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【発明の名称】 ガスコック
【発明者】 【氏名】高橋 清

【要約】 【課題】ハンドルやレバーを意図して操作しない限りガス流体の流れを切り換えられないガスコックを提供する。

【解決手段】ハンドル5を原位置から所定位置に、又は所定位置から原位置に移動させる場合には、最初だけハンドル5に押圧力を加えて回転し、その後、押圧力を加え続けるには及ばずこれ以上回転させることができないところでハンドル5から手を離せばよい。この場合、保持機構においては、ハンドル5に対し、スプリング10の付勢力に抗して押圧力が付与されると、非可動部材6と上可動部材9とのかみ合いが解かれ、更に、回転操作されると、上可動部材9及び下可動部材15を介してボール23が回転され、突起12aが円弧溝20cの一方端で当接するところで上述のようにハンドル5から手を離せばスプリング10の付勢力が作用して、非可動部材6と上可動部材9とがかみ合い、以後、単に回転操作するのみではハンドル5は回転しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハンドルやレバーを回転操作することによりガス流体の流れ方向を変えるガスコックにおいて、原位置又は所定位置から離脱するときには、前記ハンドル等に対する押圧操作を伴う回転操作が行われない限り、前記ハンドル等は前記原位置又は前記所定位置に保持されることを特徴とするガスコック。
【請求項2】 前記ハンドル等の保持機構は、その円周上に複数の凸部又は凹部を備え、ガスコック本体に固定される第1軸部材と、該第1軸部材の凸部又は凹部にかみ合う凹部又は凸部を備え、前記ハンドル等の回転に連動して前記ガス流体の流れ方向を変えるためのボールに係合する第2軸部材と、該第2軸部材に対し前記押圧力に抗する向きの付勢力を付与するスプリングとで構成されることを特徴とする請求項1に記載のガスコック。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス流体の流れ方向を変えるために操作されるハンドルやレバーに対する操作のしかたに特徴のあるガスコックに関する。
【0002】
【従来の技術】都市ガスやLPG等のガス流体のために配設されるガス管にはガスコックが使用され、そのガスコック本体には、ハンドルやレバーを介して操作される球状のボール(切換弁)が配設されており、ハンドルやレバーの操作に連動して当該ボールを回動させることによりガス流体を導通させたり、不通にさせたりできるようになっている。具体的には、ガス流体を不通状態から導通状態に切り換える場合には、最初にハンドルやレバーを押圧してから回転操作することによって切り換えることができ、一方、導通状態から不通状態に切り換える場合には、ハンドルやレバーを押圧することなくハンドルやレバーを逆回転操作することによって切り換えることができる。しかるに、このようなハンドルやレバーに対する仕様は、ガス流体の器具としては公認されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のハンドルやレバーについて、このような仕様が公認されているとは言え、導通状態から不通状態に切り換える際には、押圧することなく単に回転操作するだけで簡単に切り換わってしまうことに問題がある。例えば、ガス流体が導通状態にあるときに、何かがハンドルやレバーに触れたり、ぶっかったりして、ハンドルやレバーが半開きの状態になり、これを知らずに使用していることがある。このような状態での使用は、ガス流体の供給量不足のために思ったほど火力が上がらなかったり、或いは、完全燃焼状態が得られなかったりして、ガスコック本体の、例えば切換弁などに故障が生じたものと誤認する場合がある。また、分岐管が接続された3方切換ガスコックにあっては、半開きの状態では当該分岐管にもガス流体が導通してしまうために不測の事態を生ずるとも限らない。
【0004】本発明の目的は、ハンドルやレバーを意図して操作しない限りガス流体の流れを切り換えられないガスコックを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係るガスコックは、ハンドルやレバーを回転操作することによりガス流体の流れ方向を変えるためのガス器具で、原位置又は所定位置から離脱するときには、ハンドル等に対する押圧操作を伴う回転操作が行われない限り、ハンドル等は原位置又は所定位置に保持され、離脱後は、ハンドル等に対する回転操作のみでも所定位置に、或いは原位置に回転できるようにしたものである。これにより、ハンドルやレバーを意図して操作しない限り、ハンドル等が原位置から所定位置に、又は所定位置から原位置に移動することはなく、したがって、ハンドル等の、原位置と所定位置との間の中途位置状態が意図せずに生ずることはない。このようなハンドルやレバーについての仕様は、公認されている以上のものと言えるが、業界標準となり得るものである。
【0006】また、本発明の請求項2に係るガスコックは、ハンドル等の保持手段が、その円周上に複数の凸部又は凹部を備え、ガスコック本体に固定される第1軸部材と、この第1軸部材の凸部又は凹部にかみ合う凹部又は凸部を備え、ハンドル等の回転に連動してガス流体の流れ方向を変えるためのボール(切換弁)に係合する第2軸部材と、この第2軸部材に対し、ハンドル等の操作時の押圧力に抗する向きに付勢力を付与するスプリングとで構成されるものである。上記第1軸部材と第2軸部材とでかみ合いクラッチの変形機構を構成し、当該ハンドル等に押圧力を付与しなければ、当該クラッチの凸部と凹部とがかみ合って動作しないようにしたものである。当該クラッチの凸部及び凹部の形状は、所謂ドッグクラッチのような形状に限らず台形形状や鋸歯形状にしてもよい。ところで、ハンドル等の原位置及び所定位置での定位置決め手段としては、例えば第1軸部材に対し第2軸部材が所定角度範囲でしか回転でないようにすることによるもの、或いは、ハンドル等自体を規制することによるものであってもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図1及び2を参照して説明する。本実施の形態に係る3方向切換タイプのガスコック1は、図1に示すように、フレキシブル管2が嵌入される継手部3aを備えたガスコック本体3と、このガスコック本体3のネジ孔(図示せず)に螺合するガス管継手としての自在ナット4と、ガス流体の流れ方向を変えるために操作されるハンドル5とで構成され、ハンドル5が、例えば同図の位置(所定位置)にあるときは、自在ナット4に接続されるガス配管(図示せず)とフレキシブル管2とは連通状態になるが、例えばハンドル5を回転させて所定位置から90度回転位置(原位置)にあるときは、ガス配管とフレキシブル管2とは不通状態になる一方、ガス配管と、ガスコック本体3に設けられた継手部3bに接続される配管(図示せず)とは連通状態になる(図2参照)。
【0008】しかるに、本ガスコック1は、原位置又は所定位置から離脱するときには、ハンドル5に対する押圧操作を伴う回転操作が行われない限り、ハンドル5は原位置又は所定位置に保持され、離脱後は、ハンドル5に対する回転操作のみでも原位置から所定位置に、或いは所定位置から原位置に回転できるようにしたものである。このような保持のための機構についての本実施の形態例を、図1に加え図2を参照して説明する。当該保持機構は、かみ合いクラッチの変形機構であり、貫通孔6aを有する扁平な円板形状で、この円板の一方の下面外周に、本実施の形態では円周等分で4箇所に凹部6bがそれぞれ設けられ、この凹部6bの間には、円板の外周から突出した態様で突片6cが設けられた非可動部材(第1軸部材)6と、上記貫通孔6aに緩挿された円筒部7の一方端7aが平取り加工されるとともに、他方端面が円板部8に固着され、この円板部8の一方面上に、上記凹部6bにかみ合う凸部8aが突設された上可動部材(第2軸部材)9と、一方の取付座が上記円板部8の他方面に、他方の取付座が略帽子状のスプリング受け11の鍔11aに配設され、後に詳述するようにハンドル5の押圧力に抗する向きの付勢力を付与するスプリング10とを備えている。
【0009】更に、当該保持機構は、円形鍔部12の上面に平取り加工された円筒部13が、また、鍔部12の下方に端部14aが平取り加工された円筒部14がそれぞれ突設された下可動部材(第2軸部材)15が備えられており、この下可動部材15は、平取り加工された円筒部13が、スプリング受け11のハット部11bの矩形孔を貫通して、上可動部材9の円板部8の、円筒部7の固着面側とは反対面側に穿設された矩形孔(図示せず)に緩挿される。尚、一方端7aの平取り加工面と円筒部13の平取り加工面とは互いに平行をなす一方、これらは、端部14aの平取り加工面とは互いに垂直をなしている。
【0010】このような構成になる保持機構が、ガスコック本体3の円筒体20に配設される。即ち、ガスコック本体3には、その継手部3a及び自在ナット4の中心軸に垂直に円筒体20が突設され、この円筒体20の開口端部には当該円筒体20の長手方向に沿って切欠き溝20aが、本実施の形態では円周等分で4箇所設けられ、また、この開口端部近傍の円筒体20内には当該円筒体20の円周に沿って溝20bが設けられており、上記第1軸部材6の突片6cを切欠き溝20aに嵌装するとともに、溝20bに止め輪21を嵌入させて非可動部材6をガスコック本体3に固定する。
【0011】一方、ガスコック本体3には、その内部の奥退部(図1参照)に配設されるボールパッキン22aと自在ナット4の開口端4aに配設されるボールパッキン22bとの間に、上述の連通又は不通状態を形成するボール23が介装されており、下可動部材15の端部14aをボール23の凹溝23aに係止させる。このようにして保持機構がガスコック本体3に配設される。ところで、ボール23には、上記凹溝23aの溝幅の中心線を対称にして平取り加工が施され、且つ、両平取り加工面を貫通する大孔23bが穿設されている。したがって、凹溝23aの長手方向と大孔23bの中心軸とは互いに垂直をなしている。それ故に、凹溝23aの長手方向に垂直で、且つ、大孔23bの中心軸を含む平面は、上述した一方端7aの平取り加工面と平行をなす。
【0012】そして、この保持機構では、円筒部7の一方端7aを、ハンドル5の把手部5aの長手方向に穿設された矩形溝(図示せず)内に挿入する一方、この把手部5aの端面の小孔を介して円筒部7のビス孔7bに止めビス24(図1参照)を螺着して、ハンドル5が上可動部材9に取り付けられる。このとき、上述した幾何学的関係により把手部5aの長手方向とボール23の大孔23bの中心軸の方向とが一致する。したがって、把手部5aの長手方向の向きによって、上記導通・不通状態がわかる。
【0013】ところで、下可動部材15の鍔部12の下面外周近傍に突起12aが突設される一方、ガスコック本体3の円筒体20の下方に、90度を抱き角とする円弧溝20cが設けられ、下可動部材15の回転に伴って突起12aが円弧溝20cの両端でそれぞれ当接するようになっており、当該当接位置が原位置又は所定位置に対応する。
【0014】次に、本ガスコック1の操作のしかたを説明する。原位置にあるハンドル5を所定位置に移動させる場合には、最初だけハンドル5に押圧力を加えてその把手部5aの長手方向の向きが、自在ナット4に接続されるガス配管及びフレキシブル管2に平行になるように回転し(実際には回転する方向に回転操作すればよい)、その後、押圧力を加え続けるには及ばず回転操作のみでもよく、これ以上回転させることができないところ、即ち、所定位置でハンドル5から手を離せばよい。この場合、保持機構においては、ハンドル5に対し、スプリング10の付勢力に抗して押圧力が付与されると、非可動部材6と上可動部材9とのかみ合いが解かれ、更に、回転操作されると、上可動部材9及び下可動部材15を介してボール23が回転される。そして、下可動部材15の突起12aが円弧溝20cの一方端で当接するところ、即ち、ハンドル5の所定位置で、上述のようにハンドル5から手を離せばスプリング10の付勢力が作用して、非可動部材6と上可動部材9とがかみ合い、以後、単に回転操作するのみではハンドル5は回転しない。尚、この位置では、自在ナット4に接続されるガス配管とフレキシブル管2とはボール23の大孔23bを介して連通状態になる。
【0015】また、所定位置から原位置に移動させる場合にも、最初だけハンドル5に押圧力を加えてその把手部5aの長手方向の向きが、上記ガス配管及びフレキシブル管2に直角になるように回転し(実際には回転する方向に回転操作すればよい)、その後、押圧力を加え続けるには及ばず回転操作のみでもよく、実際にはこれ以上回転させることができないところ、即ち、原位置でハンドル5から手を離せばよい。この場合においても、保持機構では、ハンドル5に対し押圧力が付与されると、非可動部材6と上可動部材9とのかみ合いが解かれ、更に、回転操作されると、上可動部材9及び下可動部材15を介してボール23が回転される。そして、ハンドル5の原位置で、非可動部材6と上可動部材9とがかみ合い、上述同様に、単に回転操作するのみではハンドル5は回転しない。尚、この位置では、自在ナット4に接続されるガス配管とフレキシブル管2とは不通状態になる。
【0016】
【発明の効果】本発明のガスコックによれば、ハンドルやレバーを意図して操作しない限りガス流体の流れが切り換わることはないし、原位置と所定位置との間の中途位置状態が生ずることもない。
【出願人】 【識別番号】000227674
【氏名又は名称】日豊金属工業株式会社
【出願日】 平成11年12月21日(1999.12.21)
【代理人】 【識別番号】100104857
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 幸雄
【公開番号】 特開2001−173807(P2001−173807A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−361983