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【発明の名称】 蛇口用電磁弁
【発明者】 【氏名】小 平 真

【要約】 【課題】蛇口の鶴首に組み込み易い形状の電磁弁を提供すること。

【解決手段】ほぼ円筒状をなし、直立して配置されたときの上端面に水出口17が、下端面に水入り口11が設けられ、かつ外周壁に接して前記水入り口から前記水出口へと連なる水路が設けられた本体10と、前記水路の入り口近くに設けられた環状止水壁13およびこの環状止水壁の端部に、一方の面の中央寄りの部分が接、離して前記水路を閉、開するように設けられたダイアフラム14を有するダイアフラム式弁と、前記ダイアフラムの他方の面のほぼ全体に接する室であって、前記ダイアフラムに設けられた小孔を介して前記水入り口に、および電磁弁付きの小水路を介して前記水出口にそれぞれ接続された圧力変化室205とをそなえ、前記電磁弁を開閉して前記圧力変化室の圧力を変化させることにより、前記ダイアフラムを前記止水壁に接、離して前記水路を開閉するようにした蛇口用電磁弁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ほぼ円筒状をなし、直立して配置されたときの上端面に水出口が、下端面に水入り口が設けられ、かつ外周壁に接して前記水入り口から前記水出口へと連なる水路が設けられた本体と、前記水路の入り口近くに設けられた環状止水壁、およびこの環状止水壁の端部に、一方の面の中央寄りの部分が接、離して前記水路を閉、開するように設けられたダイアフラムを有するダイアフラム式弁と、前記ダイアフラムの他方の面のほぼ全体に接する室であって、前記ダイアフラムに設けられた小孔を介して前記水入り口に、およびソレノイド電磁弁付きの小水路を介して前記水出口にそれぞれ接続された圧力変化室とをそなえ、前記ソレノイド電磁弁を開閉して前記圧力変化室の圧力を変化させることにより、前記ダイアフラムを前記環状止水壁に接、離して前記水路を開閉するようにした蛇口用電磁弁。
【請求項2】請求項1記載の蛇口用電磁弁において、前記ソレノイド電磁弁は、瞬時の順、逆付勢により開閉動作し、かつ自己保持するものである蛇口用電磁弁。
【請求項3】請求項1記載の蛇口用電磁弁において、前記ソレノイド電磁弁付きの小水路は、前記本体の中心位置に配され、前記水入り口および水出口が、前記小水路の延長上に設けられた蛇口用電磁弁。
【請求項4】請求項1記載の蛇口用電磁弁において、前記水出口に連なる水路が、前記ソレノイド電磁弁の周囲に設けられた蛇口用電磁弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛇口用の電磁弁に係り、とくに電池電源で作動し得るものに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば洗面所などの蛇口には、自動水栓が汎用されるようになっている。この自動水栓の多くは、センサで人の手の存在を検知して電磁弁を作動させ、吐水/止水動作を行っている。したがって、電磁弁などの電源が必要である。
【0003】ただし、新規工事による場合以外は、洗面所では簡単に電源を得ることができない。そこで、電池を電源として電磁弁などを作動させることになる。
【0004】図7および図8は、このようなダイアフラム式電磁弁の水路開時および水路閉時の縦断面を示したものである。これらの図7及び図8において、水路は右側が入口1、左側が出口2であり、その途中にダイアフラム式弁3が設けられており、横断面形状がT字型となっている。
【0005】このダイアフラム式電磁弁は、コイルバネにより付勢されているプランジャ4を、電磁コイル5の励磁により図示上方に引き上げてダイアフラム式弁3を開き、励磁解除によりプランジャ4を下降させてダイアフラム式弁3を閉じるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この図7および図8に示すように全体形状がT字型であると、蛇口の鶴首に組み込むことが難しい。鶴首は、基本的に断面円形のパイプ状に構成されているからである。
【0007】本発明は上述の点を考慮してなされたもので、蛇口の鶴首に組み込み易い形状の電磁弁を提供することを目的とする。
【0008】
【課題解決のための手段】上記目的達成のため、本発明では、ほぼ円筒状をなし、直立して配置されたときの上端面に水出口が、下端面に水入り口が設けられ、かつ外周壁に接して前記水入り口から前記水出口へと連なる水路が設けられた本体と、前記水路の入り口近くに設けられた環状止水壁およびこの環状止水壁の端部に、一方の面の中央寄りの部分が接、離して前記水路を閉、開するように設けられたダイアフラムを有するダイアフラム式弁と、前記ダイアフラムの他方の面のほぼ全体に接する室であって、前記ダイアフラムに設けられた小孔を介して前記水入り口に、および電磁弁付きの小水路を介して前記水出口にそれぞれ接続された圧力変化室とをそなえ、前記電磁弁を開閉して前記圧力変化室の圧力を変化させることにより、前記ダイアフラムを前記止水壁に接、離して前記水路を開閉するようにした蛇口用電磁弁、を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例の縦断面構造を示したものである。この図1において、全体形状がほぼ円筒状をなす本体10の図示下端に下方に突出した水入り口11があり、図示上端に上方に突出した水出口17があって両者を繋ぐ水路にダイアフラム式弁が設けられている。
【0010】水入り口11は、円筒状本体10の下側蓋から下方に突出する円筒部12内に形成され、弁座として機能する環状止水壁13内部の水路201に連なっている。環状止水壁13の図示上端に、ダイアフラム14の下面やや中央寄りの当接部202が接している。
【0011】ダイアフラム14は、その中央部に小さな孔203を有し、ダイアフラム14上方にある圧力変化室205と常時連通している。他方、ダイアフラム14は、下方から供給される水の圧力が上方の圧力変化室205の圧力よりも高くなると上方に押し上げられるから、当接部202が環状止水壁13から離間して、水路201からの水を水路204に通す。ダイアフラム14が上方に押し上げられるのは、圧力変化室205の圧力が低下した場合であり、この圧力低下はパイロット弁の作用による。
【0012】パイロット弁は、次のように構成されている。すなわち、台座101にねじ込まれているソレノイド固定ねじ109に組み付けられたプランジャ収納筒102の中心部にプランジャ103を収容し、このプランジャ103を取り巻くようにコイル筒104に巻装されたコイル105を配置し、コイルカバー106で覆い、プランジャ103を付勢するためのコイルバネ107を仕込んだ磁性押さえ部材108および磁石110を、プランジャ103およびコイル105の上部に水密状に設ける。そして、コイルカバー106を通してリード線111が引き出されている。また、パイロット弁の内部およびその周辺は、水密構造を取るために部材相互を溶接したり、適宜パッキンを介装するなどの措置を採る。
【0013】このパイロット弁は、圧力変化室205から水路204に連通するパイロット水路208を開閉するためのもので、プランジャ103の図示下端は、台座101に設けられその端部が上方を向いたパイロット水路208の端部に当接しており、プランジャ103を昇降させることによりパイロット水路208を開閉する。
【0014】そして、本体10の外壁の内側には、パイロット弁を取り巻くように水入り口11から水出口17に至る水路204を配置する。水路204は、図1では全体的な繋がり具合が見て取れないが、他の図面を用いて後述する。また、パイロット弁の動作についても他の図面を用いて後述する。
【0015】本体10の上部には、上側蓋15が取り付けられ、この上側蓋15の中央部に水出口17が設けられており、本体10と上側蓋15の本体10内部に入り込んだ部分とによって本体10の内側に水路204が形成されている。本体10に対して上側蓋15および下側蓋がパッキンを介装してボルト16により強固に固定されている。
【0016】図2および図3は、パイロット弁の動作を示すもので、図2はパイロット弁が閉じた状態を、図3は開いた状態を示している。パイロット弁の開閉は、コイル105の瞬時通電の方向を順、逆何れにするかによって行う。すなわち、コイル105の瞬時通電による発生磁束が永久磁石110の発生磁束と同方向になるような通電を順方向とすると、永久磁石110の発生磁束と反対方向になるような通電が逆方向となる。
【0017】そして、図2の場合は逆方向であり、永久磁石110の発生磁束がコイル105の発生磁束により打ち消されるから、プランジャ103に作用する磁束がなく、プランジャ103はコイルバネ107の伸張力により図示下方に押し下げられる。
【0018】そして、通電が終わって永久磁石110の発生磁束だけがプランジャ103に作用するようになっても、それだけでは磁性押さえ部材108から離間しているプランジャ103を引き上げるほどの力にはならない。
【0019】他方、図3の場合は、順方向であり、永久磁石110の発生磁束にコイル105の発生磁束に加わるから、プランジャ103にはコイルバネ107による図示下方への押し下げ力よりも大きな引き上げ力が作用する。したがって、プランジャ103が図示上方に引き上げられて、通電が断たれても永久磁石110の発生磁束だけでプランジャ103を吸着しておくことができる。
【0020】このように、コイル105に順、逆の瞬時通電を行うことにより、プランジャ103を図示上方に引き上げたり、図示下方に引き下げたりすることができる。そして、図2および図3の弁の閉、開各動作を説明する。
【0021】まず図2は、コイル105の瞬時逆方向通電によりコイルバネ107の作用でプランジャ103が図示下方に引き下げられた結果、プランジャ103がパイロット路208を塞いでいる。この状態では、ダイアフラム14の中央に開いた小さな孔203を介して水入り口11からの水が圧力変化室205に入り込み、ダイアフラム14の図示上下面の単位面積当たり圧力を均等化する。
【0022】均等化されると、ダイアフラム14の図示下側の、水入り口11からの水に接する面積よりもダイアフラム14の図示上側の、圧力変化室205内の水に接する面積の方が大幅に大であるから、ダイアフラム14に上下各面から作用する圧力の大小を比較すると、図示上側からの圧力が勝る。
【0023】この結果、ダイアフラム14は環状止水壁13の図示上端に押圧当接されて、ダイアフラム14の図示下側で環状止水壁13の図示上端を乗り越える通水経路は閉ざされる。そして、ダイアフラム14の小さな孔203を経、さらに圧力変化室205から連通路206およびプランジャ室207を経てパイロット水路208に至る通水経路もプランジャ103によって既に閉ざされているから、水入り口11から水路204に至る通水経路は全て閉じられる。
【0024】次に図3は、弁開の状態である。この状態では、コイル105の瞬時順方向通電によりプランジャ103を引き上げてパイロット水路208を開いた状態にあり、圧力変化室205の圧力が低下するからダイアフラム14に対する図示上側の面の圧力が図示下側の圧力よりも小さくなり、水入り口11からの水によってダイアフラム14を押し上げて、環状止水壁13の図示上端を乗り越える通水経路が形成される。このように、コイル105の瞬時通電により弁の開、閉を行うことができる。
【0025】図4および図5は、図1ないし図3により示した実施例における水路204の構造を中心に内部構造を示したもので、図4は弁が開いているときを示し、図5は弁が閉じているときを示している。そして、水路204は、図2および図3によりその動作を説明したパイロット弁の周囲を取り囲むように形成されており、その下端はダイアフラム14を介して水入り口11に繋がり、その上端は水出口17に連通している。
【0026】図6は、図1ないし図5に示した実施例の外観形状を示している。この図6から分かるように、弁本体はほぼ円筒状に形成され、下側蓋に水入り口11が、また上側蓋15に水出口17が設けられている。そして、上側蓋15および下側蓋はボルト16により本体10に強固に固定されている。
(変形例)上記実施例では、全体形状をほぼ円筒状に形成しているが、対象とする鶴首に合わせて変形することは無論可能である。
【0027】また、電池以外の電源が得られる状況で使用するために、パイロット弁を自己保持形ではない通常の電磁弁として構成することもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明は上述のように、中心部に電磁動作型のパイロット弁を配し、このパイロット弁によって開閉制御する水路用の弁を持ち、外観形状が円筒状の電磁弁を構成したため、蛇口の鶴首に組み込み易い電磁弁を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000120076
【氏名又は名称】宇呂電子工業株式会社
【出願日】 平成11年10月6日(1999.10.6)
【代理人】 【識別番号】100064285
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−108119(P2001−108119A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−285687