁座接触表面は、ポペット弁体作動効率が90パーセントより下に減少するために好ましくなく、例えば、45度のポペット弁体の弁座接触表面角度は、70パーセントの作動効率しか有さないポペット弁体をもたらす。好適な実施形態において、ポペット弁体の接触表面は、約16度の下方向突出角度を有し、これは、ポペット弁体の中心位置決めの問題なしに、約96パーセントのポペット弁体作動効率を提供する。
【0019】ピストンハウジング18に対向するFTHの端部へ向けて弁座36から上方向に延在して、FTH16は、流体入口通路42内の弁座36を通過する流体を流体出口ポート24を介してFTH外へ導くように形成された流体室46を有している。FTHは、流体室の周囲縁回りを取り囲み配置された流体室46内の溝48を有している。この溝48は、FTHに対して漏れ防止シールを提供するために、以下に詳細に説明するように、ポペット弁体34の外側周囲縁から延在する相補的な舌部を収納するように形成されている。
【0020】ピストンハウジング18は、FTH16の端部に取り付けられている。ピストンハウジングは、FTHと接触する開口端部52からピストンハウジングを通りピストンハウジングの反対側の閉鎖端部54へ軸線方向に延在するピストン室50を有している。前述したように、ピストンハウジング18は、気体作動のポペット弁体組立体の動作を提供するのに適している時には、ピストンハウジング側壁を通りそれぞれ延在する入口空気ポート26と出口空気ポート28とを有している。加えて、ピストンハウジングは、側壁を通り延在する漏れ検出ポート30を介して漏れ検出を提供する形状とすることができる。
【0021】好適な実施形態におけるピストン室50は、円形断面を有し、開口端部52から軸線方向に所定距離だけ延在する第一直径部分56と、ピストンハウジングの閉鎖端部54へ第一直径部分56から軸線方向に延在する小さな第二直径部分58との両方を有している。ピストン室50は、不動又は静止配置のピストンシール押さえ60を収納するように構成されている。このピストンシール押さえ60は、空気作動のポペット弁体組立体32がピストン室内に気密加圧室を形成することを必要とする場合の適用において使用される。ピストンシール押さえ60は、ポペット弁体組立体のピストン64の収納配置のために、軸線方向に貫通して延在する中央穴62を備えるドーナツ形状の環状構造を有している。
【0022】このシール押さえ60は、ピストン室の第一直径部分56内に配置される大きさの第一直径部分64と、ピストン室の第二直径部分58内に配置される大きさの第二直径部分66とを有する外壁表面を有している。ピストン室50の開口端部52内に載置される時に、シール押さえの軸線方向最大位置は、ピストン室及びシール押さえそれぞれの第一及び第二直径部分が当接する位置において、ピストン室内に形成された相補的な肩部とシール押さえとの間の相互作用によって制限される。シール押さえ60は、ピストン室内へ載置される時に開口端部52を越えて延在しないような軸線方向の大きさである。
【0023】漏れ検出が望まれる場合の適用において、シール押さえ60は、中央穴62から第一直径部分58へ半径方向に貫通して延在する漏れ通路68を有している。ピストン室50内へ載置される時に、漏れ通路68は、第一直径部分64における環状溝と流体的連通状態であり、この溝は、流体室46を通過してピストン室へ漏れる流体が発生する場合において、漏れポートへの流体流れを容易にするために、ピストンハウジングの漏れポートと流体的連通状態である。このような形状の弁を使用する漏れ検出は、侵入式及び非侵入式の漏れセンサ、又は、視覚検出のような一般的な漏れ検出を使用することによって、実施可能である。
【0024】ピストンシール押さえ60は、隣接するピストン室の壁面と漏れ防止シールを形成するために、外径表面回りに一つ以上の環状シール部材を有している。好適な実施形態において、シール押さえは、溝72内に配置されて第一直径部分64回りを取り囲んで延在する第一環状シール部材70と、溝76内に配置されて第二直径部分66を取り囲んで延在する第二環状シール部材74とを有している。第一及び第二環状シール部材70及び74は、漏れ通路68がそれらの間に位置するように、シール押さえに沿って軸線方向に配置されている。シール押さえは、さらに、溝80内に中央穴56の表面回りを取り囲んで延在する第三環状シール部材78を有している。この第三環状シール部材78は、流体室46からシール押さえを越えてピストン室内へ漏れる流路形成を防止すると共に漏れ検出のための漏れ通路68へ漏れ流体を向けるために、漏れ通路68に対して第二環状シール部材74と同じ側においてシール押さえに沿って軸線方向に配置されている。この第三環状シール部材78は、さらに、空気作動ピストンの動作を提供するために、ピストンに対しての気密シールを形成する。第一、第二、及び第三環状シール部材は、好ましくは、所望の弾性特性を有する材料から形成されたOリング状シール部材である。化学的耐性も望まれる場合には、Oリングシール部材は、Viton又は他の種類のフッ素弾性材料から形成されても良い。
【0025】ポペット弁体組立体32は、ピストン室50内に軸線方向に配置されている。ポペット弁体組立体32は、軸線方向の一端部における頭部82及び軸線方向の反対側端部における後部84を有するピストン64と、この頭部へ取り付けられたダイヤフラム式ポペット弁体34とを具備している。ピストン64は、全体的に、筒形状であり、頭部82から軸線方向の所定距離だけピストン内へ延在する中空孔86を有している。この中空孔86は、ポペット弁体34の軸部88を収納してその取り付けを提供する形状である。ピストン64の外表面は、頭部から所定距離だけ軸線方向に延在する第一直径部分90と、第一直径部分から所定距離だけ軸線方向に延在して第一直径部分より僅かに大きい第二直径部分92とを有している。ピストン64の第二直径部分92は、ピストンシール押さえ60の中央穴62内に適合する大きさであり、それにより、漏れ防止シールがピストンと第三環状シール部材78との間に形成される。ピストンの第一直径部分90がピストンの第二直径部分92より小さい大きさである理由は、ポペット弁体34を参照して以下に説明する。
【0026】ピストン64は、第二直径部分92から半径方向に延在してピストン室50内の第二直径部分58に適合する大きさの外径を有する拡がり部分94を有している。この拡がり部分94は、ピストンの中央近傍に軸線方向に位置し、ピストン室の壁面に対向して位置する外側表面回りを取り囲んで位置する溝96を有している。環状シール部材98が、この溝内に配置され、ピストンとピストン室との間の漏れ防止シールを提供する。環状シール部材98は、第一、第二、及び第三環状シール部材のために前述したと同種の材料から形成可能である。拡がり部分94の裏側表面100、すなわち、軸線方向においてピストンの後部へ向いた拡がり部分の表面は、弁スプリング102の一端部を収納するのに適している。
【0027】ピストンは、後部84へ向けて拡がり部分94から所定距離だけ軸線方向に延在する第三直径部分104を有している。この第三直径部分104は、ポペット弁体組立体が作動させられる時にスプリングとの固着を防止するために、弁スプリング102のコイル内に適合する大きさである。好適な実施形態において、ピストンの第三直径部分102は、第二直径部分92より僅かに小さい大きさである。ピストン80の後部84は、ピストンの端部を形成するために、第三直径部分104から所定距離だけ軸線方向に延在している。この後部84は、第三直径部分104より小さな大きさの直径を有し、それにより、変移位置において肩部106を形成する。
【0028】ピストン64は、後部84がピストンハウジング18の閉鎖端部54を通る開口108内に配置されるように、ピストン室50内へ載置されている。後部は、外側表面回りを取り囲んで延在する溝110と、ピストンの後部と開口108との間の漏れ防止シールを提供するために溝110内に配置された環状シール部材とを有している。弁スプリング102は、ピストンハウジング18の閉鎖端部54と、ピストンの拡がり部分94の裏側表面100との間において、第三直径部分104とピストンの後部84の一部との回りに同心状に挿入されている。ピストンシール押さえ60はピストン回りに配置され、それにより、漏れ防止シールがシール押さえの中央穴62とピストンの第二直径部分92との間に形成される。
【0029】ポペット弁体34を再び参照すると、ポペット弁体軸88は、頭部38の裏側表面から軸線方向に突出し、ピストン64の中空孔86との取り付け適合を提供するのに適している。一実施形態において、ポペット弁体軸88は、ピストンの中空孔86内の相補的ネジとの螺合を提供するようにネジを切られている。選択的に、ポペット弁体軸88は、取り付けを提供するために、ピストンの頭部の相補的な中空孔86へのスナップ式接触適合等を提供するような形状とすることができる。
【0030】必要ならば、軸線方向における増強された剛性を有するピストンを形成するために、ピストンの中空孔86は、ピストンインサート(図示せず)を収納するために、ポペット弁体軸88より深い形状とすることができる。ピストンインサートは、ピストンへの構造的な補強を提供可能なセラミック材料等のような不活性材料から形成することができる。ピストンインサートの使用が望ましい例は、弁装置が高温又は高圧の流体を扱うのに使用される場合であり、すなわち、増強されたピストン剛性が望まれる場合である。
【0031】図2は、本発明の原理により構成された弁装置のもう一つの実施形態120を図示しており、図1に示すダイヤフラム式ポペット弁体とは異なるロールダイヤフラム式ポペット弁体122を具備している。望ましい高効率動作の表面及び完全に不必要なものを一掃した表面の両方を提供するために、前述及び図1に示したように、ロールダイヤフラム式ポペット弁体122は同様な弁座接触表面38を有することが理解され、弁座36は同様なポペット弁体接触表面40を有することが理解される。このロールダイヤフラム式ポペット弁体122は、ポペット弁体の頭部126と一体で頭部からポペット弁体フランジ128へ軸線方向に延在するスリーブ124を具備している。このスリーブ124は、ピストンシール押さえの中央穴62に対するロール及び非ロール動作によって、ポペット弁体の頭部126が流体室46内で軸線方向に移動することを可能とするポペット弁体の筒状側壁表面を形成する。
【0032】円形空洞125が、ポペット弁体軸127とスリーブ124との間においてポペット弁体の頭部126の裏側表面回りに延在し、この空洞は、スリーブを軸から離間させ、ピストンの頭部82を収納する。ピストンの頭部82は、ポペット弁体軸127がピストンの中空孔86内に設置されて取り付けられる時に、空洞125に適合して完全に装填される。
【0033】ダイヤフラム式ポペット弁体の二つの種類の重要な特徴は、それらが一体の孔無し構造として形成されることである。このような一体のポペット弁体構造は、弁を通る多数の漏れ流路を最小限とし、それにより、ピストン室50への流体室46からの流体漏れの可能性を最小限とするために、非常に望ましい。一般的なダイヤフラム式弁は、ダイヤフラムの穴又は開口を通して設置された弁軸を有している。このような多数部材構造は、弁軸とダイヤフラムとの間の内在的な漏れ流路を提供し、これを通して、扱う流体が弁から漏れる可能性がある。本発明のロールダイヤフラム式ポペット弁体の一体構造は、この漏れ流路を無くし、それにより、弁を通しての又は弁からの望ましくない流体漏れの可能性を低減する。
【0034】スリーブ124は、頭部126とフランジ128との間に延在する連続した薄壁構造の形状であり、軸線方向におけるスリーブのロール及び非ロール動作を介して頭部がフランジに関して軸線方向に移動させられることを可能とする。スリーブが非ベローズ形状を有することを注記することは重要である。好ましくは、スリーブは、筒状又は円錐形状を有する、すなわち、一定又は徐々に変化する直径を有するように形成されている。さらに、スリーブは、一定の壁厚を有することが望ましい。スリーブは、ベローズ形状のスリーブによって提供可能なアコーディオン状の積み重ね動作ではなく、軸線方向のロール動作によって軸線方向のポペット弁体頭部の動作を容易にする。以下に説明するように、この形状の重要な特徴は、スリーブがピストンとピストンシール押さえの中央穴のそれぞれによって内面に沿って常に支持されていることである。この特定のポペット弁体形状は、弾性変形よりむしろ、支持されたロール及び非ロール動作(ダイヤフラム式スリーブの一方の表面が常に支持されている場合)によるポペット弁体の動作を提供し、それにより、このような弾性変形のために裂ける又は他の破損の危険を最小限とする。スリーブのこのように支持されたロール動作は、一般的なダイヤフラム式弁を使用する他の実施例より高い扱い流体の温度及び圧力において、ポペット弁体が機能することを可能とする。
【0035】図3は、ポペット弁体122が弁座に非着座の開放位置における図2のロールダイヤフラム式ポペット弁体122を具備する弁装置120を図示している。弁座から離間する弁装置内のポペット弁体の上方向動作は、シール押さえの中央穴62の半径方向隣接表面上におけるピストンの隣接する第一直径側壁表面130からのポペット弁体のスリーブ120の非ロールによって提供される。
【0036】図1から3のそれぞれに図示した弁装置において使用される前述のポペット弁体は、ポペット弁体の外径回りを取り囲んで延在するフランジ128を具備している。参考のために図1を参照すると、フランジ128は、FTH16とピストンハウジング18との間、より詳細には、空気作動弁の実施形態のためにFTHとピストンシール押さえ60との間の取り付け構造を提供する。このフランジ128は、軸線下方向に突出して流体室46の溝48内の接触適合を提供する大きさの舌部132を有する前側表面を有している。この舌部128が、FTH内の任意の流体滞留容積を無くして舌部と溝48との間の漏れ防止シールを提供するために、流体室46の溝に完全に装填される半径方向幅及び軸線方向長さを有する大きさであることは、ポペット弁体のフランジの重要な特徴である。好ましくは、舌部132は、ポペット弁体34がピストンハウジング18とFTH16との間に挟持される時に、FTH16上におけるフランジ128の配置を安定化する段付形状を有している。フランジ128は、フランジの裏側表面136へ舌部125から軸線方向に延在して、FTHとピストンハウジングの第一直径部分56との両方内に適合する大きさの直径を有する平らな外径側壁表面134を有している。
【0037】ポペット弁体のフランジ128の裏側表面136は、空気作動弁の実施形態の場合にはピストンシール押さえ60の軸線方向端部又はピストンハウジングとの相互作用のための相補的表面を提供するために平らである。
【0038】ロールダイヤフラム式ポペット弁体を具備する図2及び3に図示したような一実施形態において、約177ミリメータの高さ(基部の底面からピストンハウジングの上面までの測定時)と、約60ミリメータの幅(流体入口及出口ポートの端面の測定時)とを有する弁装置内に適合するように構成されたポペット弁体32は、約33ミリメータのフランジ128直径と、約7ミリメータの半径方向フランジ幅と、約6ミリメータの軸線方向フランジ長さと、約14ミリメータの頭部直径と、約0.4ミリメータのスリーブ124壁厚と、約6ミリメータのスリーブ長さと、約9ミリメータの軸直径と、約20ミリメータの軸長さと、約2ミリメータの半径方向空洞127幅とを有している。
【0039】本発明の弁装置の全体構造及び動作を説明するために図1を参照すると、ポペット弁体32は、ピストン及び弁スプリング102がピストンハウジング18内に載置され、ピストンシール押さえ60がピストン上に配置されてピストン室50内に配置された後に、ピストン64へ取り付けられる。ポペット弁体組立体32を具備するピストンハウジング18は、次いで、FTH16上へ取り付けられ、それにより、フランジの舌部132は流体室の溝48へ適合する。ポペット弁体組立体32は、流体入口通路42内の流体が流体室46へ流入することを防止するために、ポペット弁体の頭部44が弁座34のポペット弁体接触表面40に対して着座する弁座接触表面38を有するように配置されている閉鎖位置において図示されている。ポペット弁体組立体は、弁スプリング102によって提供されたスプリング力のために、このような閉鎖位置に維持され、すなわち、本弁装置は、常時閉動作を提供するように構成されている。選択的に、弁装置は、常時開動作を提供するために、ピストンの拡がり部分の前側表面と、シール押さえ60の裏側表面との間に挿入された弁スプリング102を有するように構成可能である。
【0040】図2に示すように、ロールダイヤフラム式ポペット弁体122が閉鎖又は着座位置である時に、ポペット弁体のスリーブ124は流体室46へ軸線方向に延在し、ピストンの頭部82の壁表面はスリーブ124の内側表面を支持する。ポペット弁体122が閉鎖位置にある時にスリーブ124の内側表面を支持するような頭部82の形状は、比較的薄いスリーブが扱う流体の高い圧力及び/又は温度のために変形することを防止するために、重要な形状的特徴である。
【0041】図1を再び参照すると、十分な大きさの気体圧力が、空気入口ポート26を介して、弁スプリング102によって提供されるスプリング力と等しく又は打ち勝つように、ピストンの拡がり部分94とピストンシール押さえ60との間のピストン室における空気室138へ導かれる時に、ピストン64は、閉鎖端部54の方向へピストン室50内を軸線方向に移動させられる。ピストン64は、ピストンの肩部106が、ピストン方向へピストンハウジングの閉鎖端部48から所定距離だけ軸線方向に突出する隆起部140に当接するまで、ピストン室50内において軸線方向に移動させられる。ピストンがピストン室内を軸線方向に移動すると、ピストンの拡がり部分94とピストンハウジングの閉鎖端部48との間に存在するピストン室内の空気は、空気出口ポート28を介してそこから移動させられ又は排出される。
【0042】ピストン室内におけるピストン64の軸線方向の移動は、ポペット弁体の頭部が弁座36から離れることを引き起こし、それにより、流体入口通路42内の流体が流体室46へ流入し、流体出口ポート22を介してFTH16を通過することを可能とする。図3に示すように、ピストン室内のピストンの軸線方向の移動は、さらに、ポペット弁体のスリーブ124が、ピストンから離間する軸線方向に、ピストンシール押さえの中央穴62の隣接同心内側表面上にロールすることを引き起こす。
【0043】隣接弁部材表面の間、例えば、ピストンとピストンシール押さえとの間におけるスリーブのこのようなロール動作及び移動を可能とするためには、スリーブのロール直径を収納するように、表面の間には十分な隙間が存在することが重要である。例えば、図2に示すような好適な弁装置の実施形態において、ピストンの第一直径側壁表面130は、ピストンシール押さえの中央穴62より小さな大きさであり、両者の間には約1.2ミリメータの隙間を提供する。このような隙間は、約0.4ミリメータの壁厚を有するポペット弁体のスリーブのロールを許容するのに十分である。
【0044】前述したように、本発明の弁装置の重要な特徴は、(1)高効率のポペット弁体動作を提供するように角度を付けて配向された弁座及びポペット弁体の接触表面をそれぞれに有するポペット弁体及び弁座の形状、及び、流体滞留を無くすために完全に不必要なものを一掃した表面を提供するようなポペット弁体及び弁座の接触表面の形状と、(2)(a)一体構造を有し、(b)弁座に対する漏れ防止シールを提供し、(c)FTH16との漏れ防止シールを提供し、(d)裂ける又は他の関連変形の破損の危険無しに、軸線方向のロール動作によって比較的長いポペット弁体のストローク長さを可能とするロールダイヤフラム式ポペット弁体の形状とである。本発明のロール式ポペット弁体のもう一つの望ましい特徴は、構造の形状及び材料の両方のために、その使用が可動部材(すなわち、スリーブ)の劣化から引き起こされる微粒子問題の発生を防止することである。
【0045】ロールダイヤフラム式ポペット弁体の重要な特徴は、比較的小さなポペット弁体の直径を有する一方で、流体室内における比較的長いポペット弁体のストローク長を可能とする能力である。一般的なダイヤフラム式弁は、増大されたポペット弁体又は弁軸のストローク長を実現するために、大きな直径のダイヤフラムを使用することを必要とする。これは、ダイヤフラムが裂ける可能性を最小限とするために、弁軸の動作中におけるダイヤフラムの変形量を制御する必要がある。本発明のポペット弁体は、ダイヤフラムの変形よりむしろスリーブの軸線方向のロールによってポペット弁体の動作を可能とするために、ポペット弁体の直径を増加させることなく、ポペット弁体のスリーブの軸線方向長さを変化させることによって長いストローク長さを許容するのに適合可能である。この形状的な特徴は、このようなポペット弁体を組み込む弁装置が、一般的なダイヤフラム技術を使用して可能な他の方法より小型の大きさを有して構成されることを可能とする。
【0046】本発明の原理により構成されたダイヤフラム式ポペット弁体、弁座、及びこれらを具備する弁装置は、特に前述及び図1から3に示すようなものと異なって具体化可能であることが理解される。例えば、本発明のポペット弁体及び弁座は、手動又は電磁操作による作動の流体流れ制御弁に使用されても良い。このような実施形態において、ピストンハウジングは、図1に示すものとは異なる形状とされても良い。例えば、このような非空気作動の実施形態において、ピストン室は、ピストンシール押さえを有することはなく(空気室を形成する又は有する必要がないために)、ピストンは拡がり部分を有することはない(ピストン室内の気密シールを形成する又は有する必要がないために)。このような実施形態において、ピストン室は、(1)設置を許容するためにピストンより僅かに大きな大きさの内径を有し、(2)ポペット弁体が開放位置へ移動させられる時にポペット弁体のスリーブのための支持を提供し(例えば、ロールダイヤフラムの使用時)、(3)ポペット弁体のフランジの裏側表面に当接する。
【0047】本発明により構成されたポペット弁体及び弁座は、弁装置以外の流体を扱う装置に使用可能でもある。例えば、本発明のダイヤフラム式ポペット弁体及び弁座は、流体供給における正確な制御を提供するように形成された針状弁又は栓状弁の構造に使用されても良い。
【0048】本発明の原理により構成されたポペット弁体、弁座、及び弁装置は、全ての種類の流体流れの移送及び調整への使用に良好に適している。このような弁装置のための特別な適用は、例えば、半導体産業において使用される化学処理剤の流量制御である。このような適用において、FTH及びポペット弁体、すなわち、濡れる弁部材は、好ましくは、良好な化学的及び熱的耐性を示す材料から形成されることが望ましい。もし、弁装置が、半導体製造産業において、又は、腐食性化学物質が弁装置を通過するような又は弁装置を通過する化学処理剤の高い化学的純度が維持されることが望まれるような他の産業において、使用されるならば、このような特性は望ましい。半導体製造産業において、強い無機酸、強い無機塩、強い溶剤、及び過酸化物のような高い腐食性の化学処理剤が、エッチング作業中に使用され、しばしば、化学的なエッチング反応を高めるために加熱され、こうして、エッチング作業の効率を高める。それにより、このような化学処理剤の流れを制御するための弁装置及びそれに収納されるポペット弁体は、弁装置の故障の可能性を無くして信頼性の高い作業を提供するために、化学的及び熱的耐性であることが重要であり、弁装置の故障は、環境への危険及び/又は近くの作業者への危険を引き起こす可能性がある場合において、弁装置から腐食性化学物質及び関連する蒸気の漏れを結果として生じるかもしれない。
【0049】加えて、弁装置が化学的耐性であることは重要であり、それにより、弁装置は、化学処理剤との接触時に劣化せず、化学的に純粋な処理液体へ汚染物を導入しない。このような汚染物の導入は、このような化学処理剤での処理を受ける一定数の半導体へ10万ドルの損害を引き起こすかもしれない。
【0050】このような適用において、FTH及びポペット弁体は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシフルオロカーボン樹脂(PFA)、ポリクロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、及び、フッ化ポリビニル(PVF)等の一団から選択されたフルオロポリマ合成物から形成されることが望ましい。特に好適な材料は、テフロン(登録商標)PFA又はテフロン(登録商標)PTFEであり、これらは、デラウェア州ウィルミングトンのデュポン社によって提供されている。このような材料は、腐食性、酸性、又は苛性の液体による被害を受けることなく、化学的に純粋な液体へ汚染物を導入することはない。濡れることのない弁部材、例えば、ピストンハウジング及びピストンは、任意の適当な材料から形成可能である。これらの弁装置における部材は、扱う液体によって濡れることがないために、特定の適用のために適度な構造的強さを提供可能なポリプロピレン等のようなプラスチックから形成することができる。化学的な耐性が弁装置全体のために望まれる場合には、濡れることのない部材は、前述同様なフルオロポリマーから形成可能であり、好適な化学的耐性材料は、デュポン社からのテフゼル(登録商標)ETFEである。
【0051】FTHを構成する弁装置における各部材、ピストンハウジング、ピストン、及びポペット弁体は、選択された材料の種類及び予算の両方に依存して、型成形又は機械加工のいずれかによって形成可能である。例えば、好適な実施形態において、ポペット弁体は、選択された材料の特性のために、機械加工によってテフロン(登録商標)PTFEから形成される。テフロン(登録商標)PTFEは、その優れた耐久性のために、ポペット弁体のために好適な材料である。しかしながら、ロールダイヤフラム式ポペット弁体は、この材料の異なる特性のために、型成形によって形成する場合においては、テフロン(登録商標)PFAからも形成可能である。
【0052】図1から3に図示したようなポペット弁体及び弁座の構造を具備する弁装置は、約180°Cに匹敵する温度状態及び1034kPa(150psig)に匹敵する圧力状態において、FTHを通る液体又は気体のいずれかの分配制御に信頼性高く作動させるのに使用可能である。
【0053】こうして、請求の範囲内において、本発明の原理によって構成されたダイヤフラム式ポペット弁体、弁座、及びこれらを具備する弁装置が、特にここで開示された以外に具体化されても良いことは理解される。
【出願人】 【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
【出願日】 平成12年4月7日(2000.4.7)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
【公開番号】 特開2001−173811(P2001−173811A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願2000−111934(P2000−111934)