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【発明の名称】 ゲートバルブ
【発明者】 【氏名】下田 洋己

【氏名】藁谷 健二

【氏名】古舘 政一

【氏名】石垣 恒雄

【要約】 【課題】製造コストを削減し且つ信頼性が高いシール性能を保持することが可能なゲートバルブを提供することにある。

【解決手段】弁ロッド24a(24b)の外周面を囲繞するパッキン50を設け、前記パッキン50の中心点が支持ローラ46の軸線Tと略一致するように配設することにより、前記弁ロッド24a(24b)が直進運動および傾動運動を行う際に弁箱の室内を気密に保持するシール機能が発揮される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】駆動源と、前記駆動源の駆動軸に連結され、該駆動源の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する第1変位部材と、前記第1変位部材と一体的に軸線方向に沿って変位するとともに、軸線方向に沿った変位終端において支持部材を支点として傾動自在に設けられた第2変位部材と、前記第2変位部材に連結された弁ロッドを介して弁箱の通路を開閉する弁ディスクと、前記弁ロッドの外周面を囲繞するように設けられ、前記弁ロッドが直進運動および傾動運動を行う際にシール機能を営む環状のシール部材と、を備え、前記シール部材の中心点が、前記支持部材の軸線と略一致するように設定されることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】請求項1記載のゲートバルブにおいて、前記シール部材は、断面が楕円形状または円形状からなり、弾性体によって形成されたパッキンであることを特徴とするゲートバルブ。
【請求項3】請求項1または2記載のゲートバルブにおいて、前記パッキンと前記弁箱との間には、弁ロッドの外周面を囲繞するスクレーパが設けられ、前記スクレーパは、油溜まりを形成する環状溝を有することを特徴とするゲートバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、集積回路(IC)やその部品等からなるワークを一方の真空処理室から他方の真空処理室に移送する移送通路、または、圧力流体、気体等の流通通路もしくは排気通路等を開閉することが可能なゲートバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、半導体ウェハや液晶基板等の処理装置においては、半導体ウェハや液晶基板等を種々の処理室に通路を介して出し入れすることが行われており、前記通路には、それぞれ、該通路を開閉するゲートバルブが設けられている。
【0003】この種のゲートバルブは、例えば、特許第2613171号公報に開示されているように、シリンダの駆動作用下に変位する弁ロッドの直進運動によって弁ディスクが弁座の対向位置に到達した後、前記弁ロッドの傾動運動によって前記弁ディスクが弁座に押し付けられて着座することにより、弁箱に形成された通路が閉塞されるように設けられている。
【0004】すなわち、従来技術に係るゲートバルブ1は、図14および図15に示されるように、ワークを出し入れする通路2が形成された弁箱3と、前記弁箱3内に形成された弁座4に着座することにより前記通路2を閉塞する弁ディスク5と、前記弁ディスク5に連結されて上下動および傾動自在に設けられた弁ロッド6とを有する。
【0005】前記弁ロッド6の上部にはブロック7が連結され、前記ブロック7の両側面には、一組のシリンダ8a、8bのシリンダチューブ9の両側面にそれぞれ形成されたガイド溝10に沿って変位する枢軸11が固着され、前記ブロック7は、枢軸11が係合するガイド溝10の案内作用下に上下動および傾動可能に設けられている。なお、前記シリンダチューブ9、ブロック7および枢軸11はそれぞれ金属製材料によって形成されている。
【0006】換言すると、前記ブロック7は、枢軸11が係合するガイド溝10の案内作用下に、引張ばね12を介してヨーク13と一体的に上下方向に沿って直進運動するとともに、前記ガイド溝10の湾曲する下端部によって支持された枢軸11を支点として矢印A方向に傾動運動するように構成されている(図14参照)。従って、前記弁ディスク5は、枢軸11を支点として矢印B方向に傾動して弁座4に着座することにより、通路2が気密に閉塞される。
【0007】なお、参照数字14は、断面菱形の板状カムを示し、傾斜した前記板状カム14が略水平に変位することにより、前記ブロック7がガイド溝10の下端部10aを支点として矢印A方向に傾動するように設けられている。
【0008】さらに、従来技術に係るゲートバルブ1では、弁ロッド6の外周面の一部に伸縮自在な筒状ベローズ15が装着され、前記筒状ベローズ15は、弁ロッド6が直進運動および傾動運動を行う際に弁箱3の室16内を気密に保持する機能を営む。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の従来技術に係るゲートバルブでは、シール手段として用いられている筒状ベローズが高価であるため、製造コストを高騰させるという不具合がある。
【0010】また、前記筒状ベローズを用いた場合、前記筒状ベローズの一端部および他端部をそれぞれ弁ロッドに保持するリング体等の固定金具が必要となり、部品点数が多くなって製造コストが増大するという不具合がある。
【0011】本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、製造コストを削減し且つ信頼性が高いシール性能を保持することが可能なゲートバルブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、駆動源と、前記駆動源の駆動軸に連結され、該駆動源の駆動作用下に軸線方向に沿って変位する第1変位部材と、前記第1変位部材と一体的に軸線方向に沿って変位するとともに、軸線方向に沿った変位終端において支持部材を支点として傾動自在に設けられた第2変位部材と、前記第2変位部材に連結された弁ロッドを介して弁箱の通路を開閉する弁ディスクと、前記弁ロッドの外周面を囲繞するように設けられ、前記弁ロッドが直進運動および傾動運動を行う際にシール機能を営む環状のシール部材と、を備え、前記シール部材の中心点が、前記支持部材の軸線と略一致するように設定されることを特徴とする。
【0013】この場合、前記シール部材は、断面が楕円形状または円形状からなり、弾性体によって形成されたパッキンを用いるとよい。また、前記パッキンと前記弁箱との間に弁ロッドの外周面を囲繞するスクレーパを設け、前記スクレーパの環状溝によって油溜まりを形成することにより、潤滑性が保持される。
【0014】本発明によれば、シール部材の中心点を支持部材の軸線上に設定することにより、弁ディスクが直進運動および傾動運動を行う際、前記シール部材によって弁箱のシール性が保持される。従って、簡素な構造によってシール機能を発揮することにより、部品点数を削減し製造コストを低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係るゲートバルブについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0016】図1において、参照数字20は、本発明の第1の実施の形態に係るゲートバルブを示す。
【0017】このゲートバルブ20は、駆動部22と、前記駆動部22の駆動作用下に上下方向に沿って変位するとともに、前記上下方向と略直交する方向に所定角度だけ傾動する一組の弁ロッド24a、24bと、前記弁ロッド24a、24bの一端部に連結された略長方形状の弁ディスク26とを有する。
【0018】なお、前記駆動部22の上部側には、図示しないワークを出し入れするための通路28が形成された弁箱30が設けられ(図7および図8参照)、前記弁箱30の内壁面に形成された弁座32に前記弁ディスク26が着座することにより、前記通路28が気密に閉塞される。前記弁ディスク26には環状溝に沿ってシール部材34が装着され、前記シール部材34によって弁ディスク26が弁座32に着座した際の気密性が保持される。
【0019】駆動部22は、前記弁箱30の底面にねじ部材36(図3参照)を介して固定されたベースプレート38と、前記ベースプレート38に装着される有底筒状のケーシング40と、前記ケーシング40内に配設されたシリンダ機構(駆動源)42とを有する。
【0020】前記ベースプレート38には、図2に示されるように、一組の弁ロッド24a、24bを挿通するための断面略円形状の一組の貫通孔44a、44bが形成され、また、その下面部には、後述する支持ローラ(支持部材)46を支持するための断面半円状の凹部48(図1参照)が形成されている。前記貫通孔44a、44bの直径は、弁ロッド24a、24bの直径よりも若干大きく形成される。
【0021】前記貫通孔44a、44bの内壁面には、図4に示されるように、弁ロッド24a、24bの外周面を囲繞するリング状のパッキン(シール部材)50が環状溝を介して装着され、前記パッキン50の中心点が前記支持ローラ46の軸線Tと略一致するように配設されている。
【0022】前記パッキン50は、図4および図9に示されるように、断面楕円形状を有するリング状の弾性体からなり、前記断面楕円形状の長軸Cが水平軸と略平行となるように形成されている。該パッキン50の断面形状を長軸Cが水平軸と略平行となる楕円形状に形成することにより、弁ロッド24a、24bがパッキン装着部分を支点として傾動動作した際のシール力をより一層増大させることができる。
【0023】この場合、前記パッキン50は、弁ロッド24a、24bが直進運動および傾動運動を行う際に、弁箱30の室内の圧力を気密に保持するシール機能を営む。なお、前記パッキン50の断面形状は、楕円形状に限定されるものではなく、例えば、円形状に形成してもよい。
【0024】また、前記パッキン50の上部側には環状溝を介してリング状のスクレーパ51が装着され、前記スクレーパ51には、弁ロッド24a、24bの外周面にリップが接触することにより、前記外周面に塗布されたグリスを貯留する環状溝52が形成されている。従って、前記環状溝52に形成されたグリスの液溜まりによって弁ロッド24a、24bの潤滑性を向上させることができる。
【0025】前記ベースプレート38には、図1に示されるように、例えば、ウレタン樹脂またはポリウレタン樹脂等の樹脂製材料によって形成された第1緩衝部材53が孔部内に装着され、前記第1緩衝部材53は金具55および止め輪57を介して孔部内に固定される。前記第1緩衝部材53は、支持ローラ46が凹部48に係合する際、前記支持ローラ46に当接して該支持ローラ46の衝撃を吸収する機能を営む。
【0026】前記シリンダ機構42は、図3に示されるように、両側面に軸線方向に沿って延在する段部54(図2参照)がそれぞれ形成され、図示しないねじ部材を介して前記ベースプレート38に一端部が固定されるシリンダチューブ56と、前記シリンダチューブ56内のシリンダ室58に沿って変位自在に収装されたピストン60と、一端部が前記ピストン60に連結され、外周面に軸線方向に沿って延在するスプライン溝62が形成されたピストンロッド64と、前記シリンダチューブ56に固定され、前記ピストンロッド64のスプライン溝62に係合する複数のボール66が設けられたスプライン軸受部材68とを有する。
【0027】前記ピストン60の外周面には、該ピストン60によって二分割された上部側シリンダ室58aと下部側シリンダ室58bとをそれぞれ気密に保持するピストンパッキン70が装着され、また前記ピストンパッキン70に近接する底面部には、ピストン60が下死点に到達した際、前記スプライン軸受部材68の上端部に当接し、その衝撃を吸収する第2緩衝部材72が装着されている。第2緩衝部材72は、例えば、ウレタン樹脂、あるいはポリウレタン樹脂等の樹脂製材料によって形成されると好適である。
【0028】なお、前記上部側シリンダ室58aおよび下部側シリンダ室58bには、圧力流体供給源(図示せず)に接続された図示しないチューブを介して圧力流体(例えば、圧縮空気)が供給され、図示しない切換弁の切換作用下に上部側シリンダ室58aまたは下部側シリンダ室58bのいずれか一方に圧力流体が供給される。
【0029】さらに、駆動部22は、図2および図3に示されるように、ロックナット74およびスペーサ76を介してピストンロッド64の他端部に固定されるレバー部材(第1変位部材)78と、前記レバー部材78と一体的に変位する変位部材(第2変位部材)80とを有する。
【0030】略平行に延在する前記レバー部材78の両側面には、横方向に向かって所定長だけ突出する一組の突出片82a、82bが形成され、前記突出片82a、82bには、後述するばね部材84の一端部が係着される略円形状の凹部86が形成されている。前記レバー部材78の両側面には略長円状に切り欠かれた長孔88a、88bがそれぞれ形成され、前記長孔88a、88bにはピン部材90を介して変位部材80に固定されたローラ92が係合するように設けられている。
【0031】さらに、前記レバー部材78の両側面の上部側には孔部を介して一組のピン部材94が嵌着され、前記ピン部材94の一端部は、変位部材80の両側面に形成された係合用溝部96に係合するように設けられている。
【0032】図2および図3に示されるように、変位部材80の略平行に延在する両側面には、横方向に向かって所定長だけ突出する一組のフランジ部98a、98bが形成されている。前記フランジ部98a、98bには、弁ロッド24a、24bの他端部が嵌挿される断面略円形状の孔部100が形成され、前記弁ロッド24a、24bのねじ部に締結されるロックナット102を介して前記弁ロッド24a、24bが変位部材80に固定される。
【0033】前記変位部材80の一組のフランジ部98a、98bとレバー部材78の一組の突出片82a、82bとの間には、それぞればね部材84が介装され、前記ばね部材84の一端部は、フランジ部98a、98bに固定される弁ロッド24a、24bの一端部に係着され、該ばね部材84の他端部は、突出片82a、82bの円形状の凹部86に係着されている。
【0034】また、変位部材80の両側面には、レバー部材78に係止されたピン部材94の一端部が係合する係合用溝部96がそれぞれ形成されている。前記係合用溝部96の下端部96aにピン部材94が係合することにより、レバー部材78と変位部材80とが上下方向および前後方向(図3において、紙面と略直交する方向)の位置ずれを防止し且つ上下方向に沿って所定間隔離間した状態で位置決めされ、このように位置決めされた状態で一体的に上下動する。そして、前記ピン部材94が係合用溝部96の下端部96aから離脱して傾斜部96b(図2参照)に沿って上昇することにより、弁ディスク26が傾動可能となる。
【0035】さらに、二股に分岐した変位部材80の上部には、一組の支持ローラ46が回動自在に軸支され、前記支持ローラ46は、図4に示されるように、クリアランスを介してシリンダチューブ56の段部54に対して非接触状態に設けられている。また、前記支持ローラ46は、変位部材80の変位終端位置においてベースプレート38の湾曲する凹部48に挿入され(図1参照)、前記凹部48に係合する支持ローラ46を支点として、弁ディスク26、弁ロッド24a、24bおよび変位部材80が所定角度θだけ傾動する(図8参照)。
【0036】さらにまた、変位部材80の下部には、ピストンロッド64が挿通し断面長円状からなる長孔106が形成され、前記変位部材80が傾動する際、前記ピストンロッド64が長孔106に沿って変位するように設けられている(図5参照)。
【0037】本発明の第1の実施の形態に係るゲートバルブ20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、以下の説明では、ピストン60がシリンダ室58の最下端位置(下死点)にあり、弁箱30に形成された通路28が弁ディスク26によって閉塞されていない開成状態を初期位置として説明する。
【0038】この場合、前記初期位置では、ばね部材84の弾発力によってレバー部材78が下方側に向かって押圧されているため、レバー部材78に固着されたピン部材94が変位部材80の係合用溝部96の下端部96aに保持された状態にある。また、前記初期位置では、レバー部材78の両側面に形成された長孔88a、88bの上部にローラ92が係合した状態にある。
【0039】前記初期位置において、圧力流体供給源(図示せず)から図示しないチューブを介して下部側シリンダ室58bに圧力流体を供給する。下部側シリンダ室58bに供給された圧力流体の作用下にピストン60が上昇し、前記ピストン60に連結されたピストンロッド64も上昇する。なお、この場合、上部側シリンダ室58aは、図示しない切換弁の作用下に大気開放状態にあるものとする。
【0040】前記ピストンロッド64が上昇することにより、該ピストンロッド64とともにレバー部材78、変位部材80、弁ロッド24a、24bおよび弁ディスク26が一体的に上昇する。前記弁ロッド24a、24bが軸線方向に沿って直進運動を行う際、該弁ロッド24a、24bの外周面を囲繞するパッキン50によって弁箱30の室内の気密性が保持されるとともに、スクレーパ51の環状溝52に形成された油溜まりによって潤滑性が保持される。
【0041】この場合、レバー部材78はばね部材84の弾発力によって下方側に押圧された状態にあり、前記レバー部材78の両側面に固着された一組のピン部材94が変位部材80の係合用溝部96の下端部96aに保持されることにより、レバー部材78と変位部材80とは、それぞれ上下方向および前後方向(図3において、紙面と略直交する方向)の位置ずれを防止した所定位置に位置決め保持された状態にある。
【0042】従って、レバー部材78および変位部材80は、前記所定位置に位置決め保持された状態で一体的に上昇する。なお、前記レバー部材78および変位部材80が一体的に上昇する際、変位部材80の上部に軸支された支持ローラ46は、シリンダチューブ56の段部54に接触しておらず、該レバー部材78および変位部材80は、支持ローラ46によってガイドされていない(図5参照)。
【0043】ピストンロッド64が上昇する際、前記ピストンロッド64に形成されたスプライン溝62に沿って複数のボール66が転動して循環するとともに、該ピストンロッド64はシリンダチューブ56に固着されたスプライン軸受部材68によって周方向の回転が阻止されて回り止めがなされている。
【0044】ピストンロッド64が上昇して変位部材80の一端部がベースプレート38に当接することにより前記変位部材80は変位終端位置に到達し、弁ディスク26は、通路28の開口部に対峙した状態となる(図7参照)。その際、変位部材80の上部に設けられた支持ローラ46は、ベースプレート38の湾曲する凹部48に係合するとともに、第1緩衝部材53に当接することによりその衝撃が吸収される。
【0045】変位部材80が変位終端位置に到達した後、ピストンロッド64がさらに上昇することにより、該変位部材80は、レバー部材78の長孔88a、88bに対するローラ92の係合作用下に、凹部48に係合する支持ローラ46を支点として所定角度θだけ傾動し、弁ディスク26が弁座32に着座することにより通路28が閉塞される(図8参照)。
【0046】すなわち、変位部材80が変位終端位置に到達した後、ばね部材84の弾発力に抗してピストンロッド64をさらに上昇させることによりレバー部材78のみが上昇し、その際、変位部材80は、レバー部材78の両側面に形成された長孔88a、88bに対するローラ92の係合作用下に、支持ローラ46を支点として所定角度θだけ傾動する(図8参照)。なお、変位部材80が支持ローラ46を支点として傾動する際、レバー部材78の両側面に固着されたピン部材94は、変位部材80の係合用溝部96の下端部96aから離脱して傾斜部96bに沿って上昇する。
【0047】従って、弁ロッド24a、24bを介して変位部材80に固定された弁ディスク26は、前記変位部材80が所定角度θだけ傾動することにより、通路28から所定間隔離間して対峙した状態から通路28側に向かって略水平に変位する。この結果、弁ディスク26に設けられたシール部材34が弁座32に着座して通路28が気密に閉塞される。
【0048】弁ロッド24a、24bが支持ローラ46の軸線Tを支点として所定角度θだけ傾動運動を行う際、パッキン50の中心点が支持ローラ46の軸線Tと略一致するように配設されているため、弁ロッド24a、24bが傾動しても確実に弁箱30の室をシールすることができる。
【0049】すなわち、パッキン50の中心点が支持ローラ46の軸線Tと略一致するように設定されているため、弁ロッド24a、24bは、パッキン50が装着された部分を支点として所定角度θだけ傾動運動する。従って、弁ロッド24a、24bが傾動運動をしても前記弁ロッド24a、24bの外周面にパッキン50が密着した状態が維持されてシール機能が保持されるため、シール性を劣化させることなく弁箱30の室内の気密性を保つことができる。
【0050】次に、弁ディスク26を弁座32から離間させて通路28を開成する場合には、図示しない切換弁の切換作用下に上部側シリンダ室58aに圧力流体を供給することによりピストン60が下降し、ピストンロッド64、レバー部材78および変位部材80が一体的に下降することにより、初期位置に復帰する。なお、この場合、下部側シリンダ室58bは、図示しない切換弁の作用下に大気開放状態にある。
【0051】すなわち、変位部材80が長孔88a、88bに対するローラ92の係合作用下に前記とは反対方向に向かって所定角度θだけ傾動した後、ピストンロッド64と一体的にレバー部材78および変位部材80が下降することにより初期位置に復帰する。その際、ピストン60の底面部に設けられた第2緩衝部材72によって該ピストン60が下死点に到達したときの衝撃が吸収される。なお、ピストン60が下降するとき、ばね部材84の弾発力によってレバー部材78が下方側に向かって押圧されるため、上部側シリンダ室58aに供給される圧力流体の流量を抑制することができる。
【0052】第1の実施の形態では、図4に示されるように、支持ローラ46の軸線T上に弁ロッド24a、24bの外周面をそれぞれ囲繞するパッキン50を設け、前記弁ロッド24a、24bが直進運動および傾動運動をそれぞれ行う際、前記パッキン50によって良好なシール性を発揮させることができる。従って、第1の実施の形態では、弾性体からなり簡素な構造を有するパッキン50を用いることにより、従来技術で用いられていた筒状ベローズ15と比較して、部品点数を削減して製造コストを低減させ、しかも、前記筒状ベローズ15と略同等のシール性能を確保することができる。
【0053】さらに、第1の実施の形態では、環状溝52によって油溜まりを形成するスクレーパ51を設けることにより、弁ロッド24a、24bの潤滑性を保持して摺動抵抗を抑制することができる。この場合、前記スクレーパ51をパッキン50と弁箱30との間に設けることにより、前記弁箱30の室内に余分なグリスが進入することを阻止するとともに、前記パッキン50にグリスを略均一に塗布することができるという効果を有する。また、前記スクレーパ51をパッキン50と弁箱30との間に設けることにより、グリスによって弁箱30の室内が汚染されることを阻止することができる。
【0054】なお、第1の実施の形態では、レバー部材78の両側面に固着されたピン部材94を変位部材80の係合用溝部96に係合させることにより、前記レバー部材78と前記変位部材80とを上下方向および前後方向に位置ずれがない所定位置に位置決めした状態で保持し、両者が一体的に上下動するように設けられている。この場合、変位部材80の上部に設けられた支持ローラ46は、シリンダチューブ56の段部54に対して非接触状態にあり、前記支持ローラ46によってガイドされていない(図5参照)。
【0055】従って、この第1の実施の形態では、レバー部材78および変位部材80を上下動させる際に前記レバー部材78および変位部材80を案内するガイド手段が不要となり、部品点数を削減してより一層製造コストを低減することができるという利点がある。
【0056】次に、本発明の第2の実施の形態に係るゲートバルブを図10乃至図13に示す。なお、パッキン50およびスクレーパ51については、第1の実施の形態と同一の構成および作用効果を奏するため、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0057】この第2の実施の形態に係るゲートバルブ220は、駆動部(駆動源)222と、前記駆動部222の駆動作用下に上下方向に沿って変位するとともに、前記上下方向と略直交する方向に傾動する弁ロッド224と、前記弁ロッド224の一端部に連結された略長方形状の弁ディスク226とを有する。
【0058】なお、前記駆動部222の上部側には、図示しないワークを出し入れするための通路28が形成された弁箱30が設けられ、前記弁箱30の内壁面に形成された弁座32に前記弁ディスク226が着座することにより、前記通路28が気密に閉塞される。前記弁ディスク226には環状溝に沿ってシール部材234が装着され、前記シール部材234によって弁ディスク226が弁座32に着座した際の気密性が保持される。
【0059】駆動部222は、前記弁箱30の底面に図示しないねじ部材を介して固定される第1ベースプレート236および第2ベースプレート238と、前記第2ベースプレート238に装着される有底筒状のケーシング240と、前記ケーシング240内に略平行に配設され、同一構成要素からなる第1シリンダ機構242aおよび第2シリンダ機構242bとを有する。
【0060】図11に示されるように、第1ベースプレート236および第2ベースプレート238の略中央部には、弁ロッド224が挿通するための断面略円形状の貫通孔244a、244bがそれぞれ形成されている。また、第2ベースプレート238の下面部には、後述する支持ローラ(支持部材)246を支持するための断面半円状の凹部248が形成された一組の突起部249a、249bが所定間隔離間して設けられている。前記貫通孔244a、244bの直径は、弁ロッド224の直径よりも大きく形成される。
【0061】第2ベースプレート238の下面部には前記貫通孔244bを形成する環状突起部245が形成され、前記環状突起部245の内壁面には、環状溝を介してパッキン50およびスクレーパ51が装着されている。この場合、前記パッキン50の中心点が前記支持ローラ246の軸線Tと略一致するように配設されている。
【0062】また、第2ベースプレート238には、図11および図12に示されるように、例えば、ウレタン樹脂またはポリウレタン樹脂等の樹脂製材料によって形成された第1緩衝部材253が孔部内に装着され、前記第1緩衝部材253は第1ベースプレート236と第2ベースプレート238とによって挟持される。前記第1緩衝部材253は、支持ローラ246が凹部248に係合する際、前記支持ローラ246に当接して該支持ローラ246の衝撃を吸収する機能を営む。
【0063】前記第1シリンダ機構242aと第2シリンダ機構242bとは、それぞれ、同一構成要素から構成されるため、第1シリンダ機構242aについて詳細に説明し、第2シリンダ機構242bについては同一の構成要素に符号bを付してその詳細な説明を省略する。
【0064】第1シリンダ機構242aは、図12に示されるように、図示しない固定手段を介して第2ベースプレート238に固定されるシリンダチューブ256aと、前記シリンダチューブ256a内のシリンダ室258に沿って変位自在に収装されたピストン260aと、一端部が前記ピストン260aに連結されたピストンロッド264aと、前記シリンダチューブ256aに保持され、ピストンロッド264aの外周面を囲繞するシール部材266aとを有する。
【0065】前記ピストン260aの外周面には、該ピストン260aによって二分割された上部側シリンダ室258aと下部側シリンダ室258bとをそれぞれ気密に保持するピストンパッキン270aが装着されている。なお、前記ピストン260aの底面部には、該ピストン260aが下死点に到達した際の衝撃を吸収する図示しない第2緩衝部材を設けてもよい。前記第2緩衝部材は、例えば、ウレタン樹脂、あるいはポリウレタン樹脂等の樹脂製材料によって形成されると好適である。
【0066】この場合、前記上部側シリンダ室258aおよび下部側シリンダ室258bには、圧力流体供給源(図示せず)に接続された図示しないチューブを介して圧力流体(例えば、圧縮空気)が供給され、図示しない切換弁の切換作用下に上部側シリンダ室258aまたは下部側シリンダ室258bのいずれか一方に圧力流体が供給される。
【0067】さらに、駆動部222は、図11および図12に示されるように、ロックナット274を介して一組のピストンロッド264a、264bの他端部にそれぞれ固定され、長尺な板状に形成されたヨーク(第1変位部材)278と、前記ヨーク278と一体的に変位する縦断面略H状に形成された変位ブロック(第2変位部材)280とを有する。
【0068】図11および図12に示されるように、前記ヨーク278の略中央部には、後述するばね部材284の一端部が係着される略円形状の凹部286が形成されている。また、前記ヨーク278には、略長円状に切り欠かれた長孔288a、288bを有する一組の保持ブロック290a、290bが所定間隔離間して固着され、前記長孔288a、288bには、ピン部材291を介して変位ブロック280に軸着されたローラ292が係合するように設けられている。なお、前記ローラ292は、ピン部材291を中心として回動自在に軸支されている。
【0069】さらに、前記一組の保持ブロック290a、290bの上部には、それぞれ、ねじ部材を介して保持プレート293が固定されている。前記保持プレート293には孔部を介して一組のピン部材294が嵌着され、前記ピン部材294の一端部は、変位ブロック280の両側面に形成された係合用溝部296に係合するように設けられている。
【0070】図11および図12に示されるように、変位ブロック280の略中央部には、弁ロッド224の他端部が嵌挿される断面略円形状の孔部300が形成され、前記弁ロッド224のねじ部に締結されるロックナット302を介して前記弁ロッド224が変位ブロック280に固定される。前記変位ブロック280とヨーク278との間には、弁ロッド224とばね部材284が介装され、前記ばね部材284の一端部は、前記ロックナット302に係着され、該ばね部材284の他端部は、ヨーク278の凹部286に係着されている。
【0071】また、変位ブロック280の両側面には、保持ブロック290a、290bおよび保持プレート293を介してヨーク278に係止されたピン部材294の一端部が係合する係合用溝部296がそれぞれ形成されている。前記係合用溝部296の下端部296aにピン部材294が係合することにより、ヨーク278と変位ブロック280との上下方向および前後方向(図12において、紙面と略直交する方向)の位置ずれを防止し且つ上下方向に沿って所定間隔離間した状態で位置決めされ、このように位置決めされた状態で一体的に上下動する。そして、前記ピン部材294が係合用溝部296の下端部296aから離脱し該係合用溝部296に沿って上昇することにより、弁ディスク226が傾動可能となる。
【0072】さらに、二股に分岐した変位ブロック280の上部には、一組の支持ローラ246が回動自在に軸支され、前記支持ローラ246は、変位ブロック280の変位終端位置において第2ベースプレート238の突起部249a、249bに形成された湾曲する凹部248に挿入され、前記凹部248に係合する支持ローラ246を支点として、弁ディスク226、弁ロッド224および変位ブロック280が所定角度θだけ傾動する。
【0073】本発明の第2の実施の形態に係るゲートバルブ220は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、以下の説明では、一組のピストン260a、260bがそれぞれシリンダ室258の最下端にあり、弁箱30に形成された通路28が弁ディスク226によって閉塞されていない開成状態を初期位置として説明する。
【0074】この場合、前記初期位置では、ばね部材284の弾発力によってヨーク278が下方側に向かって押圧されているため、保持ブロック290a、290bおよび保持プレート293を介してヨーク278に係止されたピン部材294が変位ブロック280の係合用溝部296の下端部296aに保持された状態にある。また、前記初期位置では、保持ブロック290a、290bに形成された長孔288a、288bの上部にローラ292が係合した状態にある。
【0075】前記初期位置において、圧力流体供給源(図示せず)から図示しないチューブを介して第1シリンダ機構242aおよび第2シリンダ機構242bの下部側シリンダ室258bに圧力流体をそれぞれ略同時に供給する。前記下部側シリンダ室258bに供給された圧力流体の作用下に一組のピストン260a、260bがそれぞれ上昇し、前記ピストン260a、260bに連結された一組のピストンロッド264a、264bもそれぞれ上昇する。なお、この場合、上部側シリンダ室258aは、図示しない切換弁の作用下に大気開放状態にあるものとする。
【0076】前記一組のピストンロッド264a、264bが略平行にそれぞれ上昇することにより、該ピストンロッド264a、264bとともにヨーク278、変位ブロック280、弁ロッド224および弁ディスク226が一体的に上昇する。この場合、ヨーク278はばね部材284の弾発力によって下方側に押圧された状態にあり、保持ブロック290a、290bおよび保持プレート293を介して前記ヨーク278に係止された一組のピン部材294が変位ブロック280の係合用溝部296の下端部296aに保持されることにより、ヨーク278と変位ブロック280とは、それぞれ、上下方向および前後方向(図12において、紙面と略直交する方向)の位置ずれを防止した所定位置に位置決め保持された状態にある。従って、ヨーク278および変位ブロック280は、前記所定位置に位置決め保持された状態で一体的に上昇する。
【0077】ピストンロッド264a、264bが略同時に上昇して変位ブロック280の一端部が第2ベースプレート238に当接することにより前記変位ブロック280は変位終端位置に到達し、弁ディスク226は、通路28の開口部に対峙した状態となる。その際、変位ブロック280の上部に設けられた一組の支持ローラ246は、第2ベースプレート238の突起部249a、249bに形成された湾曲する凹部248にそれぞれ係合するとともに、第1緩衝部材253に当接することによりその衝撃が吸収される。
【0078】変位ブロック280が変位終端位置に到達した後、一組のピストンロッド264a、264bがさらにそれぞれ上昇することにより、該変位ブロック280は、ヨーク278の長孔288a、288bに対するローラ292の係合作用下に、凹部248に係合する支持ローラ246を支点として所定角度θだけ傾動し、弁ディスク226が弁座32に着座することにより通路28が閉塞される。
【0079】すなわち、変位ブロック280が変位終端位置に到達した後、ばね部材284の弾発力に抗して一組のピストンロッド264a、264bをさらに略同時に上昇させることによりヨーク278のみが上昇し、その際、変位ブロック280は、ヨーク278の両側面に形成された長孔288a、288bに対するローラ292の係合作用下に、支持ローラ246を支点として所定角度θだけ傾動する。なお、変位ブロック280が支持ローラ246を支点として所定角度傾動する際、ヨーク278に係止されたピン部材294は、変位ブロック280の係合用溝部296の下端部296aから離脱し該係合用溝部296に沿って上昇する。
【0080】従って、弁ロッド224を介して変位ブロック280に固定された弁ディスク226は、前記変位ブロック280が所定角度θだけ傾動することにより、通路28から所定間隔離間して対峙した状態から通路28側に向かって略水平に変位する。この結果、弁ディスク226に設けられたシール部材234が弁座32に着座して通路28が気密に閉塞される。
【0081】次に、弁ディスク226を弁座32から離間させて通路28を開成する場合には、図示しない切換弁の切換作用下に第1シリンダ機構242aおよび第2シリンダ機構242bの上部側シリンダ室258aに圧力流体をそれぞれ略同時に供給することにより一組のピストン260a、260bが略同時に下降し、ピストンロッド264a、264b、ヨーク278および変位ブロック280が一体的に下降することにより、初期位置に復帰する。なお、この場合、下部側シリンダ室258bは、図示しない切換弁の作用下に大気開放状態にある。
【0082】すなわち、変位ブロック280が長孔288a、288bに対するローラ292の係合作用下に前記とは反対方向に向かって所定角度θだけ傾動して弁ディスク226が確実に弁座32から離間した後、係合用溝部296に対するピン部材294の係合作用下に、一組のピストンロッド264a、264bと一体的にヨーク278および変位ブロック280が下降することにより初期位置に復帰する。その際、ピストン260a、260bの底面部に設けられた図示しない第2緩衝部材によって該ピストン260a、260bが下死点に到達したときの衝撃を吸収するとよい。
【0083】第2の実施の形態では、保持ブロック290a、290bおよび保持プレート293を介してヨーク278に係止されたピン部材294を変位ブロック280の係合用溝部296に係合させることにより、前記ヨーク278と前記変位ブロック280とを上下方向および前後方向に位置ずれがないように所定位置に位置決めした状態で保持し、両者が一体的に上下動するように設けられている。
【0084】従って、この第2の実施の形態では、ヨーク278および変位ブロック280を上下動させる際に前記ヨーク278および変位ブロック280を案内するガイド手段を設ける必要がないため、部品点数を削減して製造コストを低減することができるという利点がある。
【0085】なお、本発明の第2の実施の形態では、複数の駆動機構として圧力流体の作用下にピストン260a、260bおよびピストンロッド264a、264bを一体的に変位させる第1シリンダ機構242aおよび第2シリンダ機構242bを用いて説明しているが、これに限定されるものではなく、前記複数の駆動機構として、例えば、図示しないリニアアクチュエータ、回転駆動源、または電動アクチュエータ等を用いてもよいことは勿論である。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0087】すなわち、本発明では、弾性体からなり簡素な構造を有する単一のシール部材を用いることにより、従来技術で用いられていた筒状ベローズと比較して、部品点数を削減して製造コストを低減させ、しかも、前記筒状ベローズと略同等のシール性能を確保することができる。
【0088】また、環状溝によって油溜まりを形成するスクレーパを設けることにより、弁ロッドの潤滑性を保持して摺動抵抗を抑制することができる。この場合、前記スクレーパをシール部材と弁箱との間に設けることにより、前記弁箱の室内に余分なグリスが進入することを阻止するとともに、前記シール部材にグリスを略均一に塗布することができるという効果を有する。さらに、グリスによって弁箱の室内が汚染されることを阻止することができる。
【出願人】 【識別番号】000102511
【氏名又は名称】エスエムシー株式会社
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
【公開番号】 特開2001−124221(P2001−124221A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−307589