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【発明の名称】 球状バルブ部材の製造方法
【発明者】 【氏名】呉 樂瑞

【要約】 【課題】従来の製造方法によるバルブ部材の欠点、特に、表面にきずがあることで生じる漏れや流れが滞ることなどの問題を解決できる球状バルブ部材の製造方法を提供する。

【解決手段】本考案のバルブ部材の製造方法では、熱鍛造成型法によって、半球部の内部に円筒部を有することにより断面が略「皿」の字状に形成された、二つの対称な半球状のバルブ部材11を作り出している。この2つの半球状のバルブ部材11を摩擦溶接により接合して、一つの球状バルブ部材1が形成される。熱鍛造成型法と摩擦熔接を採用することで表面のきずをなくし、流れをスムーズにする改良もなされている。また、球状バルブ部材1の重量を軽減することで、止水栓の磨耗を防ぎ寿命を延長することも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鍛造法により形成される、断面が略皿の字状の二つの対称な半球状のバルブ部材を合わせて一つの球状バルブ部材とする工程と、摩擦熔接を利用することで、二つの半球状のバルブ部材を一体に熔接し、熔接面は溶解されることで、補強機能を持つ凸状ヘッジを形成する工程と、プレス工程により、球状バルブ部材内側の中央に設けられる通り道と直径が同じプレスバーにより、直接通り道の内周にある凸状ヘッジを取り除き、通り道の表面を滑らかにする工程と、さらに表面を加工して仕上げる工程とを含むことを特徴とする球状バルブ部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルブを構成する球状バルブ部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1に従来のバルブ部材の構造を示す。バルブ5の内部にある止水栓51の上で通り道12を有するバルブ部材1が動いて、蛇口をコントロールして開け閉めする。以前のバルブ部材2の製造方法は、図2に示すように、鋳物成型を用いている。これは直接型の中に鋳物を流し込み、乾いた後、型の中から空心で球状の半製品を取り出し、表面に加工を施し形を整えて完成品にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来の製造方法ではバルブとしての機能は果たせても、さまざまな欠点が指摘されている。そのうち最も大きな欠点は以下の2つである。
1.従来のバルブ部材製造方法は、鋳物成型法を用いている。この方法だと、型に流し込む際に空気が入るので、表面の穴を少なくするため、バルブ部材を厚く作る必要がある。成型後は表面を旋盤加工して、表面のきずを整えなければならない。しかし、完全に表面のきずをなくすことはできないため、できあがったバルブ部材の表面と、蛇口の通り道の両側にある止水栓は、完全には適合しない。すると、水や気体が隙間から滲み出すという状況が生じる。その結果、気体が漏れることによる爆発や、水漏れが発生する危険性がある。つまり、鋳物成型法では、表面に全くきずのないバルブ部材を作るのは不可能なのである。
2.従来のバルブ部材は、外形に合わせた、図2に示すように空心のものであった。その空心部分は球状で、蛇口の水の通り道21からバルブ部材2の中に流れ込んだ水は、球形の壁にぶつかり、管の中で泡状になる。結果、液体はスムーズに流れにくくなる。そこで、鍛造法によるバルブ部材の製造方法が発明された。図3に示すように、高温加熱した鋼材を鍛造法で、実心の球状の半製品3にする。そして、球の中央に穴をあけ、通り道31を形成した後、表面に加工を施して球状バルブ部材の構造を持つ製品3に仕上げるのである。この方法では、鋳物成型によって生じる欠点は克服できたものの、まだいくつもの問題が残る。例えば、実心の「球」は重いため、バルブ5の内部にある止水栓51の上で動く際、球状バルブ部材の重量が止水栓に負担をかけ(「球」の両側の部分が止水栓にはまり込んでいるため)、止水栓が長時間の圧迫で変形する。また、「球」が動く際、止水栓が磨耗することもあり得る。変形や磨耗により、「球」は止水栓とぴったり合わさることができなくなる。結果、隙間が生じ、バルブを開閉する際、管の中で気体が漏れていても気づかないという状況が発生し、もし、それを知らずに修理のために電気熔接やガス熔接などをしたら、爆発して大変危険である。現にこのような事故は後を絶たない。
【0004】このような欠点に鑑みて、本発明者は研究と改良を重ね、従来の欠点を克服する製造方法を開発するにいたった。本発明は、球状バルブ部材の重量を軽減する製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】高温加熱した鋼材を、熱鍛造成型と摩擦熔接によって、球状のバルブ部材にする。内部が空心で、「球」の中央には通り道があることで、球状バルブ部材の両側にある止水栓にかかる、球状バルブ部材の重量が軽減され、球状バルブ部材を動かす力も少なくてすみ、止水栓の負担が減ることでバルブ自身の寿命も延長する。また、熱鍛造法を用いているので、球状バルブ部材を成型すると同時に、直接、通り道が成型されて水の流れがスムーズである。さらに、球状バルブ部材を成型すると同時に通り道を成型するという、無駄のない製造方法を用いていて、摩擦熔接によって仕上げていることで、従来のような旋盤によって通り道をつくるといった面倒がなく、製造工程がすばやく、時間とコストに無駄がない。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の球状バルブ部材製造方法を、図4、図5に示す実施例の図面に基づいて説明する。本発明の製造方法は、(A)熱鍛造成型工程(B)摩擦熔接工程(C)加工、仕上げ工程の三つからなっている。
(A)熱鍛造成型工程図4に示すように、二つの対称な半球状のバルブ部材11であって、半球状部分の内部に円筒状部が形成されることによりその断面が図5に示すように略皿の字状に形成された半球状のバルブ部材11を、鍛造成型によって製造する。
(B)摩擦熔接工程摩擦熔接とは、高速運動により接触する金属の表面を、無駄なく熔化して一体に熔接する方法である。二つの対称な半球状のバルブ部材11が合わさり、一つの球状バルブ部材1を形成する。摩擦熔接を用いることで、対称な半球状バルブ部材11を一体に熔接する。熔接面は溶解していることで、補強機能をもつ凸状のヘッジ(縁)13を形成する。バルブ部材の円筒状部の内周が通り道12を形成する。
(C)加工、仕上げ工程球状バルブ部材1の通り道12と同じ直径を有するプレスバー6を用いたプレス工程により直接球状バルブ部材1の中央にある通り道12内周に形成された凸状のヘッジ13を取り除き、通り道12の表面を滑らかにしていて、さらに、旋盤で球状バルブ部材1の表面に加工を加えて仕上げる。
【0007】
【発明の効果】本発明のバルブ部材の製造方法は、鍛造成型法と摩擦熔接を用いることで、表面にきずのない球状バルブ部材を作ることができるので、水漏れや気体漏れがなく、電気熔接やガス熔接によって爆発すのを未然に防ぐことができ、安全性に優れている。また、熱鍛造法を用いているので、球状バルブ部材を成型すると同時に、直接、通り道が成型されて水の流れがスムーズである。さらに、球状バルブ部材を成型すると同時に通り道を成型するという、無駄のない製造方法を用いていて、摩擦熔接によって仕上げていることで、従来のような旋盤によって通り道をつくるといった面倒がなく、製造工程がすばやく、時間とコストに無駄がない。
【出願人】 【識別番号】599162358
【氏名又は名称】呉 樂瑞
【出願日】 平成11年11月16日(1999.11.16)
【代理人】 【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
【公開番号】 特開2001−141081(P2001−141081A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−325946