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【発明の名称】 減圧弁
【発明者】 【氏名】青山 豊

【氏名】加藤 修英

【氏名】水野 弘之

【要約】 【課題】配管の漏水試験に伴う作業の手間を省く。

【解決手段】弁箱2に対し減圧機構を設けた減圧機構ユニット3を回転自在に装着し、弁箱2における2次側圧力室7と、これに連通して2次側圧力を1次側圧力より低いある一定の圧力に保持する減圧機構ユニット3における圧力調整室18とを、このユニット3の弁箱2に対する回転位置によって連通又は遮断することにより、減圧機能を有効又は無効とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁箱内部に、流入口及び吐出口の夫々に通ずる1次側及び2次側圧力室とを中間室を介して連通する様に設け、該中間室は、弁箱上部が開口した装填口を設け、該装填口より中間室内に減圧機構ユニットの下部中心に突設した回転軸体を装填し、弁箱に対し減圧機構ユニットを回転自在と成し、該減圧機構ユニットは、1次側圧力室と2次側圧力室との連通路を設けると共に、該連通路に設けた弁口を開閉する弁体を、1次側圧力を開弁方向に受ける様に弁座に着離自在に設けると共に、弁体に弁棒を介して1次側圧力を閉弁方向に受けるピストンを連結し、該ピストンを介して連通路と、2次側圧力室に夫々の隔壁を介して隣接した圧力調整室とを区画すると共に、該圧力調整室に設けた圧力調整手段をピストンに連繋し、2次側圧力室と圧力調整室との摺動自在に接合して成る隔壁の夫々に、弁箱に対する減圧機構ユニットの所定の回転位置で合致して両室を連通させる圧力検出孔を設け、各圧力検出孔の不一致位置で、2次側圧力室の圧力検出孔は圧力調整室の隔壁で閉塞されると共に、圧力調整室の圧力検出孔を外部に連通させたことを特徴とする減圧弁。
【請求項2】 弁箱上部における装填口の一直径方向と、減圧機構ユニット下部における回転軸体の一直径方向に、一対の係合主体部と係合従体部を夫々設け、該係合主体部と係合従体部とは、弁箱に対し減圧機構ユニットを回転させることにより相互に係脱自在に設けられ、係合主体部と係合従体部との離間状態で弁箱と減圧機構ユニットとを着脱自在と成したことを特徴とする請求項1記載の減圧弁。
【請求項3】 減圧機構ユニットの弁箱からの離脱状態において、上記装填口及び2次側圧力室の圧力検出孔に閉塞蓋を密栓したことを特徴とする請求項2記載の減圧弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に戸別給水用の減圧弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の減圧弁は、集合住宅の配管に取り付けられ、施工後に配管全体の漏水試験を行う。この場合、配管全体に所定圧力をかけて各部の水漏れ状態を確認する。この漏水試験時において、配管中に減圧弁があると、2次側の圧力が低く成るので、上記の試験圧力をかけると、減圧弁が故障する恐れがある。従って、上記の場合、減圧弁を一旦取り外して、ここに通水だけを目的した代替管を取り付けて漏水試験を行い、漏水試験後、代替管を減圧弁に交換していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記の場合、減圧弁と代替管の交換作業に手間、時間を要し、かかる作業が甚だ面倒であった。本発明は、上記の様な場合に減圧弁の減圧機能が作用しない様にして、代替管との交換する手間を省くことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に鑑み、弁箱内部に、流入口及び吐出口の夫々に通ずる1次側及び2次側圧力室とを中間室を介して連通する様に設け、該中間室は、弁箱上部が開口した装填口を設け、該装填口より中間室内に減圧機構ユニットの下部中心に突設した回転軸体を装填し、弁箱に対し減圧機構ユニットを回転自在と成し、該減圧機構ユニットは、1次側圧力室と2次側圧力室との連通路を設けると共に、該連通路に設けた弁口を開閉する弁体を、1次側圧力を開弁方向に受ける様に弁座に着離自在に設けると共に、弁体に弁棒を介して1次側圧力を閉弁方向に受けるピストンを連結し、該ピストンを介して連通路(1次側圧力室)と、2次側圧力室に夫々の隔壁を介して隣接した圧力調整室とを区画すると共に、該圧力調整室に設けた圧力調整手段をピストンに連繋し、2次側圧力室7と圧力調整室との摺動自在に接合して成る隔壁の夫々に、弁箱に対する減圧機構ユニットの所定の回転位置で合致して両室を連通させる圧力検出孔を設け、各圧力検出孔の不一致位置で、2次側圧力室の圧力検出孔は圧力調整室の隔壁で閉塞されると共に、圧力調整室の圧力検出孔を外部に連通させることにより、減圧機構ユニットを弁箱に対し回転させて、圧力調整室と2次側圧力室の圧力検出孔を合致させることで、通常の減圧機能を有する減圧弁とし、前記両室の圧力検出孔を不一致と成すことで、減圧機能を作用させず、弁箱内の1次側圧力室と2次側圧力室を連通させる様にして、上記課題を解決する。
【0005】又、弁箱上部における装填口の一直径方向と、減圧機構ユニット下部における回転軸体の一直径方向に、一対の係合主体部と係合従体部を夫々設け、該係合主体部と係合従体部とは、弁箱に対し減圧機構ユニットを回転させることにより相互に係脱自在に設けられ、係合主体部と係合従体部との離間状態で弁箱と減圧機構ユニットとを着脱自在と成し、減圧機構ユニットの弁箱からの離脱状態において、上記装填口及び2次側圧力室の圧力検出孔に閉塞蓋を密栓することにより、弁箱に対し減圧機構ユニットと閉塞蓋とを交換することにより、弁箱を配管より取り外すことなく、減圧弁又は代替管とを両用できる様にして、上記課題を解決する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。1は本発明に係る減圧弁であり、該減圧弁1は、弁箱2と、該弁箱2に着脱自在に装着され、その装着状態で弁箱2に対し回転自在と成した減圧機構ユニット3から構成されている。
【0007】弁箱2は、その左右両側方に流入口4及び吐出口5を開設すると共に、内部に流入口4及び吐出口5に通ずる1次側圧力室6と2次側圧力室7とを設けている。1次側圧力室6と2次側圧力室7とは、弁箱2の中央に設けた断面円形状の中間室8を介して連通、即ち、図4〜6に示す様に、中間室8の側部を1次側圧力室6に、中間室8の下部を2次側圧力室7に連通しており、この中間室8は、弁箱2上部に対応する上壁が円形に開口形成した減圧機構ユニット3の装填口9を設けている。
【0008】又、弁箱2の上部において、装填口9の一直径方向(流入口4と吐出口5の形成方向)に減圧機構ユニット3と結合するための一対の係合主体部10、10aを突設している。この係合主体部10、10aは、その上面が平坦で装填口9と同一平面上にして、且つ略同幅に設けて成る。流入口4側に設けた係合主体部10は、断面略L字状に設けられ、その先端を流入口4側へ指向する様に立ち上がり形成している。又、吐出口5側に設けた係合主体部10aは、装填口9の吐出口5側に隣接して、且つ装填口9と同一平面上に上方膨出形成された2次側圧力室7の上部隔壁11において、その隔壁面11を吐出口5側へ延出形成して略鉤状に設けている。又、上記隔壁11には、2次側圧力室7に連通する圧力検出孔12を貫設している。尚、13は弁箱2内の1次側圧力室6に設けたストレナーである。
【0009】減圧機構ユニット3は、上部及び下部ケーシング14、15とをダイヤフラム16を介して接合固定して成り、該ダイヤフラム16は、上部ケーシング14内に設けた調節バネ17と共に、ダイヤフラム16で下方に区画された圧力調整室18の圧力調整手段19と成している。この調節バネ17は、ダイヤフラム16上面に接合したダイヤフラム押さえと兼用のバネ受け20と、上部ケーシング14の上端に外部より突入して成る調節ネジ21に螺着したバネ受け22間に介装されている。そして、調節ネジ21に螺着したバネ受け22は、その周縁適所に肉厚方向に刻設した凹溝22aを、上部ケーシング14の内壁に上下に渡って突設した1条のリニアレール23に装着して回転不能に設けられ、上部ケーシング14の上端に上方突出した調節ネジ21の頭部21aを回転させることにより、前記バネ受け22を上下移動させ、調節バネ17の弾性力を調節する様に成している。
【0010】又、下部ケーシング15において、圧力調整室18の下部隔壁24は、上記係合主体部10、10aの上面及び2次側圧力室7の上部隔壁11に接合するために平坦状に形成すると共に、その中心に略円筒状の回転軸体25を突設している。この回転軸体25は、装填口9より中間室8内に着脱自在に装填され、その装填状態において、中間室8の内壁に対しその円周方向に摺接自在と成し、回転軸体25を中心として減圧機構ユニット3を弁箱2に対し回転自在と成している。又、圧力調整室18と2次側圧力室7は夫々の隔壁11、24を介して上下で隣接すると共に、減圧機構ユニット3の回転により、隔壁11、24を摺動自在と成している。
【0011】そして、弁箱2に減圧機構ユニット3を装着した状態では、圧力調整室18の下部隔壁24と2次側圧力室7の上部隔壁11及び係合主体部10、10aが接合している。かかる状態において、圧力調整室18の下部隔壁24には、2次側圧力室7の上部隔壁11に設けた圧力検出孔12に連通可能な圧力検出孔26を貫設しており、弁箱2に対する減圧機構ユニット3の所定の回転位置で、2次側圧力室7と圧力調整室18の圧力検出孔12、26が合致して両室7、18を連通する様に成し、各圧力検出孔12、26の不一致位置で、2次側圧力室7の圧力検出孔12は、圧力調整室18の隔壁24で閉塞されると共に、圧力検出孔26を外部に連通する様に成している。
【0012】又、圧力調整室18の下部隔壁24には、上記係合主体部10、10aと相互に係脱自在な一対の係合従体部27、27aを垂設している。この係合従体部27、27aは、断面略L字状に形成され、回転軸体25の一直径方向で、係合主体部10、10aとの対応位置に夫々設置され、図1、3に示す様に、減圧機構ユニット3の回転により、圧力調整室18と2次側圧力室7の圧力検出孔12、26が合致した状態において、係合従体部27、27aの夫々が流入口4及び吐出口5側に位置対応して係合主体部10、10aに重なる様に設定している。上記の状態から図7、8の様に減圧機構ユニット3を右回りに所定角度回転した状態で2次側圧力室7と圧力調整室18の圧力検出孔12、26の夫々を離間させて、2次側圧力室7の圧力検出孔12を圧力調整室18の隔壁24が閉塞し、圧力調整室18の圧力検出孔26を外部に連通させている。又、図1、3の状態から左回り又は右回りに約90度回転(図示例では右回りに90度回転)することで、係合主体部10、10aと係合従体部27、27aとの離間させ、かかる状態で、図9、10に示す様に、弁箱2と減圧機構ユニット3を着脱自在と成している。
【0013】又、下部ケーシング15において、圧力調整室18下部に内方連通する回転軸体25内には、弁箱2に減圧機構ユニット3を装着した状態で、1次側圧力室6と2次側圧力室7との連通路28を設けている。この連通路28は、回転軸体25中央の円周方向に複数貫設した1次側圧力室6との連通口29と、回転軸体25下端に開設した2次側圧力室7との連通口30(以下、弁口30と称する。)との流路を形成して成り、前記弁口30には、これを開閉する弁体31を設けている。弁体31は、1次側圧力を開弁方向に受ける様に、弁口30周囲に設けた弁座30aに着離自在に設けると共に、弁体31に弁棒32を介して1次側圧力を閉弁方向に受けるピストン33を連結している。又、弁体31は、その下部中心に弁軸34を垂設し、該弁軸34を、弁箱2において2次側圧力室7の内底に凹設した弁軸ガイド35に摺動自在に挿通している。
【0014】ピストン33は、弁体31より受圧面積を大きく形成すると共に、その周囲にOリング36を装着して成り、回転軸体25の内方上部にして、圧力調整室18と連通路28との間に設けたシリンダ室37に摺動自在に挿嵌し、ピストン33を介して連通路28と圧力調整室18とを水密状に区画している。又、ピストン33の上部中心にピストン軸38を上方突設し、該ピストン軸38をダイヤフラム16に連結し、圧力調整室18に設けた圧力調整手段19をピストン33に連繋し、ダイヤフラム16の変位に応じて弁体31がリフトする様に成している。
【0015】又、ダイヤフラム16の下面に接合したダイヤフラム押さえ39は、シリンダ室37の内径より大径と成し、ダイヤフラム16が最下限に変位した状態で、このダイヤフラム押さえ39がシリンダ室37を閉塞する様に、シリンダ室37の圧力調整室18側(上方)開口部端面に係止し、開弁した弁体31の最下限のリフトを規制している(図7参照)。又、回転軸体25外周において連通口29の上下部位と、弁箱2の上部隔壁11において圧力検出孔12周囲には、Oリング溝を夫々刻設し、該Oリング溝にOリング40、40a、41を装着し、弁箱2に減圧機構ユニット3を装着した状態で、各連結箇所をシールしている。又、42は、弁箱2に減圧機構ユニット3を装着し、2次側圧力室7と圧力調整室18の各圧力検出孔12、26が連続した状態で、流入口4側に位置する係合従体部27の外方より貫通螺入したビスであり、該ビス42の先端が前記係合従体部27に係合して成る係合主体部10に掛止して、弁箱2に対する減圧機構ユニット3の回転を規制している。
【0016】そして、上記の様に構成された減圧弁1は、図1、3に示す様に、2次側圧力室7と圧力調整室18の圧力検出孔12、26が連続した状態で、減圧弁1に通常の減圧機能を有する。即ち、開弁により1次側圧力室6から弁口30を経て2次側圧力室7へ通水する流体は、圧力検出孔12、26を通って圧力調整室18に流入し、この2次側圧力によるダイヤフラム16への上向き(閉弁方向)の力と、調節バネ17による下向き(開弁方向)の力がバランスすることにより、弁体31の開度が調整され、2次側圧力が1次側圧力より低いある一定の圧力に保持される。
【0017】又、図7、8に示す様に、減圧機構ユニット3を弁箱2に対し回転させ、2次側圧力室7と圧力調整室18の圧力検出孔12、26を離間させて両室7、18の連通状態を解除することで、減圧弁1には減圧機能が働かず、更に圧力検出孔12が圧力調整室18の隔壁24で閉塞されてシールされると共に、圧力検出孔26を外部に連通させることで、圧力調整室18内が大気圧と成り、調節バネ17の弾性力のみがダイヤフラム16に作用し、弁体31を開弁させて、1次側圧力室6と2次側圧力室7が連通する。従って、配管に上記減圧弁1を取り付けた状態で、配管全体の漏水試験を行う際、単に、減圧機構ユニット3を上記の様に回転させるだけで、従来の代替管として代用できる。又、図9、10に示す様に、減圧機構ユニット3の弁箱2からの離脱状態において、上記装填口9及び2次側圧力室7の圧力検出孔12に閉塞蓋43、43aを密栓することもできる。これにより、弁箱2を配管に据え付けた状態で、従来の代替管とすることもできる。
【0018】
【発明の効果】要するに請求項1に係る本発明は、上記構成よりなるので、弁箱2に対し減圧機構ユニット3を回転させ、2次側圧力室7と圧力調整室18の圧力検出孔12、26を連続させることにより、両室7、18を連通させて減圧機能を正常に働かせることができ、又各圧力検出孔12、26を不連続にして、2次側圧力室7の圧力検出孔12を圧力調整室18の隔壁24で閉塞すると共に、圧力調整室18の圧力検出孔26を外部に連通させることにより、弁体31を開弁して1次側圧力室6と2次側圧力室7を連通させて、減圧機能が働くことなく通水させることができ、配管の漏水試験時とその後において、減圧機構ユニット3を上記の様に回転させることで減圧機能を有効又は無効とすることができ、従来の様な減圧弁と代替管を交換する手間を省くことが出来る。又、従来の様な配管への減圧弁と代替管の交換によって、配管が歪む様な不具合をも解消できる。
【0019】又、請求項2に係る発明では、弁箱2に対する減圧機構ユニット3の回転位置によって、弁箱2に減圧機構ユニット3の着脱が容易に行え、組み付けが簡単であると共に、減圧機構ユニット3の交換、メンテナンスも簡単に行える。
【0020】又、請求項3に係る発明では、減圧機構ユニット3の弁箱2からの離脱状態において、上記装填口9及び2次側圧力室7の圧力検出孔12に閉塞蓋43、43aを密栓することでも、減圧機能を働かせることなく、1次側圧力室6から2次側圧力室7へ通水させるれ、かかる手段でも弁箱2を配管より取り外す必要がないので、漏水試験時及びその後においての作業性の向上や配管の歪みの発生を防止できる等その実用的効果甚だ大である。
【出願人】 【識別番号】591059515
【氏名又は名称】株式会社ヨシタケ
【出願日】 平成11年10月25日(1999.10.25)
【代理人】 【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
【公開番号】 特開2001−124235(P2001−124235A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−301818