| 【発明の名称】 |
電動バルブ装置及び薬液散布装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 堅二
|
| 【要約】 |
【課題】トラブル発生時に手動操作可能でかつ省スペース化された電動バルブ装置10を提供する。
【解決手段】モータ12は長手方向と直角な向きに突出する出力軸14備える。筒状体20は、長手方向と直角な向きに突出する回転軸22を備え、モータ12と長手方向を揃えて並置される。回転軸22及び出力軸14は、筒状体20及びモータ12の並置される方向と直角な向きにそれぞれ向けられる。弁体32は回転軸22に固定され、回転軸22回りの90度の回転ごとに電動バルブ装置10を開閉する。出力軸14及び回転軸22には、歯数比1:2の駆動側歯車24及び被駆動側歯車26が固定され、駆動側歯車24は着脱自在である。出力軸14は、1アクションで180ずつ回転する。モータ12はウオーム減速機構を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長手方向と直角な向きに突出する出力軸(14)を備えるモータ(12)と、前記モータ(12)に長手方向を揃えつつ前記出力軸(14)の突出する向きと直角方向に並置されるとともに内部に流水路(42)が形成される筒状体(20)と、前記筒状体(20)に回転自在に支持され前記出力軸(14)と同一の向きに突出する回転軸(22)と、前記回転軸(22)に固定されるとともに前記流水路(42)においてシール手段(34,36)に摺接しつつ配設され前記回転軸(22)回りの回転位置に応じて前記流水路(42)を開閉する弁体(32)と、前記出力軸(14)に着脱自在に固定される駆動側歯車(24)と、前記駆動側歯車(24)に係合し前記回転軸(22)に固定される被駆動側歯車(26)とを有していることを特徴とする電動バルブ装置。 【請求項2】 前記モータ(12)はウォーム減速機構を備えていることを特徴とする請求項1記載の電動バルブ装置。 【請求項3】 前記出力軸(14)は1アクションで180度ずつ回転し、前記被駆動側歯車(26)は前記駆動側歯車(24)の二倍の歯数を持ち、前記弁体(32)は前記回転軸(22)回りの90度の回転ごとに前記流水路(42)の開閉を切替えることを特徴とする請求項1又は2記載の電動バルブ装置。 【請求項4】 前記筒状体(20)には前記流水路(42)に連通するとともに前記筒状体(20)及び前記モータ(12)の並置される方向と直角な側面において開口する接続用通路(58)が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動バルブ装置。 【請求項5】 薬液圧送ポンプ(80)、複数のノズル群、及び、前記ノズル群と等しい個数の請求項4記載の電動バルブ装置(10)の接続用通路(58)を接続管(50)で接続して構成した電動バルブユニット(90)を備え、前記電動バルブユニット(90)は前記薬液圧送ポンプ(80)からの薬液の供給を受けて各前記電動バルブ装置(10)に分岐させ、各前記電動バルブ装置(10)には各前記ノズル群へ分岐する分岐配管(88)が接続されることを特徴とする薬液散布装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、薬液用の配管等に使用される電動バルブ装置、及び、この電動バルブ装置を装備しスピードスプレーヤ等に搭載される薬液散布装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般にスピードスプレーヤは、車体前部に運転席が配設され車体後部に薬液圧送ポンプ及び噴頭部が配設される。噴頭部には、いくつかのノズル群に群分けされたノズルが装備され、各ノズルは薬液圧送ポンプより薬液の供給を受け薬液を散布する。薬液圧送ポンプにより圧送される薬液の配管は、ノズル群の個数と等しい流出口を有する分水器によって各ノズル群へと分岐される。薬液の散布及び停止の操作はノズル群ごとに可能であり、その操作を行うための操作具は運転席に配設される。 【0003】薬液の散布及び停止を行う操作具を手動コックとすると、各ノズル群に分岐する配管を車体後部から車体前部の運転席まで引かなければならないため、分水器における各ノズル群に分岐する配管に対応した位置に電動バルブ装置を接続し、電動バルブ装置の開閉スイッチを薬液の散布及び停止を行う操作具として運転席に設ける方式がとられている。 【0004】電動バルブ装置は、回転軸回りに回転自在な弁体の回転位置に応じて開閉が切替えられ、弁体の回転軸はモータにより駆動される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来の電動バルブ装置の問題点は以下の通りである。 (a)弁体の回転軸にはモータが接続されており、弁体の固着等により作動しなくなったときに手動で弁体を動かすことができない。 (b)弁体の回転に適した回転数の出力を必要とするため、モータは、減速機構を含むものが使用されるが、分水器に複数の電動バルブ装置を直線状に配列するとき一個あたりの電動バルブ装置の厚さを薄くするのに適した形態のものとはなっていない。 【0006】また、従来のスピードスプレーヤにおける薬液散布装置では、分水器にノズル群の個数と等しい数の電動バルブ装置接続するため、分水器と電動バルブ装置を含めたユニットの配管に無駄が生じてユニットの寸法が大きくなり、また、ノズル群の個数が変わるとそれに対応した分岐配管の接続が可能な分水器を新たに用意する必要がある。 【0007】この発明の目的は、上述の問題点を克服した電動バルブ装置及び薬液散布装置を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明の電動バルブ装置(10)は、長手方向と直角な向きに突出する出力軸(14)を備えるモータ(12)と、モータ(12)に長手方向を揃えつつ出力軸(14)の突出する向きと直角方向に並置されるとともに内部に流水路(42)が形成される筒状体(20)と、筒状体(20)に回転自在に支持され出力軸(14)と同一の向きに突出する回転軸(22)と、回転軸(22)に固定されるとともに流水路(42)においてシール手段(34,36)に摺接しつつ配設され回転軸(22)回りの回転位置に応じて流水路(42)を開閉する弁体(32)と、出力軸(14)に着脱自在に固定される駆動側歯車(24)と、駆動側歯車(24)に係合し回転軸(22)に固定される被駆動側歯車(26)とを有している。 【0009】弁体(32)は、回転軸(22)に固定されているので、モータ(12)の出力軸(14)によって駆動側歯車(24)及び被駆動側歯車(26)を介し駆動され、シール手段(34,36)に対し回転摺動する。電動バルブ装置(10)は、弁体(32)の回転位置に応じて流水路(42)を開閉し流水路(42)内の液体の通過を制御する。弁体(32)のシール手段(34,36)への固着により、電動バルブ装置(10)が作動しなくなったときには、駆動側歯車(24)を出力軸(14)から取り外して被駆動側歯車(26)への係合を解いた状態にし、被駆動側歯車(26)を手動で動かして弁体(32)の回転を行う。モータ(12)及び筒状体(20)が長手方向を揃えて配置されるために、電動バルブ装置(10)の長手方向以外の寸法は低減され、出力軸(14)及び回転軸(22)がモータ(12)及び出力軸(14)の並置される方向の側方へ外部露出しているので、駆動側歯車(24)の脱着作業、及び、被駆動側歯車(26)の手動操作は容易化される。 【0010】さらに、この発明の電動バルブ装置(10)によれば、モータ(12)はウォーム減速機構を備えている。 【0011】駆動側歯車(24)及び非被駆動側歯車(26)の減速比を極端に大きくしなくても良くする必要性から、モータ(12)の出力軸(14)は、弁体(32)の回転を行うのに適した回転数に近くなるまで減速する減速機構を備えることが望ましい。モータ(12)にウォーム減速機構を備えることにより、モータ(12)は、回転数を十分に減速しつつ長手方向と直角に配置される出力軸(14)を備えることができるようになる。こうして、モータ(12)は複雑な減速機構を持つ必要がなくなり長手方向以外の寸法を低減され、電動バルブ装置(10)の寸法低減に寄与する。 【0012】さらに、この発明の電動バルブ装置(10)によれば、出力軸(14)は1アクションで180度ずつ回転し、被駆動側歯車(26)は駆動側歯車(24)の二倍の歯数を持ち、弁体(32)は回転軸(22)回りの90度の回転ごとに流水路(42)の開閉を切替える。 【0013】1アクションとは、例えば1回のスイッチボタンを押した際の動作のことをいう。被駆動側歯車(26)の歯数が駆動側歯車(24)の歯数の二倍であることから、出力軸(14)が180度回転すると回転軸(22)は90度回転する。したがって、1回スイッチボタンを押すごとに、回転軸(22)に固定される弁体(32)が90度ずつ一方向に回転して、電動バルブ装置(10)は順次開閉を切替えられる。こうして、弁体(32)を一方向のみに回転させることにより、弁体(32)のシール手段(34,36)に対する摺動はスムーズに行われ、弁体(32)のシール手段(34,36)への固着の発生を少なくすることができる。 【0014】さらに、この発明の電動バルブ装置(10)によれば、筒状体(20)には流水路(42)に連通するとともに筒状体(20)及びモータ(12)の並置される方向と直角な側面において開口する接続用通路(58)が形成される。 【0015】複数の電動バルブ装置(10)の接続用通路(58)開口部を接続管(50)によって接続することにより、多連電動バルブユニットとすることができる。この際、電動バルブ装置(10)の接続される方向に対して直角方向に筒状体(20)及びモータ(12)が配列されるので、複数の電動バルブ装置(10)を接続方向の寸法の増大を押さえつつコンパクトな状態での接続を行うことができる。 【0016】この発明の薬液散布装置は、薬液圧送ポンプ(80)、複数のノズル群、及び、ノズル群と等しい個数の請求項4記載の電動バルブ装置(10)の接続用通路(58)を接続管(50)で接続して構成した電動バルブユニット(90)を備え、電動バルブユニット(90)は薬液圧送ポンプ(80)からの薬液の供給を受けて各電動バルブ装置(10)に分岐させ、各電動バルブ装置(10)には各ノズル群へ分岐する分岐配管(88)が接続される。 【0017】薬液圧送ポンプ(80)によって圧送される薬液は、電動バルブユニット(90)によって各ノズル群への分岐配管(88)へと分岐され、各電動バルブ装置(10)の開閉により各ノズル群ごとにノズル(86)からの薬液の散布及び停止が切替えられる。電動バルブユニット(90)は、各電動バルブ装置(10)の有する筒状体(20)と接続管(50)とで分水器の機能を持つよう構成されているので省スペース化され、ノズル群の個数に応じて電動バルブ装置(10)及び接続管(50)の個数を自由に変更することにより設計上の無駄を省くことができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1はスピードスプレーヤ2の主要要素を模式的に示した平面図である。スピードスプレーヤ2の走行車体上には、前側から後側へ向けて順に、運転席部70、薬液タンク71、エンジンルーム72、噴頭部73、及び、送風機部74が配設されている。作業者は、運転席部70に乗車してスピードスプレーヤ2の運転操作及び散布操作を行う。薬液タンク71には、散布用の薬液が貯留される。エンジンルーム72内には、エンジン84、薬液圧送ポンプ80、四連電動バルブユニット90等が配設されている。エンジン84は、スピードスプレーヤ2の走行駆動、薬液圧送ポンプ80の駆動、及び、送風機部74に装備される送風機の駆動を行う。噴頭部73には、薬液を散布するノズル86が左右側方及び上方において扇形に配列され、各ノズル86は左下、左上、右上、及び、右下の4個のノズル群に群分けされている。薬液圧送ポンプ80は、薬液タンク71内の薬液を吸引してノズル86に薬液を圧送する。四連電動バルブユニット90は、4個の電動バルブ装置10の接続管50による接続によって形成され、薬液圧送ポンプ80から吐出ホース82を介して圧送される薬液の流入を受けるとともに、各電動バルブ装置10によって薬液を分岐させている。四連電動バルブユニット90における各電動バルブ装置10には、左下、左上、右上、及び、右下の各ノズル群に通じる4本の分岐配管88が接続され、各ノズル群の所属するノズル86は、それぞれ各電動バルブ装置10の開閉によって独立して薬液の散布及び停止の切替が可能とされている。運転席部70には4個のスイッチ78を備える操作パネル76が設置されており、各スイッチ78は、四連電動バルブユニット90の各電動バルブ装置10の開閉操作が可能なように対応付けられいる。送風機部74は、送風機の送風によりノズル86から散布される薬液を遠方へ到達させる。 【0019】図2、図3、及び、図4はそれぞれ電動バルブ装置10の正面図、側面図、及び、一部断面を示した底面図である。各図においては簡単のため、電動バルブ装置10が2個接続された状態に描いてある。また、図3においては、ナット27及びナット28を外した状態で描いてある。モータ12は内部にウォーム減速機構を有しており、モータ12の出力軸14はモータ12の長手方向に対し直角の向きに突出している。モータ12は、リレー制御により、スイッチ78を一回操作するごとに出力軸14が180度回転して停止するよう設定されている。バルブボデイ18は筒状体20を一体的に備えている。ステー16は図示しないボルトによってバルブボデイ18に固定されている。モータ12は、長手方向を筒状体20に平行に揃えて並置しつつ筒状体20及びモータ12の並置される方向と直角な向きに出力軸14を向けた状態で、3本のボルト21によりステー16に固定されている。筒状体20及びモータ12は長手方向に比べ他の方向の寸法が小さくされており、電動バルブ装置10の厚さ方向の寸法(出力軸14及び回転軸22の向けられる方向)も小さくされている。回転軸22は、2本のOリング30を介して筒状体20に回転自在に支持されている。回転軸22は、筒状体20の軸心と直交し、また、筒状体20及びモータ12の並置される方向と直角で出力軸14の突出する向きと等しい向きに突出している。駆動側歯車24はナット27により出力軸14に固定され、被駆動側歯車26は駆動側歯車24に係合しつつナット28により回転軸22に固定されている。駆動側歯車24と被駆動側歯車26との歯数比は1:2とされている。 【0020】筒状体20の内部には、流水路42が、筒状体20と等しい軸心に形成されている。さらに、流水路42内には、筒状体20の軸方向基端側から先端側へ向けて順に、シール手段34、弁体32、及び、シール手段36が配設されている。弁体32は、回転軸22に固定されて回転軸22回りに回転自在となっている。シール手段34及びシール手段36は、筒状体20の先端側から流水路42内に嵌挿され、弁体32に摺接している。押え部材40は、筒状体20の先端部において筒状体20に螺合し、シール手段34、弁体32、及び、シール手段36を筒状体20の先端側から押さえ、筒状体20の軸方向先端側への抜けを防止している。押え部材40には、分岐配管88が接続されている。弁体32には回転軸22に直交する直線状の穿孔38が穿設され、弁体32の回転軸22回りの回転によって、穿孔38の両端側開口部が流水路42に面したときには流水路42内の液体の通過が許容され、穿孔38の両端側開口部が筒状体20の内壁の方を向きシール手段34及びシール手段36の間に位置して流水路42に面しないときには流水路42内の液体の通過が遮断されるようになっている。流水路42内における液体の通過の許容及び遮断は、弁体32の回転軸22回りの90度の回転ごとに切替られるようになっている。 【0021】バルブボデイ18における筒状体20の基端側部分には、流水路42と直交する接続用通路58が形成されている。接続管50は、隣接する電動バルブ装置10の各接続用通路58の開口部を連結している。Oリング52は、バルブボデイ18及び接続管50間をシールしている。両端部に位置する電動バルブ装置10の接続用通路58における接続管50の接続されない端部側開口部には、それぞれフランジ54及びホース接続フランジ56が接続されており、フランジ54及びホース接続フランジ56と両端部の電動バルブ装置10との間のシールがOリング55及びOリング53によってそれぞれなされている。交互に配列される4個の電動バルブ装置10及び3個の接続管50は、フランジ54及びホース接続フランジ56によって挟持され、この状態のままボルト62及びナット60により固定され四連電動バルブユニット90が形成されている。ホース接続フランジ56には、吐出しホース82が接続されている。 【0022】薬液圧送ポンプ80が駆動されると、薬液圧送ポンプ80は、吐出しホース82を介してホース接続フランジ56に薬液を圧送する。ホース接続フランジ56まで送出された薬液は、接続用通路58及び接続管50を通った後、4個の電動バルブ装置10の各流水路42に流れ込む。すなわち、四連電動バルブユニット90は分水器として機能する。 【0023】各電動バルブ装置10は、対応するスイッチ78の1回の操作によりモータ12の出力軸14が180度回転し停止する。被駆動側歯車26の歯数が駆動側歯車24の歯数の二倍であることから、回転軸22及びこれに固定される弁体32は90度回転して停止することになる。この停止位置において、弁体32に穿設された穿孔38の両端開口部を流水路42に正対させる開位置になるように駆動側歯車24及び被駆動側歯車26を係合させれば、再びスイッチ78を操作し弁体32が90度回転して停止したときには、穿孔38の両端開口部はシール手段34及びシール手段36の間に位置して流水路42には面さなくなり閉位置となる。したがって、1回のスイッチ78の操作毎に弁体32は一方向のみに回転して開閉が切替えられることになり、弁体32のシール手段34及びシール手段36に対する摺動はスムーズとなる。 【0024】弁体32がシール手段34及びシール手段36に固着し、モータ12の駆動により弁体32が回転しなくなったときには、ナット27を外して駆動側歯車24を出力軸14から取り外し、被駆動側歯車26の駆動側歯車24への係合を解いて回転軸22を回転自在とさせる。そして、作業者が、手で被駆動側歯車26を把持して手動で弁体32を回転させる。ナット27は電動バルブ装置10において側部側に位置しており、各電動バルブ装置10は接続管50により間隔をもたせつつ配列された状態となっているので、各電動バルブ装置10の間に工具を挿入してナット27をゆるめる作業は容易である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000141174 【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
|
| 【出願日】 |
平成11年10月6日(1999.10.6) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−108132(P2001−108132A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−285684 |
|