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【発明の名称】 電磁弁
【発明者】 【氏名】佐 藤 秀 治

【氏名】松 本 拓 実

【要約】 【課題】主弁部とソレノイド部とを螺子を使用しない簡単な結合手段によって簡単かつ強固に連結した電磁弁を得る。

【解決手段】ソレノイド組立体2に少なくとも一対のフック47,47を形成し、主弁部組立体1のケーシング5には、上記各フック47が嵌入する複数のフック挿入孔48と、コ字形をした固定金具3を挿入するためのコ字形の金具挿入孔50とを形成し、さらに上記固定金具3には、2つの側板部分3a,3aの先端にそれぞれ上記フック47に係合する係合部51を設けると共に、底板部分3bに上記金具挿入孔50の底孔部分50bに形成された金具受け52に圧接する当接部53を形成し、該固定金具3を上記金具挿入孔50に挿入して上記係合部51をフック47に係止させると共に当接部53を金具受け52に圧接させることにより、上記主弁部組立体1とソレノイド組立体2とを該固定金具3で一体に連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ケーシングに複数のポートと、これらのポート同士を結ぶ流路中に位置する少なくとも一つの弁座と、該弁座を開閉する弁部材とを設けた主弁部組立体;上記弁部材を開閉させる可動鉄心と、該可動鉄心を駆動する磁気手段とを備えたソレノイド組立体;及びこれらの主弁部組立体とソレノイド組立体とを一体に連結するための固定金具;からなり、上記ソレノイド組立体は、上記主弁部組立体と接合する接合面上の相対する位置に少なくとも一対のフックを有し、上記主弁部組立体のケーシングには、上記ソレノイド組立体との接合面に、上記各フックが嵌入する複数のフック挿入孔が設けられると共に、側面に、上記固定金具を挿入するためのコ字形をした金具挿入孔が上記フック挿入孔と連なるように設けられ、上記固定金具は、断面略コ字形をなしていて、相対する2つの側板部分と、これらの側板部分の一端同士を連結する底板部分とを有し、上記2つの側板部分の先端にはそれぞれ上記フックに係合する係合部が設けられ、また底板部分には、上記金具挿入孔の底孔部分に形成された金具受けに圧接する当接部が設けられていて、該固定金具を上記金具挿入孔に挿入して上記係合部をフックに係止させると共に当接部を金具受けに圧接させることにより、上記主弁部組立体とソレノイド組立体とが該固定金具で一体に連結されている、ことを特徴とする電磁弁。
【請求項2】請求項1に記載の電磁弁において、上記ソレノイド組立体の磁気手段が、磁束の通路を形成するコ字形の磁気フレームを有していて、該磁気フレームの相対する2つの側枠部分の先端部にそれぞれ上記フックが一体に形成されていることを特徴とするもの。
【請求項3】請求項2に記載の電磁弁において、上記磁気フレームの2つの側枠部分にそれぞれフックが一対ずつ形成されていることを特徴とするもの。
【請求項4】請求項1から3までの何れかに記載の電磁弁において、上記主弁部組立体が、弁部材を付勢する復帰用弁ばねを支持させるためのばね座を有し、このばね座が上記金具挿入孔の底孔部分を跨ぐ位置に配設され、上記固定金具が、底板部分に上記ばね座が嵌合、係止する略U字形の切欠を有していて、該ばね座を上記取付位置に保持するためのばね座押さえを兼ねていることを特徴とするもの。
【請求項5】請求項1から4までの何れかに記載の電磁弁において、上記主弁部組立体が、側面両側端寄りの位置に、上記金具挿入孔の相対する2つの側孔部分に近接するボルト用固定孔を有すると共に、上記側孔部分と重なる位置にボルト頭が圧接する座面を有し、上記固定金具が剛性ある金属素材により形成されていて、該固定金具の側板部分の端縁がこの座面の高さに揃えられることにより、該側板部分の端縁で座面の一部が形成されていることを特徴とするもの。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソレノイドによって弁部材の開閉操作を行う電磁弁に関するものであり、更に詳しくは、主弁部とソレノイド部とを螺子を使用しない簡単な結合手段によって強固に連結できるようにした電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電磁弁は、主弁部とソレノイド部とからなっていて、主弁部に複数のポートと、これらのポート同士を結ぶ流路中に位置する少なくとも一つの弁座と、各弁座を開閉する弁部材とが設けられ、ソレノイド部には、上記弁部材を開閉させる可動鉄心と、該可動鉄心を駆動する磁気手段とが設けられている。そしてこれらの主弁部とソレノイド部とが別々に組み立てられ、複数の螺子で一体に連結されている。
【0003】しかしながら、上述したように主弁部とソレノイド部とを複数の螺子で結合する方法は、これらの主弁部とソレノイド部との相対応する位置にそれぞれ複数の螺子孔を穿設するスペースを確保しなければならないため、その分ケーシングが大きくなって電磁弁が大形化する。また、組み立てや分解等に当たって複数の螺子を回して着脱しなけらばならないため、その作業も面倒である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題は、電磁弁を構成する主弁部とソレノイド部とを螺子を使用しない簡単な結合手段によって簡便且つ強固に連結できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本発明の電磁弁は、ケーシングに複数のポートと、これらのポート同士を結ぶ流路中に位置する少なくとも一つの弁座と、該弁座を開閉する弁部材とを設けた主弁部組立体;上記弁部材を開閉させる可動鉄心と、該可動鉄心を駆動する磁気手段とを備えたソレノイド組立体;及びこれらの主弁部組立体とソレノイド組立体とを一体に連結するための固定金具;からなり、上記ソレノイド組立体は、上記主弁部組立体と接合する接合面上の相対する位置に少なくとも一対のフックを有し、上記主弁部組立体のケーシングには、上記ソレノイド組立体との接合面に、上記各フックが嵌入する複数のフック挿入孔が設けられると共に、側面に、上記固定金具を挿入するためのコ字形をした金具挿入孔が上記フック挿入孔と連なるように設けられ、上記固定金具は、断面略コ字形をなしていて、相対する2つの側板部分と、これらの側板部分の一端同士を連結する底板部分とを有し、上記2つの側板部分の先端にはそれぞれ上記フックに係合する係合部が設けられ、また底板部分には、上記金具挿入孔の底孔部分に形成された金具受けに圧接する当接部が設けられていて、該固定金具を上記金具挿入孔に挿入して上記係合部をフックに係止させると共に当接部を金具受けに圧接させることにより、上記主弁部組立体とソレノイド組立体とが該固定金具で一体に連結されていることを特徴とするものである。
【0006】このように本発明の電磁弁によれば、上記主弁部組立体とソレノイド組立体とを、固定金具だけで強固に連結することができ、従来の電磁弁のように螺子を使用する必要がないため、組み立て作業やメンテナンス時の分解作業等が非常に簡単である。
【0007】本発明の一つの具体的な実施形態によれば、上記ソレノイド組立体の磁気手段が、磁束の通路を形成するコ字形の磁気フレームを有していて、該磁気フレームの相対する2つの側枠部分の先端部にそれぞれ上記フックが一体に形成されている。この場合、上記2つの側枠部分にそれぞれフックを一対ずつ形成することもできる。
【0008】これにより、連結用のフックを個別に設ける場合に比べ、該フックを設置するための構成が簡単になるだけでなく、その設置強度も非常に大きくなり、連結時に該フックに大きな引っ張り力が作用しても、ソレノイド組立体から簡単に脱落するようなことがない。
【0009】本発明の他の具体的な実施形態によれば、上記主弁部組立体が、弁部材を付勢する復帰用弁ばねを支持させるためのばね座を有し、このばね座が上記金具挿入孔の底孔部分を跨ぐ位置に配設され、上記固定金具が、底板部分に上記ばね座が嵌合、係止する略U字形の切欠を有していて、該ばね座を上記取付位置に保持するためのばね座押さえを兼ねている。
【0010】本発明の更に他の具体的な実施形態によれば、上記主弁部組立体が、側面両側端寄りの位置に、上記金具挿入孔の相対する2つの側孔部分に近接するボルト用固定孔を有すると共に、上記側孔部分と重なる位置にボルト頭が圧接する座面を有し、上記固定金具が剛性ある金属素材により形成されていて、該固定金具の側板部分の端縁がこの座面の高さに揃えられることにより、該側板部分の端縁で座面の一部が形成されている。
【0011】このように、剛性ある金属素材からなる固定金具で座面の一部を形成することにより、ボルトを強く締め付けた時の座面の変形を防止することができると同時に、その変形に伴うボルトの緩みを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図は本発明に係る電磁弁の好ましい一つの実施形態を示すもので、この電磁弁は、主弁部組立体1と、ソレノイド組立体2と、それらを連結する略コ字形をした固定金具3とで構成されている。
【0013】上記主弁部組立体1は、鋳造等により形成された非磁性素材からなるケーシング5を有していて、該ケーシング5の第1側面5aには、圧縮空気の供給源に接続される入力ポートPと、エアシリンダ等のアクチュエータに接続される出力ポートAと、外部に排気される排出ポートRが設けられている。
【0014】上記ケーシング5内部には、入力ポートPと出力ポートAとを連通孔6を介して接続する流路に供給弁座7が、また出力ポートAと排出ポートRとを接続する流路に排出弁座8が、それぞれ同一軸線上において互いに相反する向きに設けられている。
【0015】また、上記供給弁座7が開口する供給弁室10内には、該供給弁座7を開閉する供給弁部材11が、ソレノイド組立体2の可動鉄心12に保持された状態で配設されている。さらに排出弁座8が開口する排出弁室13内には、該排出弁座8を開閉する排出弁部材14が、ばね座15との間に縮設した復帰用弁ばね16で排出弁座8を閉鎖する方向に付勢された状態に配設されている。図中17は、ばね座15の外周に取り付けられたシール部材である。
【0016】上記連通孔6内には、圧縮空気の流通を妨げないように押棒20が挿入されている。該押棒20の下端は、排出弁部材14に装着されたキャップ状の弁ホルダー21と一体化しており、押棒20の上端は、ソレノイド組立体2における可動鉄心12の下端に取付けられたキャップ22の下面に当接している。この押棒20は、上記可動鉄心12が下降して供給弁部材11が供給弁座7を閉鎖するときは、該可動鉄心12により押し下げられ、排出弁部材14を押し下げて排出弁座8を開放させる。一方、上記可動鉄心12が上動して供給弁部材11が供給弁座7を開放するときは、排出弁部材14の押圧を解くことにより弁ばねの付勢により押し上げられ、上記排出弁部材14で排出弁座8を閉鎖させる。
【0017】また、上記ケーシング5における上記第1側面5aと反対側の第2側面5bとの間には、左右両側端部寄りの位置に、電磁弁をコンジット等にボルトで固定するための2つの固定孔25,25が設けられており、これらの固定孔25の少なくとも第2側面5b側の端部には、それぞれ座ぐり加工により座面25aが形成されている。
【0018】上記ソレノイド組立体2は、ボビン27に巻いたコイル28と、該コイル28を取り囲むコ字形の磁気フレーム29と、該磁気フレーム29における左右の側枠部分29a,29aの先端部間に配設された磁気プレート30と、上記ボビン27の中心にある鉄心孔31の一端側に気密に固定され、上記磁気フレーム29と接触することにより該磁気フレーム29に磁気結合された固定鉄心32と、上記鉄心孔31の他側に摺動自在に挿入されて先端が磁気プレート30の孔から供給弁室10内に突出する上記可動鉄心12と、該可動鉄心12を固定鉄心32から離間する方向に付勢する復帰ばね33とを備えている。
【0019】上記可動鉄心12は、下端面に窪みを備え、該窪み内に、上記供給弁部材11と、該供給弁部材11を窪みから突出する方向に付勢する弁ばね36とが収容されている。また、該供給弁部材11が窪みから飛び出すのを防止するため、該可動鉄心12の下端の細径部には、合成樹脂等の弾性を持つ素材からなる上記キャップ22が取り付けられている。
【0020】上記ソレノイド組立体2の外面は合成樹脂性の封止材37により被覆されていて、その側面には端子台38が取り付けられ、この端子台38から上記コイル28に通じる受電端子39が突出している。
【0021】上記電磁弁において、コイル28が非通電のときは、図1の左半部に示すように可動鉄心12が固定鉄心32から離反し、供給弁部材11が弁ばね36の付勢力によって供給弁座7を閉鎖すると共に、押棒20で押圧された排出弁部材14が排出弁座8を開放し、出力ポートAと排出ポートRとが連通する。
【0022】そして、コイル28に通電すると、図1の右半部に示すように、可動鉄心12が復帰ばね33の付勢力に抗して固定鉄心32に吸着され、供給弁部材11が供給弁座7を開放すると共に、弁ばね36の付勢力によって排出弁部材14が排出弁座8を封鎖し、入力ポートPと出力ポートAとが連通する。
【0023】上記主弁部組立体1のケーシング5には、上記第2側面5bの上部中央位置に弁孔41が設けられ、この弁孔41内に手動操作ボタン42が設けられており、停電時等にこの手動操作ボタン42を押し込むことにより、可動鉄心12を後退させて電磁弁を手動で切換操作できるようになっている。図中43は手動操作ボタン42を復帰方向に弾発する復帰ばね、44はシール部材、45は手動操作ボタン42の動作範囲を規定するストッパーである。
【0024】上記主弁部組立体1とソレノイド組立体2とを固定金具3で連結するため、それらは次のように構成されている。先ず、上記ソレノイド組立体2には、図4から分かるように、上記主弁部組立体1と接合する接合面2a上の四隅の相対する位置に、互いに逆向きに延びる係止爪47aを備えた2対のフック47が突設されている。これらのフック47,47は、図2から明らかなように、上記磁気フレーム29の相対する2つの側枠部分29a,29aの先端部にそれぞれ一対の延長部分を設け、これらの延長部分にそれぞれ係止爪47aを形成することによって上記フック47,47としたものである。
【0025】このようにフック47を磁気フレーム29と一体に形成することにより、それらを個別に設ける場合に比べて設置のための構成が簡単になるだけでなく、その連結強度も非常に大きくなり、連結時に該フック47に大きな引っ張り力が作用しても、該フック47がソレノイド組立体2から簡単に脱落するようなことがない。
【0026】これに対して上記主弁部組立体1には、ケーシング5の上記ソレノイド組立体2との接合面5cの四隅に、上記各フック47が嵌入する4つのフック挿入孔48が設けられている。また、ケーシング5の上記第1側面5aには、上記固定金具3を挿入するためのコ字形をした金具挿入孔50が、左右の側孔部分50a,50aを第1側面5aの左右両側端部寄りに偏寄させると共に、上記固定孔25に近接する位置において座面25aと重複させ、かつ底孔部分50bを第1側面5aの底部寄りに位置させた状態で、上記各フック挿入孔48と連なるような深さに設けられている。
【0027】さらに上記固定金具3は、図4から明らかなように、剛性と好ましくは適度の弾性とを有する金属プレートにより略コ字形に形成されたもので、相対する2つの側板部分3a,3aと、これらの側板部分3a,3aの一端部同士を連結する底板部分3bとを有している。上記2つの側板部分3a,3aの先端にはそれぞれ、上記フック47の係止爪47aに係合する係合部51が折曲加工により形成され、この係合部51の先端は底板部分3b側に若干傾斜している。また、上記底板部分3bには、上記金具挿入孔50の底孔部分50bに形成された金具受け52に圧接する当接部53が、若干内側に湾曲した状態に形成されている。
【0028】そして該固定金具3を、上記金具挿入孔50に挿入して上記係合部51をフック47に係止させると共に当接部53を金具受け52に圧接させることにより、該固定金具3でソレノイド組立体2を主弁部組立体1側に引き寄せ、それによってこれらの主弁部組立体1とソレノイド組立体2とを一体に連結している。図中54は、主弁部組立体1とソレノイド組立体2との接合面5aと2aとの間に介在させたシール部材である。
【0029】このとき上記固定金具3には、その底板部分3b部分に略U字形の切欠57が形成されていて、この切欠57が、金具挿入孔50の底孔部分50bを跨ぐ位置に設置された上記ばね座15に嵌合、係止し、該ばね座15を上記設置位置に保持するようになっている。
【0030】そしてさらに、上記固定金具3の側板部分3a,3aの上端縁3cを、上記固定孔25の座面25aの位置において該座面25aの高さと一致させることにより、該上端縁3cで座面25aの一部を構成させている。このように、剛性ある固定金具3で座面25aの一部を形成することにより、ボルトを強く締め付けた時の座面25aの変形を防止することができると同時に、その変形に伴うボルトの緩みを防止することができる。
【0031】かくして上記固定金具3で主弁部組立体1とソレノイド組立体2とを連結することにより、従来の電磁弁のように螺子で連結する場合に比べ、組み立て作業やメンテナンス時の分解作業等が非常に簡単になり、また、複数のねじ孔を設ける必要もないため、その分電磁弁の小形化が図れる。
【0032】図5及び図6はそれぞれ固定金具3の第2及び第3実施例を示すものである。図5に示す第2実施例の固定金具3Aは、ケーシング5の座面25aに対応する側板部分3a,3aの上端縁に、ボルト孔61を備えた座板60を有し、この座板60を座面25a上に折り曲げて重ねるように構成されている。また、図6に示す第3実施例の固定金具3Bは、ケーシング5の第1面側にも座面25aが設けられている場合に使用するもので、側板部分3a,3aの両端にそれぞれ上記第2実施例のものと同様の座板60を有し、これらの座板60を座面25a上に折り曲げて重ねるように構成したものである。
【0033】
【発明の効果】このように本発明によれば、主弁部組立体とソレノイド組立体とを固定金具だけで強固に連結することができ、従来の電磁弁のように螺子を使用する必要がないため、組み立て作業やメンテナンス時の分解作業等が非常に簡単である。
【出願人】 【識別番号】000102511
【氏名又は名称】エスエムシー株式会社
【出願日】 平成11年10月18日(1999.10.18)
【代理人】 【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏 (外1名)
【公開番号】 特開2001−116162(P2001−116162A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−295967