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【発明の名称】 流量制御弁
【発明者】 【氏名】松田 幹人

【氏名】野道 薫

【氏名】石井 清治

【氏名】清水 博明

【要約】 【課題】メンテナンス性に優れ、軸線方向寸法を小さくすることができる流量制御弁を提供する。

【解決手段】弁箱26内に内挿部材27が設けられ、弁箱26および内挿部材27に支持されてプランジャ28が設けられ、軸線方向に変位して弁座30に着座および離間して弁通路29を開閉し、流体の流量を制御する。プランジャ28は、一端部35および中間部37よりも他端部36の外径が大きく形成され、この他端部36は、内挿部材27の一端部33が内挿されて支持される。これによって弁箱本体31は、蓋体32側の内径を、プランジャ28の他端部36の外径以上の内径とすることができる。またプランジャ28自体の軸線方向寸法を短くすることができる。さらにプランジャ28の位置を検出するセンサ75を、内挿部材27内に収納するようにして設けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁通路および弁座が形成され、軸線方向一端部側の部分が軸線方向他端部側の部分よりも小さい内径に形成される弁箱本体、および弁箱本体の軸線方向他端部を塞ぐ蓋体を有する弁箱と、軸線方向一端部側の部分が、軸線方向他端部側の部分よりも小さい外径に形成され、軸線方向他端部が蓋体に装着されて弁箱内に設けられる内挿部材と、弁箱内に設けられ、軸線方向に変位して弁座に着座および離間して弁通路を開閉するプランジャとを含み、プランジャは、スリーブ状であって、軸線方向一端部および軸線方向両端部間の中間部が、軸線方向他端部よりも小さい外径に形成され、軸線方向他端部を蓋体寄りに配置して設けられ、プランジャの軸線方向他端部は、外周部が弁箱本体の軸線方向他端部側の部分の内周部によって軸線方向に変位自在にかつ密に支持されるとともに、内挿部材の軸線方向一端部側の部分が密に内挿され、プランジャの軸線方向両端部間の中間部は、軸線方向他端部から間隔をあけた位置の外周部が弁箱本体の軸線方向一端部側の部分の内周部によって軸線方向に変位自在にかつ密に支持され、プランジャの軸線方向他端部および軸線方向両端部間の中間部と、弁箱本体とによって第1流体室が規定され、プランジャの軸線方向他端部と、弁箱本体と、内挿部材とによって第2流体室が規定され、第1および第2流体室に選択的にパイロット流体が供給されて、プランジャが軸線方向に変位し、プランジャの軸線方向一端部が弁座に着座および離間して、弁通路を開閉することを特徴とする流量制御弁。
【請求項2】 プランジャの軸線方向両端部間の中間部の弁箱本体に支持される外周部、および弁箱本体のプランジャの軸線方向両端部間の中間部を支持する内周部のうち少なくともいずれか一方には、複数のシール部材を組合わせて構成される第1シール体が設けられることを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
【請求項3】 内挿部材のプランジャに内挿される部分の外周部、およびプランジャの内挿部分が内挿される部分の内周部のうち少なくともいずれか一方には、複数のシール部材を組合わせて構成される第2シール体が設けられることを特徴とする請求項1または2記載の流量制御弁。
【請求項4】 蓋体には、弁箱本体の軸線方向他端部に臨む開口を有するねじ孔が形成され、回動操作によって前記開口から突出可能にねじ部材が螺着されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば鍛造プレス機などへの作動流体の供給量を制御する流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、典型的な従来の技術の方向制御弁1を示す断面図であり、この方向制御弁1は、特公平4−54111に開示されている。本発明でいう流量制御弁に相当するこの方向制御弁1は、弁部材2がその弁部材閉鎖部3〜5の領域およびその反対側の端部に案内部6,7をそれぞれ有し、絞り部のない長手方向穴8が弁部材の両端面間に伸び、弁部材を収容するハウジング9,10が2つの連結口11,12およびハウジング閉鎖部13を有し、両連結口は、ハウジング閉鎖部の両側に位置し、弁部材の周囲にカラー状に固定された制御ピストン15が弁部材とともに作動しかつ両側の圧力を受ける、方向制御弁である。この方向制御弁は、さらに弁部材2が、その制御ピストン15、弁部材閉鎖部3〜5および両案内部6,7を除いて連続した円筒状で等しい直径を有し、弁部材の両案内部の直径は、等しく、弁部材閉鎖部の直径は、両案内部の直径よりも小さい、ことを特徴として構成されている。弁部材2は、制御ピストン15の両側でハウジング1に形成される制御穴16,17から圧力媒体が供給されて変位する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような方向制御弁1では、付着異物の除去、傷の点検および補修、シール性能の確認および保持のために、弁部材2のメンテナンスが必要であるが、弁部材2が軸線方向両端部間の中間部に制御ピストン15を有し、この制御ピストン15が半径方向外方に突出しているので、ハウジング1を塞ぐ閉鎖部材(本発明でいう蓋体に相当)18を取り外しただけでは、弁部材2を取出すことができず、ハウジング1をも取外す必要がある。このハウジング1は、本発明でいう弁本体の一部を構成するものであり、上記のように制御穴16,17が形成される部材であって、このハウジング1を取り外すことは、流量制御弁1を完全に分解することに等しく、手間を要する。また再び組み立てるときに、流路の接続などに手間を要する。このように流量制御弁1は、弁部材2の取り出し作業を含めてメンテナンスが大変困難である。
【0004】また弁部材2を高精度に制御するために、弁部材2の位置を検出するための位置検出センサ19が設けられるが、この位置検出センサ19は、弁部材2から連結棒を延ばして設けなければならず、閉鎖部材18から完全に突出した状態で設けなければならないので、方向制御弁1の軸線方向寸法が大きくなってしまう。
【0005】本発明の目的は、メンテナンス性に優れ、軸線方向寸法を小さくすることができる流量制御弁を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、弁通路および弁座が形成され、軸線方向一端部側の部分が軸線方向他端部側の部分よりも小さい内径に形成される弁箱本体、および弁箱本体の軸線方向他端部を塞ぐ蓋体を有する弁箱と、軸線方向一端部側の部分が、軸線方向他端部側の部分よりも小さい外径に形成され、軸線方向他端部が蓋体に装着されて弁箱内に設けられる内挿部材と、弁箱内に設けられ、軸線方向に変位して弁座に着座および離間して弁通路を開閉するプランジャとを含み、プランジャは、スリーブ状であって、軸線方向一端部および軸線方向両端部間の中間部が、軸線方向他端部よりも小さい外径に形成され、軸線方向他端部を蓋体寄りに配置して設けられ、プランジャの軸線方向他端部は、外周部が弁箱本体の軸線方向他端部側の部分の内周部によって軸線方向に変位自在にかつ密に支持されるとともに、内挿部材の軸線方向一端部側の部分が密に内挿され、プランジャの軸線方向両端部間の中間部は、軸線方向他端部から間隔をあけた位置の外周部が弁箱本体の軸線方向一端部側の部分の内周部によって軸線方向に変位自在にかつ密に支持され、プランジャの軸線方向他端部および軸線方向両端部間の中間部と、弁箱本体とによって第1流体室が規定され、プランジャの軸線方向他端部と、弁箱本体と、内挿部材とによって第2流体室が規定され、第1および第2流体室に選択的にパイロット流体が供給されて、プランジャが軸線方向に変位し、プランジャの軸線方向一端部が弁座に着座および離間して、弁通路を開閉することを特徴とする流量制御弁である。
【0007】本発明に従えば、プランジャは、大径の軸線方向他端部の外周部が弁箱本体の大径の軸線方向他端部側の部分の内周部に変位自在にかつ密に支持されるとともに、小径の軸線方向中間部の外周部が軸線方向他端部から間隔をあけた位置で弁箱本体の小径の軸線方向一端部側の部分の内周部に変位自在にかつ密に支持される。このように弁箱本体の内径が異なる各部分で、プランジャの外径の異なる各部分をそれぞれ密に支持し、弁箱本体によってプランジャが案内される。またプランジャの軸線方向他端部には、蓋体に装着される内挿部材の軸線方向一端部側の部分が密に内挿され、プランジャの大径となる軸線方向他端部の軸線方向両側に、第1および第2流体室を規定することができる。これによってこのプランジャの軸線方向他端部をパイロット流体によるパイロット圧を受ける受圧ピストン部とすることができ、パイロット流体によってプランジャが駆動され、プランジャが変位して弁箱本体の弁座に着座および離間し、弁通路を開閉することができる。したがって上記のようにプランジャを支持する弁箱本体は、蓋体を取外すことによって開放される軸線方向他端部側の部分が軸線方向一端部側部分より大径として、プランジャのパイロット流体による駆動を実現することができる。このように弁箱本体を、軸線方向他端部が大径となるように構成することによって、弁箱本体を分解することなく、蓋体を取外すだけの分解で、プランジャを弁箱から、具体的には弁箱本体から取出すことができる。
【0008】さらにプランジャの軸線方向他端部を受圧ピストン部とすることができ、換言すれば、受圧ピストン部の軸線方向一方側には、弁箱本体などによって支持される部分を設ける必要なく、プランジャ自体の軸線方向寸法を短くすることができる。さらに受圧ピストン部の軸線方向一方側には、内挿部材をプランジャに内挿することによって第2流体室を規定することができ、従来の技術のように受圧ピストン部の両側の小径の部分を弁箱によって支持して流体室を規定する構成に比べて弁箱の軸線方向寸法を小さくすることができる。さらにたとえばプランジャを高精度で制御する必要があるときに、位置検出センサなどを設けても、この位置センサは、内挿部材内に収納して設けるようにすることが可能である。
【0009】請求項2記載の本発明は、プランジャの軸線方向両端部間の中間部の弁箱本体に支持される外周部、および弁箱本体のプランジャの軸線方向両端部間の中間部を支持する内周部のうち少なくともいずれか一方には、複数のシール部材を組合わせて構成される第1シール体が設けられることを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、弁箱およびプランジャの支持および被支持関係にある部分の少なくとも一方には、第1シール体が設けられ、この第1シール体は、複数のシール部材を組合わせて構成される。これによって各シール部材の相互作用によって、たとえば1つのOリングだけで実現されるシール体を用いる場合にシールが達成されない程度に、弁箱とプランジャとの隙間が大きくても、シールを達成することができる。
【0011】請求項3記載の本発明は、内挿部材のプランジャに内挿される部分の外周部、およびプランジャの内挿部分が内挿される部分の内周部のうち少なくともいずれか一方には、複数のシール部材を組合わせて構成される第2シール体が設けられることを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、内挿部材およびプランジャの内挿および被内部関係にある部分の少なくとも一方には、第2シール体が設けられ、この第2シール体は、複数のシール部材を組合わせて構成される。これによって各シール部材の相互作用によって、たとえば1つのOリングだけで実現されるシール体を用いる場合にシールが達成されない程度に、内挿部材とプランジャとの隙間が大きくても、シールを達成することができる。
【0013】請求項4記載の本発明は、蓋体には、弁箱本体の軸線方向他端部に臨む開口を有するねじ孔が形成され、回動操作によって前記開口から突出可能にねじ部材が螺着されることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、蓋体にねじ部材が螺着されて設けられており、このねじ部材は、回動操作することによって弁箱本体の軸線方向他端部に臨むねじ孔の開口から突出させることができる。これによって流量制御弁のメンテナンスをするにあたって蓋体を弁箱本体から取外すとき、ねじ部材を回動操作して前記開口から突出させ、ねじ部材の先端部を弁箱本体の軸線方向他端部に当接支持させて、逆に蓋体を弁箱本体から離反する方向に変位駆動することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の流量制御弁25を示す断面図である。流量制御弁25は、鍛造プレス機などの高速で動作する必要のある機械などへの、作動流体の供給を制御するために用いられる。鍛造プレス機は、たとえば20ミリ秒でフルストロークの往復動作を行い、このように鍛造プレス機を高速で動作させるために、流量制御弁25は、たとえば9000リットル/分程度の大流量の作動流体を制御する。作動流体は、たとえば作動油である。この流量制御弁25は、弁箱26と、内挿部材27と、プランジャ28とを含んで構成される。弁箱26は、弁通路29および弁座30が形成される弁箱本体31、および弁箱本体31の軸線方向他端部を塞ぐ蓋体32を有する。内挿部材27は、軸線方向一端部33側の部分が、軸線方向他端部34側の部分よりも小さい外径に形成され、軸線方向他端部34が蓋体32に固定されて弁箱26内に設けられる。プランジャ28は、弁箱26内に設けられ、軸線方向に変位して弁座30に着座および離間して弁通路29を開閉する。
【0016】プランジャ28は、スリーブ状であって、軸線方向一端部35および軸線方向両端部35,36間の軸線方向中間部37が、軸線方向他端部36よりも小さい外径に形成され、軸線方向他端部36を蓋体32寄りに配置して設けられる。プランジャ28の軸線方向他端部36は、外周部が弁箱本体31の内周部によって軸線方向に変位自在にかつ密に支持されるとともに、内挿部材27の軸線方向一端部33側の部分が密に内挿され、プランジャ28の軸線方向両端部35,36間の軸線方向中間部37は、軸線方向他端部36から間隔をあけた位置の外周部が弁箱本体31によって軸線方向に変位自在にかつ密に支持される。
【0017】プランジャ28の軸線方向他端部36および軸線方向中間部37と、弁箱本体31によって第1流体室38が規定され、プランジャ28の軸線方向他端部36と、弁箱本体31と、内挿部材27とによって第2流体室39が規定される。第1および第2流体室38,39に選択的にパイロット流体が供給されて、プランジャ28が軸線方向に変位し、プランジャ28の軸線方向一端部35が弁座30に着座および離間して、弁通路29を開閉する。パイロット流体は、たとえばパイロット油である。
【0018】弁箱本体31は、軸線方向一端部側の部分である第1ハウジング40と軸線方向他端部側の部分である第2ハウジング41とを有する。第1ハウジング40は、軸線方向に貫通する略円柱状の貫通孔42が形成されるスリーブ状である。第1ハウジング40の内周部は、軸線方向一端部43で半径方向内方に突出して周方向全周に延びる凸部45が形成されるとともに、軸線方向他端部44で端面に向かうにつれて拡開する。また第1ハウジング40には、凸部45に軸線方向他端部44寄りに隣接して、半径方向に貫通する複数の透孔46が形成されている。この第1ハウジング40の貫通孔42に臨む内周面は、半径方向内方に突出する凸部45、および軸線方向他端部で端面に向かって拡開する軸線方向他端部44を除いて、直円筒面に形成される。
【0019】第1ハウジング40の貫通孔42の軸線方向一端部43寄りの一部分と、各透孔46とによって、弁通路29が構成される。貫通孔42の弁通路29を構成する部分は、第1ハウジング40の各透孔46が形成される領域から軸線方向一端部43側の部分に外囲されている部分である。この弁通路29は、貫通孔42の軸線方向一端部43における開口から成る第1ポート47と、各透孔46の外部に開放する開口から成る第2ポート48とを有する。この弁通路29の中途部に臨む凸部45の軸線方向他端部44寄りの部分に周方向に延びる環状の弁座30が形成される。このように第1ハウジング40に、弁通路29およびこれに関連して弁座30が形成される。
【0020】第2ハウジング41は、軸線方向に貫通する略円柱状の貫通孔50が形成されるスリーブ状である。第2ハウジング41の軸線方向一端部51には、半径方向内方側で貫通孔50に連通し、軸線方向に開放する凹所64が形成されている。第2ハウジング41の貫通孔に臨む内周面は、凹所64寄りの端領域および軸線方向中間部の軸線方向他端部よりの一部の領域が半径方向外方に退避し、これら領域を除いて直円筒面に形成される。
【0021】第1および第2ハウジング40,41は、貫通孔50および凹所64に嵌まり込むように、第2ハウジング41の軸線方向一端部51に、第1ハウジング40の軸線方向他端部44を部分的に挿入して設けられる。このとき各貫通孔42,50が同軸に配置され、シールを達成して密な状態で、たとえばボルトによって着脱可能に装着される。
【0022】これら第1および第2ハウジング40,41を有する弁箱本体31は、内周面が大略的にみて、第1ハウジング40による小径の領域と第2ハウジング41による大径の領域との2段になるように構成される。このように弁箱本体31は、軸線方向一端部側が軸線方向他端部側に比べて、内周面が小径に形成され、弁箱本体31の軸線方向一端部に相当する第1ハウジング40の軸線方向一端部およびその付近に、弁通路29および弁座30が形成されている。
【0023】蓋体32は、蓋部材53と、カバー台54と、カバー部材55とを有する。蓋部材53は、外形が第2ハウジング41の外形と同様に形成される肉圧の板状である。蓋部材53は、中央部に軸線方向に貫通する貫通孔56が形成されるとともに、軸線方向一端部58側に、貫通孔56よりも内周面の内径が大きく、半径方向内方側で貫通孔56連なり、軸線方向に開放する円環状の凹所57が形成される。この蓋部材53は、軸線方向一端部58を第2ハウジング41の軸線方向他端部52に突き合わせて、たとえばボルトによって着脱可能に装着される。このように蓋部材53が第2ハウジング41に装着された状態で、蓋部材53の貫通孔56および凹所57は、第2ハウジング41の貫通孔50と同軸に配置される。また蓋部材53の凹所57の内周面は、第2ハウジング2の貫通孔50の内周面に、滑らかに連なっている。
【0024】カバー台54は、軸線方向に貫通する貫通孔60が形成され、蓋部材53の軸線方向他端部59に、たとえばボルトによって着脱可能に装着される。カバー部材55は、有底円筒状であって、開放端側をカバー台54に突き合わせて、たとえばボルトによって着脱可能に装着される。カバー部材55の内部空間61はカバー台54の貫通孔60と連通している。このような蓋体32によって、弁箱本体31は、その軸線方向他端部に相当する第2ハウジング41の軸線方向他端部52が塞がれる。
【0025】内挿部材27は、軸線に沿って貫通孔63が形成されて、大略的に円筒形のスリーブ状に形成される。内挿部材の外周面は、大略的に軸線方向両端部33,34間の軸線方向中間部、具体的にはほぼ中央部で段差を有する2段の円筒面に形成され、上述のように軸線方向一端部33側の外径が軸線方向他端部34側の外径よりも小さく形成されている。また内挿部材27の軸線方向一端部33には、外周部に周方向全周に延びる嵌合溝65が形成され、内挿部材27の軸線方向一端部33側の部分は、嵌合溝65が形成される領域を除いて、外周面が直円筒面に形成される。また内挿部材27の軸線方向他端部34側の部分には、外周部に周方向全周に延びる嵌合溝66が形成され、内挿部材27の軸線方向他端部34側の部分は、嵌合溝66が形成される領域を除いて、外周面が直円筒面に形成される。内挿部材27の貫通孔63に臨む内周面は、軸線方向両端部33,34間の軸線方向中間部、具体的に軸線方向一端部33寄りの位置で段差を有する2段の円筒面に形成され、軸線方向一端部33側の内径が軸線方向他端部34側の内径よりも小さく形成されている。
【0026】内挿部材27は、弁箱26、具体的には第1および第2ハウジング40,41の貫通孔42,50と同軸となるように配置され、軸線方向他端部34が蓋部材53の凹所57に嵌まり込んだ状態で、たとえばボルトによって蓋部材53に着脱可能に装着される。この内挿部材27の軸線方向他端部34側における外周面は、第2ハウジング41の軸線方向他端部52の内周面にも臨み、この領域に上述の嵌合溝66が形成されている。の嵌合溝66に環状のシール部材が嵌合されて設けられ、これら対向する内挿部材27の外周面と第2ハウジング41の内周面との間は、シールが達成されて、密に保たれている。また内挿部材27の貫通孔63に臨む軸線方向他端部34側の内周面は、蓋部材53の貫通孔56の臨む内周面に滑らかに連なっている。
【0027】プランジャ28は、軸線方向に貫通する貫通孔68が形成されて、スリーブとされている。このプランジャ28の軸線方向中間部37の外周部に周方向全周に延びる嵌合溝69が形成されている。プランジャ28の軸線方向一端部35および軸線方向中間部37の外周面は、嵌合溝69が形成される領域を除いて直円筒面に形成される。プランジャ28の軸線方向他端部36の外周面は、軸線方向中間部37寄りの端領域で、軸線方向中間部37に向かうにつれて縮径する略円錐台状に形成され、この端領域を除いて円筒面に形成される。このようなプランジャ28の外周面は、軸線方向一端部35および軸線方向中間部37の外径が軸線方向他端部36の外径よりも小さく形成され、貫通孔68の臨む内周面は、外周面とほぼ対応するように、軸線方向他端部36付近の内径が、その他の領域の内径寄りも大きく形成されている。
【0028】このプランジャ28は、軸線方向一端部35および軸線方向中間部37の嵌合溝69を除く円筒の外周面の外径が、第1ハウジング40の一端部44および凸部45を除く領域の円筒の内周面の内径よりも少し小さい寸法に形成されており、プランジャ28は、第1ハウジング40によって軸線方向に円滑に案内される。プランジャ28の嵌合溝69には、環状の第1シール体70が嵌合されて設けられ、プランジャ28の外周部と第1ハウジング40の内周部との間は、シールが達成されて、密に保たれる。これによってプランジャ28は、軸線方向中間部37の外周部が、第1ハウジング40の内周部によって、円滑に案内されて軸線方向に変位自在にかつシールを達成して密に支持される。
【0029】またプランジャ28は、軸線方向他端部36の軸線方向中間部37寄りの端領域を除く円筒の外周面の外径が、第2ハウジング41の上述の外方に退避する一部領域を除く円筒の内周面の内径とほぼ同一であって、相互に摺動可能でかつシールが達成できる程度にわずかに小さい寸法に形成されている。これによってプランジャ28は、軸線方向他端部36の外周部が、第2ハウジング41の内周部によって、円滑に案内されて軸線方向に変位自在にかつシールを達成して密に支持される。
【0030】さらにプランジャ28は、軸線方向他端部35が、軸線方向中間部37寄りの端領域を除いて、内周面が直円筒面に形成され、この内周面の内径が、内挿部材27の嵌合溝65を除く軸線方向一端部33側の円筒の外周面の外径よりも大きい寸法に形成されており、プランジャ28内に、内挿部材27が緩やかに内挿される。内挿部材27の嵌合溝65には、環状の第2シール体71が嵌合されて設けられ、プランジャ28の内周部と内挿部材27の外周部との間は、シールが達成されて、密に保たれる。これによってプランジャ28は、軸線方向他端部36に、内挿部材27が密に内挿され、貫通孔68が軸線方向他端部で、内部の容積を変化可能に塞がれる。
【0031】上述のように、第1ハウジング40の軸線方向他端部44の内周部が拡開して形成され、かつプランジャ28の軸線方向他端部36の軸線方向中間部37寄りの端領域が縮径して形成されているので、プランジャ28が弁箱26内に設けられた状態で、少なくとも第1および第2ハウジング40,41の各内周部の突き合わされる部分付近では、プランジャ28から離間している。したがってプランジャ28の軸線方向中間部37は、軸線方向他端部36から離間した位置で支持され、プランジャ28が上述のシール状態で設けられて、プランジャ28の軸線方向他端部36および軸線方向中間部37と、弁箱本体31によって、密に仕切られる第1流体室38が規定される。またプランジャ28の軸線方向他端部36と、弁箱本体31と、内挿部材27とによって、密に仕切られる第2流体室39が規定される。
【0032】また内挿部材27の貫通孔63の軸線方向一端部寄りの領域と、蓋部材53の貫通孔56とによって形成される空間に収容されて位置検出センサ75が設けられる。プランジャ28には、棒状の作動片76がその軸線方向一端部で固定され、この作動片76の軸線方向他端部は、位置検出センサ75内に挿入されている。
【0033】プランジャ28には、軸線方向他端部36と軸線方向中間部37との境目付近に、貫通孔68内に取付部77が設けられる。取付部77は、貫通孔68関して取付部77の軸線方向両側の各領域が連通する状態で設けられる。この取付部7に、作動片76の軸線方向一端部が固定され、この作動片76は、プランジャ28と同軸に設けられる。
【0034】内挿部材27には、貫通孔63の軸線方向一端部33側の領域に、円筒状の取付部材79がシールを達成して嵌着して設けられ、この取付部材79に位置検出センサ75が固定されている。作動片76は、取付部材79を軸線方向に変位自在に挿通し、位置検出センサ75に挿脱自在に挿入される。また取付部材79は、シールを達成した状態で、作動片76を軸線方向に変位自在に支持している。したがって内挿部材27の貫通孔63は、軸線方向一端部33でシールを達成して塞がれている。
【0035】内挿部材27は、上述のように弁箱26に固定されており、プランジャ28が弁箱26に対して変位し、これに伴って作動片76が変位すると、内挿部材27に設けられる位置検出センサ75に対する作動片76の位置、具体的には挿入長が変化する。位置検出センサ75は、この作動片76の位置を検出することによって、プランジャ28の弁箱26に対する位置を検出することができる。位置検出センサ75は、ケーブル80によってカバー部材55に設けられるコネクタ81に電気的に接続され、このコネクタ81を介して制御手段82に電気的に接続されている。
【0036】また第2ハウジング41には、内周面が半径方向外方に退避した凹所64寄りの端領域で内部空間50に開口する第1流体通路85が形成されている。さらに第2ハウジング41には、内周面が半径方向外方に退避した軸線方向中間部の軸線方向他端部52寄りの一部の領域で内部空間50に開口する第2流体通路86が形成されている。第2ハウジング41の第1流体通路85が開口する領域は、第1流体室38に臨む領域であって、したがって第1流体通路85は、第1流体室38に連なり、第2ハウジング41の第2流体通路86が開口する領域は、第2流体室39に臨む領域であって、したがって第2流体通路86は、第2流体室39に連なる。
【0037】流量制御弁25は、鍛造プレス機に作動流体を供給して駆動する駆動装置の機体87に装着されて設けられる。流量制御弁25は、弁箱26の軸線方向一端部側から、したがって弁通路29が形成される側から機体87に部分的に挿入されて、シールが達成された密な状態で、たとえばボルトによって着脱可能に装着される。機体87には、タンクおよびタンクに貯留される作動油を汲み上げて吐出するポンプを備える図示しない作動流体の供給源に接続される一方の作動流体流路88と、鍛造プレス機に接続される他方の作動流体流路89とが形成されており、流量制御弁25は、これら各作動流体流路88,89間に介在される。具体的には、弁通路29は、第1ポート47によって一方の作動油流路88に接続され、第2ポート48によって他方の作動油流路89に接続される。
【0038】また駆動装置は、上記作動流体の供給源と、制御手段82とを備え、これに加えて、タンク90およびポンプ91を備えるパイロット流体の供給源と、サーボ弁などによって実現される切換弁92とをさらに含む。パイロット流体の供給源は、作動流体の供給源がこれを兼ねてもよく、また別に構成してもよい。さらにポンプだけを個別に備え、タンクを共用する構成であってもよい。ポンプ91は汲み上げポンプ流路を介してタンク90から油をパイロット油として汲み上げ、吐出ポンプ流路120に吐出する。
【0039】機体87には、第1流体通路85に接続される第1パイロット流路93と、第2流体通路86に接続される第2パイロット流路94とが形成されており、これら第1および第2パイロット流路93,94と、吐出ポンプ流路120およびタンク90に接続されるタンク流路121との間に切換弁92が設けられる。この切換弁92は、制御手段82からの指令振動に基づいて動作する電磁式の4ポート2位置切換弁であり、各流路93〜96の接続状態を切り換える。
【0040】切換弁92が第1位置にあるときには、吐出ポンプ流路120と第2パイロット流路94とが接続され、タンク流路121と第1パイロット流路93とが接続される。この接続状態では、第2流体室39にパイロット流体が供給されて、そのパイロット圧によってプランジャ28が弁座30に着座する方向に変位され、プランジャ28が弁座30に着座して弁通路29が閉鎖され、作動流体の鍛造プレス機への供給が停止される。
【0041】切換弁92が第2位置にあるときには、吐出ポンプ流路120と第1パイロット流路93とが接続され、タンク流路121と第2パイロット流路94とが接続される。この接続状態では、第1流体室38にパイロット流体が供給されて、そのパイロット圧によってプランジャ28が弁座30に離間する方向に変位され、プランジャ28が弁座30に離間して弁通路29が開放され、作動流体が鍛造プレス機へ供給される。
【0042】このような弁通路29を開閉するために切換弁92の切換動作を指令する制御手段82は、鍛造プレス機の予め定める動作のための制御パターンと、位置検出センサ75によるプランジャ28の位置の検出結果とを、比較演算処理して、プランジャ28を変位させるように切換弁92に指令信号を与える。これによってプランジャ28が正確に制御され、作動流体の鍛造プレス機への供給制御が正確に行われる。したがって鍛造プレス機が正確に駆動される。
【0043】このような本実施の形態によれば、プランジャ28は、大径の軸線方向他端部36の外周部が弁箱本体31の大径の第2ハウジング41の内周部に変位自在にかつ密に支持されるとともに、小径の軸線方向中間部37の外周部が軸線方向他端部36から間隔をあけた位置で弁箱本体31の小径の第1ハウジング40の内周部に変位自在にかつ密に支持される。このように弁箱本体31の内径が異なる各部分、すなわち第1および第2ハウジング40,41によって、プランジャ28の外径の異なる各部分、すなわち軸線方向他端部36および軸線方向中間部37をそれぞれ密に支持し、弁箱本体31によってプランジャ28が案内される。
【0044】またプランジャ28の軸線方向他端部36には、蓋体32に装着される内挿部材27の軸線方向一端部33側の部分が密に内挿され、プランジャ28の大径となる軸線方向他端部36の軸線方向両側に、第1および第2流体室38,39を規定することができる。これによってこのプランジャ28の軸線方向他端部36をパイロット流体によるパイロット圧を受ける受圧ピストン部とすることができ、パイロット流体によってプランジャ28が駆動され、プランジャ28が変位して弁箱本体31の弁座30に着座および離間し、弁通路29を開閉することができる。
【0045】したがって上記のようにプランジャ28を支持する弁箱本体31は、蓋体を取外すことによって開放される軸線方向他端部側の第2ハウジング41が軸線方向一端部側の第1ハウジング40より大径として、プランジャ28のパイロット流体による駆動を実現することができる。このように弁箱本体31を、軸線方向他端部が大径となるように構成することによって、弁箱本体31を分解することなく、蓋体32を取外すだけの分解で、プランジャ28を弁箱26から、具体的には弁箱本体31から取出すことができる。したがってプランジャ28の取り出しが容易であり、当然メンテナンス性が良好になる。しかもこのような軸線方向他端部36を受圧ピストン部として機能させるプランジャ28であっても、内挿部材27を内挿して支持することによって、スリーブ状のプランジャ28として、閉息された独立した空間が形成されることを防止して、プランジャの変位を損なわないようにするためのプランジャ28の貫通孔68が、第1および第2流体室38,39と連通しないようにすることができる。
【0046】さらにプランジャ28の軸線方向他端部36に受圧ピストン部を形成することによって、換言すれば、受圧ピストン部の一方側には、弁箱26などによって支持される部分を設ける必要がなく、プランジャ自体の軸線方向寸法を短くすることができる。さらに受圧ピストン部の軸線方向一方側には、内挿部材27をプランジャ28に内挿することによって第2流体室39を規定することができ、従来の技術のように受圧ピストン部の両側の小径の部分を弁箱によって支持して流体室を規定する構成に比べて弁箱26の軸線方向寸法を小さくすることができる。したがって流量制御弁25の軸線方向寸法を小さくすることができる。さらにプランジャ28を高精度で制御するために位置検出センサ75を設けても、この位置検出センサ75は、固定的に装着される内挿部材27内に収納するようにして設けることが可能である。詳細には、位置検出センサ75は、変位しない部材に設ける必要があり、従来の技術では、弁箱しか設ける部材がなく、弁箱外部に設けられたが、流量制御弁25では、プランジャ28内に部分的に挿入される内挿部材27に位置検出センサ75を設けることが可能になり、弁箱26内に設けることが可能になる。このように位置検出センサ75を設けるとしても弁箱26から大きく突出することがなく、従来の構成において位置検出センサ75を設ける場合と比較して、流量制御弁25の軸線方向寸法を格段に小さくすることができる。
【0047】図2は、図1のセクションIIを拡大して第1シール体70を示す断面図である。プランジャ28に形成される嵌合溝69は、周方向に垂直な断面形状が長方形状である。この嵌合溝69に嵌まり込んで第1シール体70が設けられる。複数のシール部材、具体的には、Oリング95、摺動リング96、および2つのバックアップリング97,98を組み合わせて構成される。
【0048】Oリング95は、円環状リングであり、大きな変形量で弾性変形することが可能であり、大きな弾性回復力を発揮することができる。摺動リング96は、円環状リングであり、摩擦抵抗が小さい。一方のバックアップリング97は、円環状リングであり、周方向一箇所で分断されている。またバックアップリング97には、軸線方向両側の表面部に、図示しない複数の凹所が、それぞれ形成されている。他方のバックアップリング98は、一方のバックアップリング97と同様の構成を有するので重複を避けて説明を省略する。
【0049】これら各シール部材95〜98は、全て同軸に配置される。Oリング95は、摺動リング96に内嵌されるように配置され、各バックアップリング97,98は、Oリング95および摺動リング96を軸線方向両側から挟むように配置される。このように各シール部材95〜98が配置されて組合わせられ、第1シール体70が構成される。このような第1シール体70が凹溝69に嵌まり込んで設けられる。このときOリング95は大きく変形され、摺動リング96は、Oリング95の大きな弾性変形に伴う大きな弾性回復力で、第1ハウジング40の内周面に大きな押圧力で弾発的に当接する。またOリング95は、上述のような大きな弾性回復力による大きな押圧力で、摺動リング96および凹溝69の底面99に弾発的に当接する。
【0050】このように、プランジャ28の軸線方向両端部35,36間の軸線方向中間部37の弁箱本体31に支持される外周部、および弁箱本体31のプランジャ28の軸線方向両端部35,36間の軸線方向中間部37を支持する内周部のうち少なくともいずれか一方、本実施の形態では、プランジャ28の嵌合孔69に嵌合されて、第1シール体70が設けられる。嵌合溝69の底部側にOリング95が配置され、嵌合溝69の開放端側に摺動リング96が配置される。したがって摩擦抵抗が小さい摺動リング96が第1ハウジング40に摺動され、Oリング95は摺動することなく、大きな弾性回復力を発揮する。摺動リング96によって、第1ハウジング40に対して、円滑に摺動することができるようにするとともに、摩耗を少なくし、またOリング95によってOリング95および摺動リング96を相互にかつ第1ハウジング40およびプランジャ28に大きな押圧力で当接させることができる。これによって各シール部材95,96の相互作用によって第1ハウジング40とプランジャ28との相対的な変位に対する抵抗が大きくなることが防がれた状態で、高いシール性を達成することができる。したがって弁箱26およびプランジャ28の同軸度が低いなど、精度が低くなって、弁箱26とプランジャ28との隙間ΔTが、たとえば100μm程度に大きくなっても、シールを達成することができ、弁箱26およびプランジャ28に高い加工精度が不要となり、加工が容易になって生産性が向上される。
【0051】また逆に考えれば、弁箱26とプランジャ28との間の隙間を故意に大きくすることも可能であって、弁箱26に対するプランジャ28の変位を容易にし、応答性を向上することができる。したがって本実施の形態のように大流量の流体を制御する場合に特に、高い応答性を得ることができるので、高精度の制御が可能になる。
【0052】また第1シール体70は、バックアップリング97,98を備えており、Oリング95および摺動リング96を、相互のずれを防止して上記のような作用効果を達成できる配置状態に保持することができ、上述の効果を確実に達成することができる。各バックアップリング97,98は、周方向一箇所で分断されており、嵌合溝69に容易に嵌合できるとともに、高い加工精度を必要としない。また各バックアップリング97,98は、潤滑のための油を各凹所に貯めておくことができる。
【0053】また第2シール体71は、第1シール体70を構成する各シール部材95〜98と同様の複数のシール部材を同様に組み合わせて構成される。この第2シール体71は、シールすべき隙間を形成する部材が、プランジャ28に代えて、内挿部材27であり、第1ハウジング40に代えて、プランジャ28である点を除いて、第1シール体70と同様の構成であるので、各シール部材の詳細な説明を省略し、以下、第2シール体71の作用および効果を説明するときには、第2シール体71の各シール部材にも、第1シール体70の各シール部材と同一の符号を用いる。
【0054】内挿部材27の軸線方向一端部33側の部分のプランジャ28を支持する外周部、およびプランジャ28の軸線方向他端部36の内挿部材27に支持される内周部のうち少なくともいずれか一方、本実施の形態では、内挿部材27の嵌合孔65に嵌合されて、第2シール体71が設けられる。詳しく述べると、嵌合溝65の底部側にOリング95が配置され、嵌合溝69の開放端側に摺動リング96が配置される。したがって摩擦抵抗が小さい摺動リング96がプランジャ28に摺動され、Oリング95は摺動することなく、大きな弾性回復力を発揮する。したがって第1シール体70と同様に、内挿部材27とプランジャ28との相対的な変位に対する抵抗が大きくなることが防がれた状態で、高いシール性を達成することができる。したがって内挿部材27およびプランジャ28の同軸度が低いなど、精度が低くなって、内挿部材27とプランジャ28との隙間が、たとえば100μm程度に大きくなっても、シールを達成することができる。したがって内挿部材27およびプランジャ28に高い加工精度が不要となり、加工が容易になって生産性が向上される。
【0055】また逆に考えれば、内挿部材27とプランジャ28との間の隙間を故意に大きくすることも可能であって、内挿部材27に対するプランジャ28の変位を容易にし、応答性を向上することができる。したがって本実施の形態のように大流量の流体を制御する場合に特に、高い応答性を得ることができるので、高精度の制御が可能になる。
【0056】第2シール体71もまた、第1シール体70と同様に、バックアップリング97,98を備えており、これによる効果を同様に達成することができる。
【0057】また蓋体32の蓋部材52には、軸線方向に貫通し、内ねじが刻設されるねじ孔110が形成される。蓋部材53の軸線方向一端部58寄りとなるねじ孔110の一方の開口112は、弁箱本体31の軸線方向他端部に相当する第2ハウジング41の軸線方向他端部52に臨んでおり、蓋部材53の軸線方向他端部59寄りとなるねじ孔110の他方の開口113は、外部に開放されている。このねじ孔110内に嵌入される状態でいわば内臓されて、ねじ部材111が蓋体に螺着されている。このねじ部材111には、ねじ孔110の内ねじに螺合する外ねじが刻設されており、軸線まわりの回動操作によって一方の開口112から突出可能である。このねじ部材111は、たとえば開放される開口113寄りの端部に6角穴が形成されるボルトによって実現され、6角レンチによって外部から回動操作できる。
【0058】このように蓋体32にねじ部材111が螺着されて内臓されて設けられており、このねじ部材111は、回動操作することによってねじ孔の一方の開口112から突出させることができる。これによって流量制御弁25のメンテナンスをするにあたって蓋体32を弁箱本体31から取外すとき、ねじ部材111を回動操作して一方の開口112から突出させ、ねじ部材111の先端部である開口112寄りの端部を第2ハウジング41の軸線方向他端部52に当接支持させて、逆に蓋体32を弁箱本体31から離反する方向に変位駆動することができる。これによって蓋体32を弁箱本体31から容易に取外し、容易に分解することができる。したがってメンテナンス性が向上される。しかもこのねじ部材111は、蓋体32に螺着された状態で内臓されて設けられており、上記のような蓋体32の取外し作業にあたってねじ部材111を別途に準備する必要がない。
【0059】上述の実施の形態は、本発明の例に過ぎず、形状、寸法および材質などを、本発明の範囲内において変更することが可能である。たとえば流量制御弁25は、鍛造プレス機以外の他の機械への作動流体の供給制御をするために用いてもよい。また第1シール体70に代えて、またはこれに付加して、同様の第1シール体をハウジング40に嵌合溝を形成して設けてもよく、また第2シール体71に代えて、またはこれに付加して、同様の第2シール体をプランジャ28に嵌合溝を形成して設けてもよい。
【0060】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、プランジャを軸線方向他端部を大径にし、弁箱本体は、プランジャの軸線方向他端部が収納される軸線方向他端部側の内径を大径とし、弁箱本体を分解することなく、蓋体を取外すだけで、プランジャを弁箱から取出し可能とすることができる。したがってプランジャの取り出しが容易であり、当然メンテナンス性が良好になる。しかもこのような軸線方向他端部を受圧ピストン部として機能させるプランジャであっても、内挿部材を内挿し、プランジャによって、独立した空間が形成されることを防止して、プランジャの変位を損なわないようにするためのプランジャ内の孔が、第1および第2流体室と連通しないようにすることができる。
【0061】さらにプランジャの受圧ピストン部の軸線方向一方側には、弁箱などによって支持される部分を設ける必要がなく、プランジャ自体の軸線方向寸法を短くすることができる。さらに加えて内挿部材をプランジャ内挿して第2流体室を規定し、弁箱の軸線方向寸法を小さくすることができる。したがって流量制御弁の軸線方向寸法を小さくすることができる。さらにとえば、プランジャを高精度で制御する必要があるときに、位置検出センサなどを設けても、この位置検出センサは、固定される内挿部材内に収納するようにして設けることが可能であり、仮に位置検出センサを設けるとしても弁箱から大きく突出することがなく、従来の構成において位置検出センサを設ける場合と比較して、流量制御弁の軸線方向寸法を格段に小さくすることができる。
【0062】請求項2記載の本発明によれば、弁箱とプランジャとの隙間が大きくても、したがって弁箱の内径とプランジャの外径との直径差が大きくても、シールを達成することができる。したがって弁箱よびプランジャの同軸度が低いなど、精度が低くても、シールを達成することができる。
【0063】請求項3記載の本発明によれば、内挿部材とプランジャとの隙間が大きくても、したがって内挿部材の外径とプランジャの内径との直径差が大きくても、シールを達成することができる。したがって内挿部材およびプランジャの同軸度が低いなど、精度が低くても、シールを達成することができる。
【0064】請求項4記載の本発明によれば、ねじ部材を回動操作して前記開口から突出させ、ねじ部材の先端部を弁箱本体の軸線方向他端部に当接支持させて、逆に蓋体を弁箱本体から離反する方向に変位駆動することができ、蓋体を弁箱本体から容易に取外し、容易に分解することができる。したがってメンテナンス性が向上される。しかもこのねじ部材は、蓋体に螺着された状態で設けられており、上記のような蓋体の取外し作業にあたってねじ部材を別途に準備する必要がない。
【出願人】 【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【出願日】 平成11年10月15日(1999.10.15)
【代理人】 【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎 (外3名)
【公開番号】 特開2001−116163(P2001−116163A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−294436