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【発明の名称】 バルブ駆動装置
【発明者】 【氏名】橋元 勝夫

【氏名】原 哲彦

【氏名】田中 眞吾

【要約】 【課題】簡易な構造で、ネジ加工や弁体と開口の中心位置合わせ作業等の複雑でしかも経験的なノウハウを不必要とし、3方弁や4方弁にも適用可能とする。

【解決手段】駆動部4にカム面を備えたカム部材4aを設け、このカム部材4aのカム面によって弁体を動作させて本体ケース2の開口を開閉させることによって、単純な構成により開口を弁体3a,3bで開閉することが可能とするとともに、ガイド部材2cとしてプレス加工品を採用したことによって、管連結を確実に行い、樹脂材を用いた場合のように溶接や加熱処理等の高温処理時にガイド部材が溶融してしまうような事態が回避し、ガイド部材を切削加工品とした場合に比して生産性を大幅に改善させるようにしたもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気密状の内部空間を有する本体ケースと、この本体ケースの内部空間に開口するように連結されて上記本体ケースの内部空間に対して流体を流入及び流出させる流入管及び流出管と、上記流入管及び流出管の本体ケース内部空間への開口部を開閉するように配置された弁体と、その弁体に開閉駆動を行わせる駆動部と、上記本体ケース内において前記流入管及び流出管並びに弁体を位置規制するように設けられたガイド部材と、を備えたバルブ駆動装置において、上記ガイド部材が、プレス加工品から構成されていることを特徴とするバルブ駆動装置。
【請求項2】 前記流入管及び流出管の本体ケースに対する各連結部分が、上記本体ケースに固着されたバルブ継手管を介して取り付けられているとともに、前記ガイド部材の一部が、上記バルブ継手管と本体ケースとの間に挟持されて固定されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動装置。
【請求項3】 前記バルブ継手管に対して、流入管及び流出管並びに本体ケースがロウ付けにより固定されていることを特徴とする請求項2記載のバルブ駆動装置。
【請求項4】 前記ガイド部材には、前記駆動部の原点位置となる回転止め部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動装置。
【請求項5】 前記駆動部が駆動源としてのモータを含み、そのモータの軸を軸支する軸支持部が、前記ガイド部材に設けられていることを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動装置。
【請求項6】 前記モータの軸が固定軸からなり、当該固定軸が、ガイド部材の軸支持部に対して圧入され、少なくとも、前記ガイド部材における上記固定軸の圧入部分が、本体ケースに対して密着するように配置されていることを特徴とする請求項5記載のバルブ駆動装置。
【請求項7】 前記流入管又は流出管の一対のものに対して、一対の弁体がそれぞれ付設されているとともに、前記駆動部には、上記一対の弁体を開閉作動させるように回転駆動されるカム部材が設けられ、前記ガイド部材には、上記カム部材の回転軸に対して前記一対の弁体を略対称な位置関係に保持する一対の弁支持枠が、略直線上の位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動装置。
【請求項8】 前記ガイド部材の弁支持枠は、バルブ継手管の外周部を挟み込んで位置規制するように延設されていることを特徴とする請求項7記載のバルブ駆動装置。
【請求項9】 前記ガイド部材には、本体ケースの内周壁面の三点以上の箇所にわたって当接する位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動装置。
【請求項10】 前記本体ケースが、溶接接合された複数の分割体から構成され、これら複数の分割体の各々に対して前記ガイド部材の一部がそれぞれ当接するように配置されていることを特徴とするバルブ駆動装置。
【請求項11】 前記弁体が、球体から構成され、当該弁体を構成する球体の側面部が、前記ガイド部材によって位置規制されていることを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動装置。
【請求項12】 前記駆動部には、弁体を開閉作動させるように回転駆動されるカム部材が設けられているとともに、前記ガイド部材には、全ての弁体を開放状態とするようにカム部材を待避位置に移動させる待避傾斜案内部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ等の駆動源により球体等で構成される弁体を駆動して、流路の開閉を行うバルブ駆動装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫や空調機の冷媒の流路等を開閉して、流路に通じる室の温度制御等を行うための装置として、従来より、電磁弁(特開昭62−288780号公報参照)やニードル弁を開閉弁として用いたバルブ駆動装置がある。
【0003】しかし、電磁弁を用いたバルブ駆動装置は、一般に、開閉動作時の音が大きいという問題がある。さらに、開あるい閉のいずれの状態にあっても、その状態を保持するには電磁弁を通電状態にしておく必要があり、消費電力の面でも問題がある。なお、この電磁弁方式のバルブ駆動装置は、構造上、2つの弁の状態を双方閉状態としたり、双方閉状態とすることが出来ないという欠点を有するものとなっている。
【0004】一方、ニードルを用いたバルブ駆動装置は、たとえば、ステッピングモータなどを駆動済として用い、そのステッピングモータの回転力をニードル弁の推力に変えて流路を開閉するものであり、電磁弁によるものに比べると、動作音の問題も少ない。このニードル弁を用いたバルブ駆動装置は、通常、ステッピングモータの回転力をニードル弁の推力に変換するため、モータの回転軸の外周とこの回転軸の外側に配置される筒状部材の内周に、互いに噛み合うネジ部を形成する構造を有している。そして、モータの回転軸が筒状部材に螺合しながら回転することによりモータのロータが筒状部材に沿う方向に直線運動をする。この結果、モータの出力軸の先端部分に取り付けられたニードル弁が、出力軸と一体的に直線運動することとなり、このニードル弁の直線運動を利用して開口を開閉するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなニードル弁を用いたバルブ駆動装置は、通常、モータとニードル弁とは1対1の関係になっているため、複数の弁体を1つのモータで開閉駆動することはできない。すなわち、このようなニードル弁を利用したバルブ駆動装置は、複数の流路(開口)を有する3方弁や4方弁には適用しにくい。また、このようなニードル弁を用いたバルブ駆動装置は、上述した筒状部材と出力軸の各ネジ部の成型が技術的に困難なものとなっている。すなわち、モータの出力軸が筒状部材に対してスムーズに回転するためには、筒状部材側のネジ溝と出力軸側のネジ溝とが、互いに高精度に加工されている必要があるからである。また、モータの回転軸の先端部分に取り付けられるニードル弁の中心位置と、このニードル弁が挿入される流路(開口)の中心位置との位置合わせ作業も微妙なものとなってくる。そのため、高精度な設計技術や組立時における経験的なノウハウが必要となってくるという問題点もある。
【0006】そこで本発明は、ネジ加工や弁体と開口の中心位置合わせ作業等の複雑でしかも経験的なノウハウが不必要であり、かつ、3方弁や4方弁にも適用可能なバルブ駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、本発明では、気密状の内部空間を有する本体ケースと、この本体ケースの内部空間に開口するように連結されて上記本体ケースの内部空間に対して流体を流入及び流出させる流入管及び流出管と、上記流入管及び流出管の本体ケース内部空間への開口部を開閉するように配置された弁体と、その弁体に開閉駆動を行わせる駆動部と、上記本体ケース内において前記流入管及び流出管並びに弁体を位置規制するように設けられたガイド部材と、を備えたバルブ駆動装置において、上記ガイド部材が、プレス加工品から構成されている。
【0008】上述したバルブ駆動装置は、ネジ加工や弁体と開口の中心位置合わせ作業等の煩わしい作業を必要とする複雑な構成ではなく、カム面を有するカム部材を駆動源により回転駆動することによって弁体を動作させるという単純な構成により、開口を弁体で開閉することが可能となる。また、弁体を複数設けるとともに、カム面の形状を若干工夫するだけで、本装置を複数の流出管に対応する3方弁装置や4方弁装置に適用することも可能となる。
【0009】また、特に本発明ではガイド部材としてプレス加工品を採用しているので、管連結が当該ガイド部材を用いて確実に行われるとともに、樹脂材を用いた場合のように溶接や加熱処理等の高温処理時にガイド部材が溶融してしまうような事態が回避される。また、ガイド部材を切削加工品とした場合に比して、生産性が大幅に改善される。
【0010】また、本発明のように、プレス加工品からなるガイド部材を、本体ケースに固着されたバルブ継手管を利用して固定することによって、流入管及び流出管の固定がロウ付け等によって容易に固定されるとともに、ガイド部材の固定も同時に行うことが可能となり、簡易で確実な固定構造が得られる。
【0011】またこのとき、本発明のように、プレス加工品からなるガイド部材と本体ケースとをバルブ継手管を介在してロウ付けすることとすれば、より簡易な固定構造が得られる。
【0012】また、本発明のように、ガイド部材に設けた回転止め部により駆動部の原点出しを行うようにすれば、センサー等を用いることなく、簡易な構成により初期の位置設定が可能となる。
【0013】また、本発明のように、駆動部としてのモータの軸を、ガイド部材を利用して支持することにより駆動部の保持構造が簡易化される。
【0014】また、本発明のように、複数の弁体を単一のカム部材で開閉作動させる際に、一対の弁体を略直線上に配置することによって、一対の弁体どうしの高さにバラツキがあったり、カム軸に多少のガタツキがあっても、それら一対の弁体をともに閉塞する動作が、簡易な構成によって確実に行われ、流体の漏れが良好に防止される。
【0015】また、本発明のように、ガイド部材を利用してバルブ継手管を位置決めすれば、バルブ継手管の取付作業が容易かつ確実に行われる。
【0016】また、本発明のように、ガイド部材を本体ケースに対して三点以上の箇所にわたってラジアル方向に当接させるようにすれば、ガイド部材の取付作業が容易かつ確実に行われる。
【0017】また、本発明のように、ガイド部材と本体ケースとの軸方向に位置関係を規定しておけば、ガイド部材の固定状態を完全化することが可能となるとともに、ガイド部材の組込みの不良の場合には、本体ケースの分割体どうしが合わさらなくなって、ガイド部材の組み込み不良が直ちに検出される。
【0018】また、本発明のように、球体からなる弁体の側面部を、ガイド部材によって位置規制しておけば、弁体の位置決めが、簡易な構成で良好に行われる。
【0019】また、本発明のように、全ての弁体を開放状態とするようにカム部材を案内する待避傾斜案内部をガイド部材に設けておけば、組立時等において流入管及び流出管側から高熱が伝達されてきても、カム部材を流入管及び流出管側から離間するように待避させて空気層を介して熱的に遮断しておくことにより、カム部材側に高熱が伝導されにくくなり、当該カム部材等の溶融が防止される。また、本体ケース内部の空気を排出して流体を本体ケース内に取り込む際等においても、全ての弁体を直ちに開状態とすることが可能となるため都合がよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を熱機器に用いられる冷媒ガス切替用のバルブ駆動装置に適用した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】図1乃至図8に示されている実施形態にかかるバルブ駆動装置1は、その外観上の構成を大きく分けて説明すると、冷媒ガスが流入・流出する本体ケース2と、この本体ケース2内において冷媒ガスの切り替えを行うように開閉する弁体を構成する2つの弁球体3a,3bと、これら2つの弁球体3a,3bを開閉駆動するための駆動部4と、から構成されている。
【0022】上記本体ケース2は、ステンレス(SUS)材により形成された略カップ状のプレス絞り加工部品からなる主ケース2aとケースカバー2bを、互いに対面するように突き合わせたものであって、これらの主ケース2aとケースカバー2bとの突き合せ部分に設けられたフランジ部どうしが密着された状態で、TIG(タングステンイナートガス)溶接部Tにより固着されていることによって、略円筒状の気密ガス収納空間が画成されている。
【0023】より具体的には、上記主ケース2aは、略円形状を有する平坦状の底壁面2a1と、その底壁面2a1の外周側から環状に立ち上げられた側壁面2a2とを有しており、それら底壁面2a1及び側壁面2a2により、当該主ケース2aの内部空間として図1上方側に開口する比較的浅い円筒状空間が画成されている。また、前記ケースカバー2bは、上記主ケース2aより細長状の略カップ状をなしており、略円形状を有する平坦状の底壁面2b1と、その底壁面2b1の外周側から環状に立ち上げられた側壁面2b2とを有し、当該ケースカバー2bの図1における下端側開口部を、上述した主ケース2aの上端側開口部側に被せるように固定されている。
【0024】また、上記主ケース2aの底壁面2a1には、冷媒ガスを本体ケース2内に流入させるための流入管5と、本体ケース2内の冷媒ガスを流出させるための2つの流出管6a,6bとがそれぞれ連結されている。すなわち、前記主ケース2aは、その底壁面2a1に3つの開口を有していて、そのうちの1つは、流入管5に連結されており、流入管5を通して供給される冷媒ガスを主ケース2a内に取り込むためのものとなっている。残りの2つの開口は、上記主ケース2aの内部空間と流出管6a,6bとを各々挿通させるためのものとなっており、主ケース2a内に取り込んだ冷媒ガスを各流出管6a,6bに送り込むためのものとなっている。このように本実施形態では、上記3つの各管部材5,6a,6bは、全て主ケース2aの底壁面2a1に連結されており、当該底壁面2a1から、図示下方の同一の方向に向かって略平行に延在するように取り付けられている。これは、上述したように主ケース2aをプレス品としたためのものであって、そのような平行配置関係としなれければ管連結ができないからである。
【0025】また、上記主ケース2aの底壁面2a1における2つの開口と流出管6a,6bとの連結部位には、中心部に冷媒ガス通路孔を有する筒状のバルブ継手管7a,7bがそれぞれ嵌め込まれている。それらの各バルブ継手管7a,7bは、脱酸素鋼又は無酸素鋼(C1220,C1020)から形成された細長状の円筒状部材から形成されており、上記主ケース2aの底壁面2a1を貫通するように装着されていて、前記主ケース2aの底壁面2a1の外表面に対して、ニッケルロウ付け部Nにより固着されている。これら各バルブ継手管7a,7bにおける前記主ケース2aへの嵌め込み部分から外方(図1の下方)に突出する部分は、比較的大径状に形成されており、その大径状の外方突出部分の内方側に、上述した流出管6a,6bがそれぞれ挿入されることにより固定されている。そして、これらバルブ継手管7a,7bの大径状部分と、流出管6a,6bとの間も、ニッケルロウ付け部Nによって固着されている。
【0026】一方、特に図5に示されているように、前記流入管5は、主ケース2aに設けられたバーリング部Bを介して直接的に取り付けられているが、上述した流出管6a,6bも同様なバーリング部により連結させることも可能である。
【0027】上述したように、ケースカバー2bは、ステンレス(SUS)材で形成され、同じ材質で形成された主ケース2aにTIG(タングステンイナートガス)溶接部Tにより固定されているが、従来の冷媒用のバルブ駆動装置は、通常、本体ケースが真鍮で構成され、ケースカバー2bがSUSで構成されている。そのため、両部材を接合するためには、その接合部分にロウ付けを行う必要が生じる。しかしながら、このロウ付け作業は、手作業となるため手間がかかる。また、手作業ではなく水素還元炉内で自動的にロウ付けするようにすると、真鍮部分から亜鉛ガスが発生して他の溶接部分等に割れが発生する等の問題が生じることもある。これに対して本実施形態のバルブ駆動装置1においては、上述したように、主ケース2a及びケースカバー2bをともにSUS材で成形したため、上述のような問題が発生せず、両者をTIG溶接で容易に一体化することができ、このようにして主ケース2aに接合されたケースカバー2bは、主ケース2aと協働して冷媒ガスを封入するための本体ケース2を形成している。
【0028】一方、上記バルブ継手管7a,7bにおける前記主ケース2aの内部空間側に突出する部分は、主ケース2aの底壁面2a1から軸方向(図1の上方向)に向かって所定高さにわたって立設するように設けられており、当該バルブ継手管7a,7bの立設先端開口部のそれぞれに対して、上記弁球体3a,3bが各々載置されている。上記バルブ継手管7a,7bの立設先端開口部には、弁球体3a,3bの外表面に相当する部分球面形状をなすようにして弁口7av,7bv(特に図4,図5及び図7参照)が形成されており、その弁口7av,7bvに対して、上記各弁球体3a,3bが密着状態となるように載置されている。
【0029】また、特に図7に示されているように、上記バルブ継手管7a,7bの冷媒ガス通路孔7a1,7b1は、装置に必要な冷媒ガスの流量を確保し得る程度の細径寸法を有するように設定されているが、その冷媒ガス通路孔7a1,7b1には、前記流入管5及び流出管6aとの連結部分にロウ溜り部7a2,7b2が設けられており、流入管5及び流出管6aとの連結に用いたロウ付け部Nで余剰となったロウ剤を蓄えて、余剰となったロウ剤が冷媒ガス通路孔7a1,7b1内へ流入することを防止している。
【0030】さらに、上記バルブ継手管7a,7bの外表面側における軸方向の略中央部分には、鍔形状の押え部7a3,7b3がそれぞれ形成されており、それらの鍔状押え部7a3,7b3の図1上方側面に対して、上記バルブ継手管7a,7bの外周部分に装着されたコイルバネ7a4,7b4の端部が支持されている。これらのコイルバネ7a4,7b4は、上記バルブ継手管7a,7bの上端部分からやや突出する長さを備えていて、上記各弁球体3a,3bを、バルブ継手管7a,7bの弁口7av,7bvから上方側に押し上げるように付勢する機能を有している。
【0031】さらにまた、上記バルブ継手管7a,7bの鍔状押え部7a3,7b3と、前記主ケース2aとの間には、ステンレス(SUS)材のプレス加工品からなるガイド部材2cのガイド基板2c1が挟持されている。上記ガイド部材2cにおけるガイド基板2c1は、前記主ケース2aの底壁面2a1に密着するように配置されていて、上述したバルブ継手管7a,7b及び弁球体3a,3bのそれぞれを位置規制する一対の弁支持枠2c2,2c3が、上記バルブ継手管7a,7bに沿うようにして立設されている。
【0032】すなわち、上記両弁支持枠2c2,2c3は、上記ガイド基板2c1から略直角に立ち上がるように設けられていて、前記バルブ継手管7a,7b及び弁球体3a,3bのそれぞれを三方から取り囲む平面略コの字状をなすように形成されている。そして、それらの各弁支持枠2c2,2c3における一対のコ字状の開放部どうしが、互いに中心側に向かって対向するように配置されており、当該各弁支持枠2c2,2c3の両壁面に対して、上記バルブ継手管7a,7bの鍔状押え部7a3,7b3が当接することによって、予め決められた所定位置に位置ズレなきように保持されている。また、前記両弁球体3a,3bは、上記各弁支持枠2c2,2c3により画成された略矩形状の内方側空間内に、後述するような開閉移動の範囲内での移動が許容されつつ、前記バルブ継手管7a,7bの弁口7av,7bvから脱落することのないよう保持されている。
【0033】上記弁球体3a,3bの開閉動作は、後述するように、当該弁球体3a,3bの上方側に接触するように配置された駆動部4のカム部材4aによって行われる構成になされているが、前記ガイド部材2cには、そのカム部材4aの全体を図1上方側の待避位置に上昇移動させることによって、上述した2つの弁球体3a,3bの双方を開放状態とする待避傾斜案内部2c4(特に図6及び図8参照)が設けられている。また、その待避傾斜案内部2c4の近傍には、上記カム部材4aの回転移動時における原点位置となる回転止め用突起2c5が設けられている。この回転止め用突起2c5は、基準位置ロック部を構成するものであるが、これらの各部材に関する詳細な構成については後述する。
【0034】さらに、前述したようにガイド部材2cは、前記主ケース2aの内部空間内に配置されているが、当該ガイド部材2cには、主ケース2aの内周壁面に当接するラジアル方向の位置決め部が設けられている。このラジアル方向の位置決め部は、主ケース2aの内周壁面に対して三点以上、本実施形態では五箇所にわたって当接しており、より具体的には、上記待避傾斜案内部2c4から接線方向に折れ曲がるようにして第1位置決め板2c6が一体的に延出しており、その第1位置決め板2c6の延出側の先端縁部分が、上記主ケース2aの内周面に当接している。また、上記各弁支持枠2c2,2c3の上縁部からは、図1の上方側に向かって第2位置決め板2c7,2c8が突出しており、それらの各第2位置決め板2c7,2c8における幅方向の両端縁部が、前記主ケース2aの内周面に当接している。そして、これら第1位置決め板2c6及び第2位置決め板2c7,2c8が、主ケース2aの内周壁面に当接していることによって、ガイド部材2cの全体が、主ケース2aに対してラジアル方向に容易かつ高精度に位置決めされるようになっている。
【0035】このとき、上記第2位置決め板2c7,2c8は、前述したケースカバー2b側に連結される主ケース2aのフランジ部とほぼ同一高さとなるように配置されており、上記ケースカバー2b側のフランジ部に対して、主ケース2aのフランジ部と同様に当接される配置関係になされている。
【0036】一方、上記駆動部4を構成するカム部材4aは、上記弁球体3a,3bに当接する円盤状部材の第1のカム部材4a1と、その第1のカム部材4a1の中心側部分から図1の下方に向かって突出する第2のカム部材4a2とを備えており、特に図9に示されているように、上記第1のカム部材4a1の下端面側には、所定の凹凸形状からなるカム面4a3が設けられているとともに、上記第2のカム部材4a2の円筒状周面部にはカム面4a4が設けられている。カム部材4aの構造については後述するが、前記駆動部4は、上記カム部材4aを回転駆動させる駆動源となるステッピングモータ4bを備えており、当該ステッピングモータ4bにより上記第1及び第2のカム部材4a1,4a2を回転駆動させることによって、上記弁球体3a,3bが主ケース2a内の所定の範囲内で開閉動作させるように構成されている。
【0037】ステッピングモータ4bは、コイルが巻装されたステータ部4b1と、このステータ部4b1の内側に対向配置されたロータ部4b2と、このロータ部4b2の回転中心部分が回転自在に挿通された固定軸4b3と、を備えた構成となっている。そして、電力供給部4b4から上記ステータ部4b1のコイルに電力が供給されると、これによりロータ部4b2が固定軸4b3を回転中心として回転するようになっている。
【0038】上記ステータ部4b1は、所定の樹脂部材からなるステータケース4b5内に収納されており、このステータケース4b5は後述する固定用ブラケット4b12の係合・離脱作用によって、前記本体ケース2に対して着脱自在に取り付け可能となっている。なお、上記ステータ部4b1では、前記コイルが、樹脂によってステータ部4b1の極歯等と一体化されているとともに封止された構造になされている。
【0039】一方、上記ロータ部4b2においては、PBT(ポリプチレンテフタレート)で構成された樹脂成形材料にマグネット4b6がインサート成形されおり、上記マグネット4b6が、前記ステータ部4b1に対して半径方向に対向するように配置されているとともに、当該ロータ部4b2の中心部分は、前述した第1及び第2のカム部材4a1,4a2の回転中心軸となる固定軸4b3に対して回転自在に装着されている。このロータ部4b2は、上述した本体ケース2のケースカバー2bの内部空間に収納されており、そのケースカバー2bによって、上述したステータ部4b1側に対して空間的に隔絶されている。
【0040】このようなロータ部4b2が挿通された固定軸4b3は、前述したガイド部材2cのガイド基板2c1の略中央部分に圧入固定されることによって不動状態にて立設されており、当該固定軸4b3の図1上端部分が、前記ケースカバー2bの底壁面2b1の中心位置に形成された軸受け凹部2b3内に遊嵌状態で挿入されているとともに、前記固定軸4b3の図1の下端部分は、前記主ケース2aの底壁面2a1の中心位置に形成された軸受け凹部2a3内に遊嵌状態で挿入されている。これら2つの軸受け凹部2b3,2a3は、組み立て時における固定軸4b3の位置決めとして用いられる。
【0041】また、上記ロータ部4b2における図1上側の端面は、前記ケースカバー2bの底壁面2b1と軸方向に対向するように配置されているが、当該ロータ部4b2の上端面と、ケースカバー2bの底壁面2b1との間には、上記ロータ部4b2の全体を図1下方側である主ケース2a側へ向かって付勢するコイルバネ4b7が圧縮状態で装着されていて、当該コイルバネ4b7の付勢力によって、上記ロータ部4b2が主ケース2a側に付勢されながら回転されるようになっている。すなわち、上述したバルブ継手管7a,7bのいずれかがカム部材4aの作用によって開放された場合には、その開放されたバルブ継手管7a,7bを通して主ケース2a内に流れ込んでくる冷媒ガスの圧力によって、ロータ部4b2が図1上方側であるケースカバー2bの底壁面2b1側に押し込まれるが、上記コイルバネ4b7は、その時のロータ部4b2を押し戻すクッションの役割を果たす。
【0042】さらに、上記コイルバネ4b7は、ロータ部4b2の端面に対しては、平座金4b8を介して圧接されているが、ケースカバー2bの底壁面2b1に対しては、釣り鐘状の座金4b9を介して圧接されている。この釣り鐘状座金4b9は、ケースカバー2bの底壁面2b1に当接する平坦面部4b10と、その平坦面部4b10の外周縁から一体的に立ち上がるように曲げ形成された円筒状部4b11とを有しており、上記平坦面部4b10の表面に対して上記コイルバネ4b7が圧接されている。また、上記釣り鐘状座金4b9の円筒状部分4b11は、コイルバネ4b7の外方側を覆うように装着されている。
【0043】一方、前記ロータ部4b2の他端側(図1の下端側)の端面には、上述したカム部材4aの第1のカム部材4a1及び第2のカム部材4a2が、一体的に設けられていて、これら第1のカム部材4a1及び第2のカム部材4a2は、上記ステッピングモータ4bを駆動源として、ロータ部4b2と一体的に回転されるようになっている。
【0044】このうち第1のカム部材4a1は、薄板円盤状の部材から形成されており、その中心が、上述のロータ部4b2と同様に固定軸4b3に挿通されている。そして、当該第1のカム部材4a1の図1下端面に設けられたカム面4a3は、上述した筒状のバルブ継手管7a,7bの先端面に対して直上位置から対向するように配置されていて、その第1のカム部材4a1のカム面4a3と、バルブ継手管7a,7bとの間に、バルブ継手管7a,7bを開閉する弁球体3a,3bが配置されている。
【0045】このとき、上記一対のバルブ継手管7a,7b及び弁球体3a,3bは、前記第1のカム部材4a1及び第2のカム部材4a2の軸中心に対して略対称な位置関係となるように配置されており、上記一対のバルブ継手管7a,7bどうし、及び一対の弁球体3a,3bどうしが、それぞれ前記固定軸4b3を中心として180°反対側の領域に配置されている。すなわち、これら一対のバルブ継手管7a,7bどうし、及び弁球体3a,3bどうしは、それぞれ略直線状の位置関係をなす配置関係にて構成されている。
【0046】このように一対の弁球体3a,3bを直線上に配置するのは、これら一対の弁球体3a,3bを単一のカム部材4aで開閉作動させる際に、両弁球体3a,3bどうしの高さにバラツキがあったり、カム軸に多少のガタツキがあっても、それら一対の弁球体3a,3bをともに閉塞する動作を確実に行わせるためである。ただし、上記弁球体3a,3bの高さのバラツキや、カム軸のガタツキに対応して、カム部材4a自体が揺動するように構成しておけば、上述したように弁球体3a,3bを直線上に配置する必要はない。その場合のカム部材4aの揺動支持構造としては、カム部材をエッジ状部分を支点として揺動可能に支持するなど、多種多様な揺動支持構造を採用することができる。
【0047】上記第1のカム部材4a1のカム面4a3は、前記バルブ継手管7a,7bに対向配置されるドーナツ形状を有しており、そのカム面4a3の面形状は、前記弁球体3a,3bをバルブ継手管7a,7bの上端部の弁口7av,7bv側に弁球体3a,3bを押し付けたり、上記弁球体3a,3bから離間させることによって開閉動作を行わせる形状になされている。
【0048】上述したように、第1カム部材4a1のカム面4a3によって動作させられる弁球体3a,3bは、付勢部材としてのコイルバネ7a4,7b4の付勢力によって図1の上方側に押し上げられていることから、上記各弁球体3a,3bは、各コイルバネ7a4,7b4の付勢力によって常にカム面4a3側に接触するように付勢されており、特に、バルブ継手管7a,7bを閉状態から開状態にする際には、上記各コイルバネ7a4,7b4の上方付勢力を利用してバルブ継手管7a,7bから離間させる。また、このような構成によって、上記弁球体3a,3bのカム面4a3との当接は、常時確実なものとなされており、弁球体3a,3bが、カム面4a3の面形状に沿って確実に動作されるようになっている。次に、上記第1のカム部材4a1に設けられたカム面4a3の面形状、及び弁球体3a,3bの動作を詳細に説明する。
【0049】特に図9に示されているように、上記第1のカム部材4a1のカム面4a3は、弁球体3a,3bを開口を塞ぐ方向に動作させるための突出山部4a5と、弁球体3a,3bを開口を開く方向に動作させるための低面谷部4a6と、これらの突出山部4a5及び低面谷部4a6を連結する2つの斜面部4a7,4a7とを有している。上記突出山部4a5と低面谷部4a6は、固定軸4b3の軸方向に凹凸形状を有するように形成されており、そのうちの突出山部4a5は、バルブ継手管7a,7bの弁口7av,7bvに向かって突出するように形成されており、全周中心角360度のカム面4a3のうちの約200度程度の中心角の範囲で形成されている。本実施形態では、上記突出山部4a5が、低面谷部4a6に対して0.7mmの高さを有するものとなっているが、この高さについては設計条件に応じて任意のものとして良い。これによって前記各弁球体3a,3bは、上記突出山部4a5に対向して接触している際には、バルブ継手管7a,7b側に押し付けられて、上記弁口7av,7bvを閉塞する。
【0050】一方、低面谷部4a6は、カム面4a3の残りの160度のうちの約90度程度の中心角の範囲で形成されている。各弁球体3a,3bは、この低面谷部4a6に対向している際には、上述したコイルバネ7a4,7b4の付勢力によってバルブ継手管7a,7bから離れ、主ケース2aの開口を開放する。また、上記両斜面部4a7,4a7は、それぞれ約35度づつの範囲で形成されている。これらの斜面部4a7,4a7は、カム部材4a1が回転する際に、各弁球体3a,3bとの当接を、低面谷部4a6と突出山部4a5との間で滑らかに切り換えるためのものとなっている。
【0051】また、上記第1のカム部材4a1の外周面には、ロータ部4b2の回転規制、すなわちロータ部4b2を所定の範囲でのみ回転可能として原点検出を行う基準位置ロック部としての係合凸部4a8が、半径方向外方に向かって突出するように形成されている。この係合凸部4a8は、前述したガイド部材2cの待避傾斜案内部2c4の最上位置に形成された回転止め用突起2c5(特に図6及び図8参照)と当接可能な位置に形成されていて、上記第1のカム部材4a1がロータ部4b2と一体的に回転されると、回転止め用突起2c5と当接してロータ部4b2のそれ以上の回転を阻止するように構成されている。本実施形態では、この動作を本装置の原点位置出しとして利用するようにしており、その原点位置からステッピングモータ4bを所定ステップ駆動することによって動作開始点を定め、両バルブ継手管7a,7bの開閉状態を制御するようになっている。この原点位置出し動作は、毎動作開始後に行うものとしてもよいし、数時間に1回行うようにしてもよい。
【0052】また、ロータ部4b2が逆方向において所定位置まで回転した際も、当然に、上記係合凸部4a8は回転止め用突起2c5にぶつかる。このとき、上記係合凸部4a8は、第1カム部材4a1の周面において中心角が20度の範囲で形成されており、一方、上記主ケース2a側の回転止め用突起2c5も、同様に中心角20度の範囲に形成されている。そのため、前記ロータ部4b2は、320度の範囲で回転可能となっている。なお、本実施の形態では、通常時、逆回転動作によっては、上記係合凸部4a8を回転止め用突起2c5に当接させないようになっている。すなわち、係合凸部4a8が回転止め用突起2c5に当接する前にステッピングモータ4bが停止するようにステップ数が定められていて、上記係合凸部4a8が回転止め用突起2c5に当接する場合は、駆動開始時か、制御上何らかの必要性がある場合であり、トラブルが生じてオーバーステップ状態となった場合などにおいては、係合凸部4a8により原点位置出しが実行されるようになっている。
【0053】一方、前記第2のカム部材4a2は、上記固定軸4b3に支承されており、第1のカム部材4a1と同様にロータ部4b2と一体回転するものとなっている。この第2のカム部材4a2は、上述した第1のカム部材4a1と同軸上に配置されており、固定軸4b3を回転中心として180度離れた位置に配置された両弁球体3a,3bの間に位置している。上記第2のカム部材4a2の外周部にはカム面4a4が形成されており、そのカム面4a4には、上記第1のカム部材4a1の低面谷部4a6の略中心部に向かって突出する頂部4a9が設けられている。この第2のカム部材4a2の頂部4a9が、前記弁体3a,3bに当接した際には、当該弁体3a,3bが半径方向外方側に向かって押しやられ(図1の弁体3b参照)、これによってバルブ継手管7a,7bが開放されるようになっている。
【0054】すなわち、この第2のカム部材4a2の頂部4a9は、弁球体3a,3bが第1のカム部材4a1の低面谷部4a6に対向している際、その弁球体3a,3bを外側に押し出すためのものとなっていて、この構成により、上記弁球体3a,3bが低面谷部4a6に対向しバルブ継手管7a,7bから離間しているときには、上記第2のカム部材4a2の頂部4a9によって、弁球体3a,3bが開口を開閉するための動作方向(図1において左右方向)と直交する方向に移動されることとなる。従って、この第2のカム部材4a2は、弁球体3a,3bの外側方向への移動手段となっていて、これにより上記弁球体3a,3bは、確実にバルブ継手管7a,7bの開口を開放することができる。
【0055】このような構成としたのは、以下の理由による。すなわち、弁球体3a,3bは、常時コイルバネ7a4,7b4によってカム部材4a1のカム面4a3側に付勢されているため、低面谷部4a6と対向した際にはその付勢力によってバルブ継手管7a,7bの開口から離れるようになっている。しかしながら、振動や冷媒ガスの脈動により主ケース2aの内部に内圧が発生し、弁球体3a,3bが低面谷部4a6と対向しているにもかかわらず開口を塞いでしまう状態になるおそれがある。このような状態となると、内部の気圧が弁球体3a,3bを開口へ押しつけるように働くため、コイルバネ7a4,7b4の付勢力だけでは弁球体3a,3bが開口から離れなくなる危険性が生ずる。
【0056】さらに、このような状態においてコイルバネ7a4,7b4の付勢力のみで弁球体3a,3bを開口から離すような構成にする場合は、コイルバネ7a4,7b4にかなり強い付勢力を持たせる必要が生じる。また、そのような強い付勢力を有するコイルバネ7a4,7b4を用いるとすると、開から閉にする動作時には、逆にこの付勢力に抗して弁球体3a,3bをバルブ継手管7a,7b側に移動させなければならず、この動作に多大なモータトルクが必要となってしまう。そこで、弁球体3a,3bが第1カム部材4a1のカム面4a3の低面谷部4a6と対向した際には、第2のカム部材4a2の突出山部4a5により、強制的に弁球体3a,3bを外側に押し出してバルブ継手管7a,7bから離す構成とし、モータトルク及びコイルバネ7a4,7b4の付勢力をそれ程アップしなくとも、確実に弁球体3a,3bをバルブ継手管7a,7bから離し、開口を開放することができる。
【0057】なお、上記コイルバネ7a4,7b4は、第2のカム部材4a2のカム面4a4の突出山部4a5によって、弁球体3a,3bが、固定軸4b3を中心とした半径方向の外側に移動させられると、これを移動前の方向に戻すように働く。すなわち、上記コイルバネ7a4,7b4は、弁球体3a,3bが外側に移動させられた際にその移動に伴って伸張する。その際、コイルバネ7a4,7b4は、弁球体3a,3bとの当接状態は縦続し、かつ収縮しようとする。そのため、第2のカム部材4a2が回転し、カム面4a4の頂部4a9と弁球体3a,3bとの当接が外れ、弁球体3a,3bが外側に押し出されない状況となると、コイルバネ7a4,7b4の収縮、及び第1のカム部材4a1のカム面4a3の押圧力によって弁球体3a,3bは、移動前の位置へ戻される。
【0058】このように本実施形態にかかるバルブ駆動装置1は、上述した320度の範囲にわたるロータ部4b2の回転によって、両弁球体3a,3bをそれぞれ動作させるものであり、それによって、上記両弁球体3a,3bが、両バルブ継手管7a,7bを開閉し、両バルブ継手管7a,7bの開閉状態を4つの状態、すなわち、両方とも閉塞となる第1のモードと、一方が閉で他方が開となる第2,第3のモードと、両方とも開放となる第4のモードと、のいずれかにすることができるものとなっている。
【0059】まず、図10(A)に示す第1のモードでは、前述したガイド部材2cに設けられた待避傾斜案内部2c4の最上位置に、カム部材4aの係合凸部4a8が乗り上げており、カム部材4aは、ロータ部4b2とともに図1上方側の待避位置に上昇移動させられている。これによって、上記2つの弁球体3a,3bの双方は、ともに開放状態に維持されている。なお、この図10(A)に示す第1のモードは、係合凸部4a8を回転止め用突起2c5に当接させて原点位置出しを行った状態となっているが、係合凸部4a8が回転止め用突起2c5にぶつかる寸前にステッピングモータ4bを停止させ、その状態を第1のモードとすることも可能である。
【0060】また、図10(B)に示す第2のモードは、第1のカム部材4a1の突出山部4a5の中間部分を弁球体3aに当接させ、低面谷部4a6の中間部分を弁球体3bに当接させ、弁球体3aでバルブ継手管7aを閉塞し、弁球体3bをバルブ継手管7bから離してバルブ継手管7bを開放した状態となっている。なお、この図10(B)に示す第2のモードは、原点位置から第1のカム部材4a1を矢示の方向へ90度回転させた状態を示しているが、この第2のモードは、200度にわたって形成されている突出山部4a5が弁球体3aとのみ当接していればよいので、原点位置から見て10度から160度の範囲の回転で良いが、本実施形態では、第1のカム部材4a1の回転角度と第2のカム部材4a2の回転角度との同期を取り、90度回転した際に第2のカム部材4a2の頂部4a9が弁球体3bを外側に押しやってバルブ継手管7bを開放するようになっているので、90度回転したときを第2のモードとしている。
【0061】さらに、図10(C)に示す第3のモードは、第2のモードから第1のカム部材4a1を180度回転(原点位置から見ると270度回転)させた状態、すなわち突出山部4a5の中間部分を弁球体3bに当接させ、低面谷部4a6の中間部分を弁球体3aに当接させ、弁球体3bでバルブ継手管7bを閉塞し、弁球体3aをバルブ継手管7aから離してバルブ継手管7aを開放した状態となっている。なお、この図10(C)に示す第3のモードは、上述の第2のモードからは180度、原点位置からは第1カム部材4a1を矢示方向へ270度回転させた状態を示しているが、この第3のモードは、200度にわたり形成されている突出山部4a5が弁球体3bとのみ当接していればよいので、原点位置から見て160度から320度の範囲の回転ならば良いこととなるが、本実施形態では、第1のカム部材4a1の回転角度と第2のカム部材4a2の回転角度との同期を取り、270度回転した際に第2のカム部材4a2の頂部4a9が弁球体3aを外側に押しやってバルブ継手管7aを開放するようになっているので、270度回転したときを第3のモードとしている。
【0062】一方、図10(D)に示す第4のモードは、上述した第1のモードと第2のモードとの中間状態であって、第1のモードから第1のカム部材4a1を90度回転(原点位置から見ると180度回転)させた状態であるが、上記第1のカム部材4a1の200度形成されている突出山部4a5の両端近傍で両弁球体3a,3bを両バルブ継手管7a,7b側へ押し下げ、両バルブ継手管7a,7bをともに閉塞させた状態となっている。
【0063】ここで、上述したカム部材4a1,4a2の各カム面4a3,4a4には、上記第1のカム部材4a1に設けられた係合凸部4a8と、ステッピングモータ4bのステータ4a2との間に生じる組立回転位置のバラツキを許容するように誤差吸収面が余裕分として設けられている。すなわち、本実施形態においては、上述したステッピングモータ4bの回転の原点出しを行うに際して、互いに当接する係合凸部4a8と回転止め用突起2c5とからなる基準位置ロック部を用いているが、これら係合凸部4a8と回転止め用突起2c5との当接位置は、ステッピングモータ4bの分解能ステップとの関係でバラツキを生じる。例えば、4極モータの場合には、4ステップ又は8ステップ分に対応して、組み立て時から所定の理論ズレ量が生じ、各装置毎に個体差が発生することとなり、上述した8ステップのステッピングモータ4bの場合には、原点位置に初期設定していても、回転開始から最大±4ステップの位置ずれを生じる。
【0064】そこで、本実施形態では、上述したステッピングモータ4bの分解能ステップに対応した位置ずれ量、例えば±4ステップに相当する長さにわたって、上述したカム部材4a1のカム面4a3を延長することによって誤差吸収面としているとともに、カム部材4a2のカム面4a4に設けられた頂部4a9の先端部分に、例えば2ステップに相当する長さにわたっての誤差吸収面が設けられており、そのような各誤差吸収面に対して弁球体3a,3bが当接している間は、開閉動作の切り替わりを行わせないように構成している。
【0065】一方、前記ケースカバー2bの半径方向外方側には、ステッピングモータ4bのステータ部4b1が配置されているが、そのステータ部4b1は、ステータケース4b5に収納された状態で本体ケース2に装着されているが、これらステータケース4b5と本体ケース2とは、前記主ケース2a側に固定された弾性力を有する固定用ブラケット4b12を介して着脱自在に取り付けられている。
【0066】より具体的には、特に図2に示されているように、上記主ケース2aの外周部に対して、略矩形状の薄板材からなる固定用ブラケット4b12に設けられた取付穴が圧入されており、その固定用ブラケット4b12の取付穴の開口縁部に折り曲げ形成された複数個の弾性片4b13が、前記主ケース2aの外周面を締め付けた状態で固定用ブラケット4b12が固着されている。このとき、上記固定用ブラケット4b12の取付穴の開口縁には、主ケース2aのフランジ部側に向かって軸方向に突出する位置決め突起4b14(図1参照)が、上記本体ケース2の軸方向に突出するように設けられており、この位置決め突起4b14の先端部が、上記主ケース2aのフランジ部に当接することによって軸方向の位置決めが行われるようになっている。
【0067】一方、上記固定用ブラケット4b12の側縁部からは、略L字状に折れ曲がるようにして延出する係止爪4b15が設けられているとともに、上記ステータケース4b5の外周面には、上記係止爪4b15が引っかかるような段部4b16が形成されていて、上記係止爪4b15が段部4b16に係合・離脱することによって、上記ステータケース4b5と本体ケース2とが着脱されるようになっている。
【0068】このように本体ケース2の主ケース2aに固定用ブラケット4b12を介して、前記ステータ部4b1が収納されたステータケース4b5が、本体ケース2に装着されているが、その取付時には、主ケース2aに予め溶接接合されたケースカバー2bが、ステータケース4b5の中央空洞部内に挿入される。上記ステータケース4b5は、本体ケース2の軸方向にスライドさせられ、ステータケース4b5に設けられた段部4b16に対して、固定用ブラケット4b12の係止爪4b15が弾性的に撓んだ後に落ち込む。これによって、上記ステータケース4b5は本体ケース2側に保持される。なお、ステータケース4b5を本体ケース2から取り外す際には、ステータケース4b5を本体ケース2から引き離す方向に強く引っ張ることにより外すことができる。このように、上記ステータケース4b5は、本体ケース2側に対してワンタッチで着脱できるので、ステータ部4b1やコイルの部分、さらには、これらに接続された電源供給部4b4などの各部分のメンテナンス時には便利なものとなる。
【0069】また、上記固定用ブラケット4b12には、上述した取付穴から半径方向外方に向かって略直線状に延出する切欠き部4b17が設けられており、上記固定用ブラケット4b12を本体ケース2に対して着脱する場合に、前記流入管5及び流出管6a,6bの挿脱が、上記切欠き部4b17を通して行われるようになっている。
【0070】さらに、前記固定用ブラケット4b12の一端縁部には、バルブ駆動装置1の全体を、例えば冷蔵庫の枠体に取り付けるための固定板4b18が設けられている。この固定板4b18は、固定用ブラケット4b12の本体部分を略直角に折り曲げるようにして形成されており、当該固定板4b18に設けられた一対の取付孔4b19,4b19に、図示を省略した固定用のネジ等を貫通させることによって取付が行われる。
【0071】次に、上述したように構成された実施形態のバルブ駆動装置1におけるバルブの開閉動作について説明する。
【0072】まず、本装置を冷媒流通路等の所定の位置に取り付けた後、ステッピングモータ4bを所定ステップ駆動して原点位置出し動作を行う。すなわち、ステッピングモータ4bのステータ部4b1のコイルを通電状態とし、所定ステップ分(320度回動するためのフルステップ分)にわたって上記ロータ部4b2を所定の方向に回転する。これにより、第1及び第2のカム部材4a1,4a2がロータ部4b2と一体的に回転して、原点位置まで回転すると、第1カム部材4a1の周面に形成された係合凸部4a8が、ガイド部材2cの待避傾斜案内部2c4の最上位置に形成された回転止め用突起2c5にぶつかる。これによって、第1カム部材4a1の回転が阻止され、ロータ部4b2の回転も阻止される。このように回転阻止された状態で余分なステップを出力した位置を原点位置とする。
【0073】本実施の形態では、上記原点位置では、上述した第1のモード、すなわちバルブ継手管7a,7bがともに弁球体3a,3bによって開放された状態となっている(図10(A)参照)。このため、流入管5から本体ケース2内に冷媒ガスが流入されている場合には、その冷媒ガスが流出管6a,6b側に流出されていくこととなるが、冷媒ガスが本体ケース2内に流入されていない場合には、バルブ継手管7a,7bと弁球体3a,3bとの間が離間するために、それら両部材どうしが空気層を介して互いに遮断される。この状態から、流出管6b側のみを開放し、流出管6a側はそのまま閉塞状態を維持したい場合は、以下のように駆動する。
【0074】まず、ステータ部4b1のコイルに通電してロータ部4b2を原点位置から90度回転するように駆動する。すると、第1及び第2のカム部材4a1,4a2は、ロータ部4b2と一体的に、図10(A)において矢示方向へ回転し、図10(B)の状態となる。この間、弁球体3aは、第1のカム部材4a1の突出山部4a5との当接を維持し、バルブ継手管7a側に押し付けられたままの状態となっている。そのため、バルブ継手管7aは閉塞状態を維持し、流出管6a側には冷媒ガスが流れないようになる。
【0075】一方、弁球体3bは、ロータ部4b2の90度の回転のうちの最初の10度の回転で、まず第1のカム部材4a1の突出山部4a5との当接が解除される。そして、弁球体3bは、この最初の10度の回転後における次の35度の回転の際には、斜面部4a7と当接し、コイルバネ7b4の付勢力によって徐々にバルブ継手管7bから離される。そして、このような計45度の回転を経てから低面谷部4a6との当接が開始される。このとき、弁球体3bは、コイルバネ7b4の付勢力によってさらにバルブ継手管7bから離され、バルブ継手管7bは開放状態となる。このため、冷媒ガスは、流出管6b側に流れることとなる。
【0076】なお、弁球体3bは、低面谷部4a6との当接が開始され、さらにロータ部4b2が45度(原点位置から見て90度)回転されたときには、第1のカム部材4a1の回転に同期している第2のカム部材4a2の頂部4a9により外側(図10(B)において右側)に押し出される。このため、コイルバネ7b4の付勢力によりバルブ継手管7bから離れない場合でも、第2のカム部材4a2によって確実にバルブ継手管7bから離れ、バルブ継手管7bは開放状態となる。この結果、原点位置から90度ロータ部4b2が回転すると、バルブ継手管7aは閉塞することにより流出管6aを閉尭状態、バルブ継手管7bは開放することにより流出管6bを開放状態の第2のモードとなる。
【0077】次に、この第2のモードとなっている状態から、開閉状態が逆となる流出管6aを開放状態、流出管6bを閉塞状態とする第3のモードとする場合は、以下のように駆動する。
【0078】第2の状態(原点位置からロータ部4b2が90度回転した状態)からステータ部4b1のコイルに通電してロータ部4b2を、先ほどの原点位置から第2のモードとするときと同様の方向に回転するように駆動する。すると、第1及び第2のカム部材4a1,4a2は、ロータ部4b2と一体的に、図10(B)において矢示方向へ回転する。
【0079】弁球体3aは、ロータ部4b2の最初の100度(原点位置から見て90度から190度)の回転の間、第1のカム部材4a1の突出山部4a5との当接を維持し、バルブ継手管7a側に押し付けられたままの状態となっている。そして、ロータ部4b2の回転が100度(原点位置から見て190度)を超えると、弁球体3aは、第1のカム部材4a1の突出山部4a5との当接が解除され、斜面部4a7との当接が開始される。弁球体3aは、この斜面部4a7と当接した状態での35度の回転の際には、コイルバネ7a4の付勢力によって徐々にバルブ継手管7aから離される。そして、このような計135度(原点位置から見て225度)の回転を経てから低面谷部4a6との当接が開始される。このとき、弁球体3aは、コイルバネ7a4の付勢力によってさらにバルブ継手管7aから離され、バルブ継手管7aは開放状態となる。このため、流出管6a側に冷媒ガスが流れることとなる。
【0080】なお、弁球体3aは、低面谷部4a6との当接が開始され、さらにロータ部4b2が45度(原点位置から見て270度)回転されたときには、第1のカム部材4a1の回転に同期している第2のカム部材4a2の頂部4a9により外側(図10(C)において左側)に押し出される。このため、コイルバネ7b4の付勢力によりバルブ継手管7aから離れない場合でも、第2のカム部材4a2によって確実にバルブ継手管7aから離れ、バルブ継手管7aは開放状態となる。
【0081】一方、弁球体3bは、ロータ部4b2の最初の45度(原点位置から見て90度から135度)の回転の間、第1のカム部材4a1の低面谷部4a6との当接を維持し、バルブ継手管7bから離れた状態を維持する。この間、弁球体3bと第2のカム部材4a2の頂部4a9との当接は解除となる。そのため、弁球体3bは、コイルバネ7b4の付勢力により、内側(図10(B)において左側)方向へ移動し、頂部4a9に押し出される前の位置へ戻る。
【0082】そして、ロータ部4b2の回転が45度(原点位置から見て135度)を超えると、弁球体3bは、第1のカム部材4a1の低面谷部4a6との当接が解除され、斜面部4a7との当接が開始される。そして、弁球体3bは、この斜面部4a7と当接した状態で35度の回転の際には、コイルバネ7b4の付勢力に抗して徐々にバルブ継手管7bへ近づく。そして、このような計80度(原点位置から見て170度)の回転を経てから、弁球体3bは突出山部4a5との当接が開始される。これによって、弁球体3bは、バルブ継手管7bに完全に当接してバルブ継手管7bを閉塞する。なお、ロータ部4b2は、この後100度(原点位置から見て170度から270度まで)回転する。この間、弁球体3bは、この突出山部4a5との当接を維持し、バルブ継手管7bは閉塞状態を維持する。そのため、流出管6b側には冷媒ガスが流れない。
【0083】このように、原点位置から見てロータ部4b2が270度回転すると、弁球体3aは低面谷部4a6と当接すると共に第2カム部材4a2の頂部4a9で外側に押し出されてバルブ継手管7aが開放し、弁球体3bは突出山部4a5と当接してバルブ継手管7bが閉塞状態となる。この結果、原点位置から270度ロータ部4b2が回転すると、バルブ継手管7aを開放することにより流出管6aを開放状態、バルブ継手管7bを閉塞することにより流出管6bを閉塞状態の第3のモードとなる。
【0084】このようにして形成した第3のモードから再び第1のモードとする場合は、今までの方向と逆の方向に約270度ロータ部4b2を回転すれば良い。なお、270度回転すると、第1のカム部材4a1の嵌合凸部4a8が主ケース2a側の回転止め用突起2c5にぶつかってしまうので、これを避けるため、260度程度回転するようにしてもよい。その場合、その状態から第2のモードとするには、上述の動作より10度少ない回転、すなわち第1のモードから80度回転する。
【0085】また、上述した第2のモードと第3のモードとの中間位置、すなわち原点位置から見て180度の位置までロータ部4b2が回転すると、両弁球体3a,3bは、ともに第1のカム部材4a1の突出山部4a5に当接し、バルブ継手管7a,7b側に押し付けられた状態となっている。そのため、両バルブ継手管7a,7bは閉塞状態を維持する第4のモードとなり、両流出管6a,6bの双方に冷媒ガスが流れないようになる。
【0086】以上述べたように、本実施形態では、ガイド部材2cとしてプレス加工品を採用しているので、管連結が当該ガイド部材2cを用いて確実に行われるとともに、樹脂材を用いた場合のように溶接や加熱処理等の高温処理時にガイド部材が溶融してしまうような事態が回避される。また、ガイド部材を切削加工品とした場合に比して、生産性が大幅に改善される。
【0087】また、本実施形態のように、プレス加工品からなるガイド部材2cを、本体ケース2の主ケース2aに固着されたバルブ継手管7a,7bを利用して固定することによって、流入管5及び流出管6a,6bの固定がロウ付け等によって容易に固定されるとともに、ガイド部材2cの固定も同時に行うことが可能となり、簡易で確実な固定構造が得られる。
【0088】またこのとき、本実施形態のように、プレス加工品からなるガイド部材2cと本体ケース2とをバルブ継手管7a,7bを介在してロウ付けすることとすれば、より簡易な固定構造が得られる。
【0089】また、本実施形態のように、ガイド部材2cに設けた回転止め用突起2c5によりステッピングモータ4bの原点出しを行うようにすれば、センサー等を用いることなく、簡易な構成により初期の位置設定が可能となる。
【0090】また、本実施形態では、駆動部4としてのステッピングモータ4bの軸を、ガイド部材2cを利用して支持しているので、駆動部4の保持構造が簡易化される。
【0091】また、本実施形態では、一対の弁球体3a,3bを単一のカム部材4aで開閉作動させる際に、一対の弁球体3a,3bを略直線上に配置することとしているので、一対の弁球体3a,3bどうしの高さにバラツキがあったり、カム軸に多少のガタツキがあっても、それら一対の弁球体3a,3bをともに閉塞する動作が、簡易な構成によって確実に行われ、流体の漏れが良好に防止される。
【0092】また、本実施形態のように、ガイド部材2cを利用してバルブ継手管7a,7bを位置決めすれば、当該バルブ継手管7a,7bの取付作業が容易かつ確実に行われる。
【0093】また、本実施形態では、ガイド部材2cを本体ケース2の主ケース2cに対して三点以上の箇所にわたってラジアル方向に当接させているので、ガイド部材2cの取付作業が容易かつ確実に行われる。
【0094】また、本実施形態のように、ガイド部材2cと本体ケース2との軸方向の位置関係を第2位置決め板2c7,2c8により規定しておけば、ガイド部材2cの固定状態を完全化することが可能となるとともに、ガイド部材2cの組込みの不良の場合には、本体ケース2の主ケース2aとケースカバー2bどうしが合わさらなくなって、ガイド部材2cの組み込み不良が直ちに検出される。
【0095】また、本実施形態のように、球体からなる弁球体3a,3bの側面部を、ガイド部材2cによって位置規制しておけば、弁球体3a,3bの位置決めが、簡易な構成で良好に行われる。
【0096】また、本実施形態のように、全ての弁球体3a,3bを開放状態とするようにカム部材4aを案内する待避傾斜案内部2c4を、ガイド部材2cに設けておけば、組立時等において流入管5及び流出管6a,6b側から高熱が伝達されてきても、カム部材4aを流入管5及び流出管6a,6b側から離間するように待避させて空気層を介して熱的に遮断しておくことにより、カム部材4a側には高熱が伝導されにくくなり、当該カム部材4a等の溶融が防止される。また、本体ケース2の内部の空気を排出して流体を本体ケース2内に取り込む際等においても、全ての弁球体3a,3bを直ちに開状態とすることが可能となるため都合がよい。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のバルブ駆動装置は、駆動部にカム面を備えたカム部材を設け、このカム部材のカム面によって弁体を動作させて本体ケースの開口を開閉するようになっている。そのため、従来のバルブ駆動部材で用いられているネジ部が必要ない。その結果、ネジの高精度な加工や弁体と開口の中心位置合わせ作業等の煩わしい作業を必要せず、単純な構成により開口を弁体で開閉することが可能となるため、部品点数の減少に加えて組み立てコスト等の生産コストをも抑えることが可能となり、大量生産に適した安価なバルブ駆動装置とすることができる。
【0098】加えて、本発明ではガイド部材としてプレス加工品を採用しているので、管連結が当該ガイド部材を用いて確実に行われるとともに、樹脂材を用いた場合のように溶接や加熱処理等の高温処理時にガイド部材が溶融してしまうような事態が回避される。また、ガイド部材を切削加工品とした場合に比して、生産性が大幅に改善される。
【0099】また、本発明のように、プレス加工品からなるガイド部材を、本体ケースに固着されたバルブ継手管を利用して固定することとすれば、流入管及び流出管の固定がロウ付け等によって容易に固定されるとともに、ガイド部材の固定も同時に行うことが可能となり、上述した効果に加えて、簡易で確実な固定構造が得られる。
【0100】またこのとき、本発明のように、プレス加工品からなるガイド部材と本体ケースとをバルブ継手管を介在してロウ付けすることとすれば、上述した効果に加えて、より簡易な固定構造が得られる。
【0101】また、本発明のように、ガイド部材に設けた回転止め部により駆動部の原点出しを行うようにすれば、上述した効果に加えて、センサー等を用いることなく、簡易な構成により初期の位置設定が可能となる。
【0102】また、本発明のように、駆動部としてのモータの軸を、ガイド部材を利用して支持することにより、上述した効果に加えて、駆動部の保持構造を簡易化することができる。
【0103】また、本発明のように、複数の弁体を単一のカム部材で開閉作動させる際に、一対の弁体を略直線上に配置することによって、一対の弁体どうしの高さにバラツキがあったり、カム軸に多少のガタツキがあっても、それら一対の弁体をともに閉塞する動作が、簡易な構成によって確実に行われ、上述した効果に加えて、流体の漏れが良好に防止される。
【0104】また、本発明のように、ガイド部材を利用してバルブ継手管を位置決めすれば、上述した効果に加えて、バルブ継手管の取付作業が容易かつ確実に行われる。
【0105】また、本発明のように、ガイド部材を本体ケースに対して三点以上の箇所にわたってラジアル方向に当接させるようにすれば、上述した効果に加えて、ガイド部材の取付作業が容易かつ確実に行われる。
【0106】また、本発明のように、ガイド部材と本体ケースとの軸方向に位置関係を規定しておけば、ガイド部材の固定状態を完全化することが可能となるとともに、ガイド部材の組込みの不良の場合には、本体ケースの分割体どうしが合わさらなくなって、上述した効果に加えて、ガイド部材の組み込み不良が直ちに検出される。
【0107】また、本発明のように、球体からなる弁体の側面部を、ガイド部材によって位置規制しておけば、上述した効果に加えて、弁体の位置決めが簡易な構成で良好に行われる。
【0108】また、本発明のように、全ての弁体を開放状態とするようにカム部材を案内する待避傾斜案内部をガイド部材に設けておけば、組立時等において流入管及び流出管側から高熱が伝達されてきても、カム部材を流入管及び流出管側から離間するように待避させて空気層を介して熱的に遮断しておくことにより、カム部材側に高熱が伝導されにくくなり、上述した効果に加えて、当該カム部材等の溶融が防止される。また、本体ケース内部の空気を排出して流体を本体ケース内に取り込む際等においても、全ての弁体を直ちに開状態とすることが可能となるため都合がよい。
【出願人】 【識別番号】000002233
【氏名又は名称】株式会社三協精機製作所
【出願日】 平成11年10月19日(1999.10.19)
【代理人】 【識別番号】100093034
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 隆英
【公開番号】 特開2001−116152(P2001−116152A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−296449