トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 鍛造仕切り弁
【発明者】 【氏名】丸山 勝彦

【氏名】広川 大輔

【要約】 【課題】特殊な立削り盤を用いた溝加工が不要で、容易効率的に寸法精度よく製造できる鍛造仕切り弁を提供する。

【解決手段】鍛造弁箱の流路の一次側と二次側とに、夫々該流路と同心状の筒状の弁座を溶接によって固定した鍛造仕切り弁において、鍛造弁箱の弁室の上部を円形の開口部となす。そして、開口部には、内周面より内側に向けて突出した縦方向ガイドを突出した円形リング体を嵌入固定する。そして,昇降流路を開閉する弁体には上記縦方向ガイドが係入できる縦方向の溝1を設けてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鍛造弁箱(10)の流路(11)の一次側と二次側とに、夫々該流路(11)と同心状の筒状の弁座(14a,14b)を溶接等によって固定した鍛造仕切り弁において、上記鍛造弁箱(10)の弁室(13)の上部を円形の開口部(12)となし、上記開口部(12)には、内周面より内側に向けて突出した縦方向ガイド(31,31)を突出した円形リング体(30)を嵌入固定し、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体(20)には上記縦方向ガイド(31,31)が係入できる縦方向の溝(21,21)を設けたことを特徴とする鍛造仕切り弁。
【請求項2】 鍛造弁箱(10)の流路(11)の一次側と二次側とに、夫々該流路(11)と同心状の筒状の弁座(14a,14b)を溶接等によって固定した鍛造仕切り弁において、上記鍛造弁箱(10)の弁室(13)の上部を円形の開口部(12)となし、上記開口部(12)には、内周面の前記流路(11)と直交方向部位より内側に向けて突出した一対の縦方向ガイド(31,31)を有した円形リング体(30)を嵌入し、この円形リング体(30)の上端部位を鍛造弁箱(10)に溶接によって固定し、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体(20)には、上記縦方向ガイド(31,31)が係入できる縦方向の溝(21,21)を設けたことを特徴とする鍛造仕切り弁。
【請求項3】 鍛造弁箱(10)の流路(11)の一次側と二次側とに、夫々該流路(11)と同心状の筒状の弁座(14a,14b)を溶接等によって固定した鍛造仕切り弁において、上記鍛造弁箱(10)の弁室(13)の上部を円形の開口部(12)となし、上記開口部(12)には、内周面の前記流路(11)と直交方向部位より内側に向けて突出した一対の縦方向ガイド(31,31)を有した円形リング体(30)を嵌入し、この円形リング体(30)の上端部位を鍛造弁箱(10)に溶接によって固定し、上記縦方向ガイド(31,31)は、その下端が該円形リング体(30)を固定した際に流路(11)の弁座(14a,14b)の内周面延長部より内側には達しない位置まで、該円形リング体(30)の下端より下方に突出するように延設し、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体(20)には、上記縦方向ガイド(31,31)が係入できる縦方向の溝(21,21)を設けたことを特徴とする鍛造仕切り弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鍛造弁箱を使用する鍛造仕切り弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、小口径仕切り弁の弁箱は鍛造するのが容易であるので、鍛造弁箱が汎用されている。しかし、精密鍛造が可能となったとはいえ、鍛造では厳格な気密性が要求される弁の要求寸法精度が保証できず、要部は切削仕上げするか、研磨仕上げするか、さらには、弁座等の別途部品を固定して正確な寸法精度を保つようになしてある。
【0003】すなわち、図2を参照に説明するに、鍛造弁箱10の流路11の一次側と二次側とに、夫々該流路11と同心状の筒状の弁座14a,14bを溶接等(溶接・螺子込・打込等)によって固定し、該弁座14a,14bの位置決めと、該弁座14a,14bの寸法精度との精度を保つようになしている。
【0004】また、上記のように弁座14a,14bの寸法精度が保証されても、この両弁座14a,14b間で昇降する弁体20の昇降位置が正確でないと、弁体20と弁座14a,14bとの間に思わぬ不均一な外力が加わり、密閉(閉鎖)不良や、弁体または弁座の損傷の原因となるので、図8に示すように、弁室13には、弁体20の昇降案内面15aや昇降案内溝15bを削成して設け、弁体20には該昇降案内面15aに接する摺動面23a,23aと昇降案内溝15bに係入する凸条23b,23bとを設けてある。
【0005】しかし、上記の昇降案内面15a及び昇降案内溝15bを削成するには、立削り盤で加工しなくてはならないが、この種、立削り盤は、工作機械の加工特性から加工に多大な時間を要し、この種鍛造仕切り弁のコストが高騰する要因となっているという問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情に鑑み、特殊な立削り盤を用いた溝加工が不要で、容易効率的に寸法精度よく製造できる鍛造仕切り弁を提供することを課題としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、本発明は、鍛造弁箱10の流路11の一次側と二次側とに、夫々該流路11と同心状の筒状の弁座14a,14bを溶接等によって固定した鍛造仕切り弁において、上記鍛造弁箱10の弁室13の上部を円形の開口部12となし、上記開口部12には、内周面より内側に向けて突出した縦方向ガイド31を突出した円形リング体30を嵌入固定し、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体20には上記縦方向ガイド31,31が係入できる縦方向の溝21,21を設けたことを特徴とする技術的手段を講じたものである。
【0008】それ故、本発明鍛造仕切り弁は、縦方向ガイド31,31に沿って(案内されて)溝21,21乃至弁体20が摺動して、弁体20は該縦方向ガイド31,31によって規制される正確な位置を昇降方向のみ移動可能となり、この弁体20の昇降で流路11を開閉する作用を呈するものである。
【0009】次に、請求項2の発明は、鍛造弁箱10の流路11の一次側と二次側とに、夫々該流路11と同心状の筒状の弁座14a,14bを溶接等によって固定した鍛造仕切り弁において、上記鍛造弁箱10の弁室13の上部を円形の開口部12となし、上記開口部12には、内周面の前記流路11と直交方向部位より内側に向けて突出した一対の縦方向ガイド31,31を有した円形リング体30を嵌入し、この円形リング体30の上端部位を鍛造弁箱10に溶接によって固定し、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体20には、上記縦方向ガイド31,31が係入できる縦方向の溝21,21を設けたことを特徴とする技術的手段を講じたものである。
【0010】それ故、本発明鍛造仕切り弁は、上記請求項1の作用に加え、円形リング体30を嵌入し、この円形リング体30の上端部位を鍛造弁箱10に溶接によって固定してなるので、縦方向ガイド31,31の位置決めを容易、正確に行える作用を呈する。
【0011】また、本発明は、縦方向ガイド31,31を開口部12の周面の上記流路11と直交方向部位より内側に向け一対突出してあるので、弁体20は左右を平行な縦方向ガイド31,31で案内されて、弁体20の位置が捩れることなく、正確に位置決めされた部位を円滑に昇降できる作用を呈するものである。
【0012】次に、請求項3の発明は、鍛造弁箱10の流路11の一次側と二次側とに、夫々該流路11と同心状の筒状の弁座14a,14bを溶接等によって固定した鍛造仕切り弁において、上記鍛造弁箱10の弁室13の上部を円形の開口部12となし、上記開口部12には、内周面の前記流路11と直交方向部位より内側に向けて突出した一対の縦方向ガイド31,31を有した円形リング体30を嵌入し、この円形リング体30の上端部位を鍛造弁箱10に溶接によって固定し、上記縦方向ガイド31,31は、その下端が該円形リング体30を固定した際に流路11の弁座14a,14bの内周面延長部より内側には達しない位置まで、該円形リング体30の下端より下方に突出するように延設し、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体20には、上記縦方向ガイド31,31が係入できる縦方向の溝21,21を設けたことを特徴とする技術的手段を講じたものである。
【0013】それ故、本発明鍛造仕切り弁は、上記縦方向ガイド31,31は、その下端が該円形リング体30を固定した際に流路11の弁座14a,14bの内周面延長部より内側には達しない位置まで、該円形リング体30の下端より下方に突出するように延設してあるので、弁体20が下降して閉弁している状態でも、弁体20の位置決めができ、常に弁座14a,14bとの位置関係を所定に保つ作用を呈するものである。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して詳細に説明する。図中10が、鍛造弁箱10である。この鍛造弁箱10の一端には流入口11aを他端に流出口11bを有しこの流入口11aと流出口11bとは流路11で連通されているのは無論である。そして、上記流路11の一次側と二次側とに、夫々該流路11と同心状の筒状の弁座14a,14bを溶接等によって固定してあるのは従来の鍛造仕切り弁と同じである。
【0015】なお、上記流入口11aと流出口11bとの中間部位は上方が開口する弁室13となし、上記弁座14a,14bは鍛造弁箱10の上部開口より該弁室13内に入れられ、一次側(流入口11a)側と、二次側(流出口11b)側との双方の流路部位に嵌合して、該弁座14a,14bの流入口14aの端部側と、流出口14bの端部側とを夫々鍛造弁箱10に溶接して固定するようになしてあるのも従来と同じである。
【0016】そして、本発明では、上記鍛造弁箱10の弁室13の上部を円形の開口部12となしてある。従来例では、この開口部12は旋盤を使用して円形の開口部12を削成して、さらに、立削り盤で弁体20の昇降案内面15aや昇降案内溝15b(図8参照)を削成しているが、本発明では、これら昇降案内面15aや昇降案内溝15bを削成することなく、単に断面が円形となる開口部12をその下部が弁室13に達するように設けてなる。
【0017】そして、上記開口部12には、内周面より内側に向けて突出した縦方向ガイド31を突出した円形リング体30を嵌入固定してある。この円形リング体30は、鍛造弁箱10とは別個に用意され、旋盤等であらかじめ所定の寸法精度に加工しておく。なお,上記縦方向ガイド31は凸条となして凸設してあり、図示例では、一対を対設して設けてなるが、その数は適宜選定してよいものである。
【0018】そして、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体20には、上記縦方向ガイド31,31が係入できる縦方向の溝21,21を設けてある。すなわち、縦方向の溝21と前記縦方向ガイド31とが接して、該弁体20は昇降のみ可能となるようになしてある。
【0019】なお、この弁体20を昇降する機構は図示していないが従来公知なものを使用すればよい。一例としては、開口部12を塞ぐ弁箱蓋体を設け、また、この弁箱蓋体をパッキン等で気密性を保って貫通する操作棒を設け、この操作棒は外部ハンドルによって回転させることで螺進退によって昇降可能となし、この操作棒の下端部を、必要に応じてスイベルジョイント等を介装して弁体20の上端係合フック部22に係合するようになしておけばよい。
【0020】したがって、本発明では、弁体20は縦方向ガイド31,31に案内されて所定の位置で昇降のみするので、弁体20と両弁座14a,14bとの相互の位置関係は正確に保たれ、両者間に無用な外力が加わらず、常に相互の位置関係が正確に保たれ、耐久性と気密性を確保できるものである。
【0021】また、本発明は、上記縦方向ガイド31を鍛造弁箱10に直接設けるのではなく、円形リング体30に設けてあるので、この縦方向ガイド31,31の製造は、精密鋳造或いは、通常の機械加工(工作)装置で容易に寸法精度よく製造でき、その取り付けは通常の溶接手段で容易に行えるものである。
【0022】次に、請求項2の発明は、鍛造弁箱10の流路11の一次側と二次側とに、夫々該流路11と同心状の筒状の弁座14a,14bを溶接によって固定した鍛造仕切り弁において、上記鍛造弁箱10の弁室13の上部を円形の開口部12となしてあるのは請求項1と同じである。
【0023】そして、本発明では、上記開口部12には、内周面の前記流路11と直交方向部位より内側に向けて突出した一対の縦方向ガイド31,31を有した円形リング体30を嵌入し、この円形リング体30の上端部位を鍛造弁箱10に溶接によって固定してある。すなわち、本発明では、上記縦方向ガイド31,31の位置を流路11と直交方向部位に限定し、板状の弁体20の両側面で、この弁体20を昇降時に常に同一平面上を昇降するようになしてある。
【0024】また、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体20には、上記縦方向ガイド31,31が係入できる縦方向の溝21,21を設けてあるのは請求項1と同じである。
【0025】したがって、本発明では縦方向ガイド31,31が一対で、効率的に弁体20が同一平面上を昇降移動のみできるようになすことができるものである。前記もしたように,通常この種の仕切り弁の開閉は操作棒の螺進退で行われる。そして、螺進退に伴う回転力は操作棒に作用するパッキンの摩擦力で弁体20に伝わらないようになしてあるが、万が一弁体20にこの操作棒の回転力が伝わっても、該縦方向ガイド31,31で弁体20が捩れる方向には変位しないようになしてある。
【0026】なお、上記縦方向ガイド31,31の位置を上記のように特定すると、昇降移動の位置を正確に保つ利点のほかに、下降して閉弁するまで該弁体20を長い距離にわたって確実に案内できるという利点をも有し、この利点に着目したのが請求項3の発明である。
【0027】すなわち、請求項3の発明は、鍛造弁箱10の流路11の一次側と二次側とに、夫々該流路11と同心状の筒状の弁座14a,14bを溶接によって固定した鍛造仕切り弁において、上記鍛造弁箱10の弁室13の上部を円形の開口部12となし、上記開口部12には、内周面の前記流路11と直交方向部位より内側に向けて突出した一対の縦方向ガイド31,31を有した円形リング体30を嵌入し、この円形リング体30の上端部位を鍛造弁箱10に溶接によって固定してあるのは請求項2と同じである。
【0028】そして、本発明では、上記縦方向ガイド31,31は、その下端が該円形リング体30を固定した際に流路11の弁座14a,14bの内周面延長部より内側には達しない位置まで、該円形リング体30の下端より下方に突出するように延設してある。
【0029】すなわち、流路11と直交方向部位より縦方向ガイド31,31を内側に凸設して、その下端を流路11部位まで延設しても弁室13が該流路11に比べて広い場合は、直接流路11を狭窄することがない。そこで、縦方向ガイド31,31を下方に延設することで、弁体20は下降しても該縦方向ガイド31,31で確実に案内されるようになすことができるものである。
【0030】そして、昇降によって一次側と二次側とを開閉する弁体20には、上記縦方向ガイド31,31が係入できる縦方向の溝21,21を設けてあるのは請求項1及び請求項2と同じである。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項1〜3記載の鍛造仕切り弁によれば、円形リング体30を鍛造弁箱10とは別途用意する必要性はあるも、鍛造弁箱10とは別体としたので、通常の工作機器で寸法精度よい加工が可能となるという優れた効果を奏し得る。
【0032】また本発明は、上記円形リング体30を開口部12に嵌合することで、正確な位置決めが可能で、結果として、縦方向ガイド31,31を正確な位置に、容易、確実に設置することができる鍛造仕切り弁を提供できるものである。
【出願人】 【識別番号】391017713
【氏名又は名称】平田バルブ工業株式会社
【出願日】 平成11年10月4日(1999.10.4)
【代理人】 【識別番号】100067703
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 信
【公開番号】 特開2001−108116(P2001−108116A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−282612