| 【発明の名称】 |
流量調整弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 康也
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構成により、弁開度が小さい領域においても、流量の制御及び調整を容易に行うことができる流量調整弁を提供する。
【解決手段】ダンパ102を回動させることにより流量を調整しつつ流路を切替える流量調整弁101において、ダンパ102を、その支持シャフト103に垂直な面で断面くの字形状に形成している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ダンパを回動させることにより流量を調整しつつ流路を切替える流量調整弁において、上記ダンパを、その支持シャフトに垂直な面で断面くの字形状に形成したことを特徴とする流量調整弁。 【請求項2】 上記ダンパは、その支持シャフトに揺動可能にスプリングを介して取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の流量調整弁。 【請求項3】 上記ダンパは、そのダンパ面に動圧を受けた際に撓むように形成したことを特徴とする請求項1に記載の流量調整弁。 【請求項4】 上記ダンパの上記スプリングに起因する揺動角度を所定範囲に規制するストッパを上記支持シャフトに装着したことを特徴とする請求項1に記載の流量調整弁。 【請求項5】 上記ダンパを包囲する弁作動通路を画成する壁面に、該ダンパの低開度領域に渡って調整溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の流量調整弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、流量調整弁に関し、詳しくは、ダンパを回動させることにより流量を調整しつつ流路を切替える流量調整弁に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、車両用空調装置に使用する種々の温水流量調整弁が提案されている。図7および図8は、温水の流れる経路をON−OFF式に切替えることができる弁1を採用した従来の車両用空調装置におけるヒータ温水回路の例を示す。図7に示すヒータ温水回路では、弁1がONとなって開かれている。これにより、車両のエンジン(図示せず)からの温水(高温冷却水)は、エンジン側の出口通路2から弁1を通じてヒータコア入口通路3に入り、水−空気熱交換器であるヒータコア7内を循環した後、ヒータコア出口通路4を通じて弁1に入り、戻り通路5を経て車両エンジンに還流する。これにより、ファン8によってヒータコア7に送られるエアは、該ヒータコアにより加熱されてダクト9を通じて車内に吹き出され、車内の暖房に供される。また、図8に示すヒータ温水回路では、弁1がOFFとなって閉じられている。これにより、車両のエンジン(図示せず)からの温水は、エンジン側の出口通路2から弁1を通じて、そのまま戻り通路5を経てエンジンに還流するので、車内の暖房には供されない。 【0003】図9は、車両のエンジンからの温水の流量を制御するバタフライ式弁1を採用した従来の車両用空調装置におけるヒータ温水回路の例を示すものである。図9に示すヒータ温水回路では、バタフライ式弁1の開度を増すに従って、エンジン(図示せず)からの温水(高温冷却水)の流量が増していくように構成されている。このヒータ温水回路では、エンジンからの温水は、エンジン側の出口通路2から該バタフライ式弁を通じてヒータコア入口通路3に入り、水−空気熱交換器であるヒータコア7内を循環した後、図示しないヒータコア出口通路および戻り通路を経てエンジンに還流する。これにより、ファン8によってヒータコア7に送られるエアは、該ヒータコアにより加熱されてダクト9を通じて車内に吹き出され、車内の暖房に供される。なお、図10は、図9に示したヒータ温水回路において、バタフライ式弁1の開度に対するヒータコア7に供給される温水の流量の変化を示しており、図11は、ヒータコア7に供給される温水の流量に対するヒータコア7から吹き出されるエアの温度の変化を示している。 【0004】ところで、図7および図8に示したヒータ温水回路の場合のように、ヒータコア7に供給される温水の流れをON−OFF式に制御する場合は、弁1の開度特性による影響は無い。しかし、図9に示したヒータ温水回路の場合のように、温水の流量を調整するバタフライ式弁1を使用してヒータコア7へ供給する温水の流量を変化させることにより、該ヒータコアからダクト9を介して吹き出されるエアの温度をコントロールする構成とした場合には、弁の形状やその操作が簡単になる反面、次のような不具合があった。 【0005】すなわち、一般的に、車両のエンジン回転数は車速等により広範囲に渡って変動し、これに伴って、ヒータコア7へ供給される温水の流量も変化する。弁開度が小さい範囲にある場合、ヒータコア7へ供給される温水の流量が変化すると、該ヒータコアから吹き出されるエアの温度が大きく変化する(図11参照)。従って、弁開度が小さい範囲で空調装置を運転している場合に、車両速度の加速等によりエンジンの速度が増速されたりすると、エンジンにて駆動される温水ポンプも増速され、ヒータ温水回路内における温水循環量が増加し、弁1を介してヒータコア7に圧送される温水の流量が増する。これに伴い、ヒータコア7から吹き出されるエアの温度が過度に上昇して、その温度調整が困難となる不具合が生じた。このような現象は、図10及び図11に示すように、ヒータコア7から吹き出されるエアの温度の変化が著しい温水流量の低い領域(Gw)、すなわち、弁開度が小さい領域(Lv)において顕著であった。このような場合には、温水の流量の制御及び調整が難しくなるので、温水流量及びヒータコア7から吹き出されるエアの温度を制御するための圧力変動弁や制御装置が別途必要になり、好ましくなかった。 【0006】さらに、図示していないダイヤフラム式弁を導入したリニア制御方式やデューティー比制御方式があるが、空調装置が非常に高価になる不具合があり、適当でなかった。本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、弁開度が小さい領域においても、流量の制御及び調整を容易に行うことができる流量調整弁を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を達成するために、ダンパを回動させることにより流量を調整しつつ流路を切替える流量調整弁において、上記ダンパを、その支持シャフトに垂直な面で断面くの字形状に形成した構成としている。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る流量調整弁の一実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図6は、本発明に係る流量調整弁の一実施形態を示すものである。本実施形態における流量調整弁101は、車両用空調装置において、車両のエンジン(図示せず)側からヒータコア(図示せず)側へ流れる温水の流量を制御するために使用されるものである。 【0009】流量調整弁101のダンパ102は、図1に示すように、その支持シャフト103に垂直な面で断面にした場合に断面くの字形状になるように折曲されている。しかも、ダンパ102は、支持シャフト103に対してわずかに揺動できるように、スプリング104を介して揺動可能に該支持シャフトに取り付けられている。ここで、ダンパ102の断面くの字形状は、選択的に、エンジン側からの温水の出口通路201とヒータコア入口通路301とを連通させたり、出口通路201とバイパス通路601とを連通させたりできるように設定されている。これにより、流量調整弁101は、出口通路201を全開させている状態でヒータコア入口通路301を全開にしたり、出口通路201を全開させている状態でヒータコア入口通路301を全閉にする操作が可能である。さらに、ダンパ1102は、低弁開度位置にある場合、出口通路201からヒータコア入口通路301へ流れる温水の流れ方向に略垂直方向に位置して、温水の流れによる動圧が該ダンパ面に有効に作用するように、その折曲の程度が設定されている。また、スプリング104としては、コイル状のスプリングを採用しているが、板状のスプリングでも勿論良い。 【0010】さらに、支持シャフト103には、ダンパ102の揺動角度を所定範囲に規制するストッパ105が装着されている(図2参照)。ストッパ105は、ダンパ102が折曲されて狭くなっている側(図2において右側)に位置されている。ストッパ105は、支持シャフト103の周囲に沿って円弧状に湾曲され、ダンパ102が折曲されて狭くなっている側の支持シャフト103の周面上における該ダンパの両側端部間の円弧長よりもやや短く形成されている。 【0011】ダンパ102は、そのダンパ面に垂直に(反時計方向)に力(F)が付加されると、スプリング104のばね力に抗して支持シャフト103を軸にダンパ102aの位置(図6に点線で示す位置)まで揺動される。このダンパ102の揺動範囲は、ストッパ105により規制され、該ストッパの長さとダンパ102の両側端部間の円弧長との差となっている。また、ストッパ105は、ダンパ102の時計方向への揺動を規制するように、出口通路201側に寄せて支持シャフト103に固定されている。さらに、ダンパ102を包囲する弁作動通路(弁ハウジング)100を画成する壁面には、該ダンパの低開度領域(該ダンパが完全に閉じる部所近傍から出口通路201が弁作動通路100に連通する部所に渡る領域)に渡って調整溝202が設けられている。 【0012】次に、本実施形態における流量調整弁101の作用について説明し、併せてその構成をより明らかにする。すなわち、流量調整弁101を備えたヒータ温水回路では、流量調整弁101が小さい開度にある場合(図1参照)、車両のエンジン(図示せず)からの温水は、エンジン側の出口通路201から流量調整弁101が装備されている弁作動通路100に送られ、ヒータコア入口通路301とバイパス通路601に分流される。ヒータコア入口通路301側に流入した温水は、図示していないヒータコア内を循環して、ヒータコア出口通路401に出てバイパス通路601からの温水と合流し、戻り通路501を経てエンジンに還流する。 【0013】また、流量調整弁101が全開の場合(図2参照)には、エンジンからの温水の全量が出口通路201から弁作動通路100に入り、ヒータコア入口通路301を経てヒータコア内を循環して、ヒータコア出口通路401から戻り通路501を通過してエンジンに戻される。さらに、流量調整弁101が全閉の場合(図3参照)には、エンジンからの温水の全量が、出口通路201から弁作動通路100を通過し、バイパス通路601を経て戻り通路501通じてエンジンに戻される。この場合、温水のヒータコアへの流入が遮断されている。 【0014】本実施形態の流量調整弁101では、ダンパ102が低弁開度にある場合、その一端が調整溝202に合致される。これにより、ダンパと102と調整溝202との間には、わずかな隙間が形成される。このため、ダンパ102の平板面に力Fが付加されて該ダンパが反時計方向に揺動付勢された場合には、流量調整弁101のダンパ102と調整溝202の間に温水の流路が形成され、温水のヒータコアへの供給が維持される。また、エンジンからの温水は、流量調整弁101が全開及び全閉されている以外は、ヒータ入口通路301及びバイパス通路601に分流される。本実施形態における空調装置では、流量調弁101の弁開度が小さい範囲にある場合、エンジン速度が増して流量調整弁101に流れる温水量が増加すると、流量調整弁101のダンパ102の面に付加される温水の動圧が増大し、これにより、ダンパ102が反時計方向に揺動して、調整溝202との間の隙間を減少させる。その結果、ヒータコアへ供給される温水流量の急減な増加は阻止される。これにより、ヒータコアへ供給される温水流量は、エンジンの速度変化の影響を受けることなく、略一定に維持され、ヒータコアから吹き出されるエアの温度も変化なく安定するので、そのエアの温度設定が容易である。 【0015】なお、上記実施形態では、スプリング104を用いることにより、ダンパ102をその支持シャフト103に揺動自在に取り付けるようにしたが、本発明はこれに限らず、スプリング104を用いずに、ダンパ102を直接その支持シャフト103に取り付けるようにしても良い。この場合は、ダンパ102の先端部が、ダンパ面が動圧を受けた際に適宜量撓むように構成すれば良く、要は、ダンパ面が動圧を受けた際に、ダンパ102の先端と弁作動通路100を画成する壁面との間に隙間が形成されるように構成されれば、いかなる構成としても良い。 【0016】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る流量調整弁によれば、ダンパを回動させることにより流量を調整しつつ流路を切替える流量調整弁において、上記ダンパを、その支持シャフトに垂直な面で断面くの字形状に形成した構成としているので、次のような効果を得ることができる。すなわち、本発明では、弁開度が小さい範囲にあるときに、当該弁に流れる込む流体の流量が増加すると、その流体がダンパ面に付加する動圧により該ダンパが揺動されて、当該弁を通過する流体の流量が略一定に維持される。これにより、流量の低い領域や弁開度が小さい領域においても、流量の制御及び調整を容易に行うことができる。また、本発明の流量調整弁は、簡単な構成により実現することができ、該流量調整弁のための制御装置も不要であり、製造コストの低減を図ることもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月10日(1999.12.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060069 【弁理士】 【氏名又は名称】奥山 尚男 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−165332(P2001−165332A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月22日(2001.6.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−351158 |
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