| 【発明の名称】 |
電磁弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】前田 隆義
【氏名】藤本 義光
【氏名】横地 和彦
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| 【要約】 |
【課題】ポペット弁前後の圧力バランスを取ることにより弁全体を大型化することなく、高精度の弁体の軸方向摺動を確保し、高圧且つ大流量の油を高速の弁開閉によって流すことができるポペット型の電磁弁を提供する。
【解決手段】ソレノイド15から順に、着座径Bより大径の弁孔12及び弁体13による第1摺動部41と、第1油室43と、ポペット弁5と、第2油室44と、着座径Bより小径の弁孔12及び弁体13による第2摺動部42とを配設する。弁体11に、第1油室43の圧力を着座部32が弁座22に着座する方向に受圧する第1受圧部16と、第2油室44の圧力を着座部32が弁座22に着座する方向に受圧する第2受圧部17とを設ける。これらの構造により、ポペット弁5の開及び閉時に、大径の第1摺動部41及び小径の第2摺動部42とポペット弁5の着座径Bの差による弁座開き方向の力が第1受圧部16及び第2受圧部17による着座方向の力で減殺される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁孔内に弁座を形成した弁本体と、前記弁孔に挿入され、前記弁座に離着座可能な着座部を有し、前記弁座とともに所定着座径のポペット弁を形成する弁体と、前記着座部が前記弁座に着座する方向へ前記弁体を付勢するばねと、外部信号に応じて前記弁体を前記ばねに抗して移動させるソレノイドとを備え、前記ポペット弁を前記ソレノイドにより開閉する電磁弁において、前記ソレノイドから順に、前記着座径より大径の前記弁孔及び前記弁体による第1摺動部と、第1油室と、前記ポペット弁と、第2油室と、前記着座径より小径の前記弁孔及び前記弁体による第2摺動部とを配設し、前記弁体に、前記第1油室の圧力を前記着座部が前記弁座に着座する方向に受圧する第1受圧部と、前記第2油室の圧力を前記着座部が前記弁座に着座する方向に受圧する第2受圧部とを設け、前記ポペット弁の開及び閉時に、大径の前記第1摺動部及び小径の前記第2摺動部と前記ポペット弁の着座径の差による弁座開き方向の力を前記第1受圧部及び前記第2受圧部による着座方向の力で減殺するようにした電磁弁。 【請求項2】 前記弁体には一端が前記ソレノイド側に開口し他端が閉鎖する内孔が形成され、この内孔内には前記ソレノイドから順に第1ピストン及び第2ピストンが互いに当接して直列に配置され、前記第1ピストンが前記弁体以外の固定部材に当接し、前記第1ピストンの一端に前記第1油室の圧力が導入されて前記第1受圧部が形成され、前記第2ピストンの一端に前記第2油室の圧力が導入され前記第2受圧部が形成される請求項1記載の電磁弁。 【請求項3】 前記第1ピストンの外径が前記第2ピストンの外径より大きい請求項2記載の電磁弁。 【請求項4】 前記第1油室に出口ポートが接続され、前記第2油室に入口ポートが接続される請求項1〜3のいずれかに記載の電磁弁。 【請求項5】 弁孔内に弁座を形成した弁本体と、前記弁孔に挿入され、前記弁座に離着座可能な着座部を有し、前記弁座とともに所定着座径のポペット弁を形成する弁体と、前記着座部が前記弁座に着座する方向へ前記弁体を付勢するばねと、外部信号に応じて前記弁体を前記ばねに抗して移動させるソレノイドとを備え、前記ポペット弁を前記ソレノイドにより開閉する電磁弁において、前記ソレノイドから順に、前記着座径より大径の前記弁孔及び前記弁体による摺動部と、油室と、前記ポペット弁とを配設し、前記弁体に、前記油室の圧力を前記着座部が前記弁座に着座する方向に受圧する受圧部を設けた電磁弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ソレノイドにより弁座に対して軸方向に駆動される弁体を備えたポペット型の電磁弁に関し、特に高圧且つ大流量の油に対して高速でポペット弁を開閉させるのに適した電磁弁に関する。 【0002】 【従来の技術】ポペット型の電磁弁は、弁孔内に弁座を形成した弁本体と、前記弁孔に挿入され前記弁座に離着座可能な着座部を有する弁体と、前記着座部が前記弁座に着座する方向へ前記弁体を付勢するばねと、外部信号に応じて前記弁体を前記ばねに抗して移動可能なソレノイドとを備える構造を有し、前記弁座と前記着座部により所定着座径のポペット弁を形成するものである。 【0003】前記ソレノイドが励磁されると、前記ばねに抗して前記弁体が軸方向に移動し、弁本体の弁座から弁体の着座部が離れ、ポペット弁が開き、ポペット弁前後の油室が連通する。前記ソレノイドが消磁されると、前記ばねの付勢力により前記弁体が軸方向に移動し、弁本体の弁座に弁体の着座部が当接し、ポペット弁が閉じ、ポペット弁前後の油室が遮断される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このようなポペット型の電磁弁においては、軸方向に移動する弁体の着座部が弁本体の弁座に離着座することにより、弁座の前後の油室を開閉する構造であるため、弁体に高圧側の油室の油圧が作用し、弁体は軸方向の力を受ける。前記ばねの付勢力はこの軸方向の力を上回る程度にする必要があり、ソレノイドの磁力による弁体の移動力は前記ばねの付勢力を更に上回る必要があるため、ソレノイドが大きく強力になるとともに、ポペット弁の開閉に要する時間も長くなる。 【0005】そこで、特開昭63−167183号公報に開示のように、弁体内に一端がソレノイド側に保持されるピストンを摺動自在に設け、このピストンが形成する油室に入口側ポート側の高圧を導入し、前記ピストンの直径をポペット弁の着座径に略同じにすることにより、ポペット弁前後の油室の圧力バランスを取る電磁弁が提案されている。しかしながら、弁体がソレノイド側に保持されるピストンによって軸方向に摺動自在になっているため、弁体を軸方向に高精度で移動させようとすると、弁体及びピストンが大きくなるという問題点がある。また、高圧且つ大流量の油に対してポペット弁を高速で開閉させる場合、ピストンにより弁体を軸方向に摺動させるため、弁体の軸方向の摺動精度を高くすることができない構造になる。 【0006】また、ポペット弁の前後の弁本体と弁体との間に第1摺動部と第2摺動部を設け、ポペット弁の着座径と前記第1摺動部及び第2摺動部の直径を略同じにすることにより、ポペット弁前後の圧力バランスを取ることも考えられる。しかしながら、ポペット弁を形成す着座部の径が大きいため、弁体の一部だけが大径になった弁体を弁本体内の弁孔に挿入することになる。そのため、弁本体に着脱自在なスリーブを嵌入しておく必要があり、弁本体が大きくなるという問題点がある。また、高圧且つ大流量の油に対してポペット弁を高速で開閉させる場合に、スリーブの存在により、弁体の軸方向の摺動精度を高くすることができない構造になる。 【0007】そこで、本発明は、ポペット弁前後の圧力バランスを取ることにより弁全体を大型化することなく、高精度の弁体の軸方向摺動を確保し、高圧且つ大流量の油を高速の弁開閉によって流すことができるポペット型の電磁弁を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求項1の発明は、弁孔内に弁座を形成した弁本体と、前記弁孔に挿入され、前記弁座に離着座可能な着座部を有し、前記弁座とともに所定着座径のポペット弁を形成する弁体と、前記着座部が前記弁座に着座する方向へ前記弁体を付勢するばねと、外部信号に応じて前記弁体を前記ばねに抗して移動させるソレノイドとを備え、前記ポペット弁を前記ソレノイドにより開閉する電磁弁において、前記ソレノイドから順に、前記着座径より大径の前記弁孔及び前記弁体による第1摺動部と、第1油室と、前記ポペット弁と、第2油室と、前記着座径より小径の前記弁孔及び前記弁体による第2摺動部とを配設し、前記弁体に、前記第1油室の圧力を前記着座部が前記弁座に着座する方向に受圧する第1受圧部と、前記第2油室の圧力を前記着座部が前記弁座に着座する方向に受圧する第2受圧部とを設け、前記ポペット弁の開及び閉時に、大径の前記第1摺動部及び小径の前記第2摺動部と前記ポペット弁の着座径の差による弁座開き方向の力を前記第1受圧部及び前記第2受圧部による着座方向の力で減殺するようにした電磁弁である。この構成により、第2室が入口ポートに接続され、第1室が出口ポートに接続されている場合のポペット弁の開閉作動を以下に説明する。ポペット弁が閉じているとき、ポペット弁の着座径より小径の第2摺動部により、ポペット弁が開く方向の力が働くが、この力は第2受圧部によりポペット弁を閉じる方向の力により相殺され、ばねの付勢力により閉じているポペット弁をソレノイドの力で高速に開くことができる。開いた状態のポペット弁を閉じるとき、ポペット弁の着座径より大径の第1摺動部とフローフォースとにより、ポペット弁が開く方向の力が働くが、この力は第1受圧部によりポペット弁を閉じる方向の力により相殺され、ソレノイドによりばねの付勢力に抗して移動している弁体をばねの力で高速に閉じることができる。 【0009】請求項2の発明は、前記弁体には一端が前記ソレノイド側に開口し他端が閉鎖する内孔が形成され、この内孔内には前記ソレノイドから順に第1ピストン及び第2ピストンが互いに当接して直列に配置され、前記第1ピストンが前記弁体以外の固定部材に当接し、前記第1ピストンの一端に前記第1油室の圧力が導入されて前記第1受圧部が形成され、前記第2ピストンの一端に前記第2油室の圧力が導入され前記第2受圧部が形成される請求項1記載の電磁弁である。この構成により、第2油室の圧力バランスが第2ピストンの受圧面積に応じて行われ、第1油室の圧力バランスが第1ピストンの受圧面積に応じて行われることになり、それぞれ独立した圧力バランスになる。 【0010】請求項3の発明は、前記第1ピストンの外径が前記第2ピストンの外径より大きい請求項2記載の電磁弁である。この構成により、第1摺動部の径を大きくしたとき、第2ピストンに関係なく、第1ピストンの外径を大きくして、ポペット弁に対する圧力バランスを確保することができる。 【0011】請求項4の発明は、前記第1油室に出口ポートが接続され、前記第2油室に入口ポートが接続される請求項1〜3のいずれかに記載の電磁弁である。この構成により、小径の第2摺動部に隣接する第2油室からポペット弁を介して大径の第1摺動部に隣接する第1油室に高圧且つ大流量の油を流すことができる。 【0012】請求項5の発明は、弁孔内に弁座を形成した弁本体と、前記弁孔に挿入され、前記弁座に離着座可能な着座部を有し、前記弁座とともに所定着座径のポペット弁を形成する弁体と、前記着座部が前記弁座に着座する方向へ前記弁体を付勢するばねと、外部信号に応じて前記弁体を前記ばねに抗して移動させるソレノイドとを備え、前記ポペット弁を前記ソレノイドにより開閉する電磁弁において、前記ソレノイドから順に、前記着座径より大径の前記弁孔及び前記弁体による摺動部と、油室と、前記ポペット弁とを配設し、前記弁体に、前記油室の圧力を前記着座部が前記弁座に着座する方向に受圧する受圧部を設けた電磁弁である。この構成により、高圧の油を油室からポペット弁を経て放出する場合、ポペット弁の着座径より大径の摺動部により、ポペット弁が開く方向の力が働くが、この力は受圧部によりポペット弁を閉じる方向の力により相殺され、ばねの付勢力により閉じているポペット弁をソレノイドの力で高速に開くことができる。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の感光材料処理装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電磁弁1の断面図である。 【0014】図1において、電磁弁1は、マニホールド本体2の孔201に挿入された弁本体11と、弁本体11の弁孔12に摺動自在に挿入された弁体13と、弁体13を閉じる方向に付勢するばね14と、弁体13の端に位置し、弁体13を開く方向に励磁するソレノイド15と、弁体13内の第1受圧部16及び第2受圧部17と、を備えてなる。 【0015】弁本体11の弁孔12は、ソレノイド15の側から順に、大径部21、弁座22が形成された中径部23、小径部24とを有してなる。大径部21と中径部23の間に第1開口25を有する第1拡径部26が形成され、中径部23と小径部24の間に第2開口27を有する第2拡径部28が形成されている。第1開口25はマニホールド本体2の通路202に連通しており、これらから出口ポート3が形成される。第2開口27はマニホールド本体2の通路203に連通しており、これらから入口ポート4が形成される。 【0016】弁体13は、ソレノイド15の側から順に、大径部31、着座部32が形成された中径部33、小径部34とを有してなる。大径部31と中径部33の間に第1縮径部36が形成され、中径部33と小径部34の間に第2縮径部38が形成されている。また、弁体13のソレノイド15の端に、磁石に吸引される円板39がネジにより取り付けられている。 【0017】弁本体11の大径部21と弁体13の大径部31により第1摺動部41が形成され、弁本体11の小径部24と弁体13の小径部34により第2摺動部42が形成される。また、弁本体11の弁座23と弁体13の着座部32とによりポペット弁5が形成される。また、弁本体11の第1拡径部26と弁体13の第1縮径部36とにより第1油室43が形成され、弁本体11の第2拡径部28と弁体13の第2縮径部38とにより第2油室44が形成される。なお、第1摺動部41からのドレンは、円筒部材49の内部を経てタンクTに回収される。第2摺動部42からのドレンは、弁本体11の端からタンクTに回収される。 【0018】ソレノイド15は、コイル45とコア46をハウジング47内にボルト部材48により固定する構造を有する。ハウジング47は弁本体11の端にねじ止めされた円筒部材49に固定される。ばね14は、ソレノイド15側の固定部材であるボルト部材48と弁体13との間に配設される。このばね14は、弁体13の着座部32を弁本体11の弁座22に着座させ、ポペット弁5が閉じる方向に付勢する。 【0019】弁体13には、ソレノイド15の側から順に大径孔51と小径孔52となった貫通孔が設けられている。大径孔51には、第1ピストン53が配設され、小径孔52には第2ピストン54が配設されている。第1ピストン53の一方のロッド531はボールを介してボルト部材(固定部材)48に当接し、第1ピストン53の他方のロッド532は第2ピストン54の一方のロッド541に当接している。第2ピストン54の他方のロッド542はばね55によってソレノイド15の側に付勢されている。このばね55はプラグ56により弁体13の端に保持されている。 【0020】第1ピストン53と第2ピストン54の間に第1受圧室57が形成され、この第1受圧室57は第1通路58を経て第1油室43に連通している。また、第2ピストン54とプラグ56の間に第2受圧室59が形成され、この第2受圧室59は第2通路60を経て第2油室44に連通している。この第1ピストン53、第1受圧室57及び第1通路58が第1受圧部16を構成し、第2ピストン54、第2受圧室59及び第2通路60が第2受圧部17を構成している。なお、第1ピストン53からのドレンは、円筒部材49の内部を経てタンクTに回収される。 【0021】図示のように、第1摺動部41の直径をAとし、弁座22と着座部32の着座径をBとし、第2摺動部42の直径をCとし、第1ピストン53の外径をDとし、第2ピストン54の外径をEとする。また、これらの径A,B,C,D,Eによる面積を、AS,BS,CS,DS,ESとする。第1受圧部16においては、(AS−BS)がDSより僅かに大きいという関係になっている。また、第2受圧部17においては、(BS−CS)がESより僅かに大きいという関係になっている。 【0022】上述した構造を有する電磁弁1の開閉作動を以下に説明する。入口ポート4から出口ポート3に向かう油をポペット弁5の開閉によって制御するものとする。ポペット弁5が閉じている場合、第2油室44に高圧の油圧が作用し、弁体13に〔(BS−CS)×圧力〕に相当するポペット弁5の開き方向の力が作用する。一方、第2通路60を経て第2受圧室59にも高圧の油圧が作用し、第2ピストン54及び第1ピストン53を介して弁体13に〔ES×圧力〕に相当するポペット弁5の閉じ方向の力が作用する。(BS−CS)がESより僅かに大きいため、第2油室44の高圧の油圧によるポペット弁5の開き方向の力は、第2受圧部17によって殆ど減殺され、ばね14の付勢力によりポペット弁5が閉じた状態が保持される。 【0023】ポペット弁5を開く場合、ソレノイド15の励磁状態になって円板39を吸引し、ばね14の付勢力に打ち勝って弁体13を引き上げる。ばね14はポペット弁5を閉じるのに十分な程度の付勢力で済むため、ソレノイド15によってポペット弁5を高速に開くことができるとともに、ソレノイド15を大型にする必要がない。 【0024】ポペット弁5が開いている間、第2油室44と第1油室43とは連通状態になる。そして、連通状態の各室43,44に、ポンプ圧力で決まる高圧の油圧及びフローフォースが作用し、弁体13に〔(AS−BS)×圧力〕に相当するポペット弁5に開き方向の力が〔(BS−CS)×圧力〕に加えて作用する。一方、第1通路58を経て第1受圧室57にも高圧の油圧が作用し、第1ピストン53を介して弁体13に〔DS×圧力〕に相当するポペット弁5の閉じ方向の力が〔ES×圧力〕に加えて作用する。(AS−BS)がDSより僅かに大きいため、第1油室43及び第2油室44の高圧の油圧によるポペット弁5の開き方向の力は、第1受圧部16及び第2受圧部17によって殆ど減殺され、ソレノイド15の吸引力によるポペット弁5の開いた状態が保持される。 【0025】ポペット弁5を閉じる場合、ソレノイド15を消磁状態にすると、ばね14の付勢力により弁体13が弁座22に向かって押し下げられる。ばね14はポペット弁5を閉じるのに十分な程度の付勢力で済むため、ばね14によってポペット弁5を高速に閉じることができるとともに、ばね14及びソレノイド15を大型にする必要がない。 【0026】なお、以上の作動説明では、入口ポート4から出口ポート3に向かう油をポペット弁5の開閉によって制御する場合を説明した。この場合、小径の第2油室44から大径の第1油室43に向かって油を流すため、高圧且つ大流量の油を安定して流すことができる。しかし、ポート3が入口となり、ポート4が出口となった場合でも、同様の圧力バランスが達成されるため、使用可能である。 【0027】さらに、上述した構造の電磁弁1は以下に説明する利点を有する。弁本体11はソレノイド15の側から、大径部21、中径部23及び小径部24と順に配置する構造である。そのため、ソレノイド15の側から、大径部31、中径部33及び小径部34と順に配置した構造の弁体13を、弁本体11の弁孔12に直接差し込むことができる。その結果、弁本体11の内径及び弁体13の外径を高精度に仕上げることにより、弁本体11に対する弁体13の摺動精度を確保し、高圧且つ大流量の油を安定的に流す構造とすることができる。 【0028】また、弁体13内に、ソレノイド15の側から順に第1ピストン53と第2ピストン54を別個独立で直列に接続する構造であるため、第1ピストン53による第1受圧室57の受圧面積を全面で確保できるとともに、第2ピストン54による第2受圧室58の受圧面積も全面で確保できる。第1ピストン53と第2ピストン54を別個独立で摺動するため、第1ピストン53の大径孔51と第2ピストン54の小径孔52の芯を厳密に合わせる必要がなくなる。 【0029】また、弁本体11の大径部21に対応する部分に大径の第1ピストン53が配設され、弁本体11の小径部24に対応する部分に小径の第2ピストン54が配設される構造であるため、弁体11内に第1受圧部16や第2受圧部17を弁本体11の形状バランスを確保しながら組み込むことができる。 【0030】図2は、本発明の第2実施形態に係る電磁弁の断面図である。図2において、電磁弁101は、マニホールド本体2の孔204に挿入された弁本体71と、弁本体71の弁孔72に摺動自在に挿入された弁体73と、弁体73を閉じる方向に付勢するばね74と、弁体73の端に位置し、弁体73を開く方向に励磁するソレノイド75と、弁体73内の受圧部76と、を備えてなる。ソレノイド75の構造と作動は図1で説明したものと同様であるため、図1と同じ符号を付してその説明を省略する。 【0031】弁本体71の弁孔72は、ソレノイド75の側から順に、大径部77、弁座78が形成された小径部79とを有してなる。大径部77と小径部79の間に開口80を有する拡径部81が形成されている。開口80はマニホールド本体2の通路205に連通しており、これらから入口ポート82が形成される。 【0032】弁体73は、ソレノイド75の側から順に、大径部83、着座部84が形成された小径部85を有してなる。大径部83と小径部85の間に縮径部86が形成されている。弁本体71の大径部77と弁体73の大径部83により摺動部87が形成される。また、弁本体71の弁座78と弁体73の着座部84とによりポペット弁88が形成される。また、弁本体71の拡径部81と弁体73の縮径部86とにより油室89が形成される。なお、摺動部87からのドレンは、円筒部材49の内部を経てタンクTに回収される。 【0033】ばね74は、ソレノイド15側の固定部材であるボルト部材48と弁体73との間に配設される。このばね74は、弁体73の着座部84を弁本体71の弁座78に着座させ、ポペット弁88が閉じる方向に付勢する。 【0034】弁体73には、貫通孔90が設けられている。貫通孔90には、ピストン91が配設されている。ピストン91の一方のロッド911はボールを介してボルト部材48(固定部材)に当接し、ピストン91の他方のロッド912はばね92によってソレノイド75の側に付勢されている。このばね92はプラグ93により弁体73の端に保持されている。このピストン91によって受圧室94が形成され、この受圧室94は通路95を経て油室89に連通している。このピストン91、受圧室94及び通路95が受圧部76を構成している。なお、ピストン91からのドレンは、円筒部材49の内部を経てタンクTに回収される。 【0035】弁本体71の弁孔72のポペット弁88の側の一端は開口となっており、絞り96を経てタンクTに接続されている。 【0036】図示のように、摺動部87の直径をA′とし、弁座78と着座部84の着座径をB′とし、ピストン91の外径をE′とする。また、これらの径A′,B′,E′による面積を、A′S,B′S,E′Sとする。受圧部76においては、(A′S−B′S)がE′Sより僅かに大きいという関係になっている。 【0037】上述した構造を有する電磁弁101の開閉作動を以下に説明する。入口ポート82からタンクTに放出する油をポペット弁5の開閉によって制御するものとする。ポペット弁5が閉じている場合、油室89に高圧の油圧が作用し、弁体73に〔(A′S−B′S)×圧力〕に相当するポペット弁88の開き方向の力が作用する。一方、通路95を経て受圧室94にも高圧の油圧が作用し、ピストン91を介して弁体73に〔D′S×圧力〕に相当するポペット弁88の閉じ方向の力が作用する。(A′S−B′S)がD′Sより僅かに大きいため、油室89の高圧の油圧によるポペット弁88の開き方向の力は、受圧部76によって殆ど減殺され、ばね74の付勢力によりポペット弁88が閉じた状態が保持される。 【0038】ポペット弁88を開く場合、ソレノイド75の励磁状態になって円板39を吸引し、ばね74の付勢力に打ち勝って弁体73を引き上げる。ばね74はポペット弁88を閉じるのに十分な程度の付勢力で済むため、ソレノイド75によってポペット弁88を高速に開くことができるとともに、ソレノイド75を大型にする必要がない。 【0039】また、弁本体71と弁体73とは摺動部87によって直接案内されるため、ポペット弁88の開閉動作を高精度に行うことができる。さらに、弁本体71の大径部77を弁体73の小径部85より小径にすることにより、弁体73を弁本体71に挿入するだけで組み立てることが出来る。 【0040】図3は、本発明の電磁弁を組み込んだ油圧切換ユニットの回路図である。油圧切換ユニット7は、34.3〜44.1MPa(350〜450kg/cm2 )の高圧油Pを船舶用機関の燃料弁又は排気弁に対して急速に供給又は停止ができる機能を有する。この機能の達成のために、前述した電磁弁1及び電磁弁101が使用される。 【0041】高圧油PからタンクTに至る第1油路701Aに、電磁弁1Aと電磁弁101Aが直列に接続され、電磁弁1Aと電磁弁101Aの間から燃料弁に至る油路702Aが分岐している。高圧油PからタンクTに至る第2油路701Bに、電磁弁1Bと電磁弁101Bが直列に接続され、電磁弁1Bと電磁弁101Bの間から排気弁に至る油路702Bが分岐している。電磁弁1A,1Bは図1で説明したものと同じタイプである。電磁弁101A,101Bは図2で説明したものと同じタイプである。 【0042】燃料弁を開くための高圧油Pを供給する場合、電磁弁101Aをポペット弁が閉じた右側位置のままにし、電磁弁1Aのソレノイド15を励磁すると、ポペット弁が閉じた右側位置からポペット弁が開く左側位置に切り換わり、高圧油Pが油路702Aを経て燃料弁に供給される。電磁弁1Aの開閉動作が高速であるため、高圧且つ大容量の油を急速に供給できる。燃料弁を閉じるために高圧油Pの供給を停止する場合、電磁弁1Aのソレノイド15を消磁して、ポペット弁が開いた左側位置からポペット弁が閉じた右側位置に切り換えると同時に、電磁弁101Aのソレノイド15を励磁して、ポペット弁が閉じた右側位置からポペット弁が開いた左側位置に切り換える。両電磁弁1A,101Aの動作は高速で行われ、燃料弁に至る油路702AがタンクTに接続され、高圧且つ大容量の油の供給が急速に遮断される。また、排気弁に対する両電磁弁1B,101Bの動作も燃料弁に対する動作と同様に行われる。 【0043】 【発明の効果】請求項1の発明によると、ポペット弁前後の径差で生じる力のアンバランスが第1受圧部及び第2受圧部により相殺され、ばね及びソレノイドの適切な力でポペット弁を開閉させることができ、高圧且つ大流量の油に対する開閉動作を高速に行うことができる。また、ばね及びソレノイドの力に、圧力のアンバランスによる付加的な力を見込まなくてもよいため、ソレノイドを含む弁全体を小型にすることができる。また、弁体と弁本体とが第1摺動部と第2摺動部によって移動自在に支持されているため、ポペット弁を高精度且つ安定して移動させることができ、高速の開閉動作に対応させることができる。更に、弁本体の弁孔がソレノイドの側から順に大径から小径に変化しているため、途中に着座部が突出する弁体をソレノイドの側からそのまま挿入でき、弁の組み立ても簡単にでき、摺動精度も高めることができる。 【0044】請求項2の発明によると、第2受圧部の第2ピストンと第1受圧部の第1ピストンとを別体で直列に配置するため、各ピストンの受圧面積を有効に活用し、弁体内にピストンを小型にして組み込むことが可能になる。また、第1ピストンと第2ピストンが分離されているため、弁体の第1ピストンに対するシリンダ孔の芯を第2ピストンに対するシリンダ孔の芯に合わせる必要がなくなり、弁体の加工がし易くなる。 【0045】請求項3の発明によると、第1摺動部の大径と第2摺動部の小径に対応して、第1受圧部の第1ピストンを大径にし、第2受圧部の第2ピストンを小径にすることができ、弁体内にバランス良くピストンを配置して小型化することが可能になる。 【0046】請求項4の発明によると、小径の第2油室からポペット弁を介して大径の第2油室に向かって油を流すことになるため、高圧且つ大流量の油を安定的に流すことができる。 【0047】請求項5の発明によると、ポペット弁と摺動部の径差で生じる力のアンバランスが受圧部により相殺され、ポペット弁をばね及びソレノイドの適切な力で作動させることができ、高圧且つ大流量の油に対するポペット弁の動作を高速で行うことができる。また、ばね及びソレノイドの力に、圧力のアンバランスによる付加的な力を見込まなくてもよいため、ソレノイドを含む弁全体を小型に形成することができる。また、弁体が弁本体の摺動部により移動自在に支持されているため、ポペット弁を高精度且つ安定して移動させることができ、高速動作に対応させることができる。更に、弁本体の弁孔がソレノイドの側で大径になっているため、着座部が突出する弁体をソレノイドの側から挿入でき、弁の組み立ても簡単にできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004019 【氏名又は名称】株式会社ナブコ
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| 【出願日】 |
平成11年10月29日(1999.10.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089196 【弁理士】 【氏名又は名称】梶 良之
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| 【公開番号】 |
特開2001−124230(P2001−124230A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願平11−307904 |
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