| 【発明の名称】 |
電磁弁の操作方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】トーマス・ラダー
【氏名】アレクサンダー・ホイスラー
【氏名】ヘルムート・ヴィス
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| 【要約】 |
【課題】弁の両側に極めて小さい差圧もまた設定可能な電磁弁の操作方法および装置を提供する。
【解決手段】電磁弁は、安定な力釣合いを有するリフト範囲および不安定な力釣合いを有するリフト範囲を有する。電磁弁の両側に所定の差圧を設定するために操作信号値が形成される。操作信号値は、不安定な力釣合いを有するリフト範囲が回避され、またはこの範囲内での電磁弁の滞留時間が低減されるように選択される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1つの可変の電磁弁操作値を有する所定の操作信号が、設定すべき圧力の関数として発生され、この場合、電磁弁が、不安定な力釣合いが支配するリフト範囲と、安定な力釣合いが支配するリフト範囲とを有する、電磁弁の操作方法において、前記可変の電磁弁操作値が、電磁弁のリフトが本質的に不安定な力釣合いの範囲外に存在するように決定されることを特徴とする電磁弁の操作方法。 【請求項2】 前記操作信号値が、電磁弁の弁コイル内を流れる電流を調節するパルス幅変調信号であることを特徴とする請求項1記載の方法。 【請求項3】 前記電磁弁操作信号値は、電流が所定の圧力を設定するための目標電流に低下される電流の低下過程が設けられかつ電磁弁に目標電流が流される通電過程が設けられるように与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。 【請求項4】 前記操作信号は、低下時間および通電時間の間は所定の圧力を設定するための目標電流を与え、かつ操作周期の残りの時間の間は電磁弁を閉止方向に制御する上昇電流を与えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。 【請求項5】 前記操作信号値が、電磁弁が通電時間の間は開かれ、かつその後に再び閉じられるように与えられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。 【請求項6】 前記操作信号値が小さい差圧を設定するためにのみ形成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。 【請求項7】 電磁弁は、ブレーキ装置の電磁弁であり、かつ少なくとも1つの車輪ブレーキ内のブレーキ圧力の調節のために使用されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。 【請求項8】 電磁弁を操作するための操作信号を希望圧力の関数として形成するプログラムを含むコンピュータ・ユニットを備え、この場合、電磁弁が、安定な力釣合いを有するリフト範囲と、不安定な力釣合いを有するリフト範囲とを有する、電磁弁の操作装置において、少なくとも1つの操作信号可変値が、不安定な力釣合いを有する電磁弁のリフト範囲が回避され、またはこのリフト範囲内での電磁弁の滞留時間が低減されるように決定されることを特徴とする電磁弁の操作装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電磁弁の操作方法および装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電気制御式電磁弁は、種々の適用技術において圧力制御弁として使用される。このような電磁弁の特定の適用分野は自動車のブレーキ装置であり、ブレーキ装置において、電磁弁の操作により車輪ブレーキ・シリンダ内の圧力が制御される。このような電磁弁の制御の一例がドイツ特許公開第19501760号(米国特許第5727852号)から既知である。そこには油圧式ブレーキ装置が記載され、この油圧式ブレーキ装置において、車輪ブレーキ・シリンダ内に形成される圧力が、少なくとも1つの電磁弁の制御により設定値に基づいて調節される。この電磁弁の操作により少なくとも1つの車輪ブレーキ内で圧力が上昇され、保持され、または低下される。この場合、電磁弁の制御は圧力制御回路の範囲内で行われ、圧力制御回路により車輪ブレーキ内の圧力に対する所定の目標値が設定される。 【0003】ブレーキ装置内の圧力調節弁の制御のための他の方法ないし他の装置がドイツ特許公開第19654427号から既知である。そこでは、少なくとも1つの車輪ブレーキ内の圧力の制御のために、圧力制御回路の範囲内で、少なくとも1つの切換弁が、弁が比例特性を示すように操作される。この場合、圧力制御装置が設けられ、圧力制御装置は、車輪ブレーキの範囲内で測定された圧力の、所定の目標値からの偏差の関数として、弁に対するパルス幅変調操作信号または弁巻線内を流れる電流に対する電流目標値を形成する。弁の開口断面積、したがって弁を介して流れる容積流量は、操作信号値に対応して調節される。この制御により、弁の両側に所定の差圧が設定される。この場合、パルス幅変調操作信号は、開口断面積に対応する弁巻線内平均電流が設定されるように選択される。 【0004】ある使用例においては、このような弁操作による極めて小さい差圧の設定は問題があることがわかっている。その理由は、特定の運転条件において、電磁弁の自然発生的な開放が観察されたからである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】弁の両側に極めて小さい差圧もまた設定可能な電磁弁の操作方法および装置を提供することが本発明の課題である。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題は、少なくとも1つの可変の電磁弁操作値を有する所定の操作信号が、設定すべき圧力の関数として発生され、この場合、電磁弁が、不安定な力釣合いが支配するリフト範囲と、安定な力釣合いが支配するリフト範囲とを有する、電磁弁の操作方法において、前記可変の電磁弁操作値が、電磁弁のリフトが本質的に不安定な力釣合いの範囲外に存在するように決定されることを特徴とする本発明の電磁弁の操作方法により達成される。 【0007】上記課題はまた、電磁弁を操作するための操作信号を希望圧力の関数として形成するプログラムを含むコンピュータ・ユニットを備え、この場合、電磁弁が、安定な力釣合いを有するリフト範囲と、不安定な力釣合いを有するリフト範囲とを有する、電磁弁の操作装置において、少なくとも1つの操作信号可変値が、不安定な力釣合いを有する電磁弁のリフト範囲が回避され、またはこのリフト範囲内での電磁弁の滞留時間が低減されるように決定されることを特徴とする本発明の電磁弁の操作装置により達成される。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施形態により詳細に説明する。図1に電磁弁が略図で示され、電磁弁は、ハウジング10、弁ニードル12、弁座14、弁の開放方向に付勢された第1のばね16および弁アンカー18からなり、弁アンカー18は電磁操作によりアンカーを図1に示したX方向に操作する。アンカーに作用する力は、弁出口22における圧力FDruck、開放方向のばね力FF並びに閉止方向の電磁力FMagである。電磁力FMagは圧力による力FDruckおよびFFの和と安定な釣合いをなしている。電磁力FMagそれ自身は弁アンカー18の制御コイル内を流れる電流により決定され、そして例えば圧力制御回路の範囲内で希望されるFDruckに対応して与えられる。この圧力は、弁入口24における入口圧力と共に弁の両側に差圧を形成する。この圧力が(一般にブレーキ装置のペダルが操作されていない場合のように)本質的に大気圧に対応する場合、出口側の圧力FDruckは差圧を示す。 【0009】このような弁のリフトに対する開放力および閉止力の特性曲線が、図2において種々の差圧Δpに対して示されている。弁に弁コイル内を流れる平均電流を設定しかつアンカーを中央位置に保持する通常のパルス幅変調操作により、閉止力FMagが開放力FDruck+FFより大きいときに、安定な力釣合いが達成される。これが逆の場合、即ち開放力が閉止力より大きい場合に不安定な力釣合いが発生し、この結果、弁は最も小さい外乱においても意に反して開くことになる。これにより弁の両側の希望する差圧が失われる。図2に3つの異なる差圧値Δp1、Δp2およびΔp3に対して、開放力(実線)および閉止力(破線)がリフトXに関して目盛られている。この場合、それぞれの直線の交点(X1、X1′、X2、X2′、X3、X3′)が明確に特定され、これらの交点はリフト範囲Xを不安定な範囲と安定な範囲とに区分する。差圧が小さい場合(Δp1<Δp3)、安定な範囲と不安定な範囲とを分割する交点はより小さいリフトの方向に移動し、両方の交点は接近する。したがって、差圧が小さくなると共に、電磁弁に小さい外乱が作用した場合において、電磁弁のニードルがリフトの安定な範囲から不安定な範囲へ移動し、このとき急激に開くという危険が発生する。 【0010】弁が圧力制御の範囲内でパルス幅変調信号により冒頭記載の従来技術に基づいて操作される場合、一般に弁コイルに対する操作周波数は、使用される弁の固有周波数より小さく選択され、そして弁の対応中央位置を設定する弁コイル内平均電流が得られるようにパルス幅が設定される。しかしながら、操作の間に弁が比較的大きいリフト範囲を移動し、したがって不安定な範囲に到達する。この結果、弁は自然発生的に開き、そして弁の両側の差圧は失われることになる。弁の動特性の考慮は行われない。この場合、設定された電磁力は弁の閉止のために十分ではない。 【0011】このような特性の一例が図4の(A)の時間線図により示されている。ここで、所定の圧力p(弁の両側の差圧)が設定され、この圧力pが時点t0においてこの位置を離れるものとする。圧力制御装置は、時点t1において弁が不安定な範囲にくるまで、ここでほぼ線形に差圧を制御して低下させる。この結果、弁は時点t1において急激に開き、そして弁の両側の差圧が失われ、この結果極めて小さい差圧の設定が不可能となる。 【0012】この特性を回避するために、少なくとも危険となるリフト範囲内で、弁のリフト範囲が操作の間に制限され、したがって弁が安定な範囲内に保持されるように弁は操作される。この場合、操作において弁の動特性が考慮される。 【0013】操作信号によりこの要求が満たされるその操作信号に対する一例が、図3に時間線図として示されている。この時間線図は、弁コイル内の目標電流Isollおよび実際電流Iistの時間経過を時間に関して示している。この場合、ここでは、tZyklusbeginnからtZyklusendeまでの1周期が記載されている。操作信号は、2つの過程即ち低下時間および通電時間から形成されている。目標電流Isollはパルス幅変調特性を示し、この場合、設定すべき差圧に応じてそれぞれ、過程の持続時間は変化する。操作サイクルの一部に対して、弁の両側の希望の差圧に対する目標電流Isollが設定される(低下時間+通電時間)。実際電流Iistはインダクタンスにより上昇値から希望値へ低下し、そして弁は釣合い状態に到達する。ここで、ある時間長さの間保持され、その後、通電時間が終了した後に再びより高い電流が与えられ、これにより弁は閉じられる。したがって、不安定なリフト範囲を回避するために、弁は所定の時間(通電時間)の間のみ差圧制御の範囲内に保持され、それに続いて再びより小さいリフトに移動される。これにより、弁の自然発生的な急な開放は回避される。希望の差圧に適合した電流による操作時間は十分大きくなければならない。この場合、低下過程は、電流がその目標値に低下するように大きくなければならず、一方、それに続く通電時間は、弁を介しての十分に大きい容積流量を可能にするために、十分大きくなければならない。それに続いて、場合により大きくなりすぎた弁リフトを制限するために、弁に比較的強い電流が流される。 【0014】言い換えると、希望の差圧を設定するために与えられた目標電流が、弁操作に対する基本電流として与えられる。パルス幅変調信号の範囲内で、所定の時間(=サイクル時間−(通電時間+低下時間))の間、弁を閉止方向に移動させる比較的大きい電流が与えられる。このとき、差圧は目標電流の高さに対応して通電時間の間設定され、ないし個々の操作時間の長さに対応して設定される。弁が自然発生的に開こうとする場合、それに続く目標電流の上昇により弁の新たな閉止が行われるので、小さい差圧もまた弁操作により設定可能である。 【0015】図4の(B)の時間線図はこの方法の利点を示す。ここには、差圧が時間と共にスロープ状に低下する経過が示され、この場合、弁の自然発生的な開放が現われずかつ極めて小さい差圧が調節可能であることがわかる。 【0016】好ましい実施形態においては、弁は、ブレーキ装置を制御するための制御ユニットの一部であるマイクロ・コンピュータのプログラムにより操作される。このようなプログラムの一例が、図5に流れ図として示されている。図5の流れ図が示す好ましい実施形態においては、弁は、自動ブレーキ過程の範囲内におけるブレーキ装置内のブレーキ圧力上昇のための制御弁として使用され、好ましくはマスタ・シリンダと車輪ブレーキとの間のブレーキ配管の開放を制御する制御弁として使用される。この場合、ブレーキ作動の開始時においてまたは対応する要求において、極めて小さい差圧が設定され、即ち極めて小さいブレーキ圧力が制御されることが重要である。 【0017】図5に示したプログラムは、少なくとも制御装置により小さい差圧が設定されるべきときに開始される。所定の時点においてプログラム部分がスタートした後に、第1のステップ100において、所定の目標差圧値Δpsollが読み込まれる。それに続いてステップ102において、この差圧値の設定のために必要な電流目標値Isollが、例えば表、計算ステップ、特性曲線または特性曲線群に基づき、場合により実際圧力を考慮して決定される。それに続いてステップ104において、弁に対する操作信号pWMが出力され、この場合、操作信号のデューティ・レシオが、所定の時間の間目標電流により制御された弁が所定の通電時間の間開かれかつ希望の差圧が設定されるように選択されている。操作周期の間に特定の時間の間目標電流以上に電流を上昇させることにより、弁は再び閉止方向に操作される。 【0018】 【発明の効果】特定の運転条件下で少なくとも差圧が小さい場合に自然発生的に開く弁においてもまた、極めて小さい差圧の設定が可能になる。この操作方法および装置により、小さい差圧を設定するために、平均電流が設定されるのではなく、弁の閉止および開放を交互に行わせる電流が所定の周波数範囲内で設定されることにより、弁の自然発生的な開放が防止される。電磁弁が自然発生的に開く場合に対してもまた、操作周波数に基づいて行われる上昇通電により弁が再び閉じられ、かつこのようにして希望の差圧が保持される。 【0019】弁の自然発生的な開放が予想される弁の開放範囲(リフト範囲)が回避されるように、ないしは操作により弁が常にこのリフト範囲外に移動されることにより、この範囲内での電磁弁の滞留時間が低減されるように、操作が選択されることが有利である。 【0020】例えば自動ブレーキ過程に関連して望ましいような、ブレーキ装置の電気制御、特に極めて小さいブレーキ圧力値の形成と関連して使用される電磁弁にこの操作方法および装置を使用することが特に有利である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591245473 【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
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| 【出願日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089705 【弁理士】 【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−124233(P2001−124233A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−288316(P2000−288316) |
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