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【発明の名称】 貯湯容器の安全バルブ
【発明者】 【氏名】瀧澤 元

【要約】 【課題】貯湯容器の内部圧力又は内部温度が所定以上の値になると、バルブを開放して過圧の一定量を貯湯容器から外部に排出して、事故を回避し安全をはかりうると共に、バルブの駆動部の部品点数を減じて製造コストの低減をはかりうる貯湯容器の安全バルブを提供する。

【解決手段】貯湯容器の上部に、排出口3を有するバルブケース2を設け、バルブケース2内の弁座4に対し圧縮バネ5を介して所定の設定荷重で閉じるバルブ6を設けると共に、バルブ6の下部に、ワックスを封入したセンサー部8のワックスの膨張・収縮により上下するピストン9を連結し、かつピストン9の押し上げ力と貯湯容器内の圧力との和が上記圧縮バネ5の設定荷重を越えるとバルブ6を開放するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貯湯容器の上部に、排出口を有するバルブケースを設け、そのバルブケース内に設けた弁座に対し、圧縮バネを介して所定の設定荷重で閉じるバルブを設けると共に、そのバルブの下部に、ワックスを封入したセンサー部のワックスの膨張・収縮により上下するピストンを連結し、かつそのピストンの押し上げ力と貯湯容器内の圧力との和が上記圧縮バネの設定荷重を越えるとバルブを開放するようにした貯湯容器の安全バルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として蓄熱式温水器等の密閉された貯湯容器内の圧力又は温度が所定値以上に上昇すると、その貯湯容器のバルブケースに収納したバルブを開放して圧力気体を一定量外部に排出する貯湯容器の安全バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】夜間余剰電力の有効利用の一例として、従来より蓄熱式電気温水器が実用化されている。
【0003】一般にこの種の蓄熱式電気温水器は、一日のうちの電力総使用量が低下する時間帯に通電して加熱貯湯するために、貯湯槽を断熱保温構造とすると共に、槽内に電熱ヒータを組み込み、その貯湯槽に給水ポートと給湯ポートを設けた構造になっている。
【0004】上記電気温水器は、通電時間中に温水が所定の湯温に達すると電力の供給を遮断する温度制御スイッチが設けられており、異常過熱を回避しているが、何らかの原因によって温度制御スイッチが故障し、連続して通電が続けられると槽内の湯が設定温度を越えて最終的には沸騰する。
【0005】このため従来は、沸騰した水蒸気を上記給湯ポートの基部に構成した圧力感知式蒸気抜き安全弁から排出し、槽内の内圧が所定値を越えないように制御していたが、該圧力感知式蒸気抜き安全弁が作動した後に温度制御スイッチの故障が復帰すると貯湯槽に設定値を越えた高温の供給湯が貯められるようになり維持される。即ち、この状態から温水を使用すると、例えばシャワー等から普段より高温の湯が噴出することになり、非常に危険であることはいうまでもない。
【0006】そこで上記のごとき電気温水器内の温度又は圧力のいずれかが所定値まで上昇すると、温水器の圧力容器の弁が自動的に開放して、その安全をはかることを目的とした温水器の安全装置に関する特開平7−180911号の発明が知られている。
【0007】上記従来公知の温水器の安全装置では、図5のごとく圧力容器68に装着したバルブケース51に収納した弁54を圧力スプリング55により弁座56に圧接し、弁54の下方に温度センサー60の押上ピン62を対向させ、圧力容器68内の温度が所定値まで上昇すると、押上ピン62が弁54を押し上げて開放するようになっており、また、上記温度センサー60は、上端をふた67により閉鎖している円筒61に押上ピン取付部材53、バイアススプリング64、ピストン65、及びオイル66等の熱膨張性流体を収容することで構成されたものからなり、さらに上記従来公知の安全装置の実施形態の他の例としては、図6に示すごとく、円筒61内には、押上ピン62、押上ピン取付部材53、バイアススプリング64及び形状記憶合金スプリング70を収容して温度センサー60を構成することからなっている。
【0008】図5の温水器において、例えば温度が所定値まで上昇すると、温度センサー60内のオイル66等の熱膨張性流体が膨張して押上ピン62を押上げ、圧力容器68の弁54を開放し、温度又は圧力が所定値以上に上昇せず、安全を図れるようになっている。また圧力を感知する場合は、ある圧力以上になるとその圧力が弁54を下方から押し上げ、圧力スプリング55に打ち勝って弁54を開放する。
【0009】このように、従来の装置は温度感知作動部と圧力感知作動部とは夫々別個に設け、しかも温度感知作動初はさらに押上ピン62、押上取付部材53、バイアススプリング64、ピストン65、オイル66等により構成しなければならず、部品点数が多く、構造が複雑となり、それだけ故障も多く、かつ高価になるという欠点を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、貯湯容器の内部圧力が所定値以上に上昇したり、貯湯容器内の温度が所定値以上に過熱されると、バルブケースに収納されたバルブを開放して過圧の一定量を貯湯容器から外部に排出し、貯湯容器の事故を回避して安全をはかると共に、バルブの駆動部の部品点数を減じて構造の単純化をはかって製造コストの低減をはかりうる貯湯容器の安全バルブを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の貯湯容器の安全バルブは、貯湯容器の上部に、排出口を有するバルブケースを設け、そのバルブケース内に設けた弁座に対し、圧縮バネを介して所定の設定荷重で閉じるバルブを設けると共に、そのバルブの下部に、ワックスを封入したセンサー部のワックスの膨張・収縮により上下するピストンを連結し、かつそのピストンの押し上げ力と貯湯容器内の圧力との和が上記圧縮バネの設定荷重を越えるとバルブを開放するようにすることからなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の貯湯容器の安全バルブの実施の形態につき説明するが、図1はその一実施形態の安全バルブの開放時の状態を示す要部側断面図であり、図2は図1の安全バルブの閉じた状態を示す要部側断面図である。
【0013】また、図3は図1の安全バルブを装着した貯湯容器の概略側断面図であり、そして図4は図1のセンサー部の側断面図である。
【0014】まず、この貯湯容器1は、密閉された圧力容器であり、その内部で水12を加熱すると、その温度上昇に伴って貯湯容器1内の圧力も当然上昇し、高圧中で加熱を続ければ水12は100℃の沸点を越えてもその温度が上昇し、危険である。
【0015】そこで、この安全バルブは、その貯湯容器1の上部に設けられたバルブケース2内に設けられており、貯湯容器1内の高温高圧の気体の一定量を、バルブケース2内に有する排出口3から外部に排出して逃がす安全装置の機能をもっている。このバルブケース2内に設けられた弁座4に対しては、圧縮バネ5を介して所定の設定荷重でバルブ6が図2のごとく閉じるように設けられている。
【0016】また、このバルブ6の下部には、図4に示すようにワックス7を封入したセンサー部8があり、そのセンサー部8に封入したワックス7の温度変化による膨張・収縮により上下動するピストン9の上端をバルブ6の下面に連結している。
【0017】なお、上記センサー部8のピストン9は図4に示すように圧縮スプリング10により常に押し下げられるように付勢されている。
【0018】そこで、図1及び図2の安全バルブのねじ部11を上記圧力容器である貯湯容器1の上部に取り付けておき、貯湯容器1内の水12等を電熱ヒータ等で加熱すると、貯湯容器1内の水12は温度上昇すると共に、容器内圧力も上昇する。
【0019】水12は100℃の沸点を越えてもその温度が上昇するが、そこで上記のセンサー部8に封入されたワックス7が加熱により膨張し、ピストン9を押し上げるように作用する。
【0020】このピストン9の押し上げ力と、貯湯容器1内の圧力との和が、上記圧縮バネ5の設定荷重を越えると、バルブ6は図1のごとく上方向に押し上げられてバルブ6は開放され貯湯容器1内の圧力は、図1の貯湯容器1内のAから排出口3のBへと抜けて外部に排出される。
【0021】貯湯容器1内の圧力気体がある一定量外部に排出されるか、または貯湯容器1内の水12の温度が下がると、圧縮バネ5の設定荷重によりバルブ6は図2の状態に降下して閉じられる。
【0022】なお、図1及び図2に示す安全バルブのように、上記のバルブ6を手動により昇降させて開閉可能とさせるレバー13を設けることもできる。
【0023】なお、上記の圧縮バネ5の設定荷重は、センサー部8の仕様に基づいて適宜設定するものであり、それにより圧縮バネ5に使用されるバネの種類、線径、有効巻数、総巻数、全ストローク、バネ定数、荷重、応力、作動長さ、荷重等の仕様を決定するものである。
【0024】また、センサー部に封入されるワックス7としては、例えば次のものを使用することができる。
【0025】即ち、石油ワックス、例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、ペトロラタム等である。
【0026】
【発明の効果】以上に説明した本発明の貯湯容器の安全バルブによれば、貯湯容器内部圧力が所定以上に上昇したり、貯湯容器内の温度が所定以上に過熱されると、バルブケースに収納されたバルブを自動的に開放して過圧気体の一定量を貯湯容器から外部に排出し、貯湯容器の破裂事故や火傷事故等を回避することができる。
【0027】また、本発明の安全バルブでは、貯湯容器内に挿入したワックスを封入したセンサー部によって、そのワックスの膨張・収縮によってバルブを開閉する単純な構造であり、従来の安全装置に比べて部品点数を減ずることができ、その製造コストの低減をはかることができる。
【出願人】 【識別番号】390008497
【氏名又は名称】日本電熱株式会社
【出願日】 平成11年10月8日(1999.10.8)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2001−108126(P2001−108126A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−287704