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【発明の名称】 液の排出装置
【発明者】 【氏名】伊藤 武美

【要約】 【課題】深さの深い凹所内の滞留水であっても容易に外部に排出することができ、且つ構造が簡素であって安価に構成することのできる液の排出装置を提供する。

【解決手段】凹所52内の滞留液を外部に排出する排出装置12を、()ゴム膨張管14を備えたシール本体10と、()シール本体10の内部にエアを導く導入管路22と、()シール本体10内のエアを凹所52内の密閉空間に吐出する吐出孔39と、()シール本体10を軸方向に貫通する排液管路38とを有するように構成する。そして排液管路38の少なくとも一部をシール本体10の軸方向に伸縮性を有する蛇腹管30やスパイラル管等にて構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 凹所内に滞留した液を該凹所の外に排出する液の排出装置であって()内部に導かれた膨張用流体の圧力で半径方向に膨張して前記凹所の内壁面に密着し該凹所を密栓するゴム膨張管を備えたシール本体と()該シール本体の軸方向一端側且つ該凹所の開口側において該シール本体の内部と外部とを連通させる状態で設けられ、前記膨張用流体を該シール本体の内部に導く導入管路と()該シール本体の他端側において前記凹所の密閉空間内に開口し、該密閉空間を加圧するための加圧用流体を吐出する吐出孔と()該シール本体を軸方向に貫通する状態で設けられ、前記凹所の密閉空間内の滞留液を、該密閉空間に加えられた加圧力で内部を流通させたうえ外部に排出する排液管路とを有しており、且つ該排液管路の少なくとも一部が前記シール本体の軸方向に伸縮性を有する伸縮管にて構成されていることを特徴とする液の排出装置。
【請求項2】 請求項1において、上記伸縮管が蛇腹管であることを特徴とする液の排出装置。
【請求項3】 請求項1において、前記伸縮管がスパイラル管であることを特徴とする液の排出装置。
【請求項4】 凹所内に滞留した液を該凹所の外に排出する液の排出装置であって()内部に導かれた膨張用流体の圧力で半径方向に膨張して前記凹所の内壁面に密着し該凹所を密栓するゴム膨張管を備えたシール本体と()該シール本体の軸方向一端側且つ該凹所の開口側において該シール本体の内部と外部とを連通させる状態で設けられ、前記膨張用流体を該シール本体の内部に導く導入管路と()該シール本体の他端側において前記凹所の密閉空間内に開口し、該密閉空間を加圧するための加圧用流体を吐出する吐出孔と()該シール本体を軸方向に貫通する状態で設けられ、前記凹所の密閉空間内の滞留液を、該密閉空間に加えられた加圧力で内部を流通させたうえ外部に排出する排液管路とを有し、且つ前記ゴム膨張管は内部に補強層が埋設されているとともに、該補強層は軸方向に延びる縦糸を引き揃えて構成した縦張構造のものであることを特徴とする液の排出装置。
【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記排液管路の構成部材が前記シール本体の前記密閉空間側の端部に対して非スライド構造で固定してあることを特徴とする液の排出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は地盤に開けられた掘削孔内の滞留水の排出装置等として好適な液の排出装置に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、採石場では削岩機で地盤(岩盤)に孔を開けてそこに爆薬を仕掛け、爆破させるといったことが行われている。この場合、削孔を多数開けた上で爆薬による爆破を行うが、その間に雨が降ったりすると削孔内に雨水が溜まってしまう。而して削孔内に雨水が溜まった状態で爆薬により爆破を行おうとすると特殊な爆薬が必要となり、高コストとなってしまう。
【0003】そのため削孔を設けた後、爆薬にて爆破を行うまでの間に削孔内に雨水が入らないように防水シートを敷いて削孔内への雨水の浸入を防止するといったことも行われている。しかしながら削孔内への雨水の浸入防止のために防水シートを敷くとなると全体として作業が煩雑となり、採石のための効率が悪くなる。
【0004】一方削孔内に雨水が浸入するなどして孔内に滞留水が生じた場合、バキュームポンプを用いてこれを汲み出すことが行われる。しかしながらこの場合、発電機を作業現場に設置して発電しポンプを作動させるといったことが必要であるとともに、削孔の深さが10m以上の深い孔であるような場合、削孔内の滞留水の汲上げに長い時間がかかってしまったり、或いは場合によって汲上げが困難になるといった問題がある。以上採石場での作業に際して生ずる問題を述べたが、この種の問題は他の各種土木作業等においても同様に生じる問題である。
【0005】そこで本出願人は先の特許願(特願平11−180795号)において、深い削孔でも容易に滞留水を汲み上げることができる新規な液の排出装置について提案を行っている。図11はその一例を示している。同図において200は液の排出装置202におけるシール本体で、ゴム膨張管204と軸方向両端の端部金具206,208とを有している。
【0006】ここでゴム膨張管204は、軸方向両端部がかしめリング210により各端部金具206,208にかしめ付固定されている。またゴム膨張管204は、断面構造が内面ゴム層214と中間の補強層216と外面ゴム層218との積層構造をなしており、更にその補強層216は、補強糸を正逆両方向にスパイラル状に巻回して成る網目構造とされている。
【0007】この排出装置202においては、シール本体200内部に流体(例えばエア。以下エアとして説明する)を導入するための導入管路220が一方の端部金具206に形成されており、更にまたシール本体200を軸方向に貫通する形態で排液管路222が形成されている。
【0008】ここで排液管路222は、端部金具206,208を挿通する各部分が剛性のパイプ237,238にて構成されており、それらが端部金具206の貫通孔239内部に挿入された上、溶接接合によりその端部金具206に固定されている。パイプ238はまた、他方の端部金具208に形成された貫通の挿通孔240内部にOリング242を介して水密に且つ軸方向にスライド可能に嵌合されている。
【0009】端部金具208にはまた、シール本体200内部に導かれたエアを所定圧力の下で外部に吐出するための吐出孔224が形成されており、更にその吐出孔224を開閉するための一方向性の逆止弁226が設けられている。ここで逆止弁226は、ボール弁体228と、これを弁座229に向けて付勢するスプリング230と、ボルト232と、ロックナット234とを有しており、取付孔236において端部金具208に取り付けられている。
【0010】この排出装置202の場合、端部金具208側から削孔等の凹所内に全体を挿入し、その後導入管路220を通じてシール本体200内部にエアを導入する。するとその圧力でゴム膨張管204が半径方向に膨張して凹所の内壁面に密着し、凹所を密栓する。
【0011】そしてゴム膨張管204内のエアの圧力が一定圧以上になったところで、そこで始めて逆止弁226が開いてゴム膨張管204内のエアを凹所の密閉空間内に吐出する。逆止弁226のスプリング230の付勢力がそのように予め設定されている。
【0012】而してこのようにして凹所の密閉空間内にエアが流出すると、そこで密閉空間内にエアの圧力が作用する状態となり、ここにおいて凹所内に滞留している水等の液が、その加圧力に基づいて排液管路222を通じ凹所外部へと押し上げられ、排出される。
【0013】この液の排出装置202の場合、負圧の作用に基づいて凹所内の液を排出するものでなく、凹所の密閉空間内にエアの圧力を作用させてその圧力(正の圧力)により液を強制的に押し上げ排出するものであるため、深い孔であっても短い時間で簡単にこれを外部に排出することができる特長を有する。
【0014】しかしながらこの排出装置の場合、ゴム膨張管204の半径方向の膨張に伴ってゴム膨張管204が軸方向に収縮することから、排液管路222を構成するパイプ238を、端部金具208に対して、即ちシール本体の端部に対してスライド可能に挿通しておかなければならない問題がある。
【0015】そしてパイプ238をスライドさせなければならないことから、そのスライドを円滑に行わせるためにパイプ238を金属パイプ等剛性のパイプにて構成しなければならず、更に装置202を凹所から取り出したり或いは凹所へセットする際等にパイプ238が曲ったりするとパイプ238がシール本体200の端部に対してスライドできなくなってしまい、装置202の脱着作業を円滑に行えなくなってしまうといった問題を生ずる。更にまた、パイプ238がスライド運動を繰り返す過程でOリング242が摩耗してしまい、シールに対する信頼性が低下してしまうといった問題を生ずる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の液の排出装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。而して請求項1のものは、凹所内に滞留した液を該凹所の外に排出する液の排出装置であって、()内部に導かれた膨張用流体の圧力で半径方向に膨張して前記凹所の内壁面に密着し該凹所を密栓するゴム膨張管を備えたシール本体と、()該シール本体の軸方向一端側且つ該凹所の開口側において該シール本体の内部と外部とを連通させる状態で設けられ、前記膨張用流体を該シール本体の内部に導く導入管路と、()該シール本体の他端側において前記凹所の密閉空間内に開口し、該密閉空間を加圧するための加圧用流体を吐出する吐出孔と、()該シール本体を軸方向に貫通する状態で設けられ、前記凹所の密閉空間内の滞留液を、該密閉空間に加えられた加圧力で内部を流通させたうえ外部に排出する排液管路とを有しており、且つ該排液管路の少なくとも一部が前記シール本体の軸方向に伸縮性を有する伸縮管にて構成されていることを特徴とする。
【0017】請求項2のものは、請求項1において、上記伸縮管が蛇腹管であることを特徴とする。
【0018】請求項3のものは、請求項1において、前記伸縮管がスパイラル管であることを特徴とする。
【0019】請求項4のものは、凹所内に滞留した液を該凹所の外に排出する液の排出装置であって、()内部に導かれた膨張用流体の圧力で半径方向に膨張して前記凹所の内壁面に密着し該凹所を密栓するゴム膨張管を備えたシール本体と、()該シール本体の軸方向一端側且つ該凹所の開口側において該シール本体の内部と外部とを連通させる状態で設けられ、前記膨張用流体を該シール本体の内部に導く導入管路と、()該シール本体の他端側において前記凹所の密閉空間内に開口し、該密閉空間を加圧するための加圧用流体を吐出する吐出孔と、()該シール本体を軸方向に貫通する状態で設けられ、前記凹所の密閉空間内の滞留液を、該密閉空間に加えられた加圧力で内部を流通させたうえ外部に排出する排液管路とを有し、且つ前記ゴム膨張管は内部に補強層が埋設されているとともに、該補強層は軸方向に延びる縦糸を引き揃えて構成した縦張構造のものであることを特徴とする。
【0020】請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記排液管路の構成部材が前記シール本体の前記密閉空間側の端部に対して非スライド構造で固定してあることを特徴とする。
【0021】
【作用及び発明の効果】上記請求項1の液の排出装置にあっては、シール本体を凹所内に挿入セットし、そして導入管路よりシール本体内部に膨張用流体を所定圧力で導入すると、その圧力によりゴム膨張管が半径方向に膨張し、凹所の内壁面に密着状態となって凹所を密栓し、凹所の奥部を密閉空間とする。そこで装置に設けた吐出孔から凹所の密閉空間内に加圧用流体を吐出し、密閉空間内を加圧する。すると凹所の密閉空間内の滞留液が、発生した加圧力でシール本体を軸方向に貫通する排液管路内を流通し、凹所外部へと排出される。
【0022】この液の排出装置の場合、単に膨張用流体と加圧用流体とを供給するだけで簡単に凹所を密栓した上で、凹所内の液を外部に排出することができる。しかもこの排出装置の場合、従来のように凹所内の滞留液を負圧で吸い上げるのではなく、加圧用流体による加圧力で滞留水を外部に押し出すものであって、その加圧力をいくらでも大きくでき、従って凹所の深さが10mより深い孔であっても、例えば20m,30mの深い孔であっても容易に凹所内の滞留水を短時間で外部に押し出し、排出することができる。
【0023】加えて本発明の排出装置の場合、ゴム膨張管が半径方向に膨張或いは収縮するのに伴って軸方向に伸縮しようとしたとき、排液管路の少なくとも一部を成す伸縮管がこれに良好に追従することができる。
【0024】従ってこの請求項1の排出装置によれば、図11に示す排出装置のように排液管路の一部を剛性のパイプにて構成し、これをシール本体の端部に対しスライド可能としておく必要がない。これによりそのスライド構造に起因する上記不具合を解消することができる。
【0025】即ち、排液管路を構成する管体を剛性のパイプとする必要がなくなり、またその剛性のパイプが曲ることによってシール本体、厳密にはゴム膨張管が軸方向に円滑に伸縮できなくなり、場合によって装着した凹所から装置を取り出すことが困難になるといった問題を解消することができる。またスライド部分でのシール機能が低下してしまうといった問題も解消することができる。
【0026】本発明の排出装置は、各種土木工事等において凹所内に滞留している水等を外部に排出するための装置として適用できることは勿論、凹所内に溜めてある有用な液を外部に取り出すための装置として用いることも可能である。或いは容器内の液を他の容器へと移し替えたり、容器内の液を他の液に入れ替えたりするための装置として、更には容器内の液を他の場所へと輸送するための装置として適用することも可能である。勿論本発明の液の排出装置は、岩盤等の地盤に設けられた掘削孔内部の滞留水を外部に排出するための装置として好適なものである。
【0027】ここで上記伸縮管は蛇腹管となすことができ(請求項2)、或いはまたスパイラル管となすことができる(請求項3)。何れの場合においても、排液管路の少なくとも一部を成す管体をシール本体の軸方向に円滑に収縮させることができる。
【0028】次に請求項4のものは、ゴム膨張管内部に埋設された補強層を、軸方向に延びる縦糸を引き揃えて構成した縦張構造のものとなしたもので、補強層をこのような構造となした場合、ゴム膨張管が軸方向の収縮を伴うことなく容易に半径方向に膨張することができる。従ってこの請求項4の排出装置においても請求項1と同様の効果を奏することができる。
【0029】上記説明から明らかなように請求項1〜4の発明は、排液管路の構成部材をシール本体の密閉空間側の端部に対し非スライド構造で固定状態とした場合に大なる効果を発揮することができる(請求項5)。
【0030】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。図1において、10は本例の液の排出装置12におけるシール本体で、ゴム膨張管14と、一対の端部金具16,18と、ゴム膨張管14の軸方向両端部を端部金具16,18にかしめ付固定するかしめリング20とを有している。
【0031】ここでゴム膨張管14は、断面構造が内面ゴム層14Aと中間の補強層14Bと外面ゴム層14Cとの積層構造をなしており、且つその補強層14Bは、補強糸を正逆両方向にスパイラル状に巻回して構成したもので、全体として網目構造をなしている。この補強層14Bの網目構造に起因して、ゴム膨張管14は半径方向に膨張したとき必然的に軸方向に収縮運動する。
【0032】本例の排出装置は、エアをゴム膨張管14の膨張用流体及び後述する密閉空間の圧力用流体として用いるもので、一方の端部金具16に、そのエアをシール本体10内部、具体的にはゴム膨張管14内部に導入するための導入管路22が形成されている。
【0033】24は排液管路38の大部分を構成する管体で、端部金具16及び18への固定部分が部分的に直管状のパイプ26,28にて構成され、そしてそれらの間の大部分が蛇腹管30にて構成されている。排液管路38は、この管体24と今一方の管体32及び端部金具16に形成された貫通孔34の一部にて形成されている。
【0034】ここで一方の管体32は、端部金具16の貫通孔34内に挿入された状態で溶接接合され、また他方の管体24は、パイプ26が端部金具16の貫通孔34内に挿入された状態で溶接接合されている。管体24はまた、他端側のパイプ28が他方の端部金具18の貫通孔36内に挿通された状態でその端部金具18に溶接接合され、非スライド構造でその端部金具18に一体移動状態に固定されている。
【0035】端部金具18には、シール本体内のエアを後述する凹所の密閉空間側に吐出する吐出孔39が設けられており、そこに一方向性の逆止弁40が組み込まれている。この逆止弁40は、ボール弁体42と、これを弁座44に向けて付勢するスプリング46と、筒状のボルト48とを有している。
【0036】ここで筒状のボルト48は吐出孔39の内周面の雌ねじに螺合されており、そしてその筒状のボルト48の一端面に上記スプリング46の一端が当接させられている。尚50はロックナットである。
【0037】この逆止弁40は次のように作用する。即ち、ゴム膨張管14内部にエアが導入されるとゴム膨張管14はそのエアの圧力で半径方向に膨張する。そしてそのゴム膨張管14内部のエアの圧力が一定圧力を超えたところで逆止弁40が開弁して、ゴム膨張管14内部のエアを密閉空間側に吐出し、密閉空間に対しエアの圧力を作用せしめる。
【0038】この排出装置12は次のように作用する。即ち、図2に示しているように端部金具18側から排出装置12を凹所52内部に挿入し、そしてエア供給管56を通じてゴム膨張管14内部にエアを導入する。このとき逆止弁40は閉弁した状態にあり、従ってゴム膨張管14は内部に導入されたエアの圧力で半径方向に膨出し、凹所52の内壁面に密着した状態、即ち凹所52を密栓した状態となる。
【0039】その後ゴム膨張管14内部のエアの圧力で(それ以前であっても良い)逆止弁40が開弁して、ゴム膨張管14内部のエアを凹所52の密閉空間側に吐出し、密閉空間に対してエアの圧力を作用させる。
【0040】尚、ゴム膨張管14が半径方向に膨張するのに伴ってゴム膨張管14、従ってシール本体10全体が軸方向に収縮運動する。このとき蛇腹管30が軸方向に収縮運動することによってゴム膨張管14、即ちシール本体10の軸方向の収縮に対し管体24が良好に追従することができる。
【0041】この排出装置12を用いることによって、図3及び図4に示しているように凹所52内の滞留水55を簡単に外部に排出することができる。即ち、排出装置12を端部金具18の側から凹所52内に挿入したうえ(図3(I))、ゴム膨張管14内部にエアを導くと、そのエアの圧力でゴム膨張管14が半径方向に膨張して凹所52を密栓し(図3(II))、引き続いてエアの圧力が吐出孔38を通じて凹所52の密閉空間に作用せしめられる(図4(III))。そしてその圧力の作用によって、凹所52内の滞留水55が管体24,32に接続された延長管58及び排液管路38を通じて外部へと排出される(図4(IV))。
【0042】本例の排出装置12の場合、単にエアを供給するだけで簡単に凹所52を密栓した上で凹所52内の滞留液55を外部に排出することができ、しかもこの排出装置12の場合、従来のように凹所内の滞留液を負圧で吸い上げるのではなく、エアによる加圧力で滞留水を外部に押し出すものであって、その加圧力をいくらでも大きくできるため、凹所52の深さが10mより深い孔であっても、容易に凹所52内の滞留水55を短時間で外部に押し出し、排出することができる。
【0043】加えて本例の排出装置12の場合、ゴム膨張管14が半径方向に膨張或いは収縮するのに伴って軸方向に伸縮しようとしたとき蛇腹管30がこれに良好に追従するために図11に示す従来の排出装置のように排液管路の構成部材をシール本体の端部に対しスライド可能としておく必要がなく、従ってまたそのスライド部分でのシール機能の低下の問題も来さない。
【0044】図5は本発明の更に他の実施例を示したもので、この例では管体24における上記蛇腹管30の部分をスパイラル管60として構成した例である。尚他の部分については上記実施例と同様である。このようにした場合においても、ゴム膨張管14の半径方向の膨張・収縮に伴う軸方向の伸縮に対し、排液管路38を構成する管体24を良好に追従させることができる。
【0045】図6は本発明の更に他の実施例を示している。この例は、管体24における上記蛇腹管30或いはスパイラル管60の部分を、軸方向の収縮に伴って湾曲し、また伸張に伴って直管状ないしこれに近い形状に変形する可撓管62にて構成した例である。このようにした場合においても管体24をゴム膨張管14の軸方向の伸縮に対し良好に追従させることができる。
【0046】図7は本発明の他の実施例を示している。この例では、ゴム膨張管14における中間の補強層14Bを縦張構造、即ち軸方向に延びる縦糸を引き揃えてゴム膨張管14の断面中間部に埋設してあり、このようにした場合、ゴム膨張管14は上記網目構造の補強層14Bを埋設した場合と異なって、図8に示しているように軸方向に収縮を伴うことなく半径方向に膨張或いは収縮することができる。従ってこの場合においても排液管路38を構成するための管体24を端部金具18、即ちシール本体の端部に固定状態となしておくことができる。
【0047】上記実施例では何れも端部金具18にこれを軸方向に貫通する形態で吐出孔39を形成し、そこに逆止弁40を設けているが、図9に示しているようにゴム膨張管14に肉厚方向の貫通孔を設けて、その貫通孔をもって吐出孔39となすこともできる。このようにしておけば、端部金具18に吐出孔39を設ける必要もないし、またその吐出孔39に逆止弁40を組み込む必要もなくすことができる。
【0048】尚ここで吐出孔39は、ゴム膨張管14内部に導かれたエアの圧力で十分にゴム膨張管14が半径方向に膨張できるような小孔径となしておく必要がある。またこの吐出孔39は、ゴム膨張管14が凹所を密栓した状態で密閉空間側に開口する位置に形成しておく必要がある。
【0049】この例の場合、ゴム膨張管14の膨張・収縮、即ちシール本体10内に導入されたエアの圧力の大小に応じて、吐出孔39の孔径を変化させ得、エアをシール本体10内に導入する当初においては孔径を小さくしておいて、場合によりゴム弾性により吐出孔39が実質的に閉じた状態となるようにしておいてゴム膨張管14を効果的に膨張させ得る一方、ゴム膨張管14が膨張した後においては、即ち凹所52を密栓した後においては、吐出孔39の孔径を増大変化させて、そこからシール本体10内のエアを効果的に凹所52の密閉空間内に流出させるようになすことができる。
【0050】図10は本発明の更に他の実施例を示している。この例は、シール本体10内部に加圧用流体の配管64を施して、シール本体10を軸方向に貫通する加圧用流体の供給管路66を形成したものである。この例の排出装置12の場合、加圧用流体の管路66が膨張用流体の導入管路22と独立して別に設けられており、従って導入用管路22を通じて膨張用流体をゴム膨張管内に導入してゴム膨張管14を膨張させ凹所を密栓する一方、管路66を通じて密閉空間内に加圧用流体を供給し、それによって密閉空間を加圧状態として、凹所内の滞留液を外部に排出するようになすことができる。尚この装置においても膨張用流体,加圧用流体としてエアを用いることができる。
【0051】このようにした場合、ゴム膨張管14を半径方向に膨張させ、凹所を密栓状態とするのに必要な圧力よりも低い圧力で密閉空間内にエア等の流体を供給できる利点があり、更に加えてこの例の装置によれば上記逆止弁40を設ける必要がない利点が得られる。
【0052】尚この例において、管体24の一部が軸方向の収縮に伴って湾曲する可撓管62とされているがこれは一例であって、かかる管体24として上記実施例の蛇腹管30やスパイラル管60等を有するものを用いることも勿論可能である。
【0053】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例である。例えば本発明においては、ゴム膨張管14の外面が凹所の内壁面との接触により損傷するのを防止するため、ゴム膨張管14の外面全体を可撓性ないし弾性を有する薄肉の保護筒で覆っておくといったことも可能であるし、また本発明の排出装置12を地盤に形成した削孔内の滞留水の排出以外の種々目的で用いることも可能であるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【出願人】 【識別番号】000219602
【氏名又は名称】東海ゴム工業株式会社
【出願日】 平成11年12月16日(1999.12.16)
【代理人】 【識別番号】100089440
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 和夫
【公開番号】 特開2001−173809(P2001−173809A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−358068