| 【発明の名称】 |
ピンチバルブ用チューブ |
| 【発明者】 |
【氏名】北崎 聡
【氏名】福澤 英司
【氏名】渡邊 一幸
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| 【要約】 |
【課題】ピンチバルブを構成するチューブと押圧部材との摩擦によって発生するチューブの削れを防止し、破損しづらいピンチバルブ用チューブを提供する。
【解決手段】弾性体からなるピンチバルブを構成するチューブにおいて、前記チューブの外表面が、炭素膜で被覆されていることを特徴とするチューブを提供する。本発明によって、押圧部材とチューブとの摺動性が良くなり、押圧部材とチューブの摩耗によるチューブの削れを低減でき、チューブの破損を防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性体から成るチューブを流路方向に対して垂直な方向に押圧部材を押しつけることにより流路を閉ざすピンチバルブにおいて、ピンチバルブを構成する弾性体から成るチューブの外表面が炭素膜で被覆されていることを特徴とするピンチバルブ用チューブ。 【請求項2】 前記ピンチバルブを構成するチューブ外表面の、前記押圧部材と接触する片側のみ、炭素膜で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のピンチバルブ用チューブ。 【請求項3】 炭素膜を被覆する前処理として、前記チューブをフッ素ガスあるいは不活性ガスで希釈されたフッ素ガスに曝したことを特徴とする請求項1または2に記載のピンチバルブ用チューブ。 【請求項4】 前記炭素膜がDLC膜であることを特徴とする請求項1ないし3に記載のピンチバルブ用チューブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ピンチバルブに用いるチューブに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ピンチバルブに用いるチューブは、特公昭57−8341号に示されるように、ゴムや弾性材料、可とう性合成樹脂で作られ、繰り返しの開閉時に折り曲げ部から破損しないように構造的に工夫がされているものもある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】特公昭57−8341号に示されるピンチバルブの場合、押圧部材を回転させながらチューブを押しこむため、チューブと押圧部材の摩擦によって、チューブが削れ、チューブが破損するおそれがある。 【0004】本発明の目的はピンチバルブを構成するチューブと押圧部材との摩擦によって発生するチューブの削れを防止し、破損しづらいピンチバルブ用チューブを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段および作用・効果】上記目的を達成するために、弾性体からなるピンチバルブを構成するチューブにおいて、前記チューブの外表面が、炭素膜で被覆されていることを特徴とするチューブを提供する。本発明によって、押圧部材とチューブとの摺動性が良くなり、押圧部材とチューブの摩耗によるチューブの削れを低減でき、チューブの破損を防止することができる。 【0006】本発明においては、ピンチバルブを構成するチューブの押圧部材と接触する片側のみ炭素膜で被覆しても、押圧部材とチューブの摩耗によるチューブの削れを低減でき、チューブの破損を防止することができる。 【0007】本発明においては、炭素膜を被覆する前処理として、チューブをフッ素ガスあるいは不活性ガスで希釈したフッ素ガス中に曝すことが望ましい。前記気体に曝すことによって、チューブ表面が清浄化され、チューブと炭素膜の密着性が向上する。また前記気体に曝すことによってチューブの内表面および外表面には化学的に不活性なフッ素を含む薄層が被覆される。そのためチューブをつぶしてチューブの内表面が接触した状態で長期間放置してもチューブの固着がおこりづらい。 【0008】本発明においては、炭素膜はDLC(ダイヤモンドライクカーボン)であることが摺動性の面から望ましい。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は請求項1に記載されるピンチバルブ用チューブ1で(a)は横断面図(b)は縦断面図であり、外表面に炭素膜2が被覆されている。 【0010】図2は請求項2に記載されるピンチバルブ用チューブ3で(a)は横断面図(b)は縦断面図である。図中の矢印が押圧部材と接触する面であり、チューブ外表面の押圧部材と接触する片側に炭素膜4が被覆されている。炭素膜の被覆法はいかなる方法でもかまはないが、本発明では、炭素源としてメタンガスを用いて、高周波プラズマCVD法にて被覆した。周波数は13.56MHzであり、炭素膜はDLC膜である。 【0011】図3は請求項3に記載されるピンチバルブ用チューブ5で(a)は横断面図(b)は縦断面図である。図中の矢印が押圧部材と接触する面である。前処理としてフッ素ガスあるいは窒素やアルゴンなどの不活性ガスで希釈されたフッ素ガスに曝しているので、チューブの内表面および外表面は清浄化されていることと同時にフッ素を含む層7が被覆されている。その外側に炭素膜6が被覆されている。フッ素を含む層7は化学的に不活性であるため、ピンチバルブ用チューブをつぶして内表面が接触した状態で長期間放置してもチューブの固着がおこりづらい。 【0012】本発明において、前処理としてフッ素を含む層を被覆する条件は以下のとおりである。すなわちフッ素ガスを体積百分率で2〜8%含む窒素ガスあるいはアルゴンガスを30〜50℃に加温し、その中にピンチバルブ用チューブを30〜60分放置してフッ素を含む層を被覆する。本実施例におけるフッ素を含む層を被覆する条件は、フッ素ガスを体積百分率で4%含む窒素ガスを40℃に加温し、その中にピンチバルブ用チューブを60分放置してフッ素を含む層を被覆した。 【0013】フッ素ガスが体積百分率で2%以下である場合または加温温度が30℃以下である場合または放置時間が30分以下である場合、形成されるフッ素を含む層が不均一となりピンチバルブ用チューブをつぶして内表面が接触した状態で長期間放置した際のチューブの固着抑制効果が低減する。フッ素ガスが体積百分率で8%以上である場合または加温温度が50℃以上である場合または放置時間が60分以上である場合、前処理の目的を逸脱し、ピンチバルブ用チューブ自身が劣化するおそれがある。) 【0014】 【実施例】100×100×2mmのEPDMゴム試験片に炭素膜を被覆し、未被覆のもの摩擦係数を比較した結果を図4に示した。摩擦係数は、サファイア針を用い、荷重100g、移動速度43mm/secで測定した。図4より、炭素膜を被覆することによって摩擦係数が低下することがわかった。 【0015】次にEPDMゴムを用いてチューブを成形し、図1〜図3に記載の位置に炭素膜を被覆した。このチューブを用いピンチバルブを作成し、水圧7.5MPaを付与した状態で押圧部材を操作し、ピンチバルブの繰り返し開閉試験を行った。10万回繰り返し開閉後にチューブの押圧部材との接触部分を観察したところ、炭素膜を被覆したものは図1〜図3のいずれに記載されている位置においても、チューブに摩耗は見られなかった。一方炭素膜を被覆していないものは、押圧部材との摩擦によってチューブが削れていた。 【0016】以上の結果から、炭素膜を被覆することによって、チューブの削れを防止し、破損しづらいピンチバルブ用チューブを提供することができることがわかった。 【0017】本実施例においては、チューブの材質として、耐熱性に優れるEPDMを用いたが、炭素膜被覆の際の冷却に気を付ければ、チューブの材質を問わない。なおフッ素ガスあるいは窒素やアルゴンなどの不活性ガスで希釈されたフッ素ガスに曝す前処理を行う場合は、チューブ材料としてシリコンゴムはフッ素との反応性が高いので好ましくない。 【0018】チューブの形状は、実施例に記載された円筒形に限定されるのではなく、楕円形あるいは三日月型でも同様に効果が得られる。また本実施例では、炭素膜として摺動性の面から最も好ましいDLC膜を例示したが、炭素膜の種類やその被覆法はいかなるものでもよい。 【0019】 【発明の効果】本発明によれば、弾性体からなるピンチバルブ用チューブの外表面に炭素膜を被覆することにより、チューブと押圧部材との摺動性が向上し、チューブの押圧部材による摩耗によって発生するチューブの破損を防止することができる。 【0020】前記チューブの外表面の片側の、押圧部材と接触する片側のみに炭素膜が被覆されていても、チューブと押圧部材との摺動性が向上し、摩耗によって発生するチューブの破損を防止することができる。 【0021】前記チューブに炭素膜を被覆する前処理として、フッ素ガスあるいは不活性ガスで希釈されたフッ素ガスに曝すことによって、炭素膜の密着性が向上するとともに、チューブをつぶしてチューブ内表面が接触した状態で放置しても固着しづらくなる。 【0022】以上の発明によって、ピンチバルブを構成するチューブと押圧部材との摩擦によって発生するチューブの削れを防止し、破損しづらいピンチバルブ用チューブを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000010087 【氏名又は名称】東陶機器株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月14日(1999.9.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−141082(P2001−141082A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−260775 |
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