| 【発明の名称】 |
スプールバルブ |
| 【発明者】 |
【氏名】新実 繁樹
【氏名】吉田 昌弘
【氏名】前田 和彦
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| 【要約】 |
【課題】より低コストでスプールに要求される高い寸法精度を付与しかつ維持させることができるようにする。
【解決手段】スプール12を、ポリフェニレンサルファイド樹脂製のベース部材12aと、このベース部材12aの外周側に互いに軸方向へ離間させて固設された4個のアルミニウム材製の環状のランド部材12b1〜12b4と、ベース部材の一端の中心部位に固設されて押動部材14と当接可能なベアリングボール15とから構成する。ベース部材12a、ランド部材12b1〜12b4およびベアリングボール12cは、インサート成形法により一体にする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダボアを有するバルブボデーと、このバルブボデーの前記シリンダボア内に摺動自在に嵌合されたスプールとを備え、このスプールの一端側に配置された押動部材によってスプールが一方向へ摺動させられるスプールバルブにおいて、前記スプールが、樹脂製のベース部材と、このベース部材の外周側に互いに軸方向へ離間させて固設された複数の金属製の環状のランド部材と、前記ベース部材の一端の中心部位に固設されて前記押動部材と当接可能な鋼球とから構成され、これらベース部材、ランド部材および鋼球がインサート成形法により一体にされていることを特徴とするスプールバルブ。 【請求項2】 請求項1に記載のスプールバルブであって、前記バルブボデーおよび前記ランド部材がアルミニウム材製であり、前記ベース部材がポリフェニレンサルファイド樹脂製であり、前記鋼球がベアリングボールであり、少なくとも前記バルブボデーの内周面および前記ランド部分の外周面に硬質アルマイト処理が施されていることを特徴とするスプールバルブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この出願の発明は、流体圧回路の流体の流れ方向や流量等を制御するために使用されるスプールバルブに関するものである。 【0002】 【従来の技術】スプールバルブは、一般的に、シリンダボアを有するバルブボデーと、このバルブボデーの前記シリンダボア内に摺動自在に嵌合されたスプールとを備え、このスプールの一端側に配置された押動部材、例えば電磁石装置の可動なプランジャ又はこのプランジャに固定されたシャフトによってスプールが一方向へ摺動させられる。 【0003】このようなスプールバルブにおいて、軽量化のためにバルブボデー及びスプールをアルミニウム材製とした場合、アルミニウム材が比較的に軟質であることから、スプールの押動部材との当接部が摩耗し、スプールの寸法精度が維持されない。その結果、スプールを所定位置へ移動させるための押動部材のストローク量が上記摩耗の進行に応じて変化する。 【0004】このような不具合を解消するため、従来、スプール本体の押動部材との当接部位に凹部を設け、この凹部に鉄材等の硬質材にて形成された当接ピースを圧入することが知られていた(例えば、特開平11−2354号参照)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スプール本体に当接ピースが圧入されてなるスプールに要求される高い寸法精度を付与するためにスプール本体および当接ピースの両方に高い寸法精度を付与することが要求される上、当接ピースをスプール本体に圧入する工程が必要であり、このことがスプールの製造コスト、延いてはスプールバルブの製造コストを引き下げる上で妨げとなっていた。 【0006】この出願の発明は、より低コストでスプールに要求される高い寸法精度を付与しかつ維持させることができるようにしたスプールバルブを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発明は、シリンダボアを有するバルブボデーと、このバルブボデーの前記シリンダボア内に摺動自在に嵌合されたスプールとを備え、このスプールの一端側に配置された押動部材によってスプールが一方向へ摺動させられるスプールバルブにおいて、前記スプールが、樹脂製のベース部材と、このベース部材の外周側に互いに軸方向へ離間させて固設された複数の金属製の環状のランド部材と、前記ベース部材の一端の中心部位に固設されて前記押動部材と当接可能な鋼球とから構成され、これらベース部材、ランド部材および鋼球がインサート成形法により一体にされていることを特徴とするスプールバルブである。 【0008】このようなスプールバルブにおいては、ベース部材とランド部材および鋼球を一体にしたスプールを1工程(インサート成形工程)で成形することができるため、スプールに要求される高い寸法精度を容易に付与することができる。そして、スプールがその構成部材である鋼球により押動部材と当接するので、スプールの押動部材との当接部位は殆ど摩耗せず、従って高い寸法精度を維持することができる。 【0009】上記スプールバルブにおいて、軽量化のためにバルブボデーおよびランド部材がアルミニウム材製であり、少なくともバルブボデーの内周面およびランド部分の外周面に硬質アルマイト処理が施されて必要な耐摩耗性を付与されれいることが望ましい。また、ベース部材がポリフェニレンサルファイド樹脂製であることが望ましく、インサート成形時、ポリフェニレンサルファイド樹脂をスプールの軸方向一端側から射出して軸方向に流動させることのより、ベース部材の軸方向の線膨張率をアルミニウム材製のランド部材の線膨張率と同等にすることができる。更に、コストを下げるため、鋼球としてボールベアリングのベアリングボールを使用することが望ましい。更に、ランド部材は、その外径および幅(軸方向寸法)は高い寸法精度が要求されるが、内径は高い寸法精度精度を必要としないため、冷間鍛造により成形して材料の歩留りを向上させることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は、この出願の発明に係るスプールバルブの構成を示す断面図である。図1に示すように、スプールバルブ10は、シリンダボア11aを有したバルブボデー11と、このバルブボデー11のシリンダボア11a内に摺動自在に嵌合されたスプール12と、シリンダボア11a内にスプール12の左側に配置されてスプール12を右方向へ付勢し、スプール12の右端を押動部材14の左端に当接させるスプリング13とを主たる構成部材としている。 【0011】バルブボデー11は、アルミニウム材製であり、その左端開口はドレンポート11bとされ、また左右両端間には、作動油のインレットポート11cと、このインレットポート11cの左側の第1アウトレットポート11dと、インレットポート11cの右側の第2アウトレットポート11eと、第1アウトレットポート11dが連通する環状通路11fと、第2アウトレットポート11eが連通する環状通路11gが設けられている。 【0012】スプール12は、ポリフェニレンサルファイド樹脂製のベース部材12aと、このベース部材12aの外周側の軸方向に離間させて固設された4個のアルムニウム材製の環状のランド部材12b1〜12b4と、ベース部材11の右端中心部位に固設された鋼球であるベアリングボール12cとからなる。 【0013】ベース部材112、ランド部材12b1〜12b4、およびベアリングボール12cは、インサート成形法により一体にされている。このインサート成形時、ベース部材12aの材料であるポリフェニレンサルファイド樹脂は、その右端側から軸方向左方に向けて射出される。 【0014】ベース部材12aは右端が閉口した筒状を呈しており、ランド部材12b1とランド部材12b2との間の環状通路12dを内部の軸方向通路12eに連通する半径方向孔と、ランド部材12b3とランド部材12b4との間の環状通路12fを軸方向通路12eに連通する半径方向孔と、ランド部材12b4の右側の室12gを軸方向通路12eに連通する半径方向孔とを有している。室12gはベース部材12bの内部の通路を介してドレンポート11bに常時連通している。 【0015】ランド部材12b1〜12b4は、冷間鍛造により成形されている。バルブボデー11の内周とランド部材12b1〜12b4は硬質アルマイト処理が施されており、耐摩耗性の高いものとされている。 【0016】スプリング13は、バルブボデー11に取り付けられたスプリングリテーナ15とスプール12との間に設けられている。 【0017】押動部材14は、電磁石装置16の可動なプランジャ(図示省略)の一体的に結合されたステンレス製のシャフトである。電磁石装置16の電気コイル(図示省略)に電流を流すと、シャフト14に左方向の推力が発生する。電磁石装置16は、その電気コイルに流す電流値とシャフト14に発生する推力とが比例関係にあるように構成された公知の比例電磁石装置である。 【0018】次に作用を説明する。電磁石装置16の電気コイルに電流を流さない場合は、スプリング13の力によりスプール12とシャフト14とが、スプール12のベアリングボール12cとシャフト14とが当接した状態で右方向へ最も摺動させられ、図1に示す位置を占める。図1においては、第1アウトレットポート11dはインレットポート11cから遮断されかつドレンポート11bに連通し、また第2アウトレットポート11eがインレットポート11cに連通する。 【0019】電磁石装置16の電気コイルに或る電流値が流されると、この電流値に対応した大きさの推力がシャフト14に発生し、この推力とスプリング13の力とがバランスするまでシャフト14おとびスプール12が左方向へ摺動する。スプール12が図1の位置から左方向へ最大に摺動変位する場合、先ずはインレットポート11cと第2アウトレットポート11eとの間の通路断面積が漸減すると共に第1アウトレットポート12dとドレンポート11bとの間の通路面積が漸減し、ついには両アウトレットポート11d、11eのそれぞれがインレットポート11cおよびドレンポート11bの両方から遮断た状態となる。スプール12が引き続き左方向へ摺動すると、第1アウトレットポート11dがインレットポート11cに連通すると共に第2アウトレットポート11eがドレンポート11bに連通し且つそれらの間の通路面積が漸増する。 【0020】従って、電磁石装置16の電気コイルに流す電流値を増減変化させることにより、第1アウトレットポート11dに連通した作動油室(図示省略)および第2アウトレットポートに連通した作動油室(図示省略)に対する作動油を給排とその流量を制御することができる。 【0021】 【発明の効果】以上に説明したように、この出願の発明に係るスプールバルブは、シリンダボアを有するバルブボデーと、このバルブボデーのシリンダボア内に摺動自在に嵌合されたスプールとを備え、このスプールの一端側に配置された押動部材によってスプールが一方向へ摺動させられるスプールバルブであって、スプールが、樹脂製のベース部材と、このベース部材の外周側に互いに軸方向へ離間させて固設された複数の金属製の環状のランド部材と、ベース部材の一端の中心部位に固設されて押動部材と当接可能な鋼球とから構成され、これらベース部材、ランド部材および鋼球がインサート成形法により一体にされているものであり、ベース部材とランド部材および鋼球を一体にしたスプールを1工程(インサート成形工程)で成形することができるため、スプールに要求される高い寸法精度を容易に付与することができる。そして、スプールがその構成部材である鋼球により押動部材と当接するので、スプールの押動部材との当接部位は殆ど摩耗せず、従って高い寸法精度を維持することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000011 【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月15日(1999.11.15) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−141079(P2001−141079A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−324705 |
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