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【発明の名称】 圧力容器の過圧防止弁
【発明者】 【氏名】島田 武則

【要約】 【課題】圧力容器の内圧を迅速に降下させることのできる過圧防止弁を提供する。

【解決手段】圧力容器内の過圧を感知してガスを放出する圧力容器の過圧防止弁Vを、過剰ガス放出用の主弁1と、この主弁1を操作するパイロット弁2とから構成する。主弁1は、シリンダ3内のピストン10の移動により開閉し、パイロット弁2は、入圧ポートP、操作ポートA及び排出ポートEの連通切換機能を備えたものとする。パイロット弁2に入圧ポートPを介して導入した圧力容器の内圧が設定圧力に達すると、パイロット弁2の入圧ポートPと操作ポートAとが連通し、主弁1のシリンダ3にガスが流入して主弁1が開き、圧力容器の内圧が低下して設定圧力より小さくなると、パイロット弁2の操作ポートAと排出ポートEとが連通し、主弁1のシリンダ3からガスが排出されて主弁1が閉じるようにし、主弁1の開弁時の流量を大きく確保する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧力容器T内の過圧を感知してガスを放出する圧力容器の過圧防止弁において、過剰ガス放出用の主弁1と、この主弁1を操作するパイロット弁2とから成り、前記主弁1は、シリンダ3内のピストン10の移動により開閉し、前記パイロット弁2は、入圧ポートP、操作ポートA及び排出ポートEの連通切換機能を備え、前記パイロット弁2に入圧ポートPを介して導入した圧力容器Tの内圧が設定圧力に達すると、前記パイロット弁2の入圧ポートPと操作ポートAとが連通し、前記主弁1のシリンダ3にガスが流入して主弁1が開き、圧力容器Tの内圧が低下して設定圧力より小さくなると、前記パイロット弁2の操作ポートAと排出ポートEとが連通し、前記主弁1のシリンダ3からガスが排出されて主弁1が閉じることを特徴とする圧力容器の過圧防止弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液体窒素や液体酸素等の液化ガスを貯蔵する低温圧力容器の過圧防止弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、液体窒素や液体酸素等の液化ガスLを貯蔵する断熱構造の圧力容器Tには、所要の液化ガスLを送り出す送液ラインSと、圧力容器T内の過剰なガスを送液ラインSに放出する放出ラインRとが設けられ、この放出ラインRには、過圧防止弁Vが設けられている。
【0003】この過圧防止弁Vとして、従来、図7に示すようなものが使用されている。この過圧防止弁Vは、弁箱50内に設けた弁体51が、流路52の圧力を受けるダイヤフラム53の撓みの変化に伴って弁座54に接離し、流路52を開閉するものである。ダイヤフラム53は、ばね受け55とばね押さえ56に挟まれたばね57により押圧され、ばね57を覆うばねケース58には、先端がばね押さえ56に当接する調整ねじ59がねじ込まれている。この調整ねじ59を回転させると、過圧防止弁Vの開閉圧力の設定を調整することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記圧力容器Tから液化ガスLの送り出しが間欠的に行われると、気化したガスが圧力容器Tに逆流し、圧力容器Tの内圧が過度に上昇することがある。また、圧力容器Tの断熱性には限界があり、外部から伝わる熱が圧力容器Tの内圧を上昇させることもある。
【0005】このような場合、上記のような構造の過圧防止弁Vでは、開弁時の流量が少ないため、短時間に過剰なガスを放出することができず、圧力容器Tの内圧が累積的に上昇する恐れがある。
【0006】そこで、この発明は、圧力容器の内圧を迅速に降下させることのできる過圧防止弁を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決するため、この発明は、圧力容器内の過圧を感知してガスを放出する圧力容器の過圧防止弁において、過剰ガス放出用の主弁と、この主弁を操作するパイロット弁とから成り、前記主弁は、シリンダ内のピストンの移動により開閉し、前記パイロット弁は、入圧ポート、操作ポート及び排出ポートの連通切換機能を備え、前記パイロット弁に入圧ポートを介して導入した圧力容器の内圧が設定圧力に達すると、前記パイロット弁の入圧ポートと操作ポートとが連通し、前記主弁のシリンダにガスが流入して主弁が開き、圧力容器の内圧が低下して設定圧力より小さくなると、前記パイロット弁の操作ポートと排出ポートとが連通し、前記主弁のシリンダからガスが排出されて主弁が閉じる構成を採用したのである。
【0008】このように構成すると、主弁の開弁時の流量を大きく確保することができるので、圧力容器の内圧を短時間で降下させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、図6の各構成要素に対応するものについては、同一の符号を使用する。
【0010】図1に示すように、液化ガスLを貯蔵する断熱構造の圧力容器Tには、使用する液化ガスLを送り出す送液ラインSと、圧力容器T内の過剰なガスを送液ラインSへ放出する放出ラインRとが設けられている。
【0011】図1及び図2に示すように、放出ラインRに設けられた過圧防止弁Vは、主弁1とパイロット弁2とから成り、主弁1にはシリンダ3が備えられている。このシリンダ3には接続ポートCが設けられ、パイロット弁2には入圧ポートP、操作ポートA及び排出ポートEが設けられている。入圧ポートPには、図2に示すように、主弁1の上流側で放出ラインRから分岐した接続管4が接続され、操作ポートAと接続ポートCとは接続管5を介して相互に接続され、排出ポートEは排出管6を介して外部に開放されている。
【0012】前記主弁1は、図2に示すように、弁箱7内の弁体8が弁座9に接離する玉形弁であり、弁体8は、シリンダ3のピストン10に弁棒11を介して連結され、ピストン10を押圧するばね12により弁座9に押しつけられている。
【0013】前記パイロット弁2は、図3に示すように、弁箱13内に受圧室14、第1弁室15及び第2弁室16を形成し、各弁室15、16にそれぞれ第1弁体17及び第2弁体18を設け、各弁体17、18がそれぞれ第1弁座19及び第2弁座20に接離するようにしたものである。前記受圧室14には入圧ポートPが連通し、弁室15、16は連通路21を介して相互に連通し、この連通路21には操作ポートAが、第2弁室16には排出ポートEがそれぞれ連通している。
【0014】前記受圧室14の隔壁をなすダイヤフラム22は、ばね受け23とばね押さえ24に挟まれたばね25により押圧され、この押圧力が受圧室14の内圧と平衡するようになっている。このダイヤフラム22の中央部には第1弁棒26がばね受け23へのねじ込みにより固定され、第1弁棒26の中央部には第2弁棒27がねじ込まれており、これらの弁棒26、27は、ダイヤフラム22の撓みの変化に応じて一体的に軸方向にスライドする。
【0015】第1弁棒26の先端部には第1弁体17の頸部28に係合する大頭部29が設けられ、この大頭部29は第1弁体17の空隙部30に遊嵌されている。第1弁体17と第1弁棒26との間には第1弁体17を第1弁座19に押しつけるばね31が設けられ、弁箱13にねじ込まれたキャップ32と第2弁体18の間には第2弁体18を第2弁座20に押しつけるばね33が設けられている。第2弁棒27の先端部は、第1弁棒26の大頭部29から突出している。
【0016】第2弁棒27の末端部にはスリーブ34が回動自在に嵌められ、このスリーブ34はばね押さえ24に螺合している。スリーブ34には、弁箱13に固定されてばね25を覆うばねケース35に被さるように、調整リング36がナット37で取り付けられている。ばね押さえ24にはボルト38がねじ込まれ、このボルト38の頭部は、ばねケース35に形成された長孔39に係合している。第1弁棒26と第2弁棒27の間には、第2弁棒27のがたつきを防止するばね40が挿入され、調整リング36には、その不用意な回転を阻止する固定ねじ41がねじ込まれている。
【0017】過圧防止弁Vとして上記のようなものを用いた場合、圧力容器Tの内圧が、パイロット弁2のばね25の押圧力と平衡する設定圧力よりも大きくなると、図4に示すように、入圧ポートPから受圧室14に流入したガス圧によりダイヤフラム22が膨出側に撓み、第1弁体17が第1弁棒26の大頭部29に牽引されて第1弁座19から離反し、入圧ポートPと操作ポートAとが連通する。そして、受圧室14のガスは操作ポートA及び接続ポートCを介して主弁1のシリンダ3に流入し(図2参照)、ピストン10が押し上げられ、主弁1の弁体8がピストン10のストローク分引き上げられて主弁1が開くので、圧力容器Tから過剰なガスが迅速に放出される。
【0018】このように過剰なガスが放出され、圧力容器Tの内圧が低下して設定圧力より小さくなると、図5に示すように、ダイヤフラム22が没入側に撓み、第1弁体17が第1弁座19に着座してシリンダ3への圧力供給が停止されると共に、第2弁棒27により第2弁体18が突き動かされて第2弁座20から離反し、操作ポートAと排出ポートEとが連通するので、主弁1のシリンダ3からガスが排出され、ビストン10が下降して主弁1が閉じる。
【0019】ここで、上記設定圧力(主弁1の開弁圧力)は、固定ねじ41を緩めて調整リング36を回転させることにより、調整することができる。
【0020】また、主弁1の閉弁圧力は、ナット37を外して第2弁棒27を回転させることにより、調整することができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る過圧防止弁では、圧力容器の内圧を感知して動作するパイロット弁により主弁のシリンダにガスを注排し、そのピストンの移動に伴い主弁を開閉することとしたので、主弁の開弁時の流量を大きく確保することができ、圧力容器の内圧を短時間で降下させることができる。
【出願人】 【識別番号】593140314
【氏名又は名称】共榮バルブ工業株式会社
【出願日】 平成11年10月22日(1999.10.22)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開2001−124225(P2001−124225A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−300999