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【発明の名称】 小型玉弁装置
【発明者】 【氏名】茂呂 和夫

【要約】 【課題】製造、組立、分解等が極めて容易で、しかも耐久性、耐食性、耐熱性、シール漏れ防止機能等に優れた汎用性のある小型玉弁装置の提供。

【解決手段】弁箱1を構成する第1外側弁ケーシングA及び第2外側弁ケーシングBのうち、前者Aの内周面に、一端に弁座8を形成した内向きフランジ部9を、他端に外向きフランジ部10をそれぞれ有し、かつ、内部に球体11を該弁座に圧接させるコイルスプリング12を収容した内側弁ケーシングCをその内向きフランジ部9が第1外側弁ケーシングAの環状端壁3の内側面との間に環状の間隙13を形成するように嵌着すると共に、前記外向きフランジ部を第1外側弁ケーシングAの環状端面14に係止固定する。環状間隙13には弁座8に圧接された状態においてその弁座口の外側に露出する球体11の露出球面部分11Aに環状に弾接するシールリング15を縮装する。前記各弁ケーシングは合成樹脂で一体に成形する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁体としての球体をコイルスプリングにより弁座に弾性的に圧接させた構造の玉弁装置において、一端部に入口継手を備えた環状の端壁を有する筒状の第1の外側弁ケーシングの他端部と、一端部に出口継手を備えた環状の端壁を有し、かつ、該第1外側弁ケーシングの外径より大なる外径を有する筒状の第2の外側弁ケーシングの他端部とを相互に取外し可能に結合させて形成した弁箱を具備し、該弁箱を構成する前記第1及び第2の外側弁ケーシングのうち、第1外側弁ケーシングの内周面に、一端に弁座を形成した内向きフランジ部を、他端に外向きフランジ部をそれぞれ有し、かつ、内部に球体を該弁座に圧接させるコイルスプリングを収容した内側弁ケーシングを該内向きフランジ部が前記第1外側弁ケーシングの環状端壁寄りの部位に位置して該環状端壁の内側面との間に環状の間隙を形成するように嵌着すると共に、該内側弁ケーシングの外向きフランジ部を前記第1外側弁ケーシングの他端部の環状端面に係止固定した構造としたこと、前記コイルスプリングにより前記弁座に圧接された状態においてその弁座口の外側に部分的に露出する球体の露出球面部分に該弁座の外側から環状に弾接するゴム質のシールリングを前記環状間隙に縮装したこと、及び、前記第1及び第2の各外側弁ケーシング並びに前記内側弁ケーシングをそれぞれ合成樹脂で一体に成形したことを特徴とする小型玉弁装置。
【請求項2】 合成樹脂がポリアセタール又はポリエステルサルホン若しくはポリフェニンサルファイドであることを特徴とする請求項1に記載の小型玉弁装置。
【請求項3】 弁箱が前記第1外側弁ケーシングの他端部外周に形成した雄ねじ部と、前記第2外側弁ケーシングの他端部内周に形成した雌ねじ部とを相互に螺着させることによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の小型玉弁装置。
【請求項4】 弁座が球面座として形成されていること及び球体が非磁性ステンレス鋼又はセラミック若しくはアルミナで形成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の小型玉弁装置。
【請求項5】 前記シールリングが断面X字形ないしU字形に形成されていること及びその材質がシリコンゴム、弗素ゴム等の如き機械的強度、耐熱性及び耐薬品性に富むゴムであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の小型玉弁装置。
【請求項6】 コイルスプリングが高強度、高耐食の非磁性ステンレス鋼線で作られていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の小型玉弁装置。
【請求項7】 前記内側弁ケーシングの内周面の前記弁座から下流方向に所定の間隔をおいた部位に弁体としての球体の開弁時における下流方向への移動を限定するための複数の停止突起を突設したことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の小型玉弁装置。
【請求項8】 前記内側弁ケーシングがその外径が8〜16mm程度の小型の筒状体であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の小型玉弁装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、弁体としての球体をコイルスプリングにより弁座に弾性的に圧接させた構造の玉弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構造の玉弁装置は、従来より逆止弁、リリーフ弁ないし安全弁等としてプラントや工場等で使用されるボイラーないしボイラーへの給水ポンプ系や油輸送ポンプ系の如き比較的大型の流体機器に広く利用されているが、この種の従来公知の玉弁装置にあつては、弁体やコイルスプリングを収容する弁箱や弁座等の構成部材は、一般に、軟鋼材や青銅、黄銅等の金属材で作られており、また、入口継手及び出口継手はそれらの部材とは別体に作られ、弁箱の入口及び出口にねじ込み方式により又はボルト、ナットその他各種の接続部材を用いてそれぞれ接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水には、上水道の水といえども、多かれ少なかれ金属を腐食させるCa、Mg等の塩類その他の不純物が含まれているばかりでなく、酸素、炭酸ガス等が溶け込んでおり、それが加熱されて蒸発率が高くなると不純物の濃度が増大し、これと接する金属の腐食を促進させる。ボイラーの如き流体機器の場合、給水の不純物による腐食を防止するためには、給水に物理的あるいは化学的処理を行うことによって水質を適当に保つようにすることが可能であるが、金属腐食成分、殊に銅の腐食成分によって汚染された上水道水には毒性があり、もはや飲料水に供することはできなくなる。したがって玉弁装置の不可欠の構成部材である弁箱や弁座等が上記の如き金属材で作られている場合には、その玉弁装置を加熱した飲料水の供給に使用することはもちろん、常温の飲料水の供給に使用することは人の健康を害することになり極めて危険である。それ故、従来公知の玉弁装置は、上水道水をそのまま又はこれを加熱して湯又は熱水として食品の調理ないし加工目的あるいは加工飲料の調製目的のために使用することは不可能である。
【0004】また、従来公知の玉弁装置においては、上述したように、入口継手及び出口継手は弁箱の構成部材とは別体に作られ、弁箱の入口及び出口にねじ込み方式により又はボルト、ナットその他各種の接続部材を用いてそれぞれ接続されるため、工作機械によるねじ切り加工を必要としたり、接続部材の調達及び接続作業が必要となり、加工や組立に手間がかかる。さらにまた、この種の玉弁装置においては、シール漏れの防止を完全にすることが要請される。この要請に応えるため、従来は、金属製弁座に切削ないし研磨工具をもって精密加工を施したり、弁座にファイバー、革、硬質ゴム等の非金属材を加工して取り付けたりしていたが、これらの作業にも多大な手数がかかり、しかもその要請に十分に応えることが困難であったばかりでなく、それらの材料は弁体との繰り返し接触に伴って疲労し、比較的早期に摩耗してしまうという欠点があった。
【0005】本発明は、従来公知の玉弁装置の有する叙上の如き問題点に鑑みてなされたものであって、製造、組立及び分解が極めて容易であるばかりでなく、耐久性、耐食性、耐熱性等の機械的性質及び化学的性質並びにシール漏れ防止機能が優秀であり、しかも、小型の油圧ポンプや液圧ポンプ等の流体機器に使用できることはもちろんのこと、上水道水をそのまま又はこれを加熱して湯又は熱水として食品の調理ないし加工目的あるいは加工飲料の調製目的にも使用可能な汎用性のある軽量かつ小型の玉弁装置を提供することをその主たる目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る小型玉弁装置は、弁体としての球体をコイルスプリングにより弁座に弾性的に圧接させた構造の玉弁装置において、一端部に入口継手を備えた環状の端壁を有する筒状の第1の外側弁ケーシングの他端部と、一端部に出口継手を備えた環状の端壁を有し、かつ、該第1外側弁ケーシングの外径より大なる外径を有する筒状の第2の外側弁ケーシングの他端部とを相互に取外し可能に結合させて形成した弁箱を具備し、該弁箱を構成する前記第1及び第2の外側ケーシングのうち、第1外側弁ケーシングの内周面に、一端に弁座を形成した内向きフランジ部を、他端に外向きフランジ部をそれぞれ有し、かつ、内部に球体を該弁座に圧接させるコイルスプリングを収容した内側弁ケーシングを該内向きフランジ部が前記第1外側弁ケーシングの環状端壁寄りの部位に位置して該環状端壁の内側面との間に環状の間隙を形成するように嵌着すると共に、該内側弁ケーシングの外向きフランジ部を前記第1外側弁ケーシングの他端部の環状端面に係止固定した構造としたこと、前記コイルスプリングにより前記弁座に圧接された状態においてその弁座口の外側に部分的に露出する球体の露出球面部分に該弁座の外側から環状に弾接するゴム質のシールリングを前記環状間隙に縮装したこと、及び、前記第1及び第2の各外側弁ケーシング並びに前記内側弁ケーシングをそれぞれ合成樹脂で一体に成形したことを特徴とするものである。本発明の有利な実施態様については請求項2〜8の各記載を参照されたい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につきその具体例を示す添付図面を参照して詳細に説明する。
【0008】図1は本発明の実施の形態の一例としての小型玉弁装置を示すものであり、図中、符号1は該小型玉弁装置の弁箱を示す。弁箱1は一端部に入口継手2を備えた環状の端壁3を有する筒状の第1の外側弁ケーシングAと、一端部に出口継手5を備えた環状の端壁6を有し、かつ、該第1外側弁ケーシングAの外径より大なる外径を有する筒状の第2の外側弁ケーシングBとからなり、該第1外側弁ケーシングAの他端部外周に形成した雄ねじ部4と第2外側弁ケーシングBの他端部内周に形成した雌ねじ部7とを相互に螺着させることによって形成されている。
【0009】符号Cは、一端に弁座8を形成した内向きフランジ部9を、他端に外向きフランジ部10をそれぞれ有し、かつ、内部に球体11を該弁座8に圧接させる圧縮コイルスプリング12を収容した内側弁ケーシングである。この内側弁ケーシングCは、その内向フランジ部9が前記第1外側弁ケーシングAの環状の端壁3寄りの部位に位置して該環状端壁3の内側面との間に環状の間隙13を形成するように該第1外側ケーシングAの内周面に嵌着されると共に、その外向フランジ部10を該第1外側ケーシングAの他端部の環状端面14に係止させることによって固定されている。前記環状間隙13には、前記コイルスプリング12により前記弁座8に圧接された状態においてその弁座口の外側に部分的に露出する球体11の露出球面部分11Aに該弁座8の外側から環状に弾接して流体の逆方向の流れを阻止する場合における弁の漏れ止めを完全にするためのゴム質のシールリング15が縮装されている。
【0010】前記した第1及び第2の各外側弁ケーシングA、B並びに内側弁ケーシングCは、機械的強度、耐熱性、耐薬品等の点で優れている合成樹脂でそれぞれ一体に形成されている。それらの特性を有する合成樹脂としては、ポリアセタール、ポリエテルサルホン(PES)、ポリフェニンサルファイド(PPS)等を挙げることができる。これらの合成樹脂のうち、PESは160°Cの熱水、蒸気に耐えることができるばかりでなく、高温下でも酸やアルカリに侵されないという特性があり、PPSはこれらの特性の他に260°Cの熱水、蒸気に耐えられる高度の耐熱性を有する樹脂であり、しかもいずれも厚生省告示第20号の食品衛生規格に適合する合成樹脂であるので、玉弁装置を高温流体用の安全弁として使用する場合や、高温に加熱した飲料水の圧送管路等に取り付けて逆止弁として使用する場合には、上記各弁ケーシングA、B、Cは、上記PES又はPPSを用いて形成すると良い。上記の如き合成樹脂を用いれば、例えば、内側弁ケーシングCは、その外径が8〜16mm程度の極めて小型の筒状体として容易に成形することが可能となる。
【0011】前記環状端壁3の内側面と前記内向フランジ部9間の環状間隙13に縮装されたシールリング15は、図示の例にあっては、シリコンゴム、フッ素ゴム等の如き機械的強度、耐熱性及び耐薬品性に富むゴム材で断面X字形に形成された弾性シール部材であり、断面において対角線方向に突出する4つの環状突起部のうち、内方に突出する下流側の環状突起部15Aが前記した球体11の露出球面部分11Aに弾接し、外方に突出する下流側の環状突起部15Bは第1外側弁ケーシングAの内周面と内側弁ケーシングCの内向きフランジ部9の環状端面とに弾接している。シールリング15は、このような断面X字形のものが最適であるが、これに代えて、断面U字形のものを使用しても良い。弁座8は弁体としての球体11との密接性をよくするため内向フランジ部9に球面座として形成されている。球体11は耐食性を有する非磁性ステンレス鋼又はセラミック若しくはアルミナで形成するものとする。コイルスプリング12は高強度、高耐食の非磁性ステンレス鋼線で製出する。
【0012】前記した内側弁ケーシングCの内周面の前記弁座8から下流方向に所定の間隔を置いた部位には弁体としての球体11の開弁時における下流方向への移動を限定するための複数の停止突起16が突設されている。これらの停止突起16は、弁の作動を軽快ならしめると共に、弁の繰り返し使用によるコイルスプリング12の金属疲労を軽減させる機能を有する。
【0013】符号17は、第2外側弁ケーシングBの環状端壁6の内側面からその軸線に沿って内方に突出する環状突起であって、弁箱1の出口を画成すると共に、その外周に一端を球体11に係合させたコイルスプリング12の他端が嵌着されている。18は、該環状突起17と同心的に前記環状端壁6の内側面に形成された環状溝で、この環状溝18には第2外側弁ケーシングBと内側弁ケーシングC間の流体の漏れを防止すべく該内側弁ケーシングCの外向きフランジ部10に弾接させた態様で前記シールリング15と同様の材質のガスケット19が嵌着されている。
【0014】図2は本発明の他の実施の形態の具体例を示したもので、図示の小型玉弁装置は入口継手2を第1外側弁ケーシングAの軸線と直角に延在するように該弁ケーシングAと一体に形成した点で図1に示したものと異なるだけであって、他の構成は後者のそれと実質的に同一であるので、同一の部分ないし部材については同一の符号を付して示すに止め、説明は反覆を避けるため省略する。この例は、後述するように、水平に配置された流体の圧送管路に垂直に取り付けて安全弁として使用するのに好適である。
【0015】図3は図2に示した小型玉弁装置の分解斜視図で、装置の組立ないし分解の順序を図解したものである。図1において、Aは第1外側弁ケーシング、Bは第2外側弁ケーシング、Cは内側弁ケーシング、19はガスケット、12はコイルスプリング、11は球体、15はシールリングである。組立に当たっては、先ず第1にガスケット19を前記した第2外側弁ケーシングBの環状溝18に嵌着する。次いで、球体11を前記した停止突起16に抗してその上流側に押し込んでその内部に収容した内側弁ケーシングCをその外向きフランジ部10側から第2外側弁ケーシングB内に挿入して球体11をコイルスプリング12の他端に係合させる。しかる後、シールリング15を内部に縮装した第1外側弁ケーシングAの雄ねじ部4を第2外側弁ケーシングBの雌ねじ部7にねじ込んで締め付けてやることによって組立が完成する。分解は、上述した組立順序を逆にたどって行えばよく、極めて簡単である。したがって、保守・点検や部品交換も容易かつ能率的に行うことができる。
【0016】図4は本発明に係る小型玉弁装置の一使用例を示したものである。この使用例は、1台の該玉弁装置を逆止弁Xとして小型ギヤポンプPの吸込管P1に接続する一方、他の1台の該玉弁装置をリリーフ弁ないし安全弁Yとして該ポンプPの吐出管P2に接続して使用する場合を示している。図中、P3はポンプケーシング、20は逆止弁Xの出口継手5と該ポンプPの吸込管P1とを接続する管継手、21は前記安全弁Yの入口継手2の入口側と該ポンプPの吐出管P2とを接続する管継手であり、逆止弁Xの入口継手2は、貯水槽、貯油槽その他の流体供給源に供給管路(図示してない)を介して接続され、安全弁Yの入口継手2の出口側は圧力タンク、湯ないし熱貯留容器、食品蒸し器その他の流体供給目的物に給送管路(図示してない)を介して接続される。安全弁Yの出口継手5は使用目的に応じて例えば循環管路等の管路に接続される。
【0017】上記使用例において、小型ギヤポンプPの運転を開始させると、その吸込み圧力の作用により、逆止弁Xの球体11は、図1及び図3において、コイルスプリング12の弾性に抗して左方、すなわち下流方向に強制移動せしめられ、弁座8から離れて開弁状体となるので、流体はその弁座口から内側弁ケーシングC内に吸い込まれ、出口継手6及び吸込管P1を経てポンプPのケーシングP3内に流入し、該ケーシング内の一対の回転歯車(図示してない)によって加圧されて吐出管P2から吐出される。このようにして吐出された流体は前記した給送管路を介して流体供給目的物に圧送されるが、この給送管路内の流体圧が所定の値を越えると、安全弁Yが作動し、換言すると、図2及び図3において、弁体としての球体11がコイルスプリング12の弾性に抗して所定の揚程(図示の例にあっては、停止突起16が揚程を限定している)まで上昇せしめられて開弁し、過制圧力をエスケープさせるようになっている。ポンプPの運転がストップすると、逆止弁Xはスプリング12の弾性により閉弁し、流体の逆流を阻止する。
【0018】小型ギヤポンプPは、本発明者が先に特許第1499331号(特公昭63−46276号公報)、実用新案登録第1733368号(実公昭62−40150号公報)等において開示したギヤポンプの如きギヤポンプ、すなわち、ポンプケーシング、歯車その他液体が触れる部分に金属が全くあるいは殆ど使用されていない小型ギヤポンプ(例えば、270×110×88mm程度の大きさのもの)であって、油、酸性の強い液体、アルカリ性の強い液体、低温又は高温の液体その他各種の液体の吸い上げ、圧送等に汎用し得るものを使用するとよい。配管も前述した如き機械的強度、耐熱性、耐薬品性等の点で優れている合成樹脂で製出したものであることが望ましい。因みに、本発明に係る小型玉弁装置にあっては、弁箱1は機械的強度に優れた上述の如き合成樹脂で成形された第1外側弁ケーシングAと第2外側弁ケーシングBとで構成されているが、その内部に同様の材質の内側弁ケーシングCが密嵌合されているため、この内側弁ケーシングCによって補強され、実質的には二重のシエル構造体とされており、したがって小型であっても高圧流体にも十分耐えられる構造となっている。
【0019】また、本発明に係る小型玉弁装置にあっては、シールリング15は、シリコンゴム、フッ素ゴム等の如き機械的強度、耐熱性及び耐薬品性に富むゴム材で断面X字形ないしU字形に形成されていることに加えて、前記環状端壁3の内側面と前記内向きフランジ部9間の環状間隙13に縮装されているため、弁体としての球体11に対するコイルスプリング12の弾圧作用の影響を受けず、球体11に対する接触圧は一定であるから、早期に摩耗してしまうようなことがないばかりでなく、しかも優秀なシール効果を持続することができる。
【0020】本発明に係る小型玉弁装置は、上述したように、弁体としての球体をコイルスプリングにより弁座に弾性的に圧接させた構造の玉弁装置において、一端部に入口継手を備えた環状の端壁を有する筒状の第1の外側弁ケーシングの他端部と、一端部に出口継手を備えた環状の端壁を有し、かつ、該第1外側弁ケーシングの外径より大なる外径を有する筒状の第2の外側弁ケーシングの他端部とを相互に取外し可能に結合させて形成した弁箱を具備し、該弁箱を構成する前記第1及び第2の外側弁ケーシングのうち、第1外側弁ケーシングの内周面に、一端に弁座を形成した内向きフランジ部を、他端に外向きフランジ部をそれぞれ有し、かつ、内部に球体を該弁座に圧接させるコイルスプリングを収容した内側弁ケーシングを該内向きフランジ部が前記第1外側弁ケーシングの環状端壁寄りの部位に位置して該環状端壁の内側面との間に環状の間隙を形成するように嵌着すると共に、該内側弁ケーシングの外向きフランジ部を前記第1外側弁ケーシングの他端部の環状端面に係止固定した構造としたこと、前記コイルスプリングにより前記弁座に圧接された状態においてその弁座口の外側に部分的に露出する球体の露出球面部分に該弁座の外側から環状に弾接するゴム質のシールリングを前記環状間隙に縮装したこと、及び、前記第1及び第2の各外側弁ケーシング並びに前記内側弁ケーシングをそれぞれ合成樹脂で一体に成形したことを特徴とする構成を有するものであるから、本発明によれば、製造、組立及び分解が極めて容易であるばかりでなく、耐久性、耐食性、耐熱性等の機械的性質及び化学的性質並びにシール漏れ防止機能が優秀であり、しかも、小型の油圧ポンプや液圧ポンプ等の流体機器に使用できることはもちろんのこと、飲料水としての上水道水をそのまま又はこれを加熱して湯又は熱水として食品の調理ないし加工目的あるいは加工飲料の調製目的、例えば、コンビニエンス・ストアや食料品店での肉まん、あんまん等の食品の加熱やコーヒー、紅茶等の調製に使用する熱湯の供給等の目的にも使用可能な汎用性のある軽量かつ小型の玉弁装置を得ることができるものである。
【出願人】 【識別番号】591170120
【氏名又は名称】茂呂 和夫
【出願日】 平成11年11月12日(1999.11.12)
【代理人】 【識別番号】100066681
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 公男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−141084(P2001−141084A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−323416