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【発明の名称】 アクチュエータ
【発明者】 【氏名】荒 尾 匠

【氏名】和 田 利 昌

【要約】 【課題】外力が加えられても確実な作動を行えるアクチュエータを提供する。

【解決手段】モータ4に結合されたピニオン5の回転により復帰位置とロック位置とのあいだで回動される回動体6、回動体6を支持してバルブ閉位置とバルブ開位置とのあいだを回動可能な出力軸12、出力軸12に結合され、バルブ閉位置とバルブ開位置とのあいだを回動するプーリ14、外力により出力軸12がバルブ閉位置からバルブ開位置に向け回動される際に回動体6がロック位置まで回動するのを阻止可能なクラッチ機構18を備えているアクチュエータ1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケースと、上記ケースに収容され、通電により、正回転、逆回転するアーマチュア軸をもつモータと、上記モータのアーマチュア軸に結合されたピニオンと、上記ケースに収容されて上記ピニオンに噛合され、該ピニオンの回転により復帰位置とロック位置とのあいだで回動される回動体と、上記回動体を支持可能にして上記ケースに取付けられ、バルブ閉位置とバルブ開位置とのあいだを回動可能な出力軸と、上記出力軸に結合されているとともに、ケーブルを介してエンジンのコントロールバルブに連結され、出力軸のバルブ閉位置で該コントロールバルブを閉じ、出力軸のバルブ開位置でコントロールバルブを開けるプーリと、外力により上記出力軸がバルブ閉位置からバルブ開位置に向け回動される際に上記回動体がロック位置まで回動するのを阻止可能なクラッチ機構を備えていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】 ケースと、上記ケースに収容され、通電により、正回転、逆回転するアーマチュア軸をもつモータと、上記モータのアーマチュア軸に結合されたピニオンと、上記ケースに収容されて上記ピニオンに噛合され、該ピニオンの回転により復帰位置とロック位置とのあいだで回動される回動体と、上記回動体を支持可能にして上記ケースに取付けられ、バルブ閉位置とバルブ開位置とのあいだを回動可能な出力軸と、上記出力軸に結合されているとともに、ケーブルを介してエンジンのコントロールバルブに連結され、出力軸のバルブ閉位置で該コントロールバルブを閉じ、出力軸のバルブ開位置でコントロールバルブを開けるプーリと、上記ピニオンの動力により上記回動体がロック位置まで回動された際に、回動体および上記出力軸を回動不能に保持するロック機構と、上記回動体と上記出力軸とのあいだに配置され、該回動体が上記ピニオンの動力により進み回動および戻し回動される際にその動力を出力軸に伝達可能にして、且つ、外力により上記出力軸がバルブ閉位置からバルブ開位置に向け回動される際に上記回動体がロック位置まで回動して上記ロック機構が作動するのを阻止可能なクラッチ機構を備えていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】 クラッチ機構は、出力軸に一体的に結合されたカム部材と、上記カム部材の回動範囲を規制可能にしてケースに形成されたガイド溝と、上記カム部材を押圧可能にして、且つ、該カム部材の回動範囲を規制可能にして回動体に形成されたカム部材押圧部からなることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】 ロック機構は、回動体の中心からケースの側板に向けて移動可能にして回動体に収容されたスライダと、上記回動体に収容されていて、上記スライダをケースの側板に向け押圧するスライダばねと、上記スライダの端部に配置され、ケースの側板上を移動するローラと、回動体が進み側に回動される際にカム部材を押圧可能にして、且つ、該回動体が進み側のストロークエンドに到達した際に該カム部材の回動を阻止可能に回動体に形成されたカム部材押圧部と、ケースの側板の一部に形成され、回動体の進み側のストロークエンドで上記ローラが落し込まれて回動体の回動を拘束可能な回動体ロック溝からなることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンの吸気ポートの実効長さを変更するコントロールバルブを作動するアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの吸気ポートの実効長さを変更するコントロールバルブを作動するアクチュエータとしては、エンジンのインテーク負圧を用いた負圧式のものが知られている。アクチュエータは、ケーブルを介して負圧が導入されないとロッドが戻されてコントロールバルブを閉じ、これに反して、負圧が導入されるとロッドが引かれてコントロールバルブを開ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のものでは、負圧が導入されてコントロールバルブを開けている際に、ケーブルに外力が加えられることによってロッドが強制的に戻されると、その力が負圧に対抗するものであるため、内部機構が破壊されるおそれがあるという問題点があった。
【0004】
【発明の目的】この発明に係わるアクチュエータは、外力が加えられても確実な作動を行えるアクチュエータを提供することを目的としている。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係わるアクチュエータでは、ケースと、ケースに収容され、通電により、正回転、逆回転するアーマチュア軸をもつモータと、モータのアーマチュア軸に結合されたピニオンと、ケースに収容されてピニオンに噛合され、ピニオンの回転により復帰位置とロック位置とのあいだで回動される回動体と、回動体を支持可能にしてケースに取付けられ、バルブ閉位置とバルブ開位置とのあいだを回動可能な出力軸と、出力軸に結合されているとともに、ケーブルを介してエンジンのコントロールバルブに連結され、出力軸のバルブ閉位置でコントロールバルブを閉じ、出力軸のバルブ開位置でコントロールバルブを開けるプーリと、外力により出力軸がバルブ閉位置からバルブ開位置に向け回動される際に回動体がロック位置まで回動するのを阻止可能なクラッチ機構を備えている構成としたことを特徴としている。
【0007】この発明の請求項2に係わるアクチュエータでは、ケースと、ケースに収容され、通電により、正回転、逆回転するアーマチュア軸をもつモータと、モータのアーマチュア軸に結合されたピニオンと、ケースに収容されてピニオンに噛合され、ピニオンの回転により復帰位置とロック位置とのあいだで回動される回動体と、回動体を支持可能にしてケースに取付けられ、バルブ閉位置とバルブ開位置とのあいだを回動可能な出力軸と、出力軸に結合されているとともに、ケーブルを介してエンジンのコントロールバルブに連結され、出力軸のバルブ閉位置でコントロールバルブを閉じ、出力軸のバルブ開位置でコントロールバルブを開けるプーリと、ピニオンの動力により回動体がロック位置まで回動された際に、回動体および出力軸を回動不能に保持するロック機構と、回動体と出力軸とのあいだに配置され、回動体がピニオンの動力により進み回動および戻し回動される際にその動力を出力軸に伝達可能にして、且つ、外力により出力軸がバルブ閉位置からバルブ開位置に向け回動される際に回動体がロック位置まで回動してロック機構が作動するのを阻止可能なクラッチ機構を備えている構成としたことを特徴としている。
【0008】この発明の請求項3に係わるアクチュエータでは、クラッチ機構は、出力軸に一体的に結合されたカム部材と、カム部材の回動範囲を規制可能にしてケースに形成されたガイド溝と、カム部材を押圧可能にして、且つ、カム部材の回動範囲を規制可能にして回動体に形成されたカム部材押圧部からなる構成としたことを特徴としている。
【0009】この発明の請求項4に係わるアクチュエータでは、ロック機構は、回動体の中心からケースの側板に向けて移動可能にして回動体に収容されたスライダと、回動体に収容されていて、スライダをケースの側板に向け押圧するスライダばねと、スライダの端部に配置され、ケースの側板上を移動するローラと、回動体が進み側に回動される際にカム部材を押圧可能にして、且つ、回動体が進み側のストロークエンドに到達した際にカム部材の回動を阻止可能に回動体に形成されたカム部材押圧部と、ケースの側板の一部に形成され、回動体の進み側のストロークエンドで上記ローラが落し込まれて回動体の回動を拘束可能な回動体ロック溝からなる構成としたことを特徴としている。
【0010】この発明の請求項1、2、3、4に係わるアクチュエータにおいて、クラッチ機構は、外力で出力軸がバルブ閉位置からバルブ開位置に回されたとしても、回動体がロック位置まで回わらないようにその動力を遮断する。それ故、回動体は、ピニオンの動力ではロック位置まで回動されるが、外力ではクラッチ機構により空振りされて回動されない。
【0011】
【発明の実施の形態】
【0012】図1ないし図13には、この発明に係わるアクチュエータの一実施例が示されている。
【0013】図示するアクチュエータ1は、主として、ロアケース2、アッパケース3、モータ4、ピニオン5、回動体6、スライダ7、スライダばね8、ローラ9、第1のダンパ10、第2のダンパ11、出力軸12、カム部材13、プーリ14、ブリーザ15、クラッチ機構18、ロック機構19から構成されている。
【0014】ロアケース2には、モータ固定部2a、コネクタ部2b、出力軸支持部2c、ガイド溝2d、ローラ回転用側壁2e、回動体ロック溝2f、第1ダンパ衝突部2g、第2ダンパ衝突部2hがそれぞれ形成されている。
【0015】モータ固定部2aは、図3に示されるように、ロアケース2の底板2iを貫通して形成されており、このモータ固定部2aには、ロアケース2の外側からモータ4のモータヨーク4cに形成されたフランジ4bがねじ止めされることによってモータ4が固定されている。
【0016】モータ4には、図2に示されるように、モータヨーク4cの内側に第1、第2マグネット4d、4eがそれぞれ配置され、第1、第2マグネット4d、4eの内周部にアーマチュア4fが配置されている。アーマチュア4fは、アーマチュア軸4g、アーマチュアコア4h、コンミュテータ4i、アーマチュアコイル4jをもち、コンミュテータ4iに図示しない一対のブラシが電気的に接続可能に圧接されている。アーマチュア4fのアーマチュア軸4gは、モータヨーク4cの閉塞側端部に取付けられた第1軸受4kと、エンドカバー4aに取付けられた第2軸受4mとによって回転可能に支持されて、エンドカバー4aからロアケース2内に突出して配置されている。そして、アーマチュア軸4gのロアケース2内に突出している部分にピニオン5が固定されている。
【0017】ロアケース2のコネクタ部2bは、モータ固定部2aの側にロアケース2の外側に突出して配置されている。コネクタ部2b内には、第1、第2ターミナル20、21が配置されており、第1、第2ターミナル20、21は、モータ4に備えられた一対のブラシにそれぞれ電気的に接続されている。
【0018】コネクタ部2bには、図示しないコントローラに備えられたコネクタが装着されることによって、第1、第2ターミナル20、21がコントローラに電気的に接続されるため、コントローラから一対のブラシに対して正方向に電流が供給されることによってモータ4のアーマチュア軸4gおよびピニオン5が正回転され、これに反して、コントローラから一対のブラシに対して逆方向に電流が供給されることによってモータ4のアーマチュア軸4gおよびピニオン5が逆回転される。
【0019】ロアケース2の出力軸支持部2cは、ロアケース2の底板2iのほぼ中央部に凹状にして形成されており、この出力軸支持部2cに、第3軸受22が取付けられ、この第3軸受22に出力軸12が挿入支持されている。
【0020】ロアケース2のガイド溝2dは、クラッチ機構18の一部を構成するものであって、図5に示されるように、出力軸支持部2cのまわりに第1の端部2d1から第2の端部2d2までのほぼ145度の範囲をもって凹状にして形成されている。ガイド溝2dの範囲は、回動体6の回動範囲に対応して選ばれている。ガイド溝2dには、カム部材13に形成された突起13cが挿入されている。
【0021】ロアケース2のローラ回転用側壁2eは、ロアケース2がもつ側板2jのモータ固定部2aの反対側部分に円弧形にして形成されており、その端部が回動体ロック溝2fに連続されている。ローラ回転用側壁2eには、回動体6のローラ9が回転しながら移動される。
【0022】ロアケース2の回動体ロック溝2fは、ロック機構19の一部を構成するものであって、ローラ回転用側壁2eの端部でローラ回転用側壁2eに段部をもって連設されている。この回動体ロック溝2fには、回動体6がロック位置Bに到達したときに回動体6のローラ9が落し込まれ、回動体6がロック位置Bで保持される。
【0023】ロアケース2の第1、第2ダンパ衝突部2g、2hは、出力軸支持部2cのモータ固定部2a側に出力軸支持部2cを中心としてほぼ220度の範囲でもってV字に配置されている。第1ダンパ衝突部2gには、回動体6が復帰位置Aに到達する際に回動体6の第1のダンパ10が衝突し、第2ダンパ衝突部2hには、回動体6がロック位置Bに到達する際に回動体6の第2のダンパ11が衝突する。
【0024】出力軸12は、丸棒形にされており、この出力軸12には、ロアケース側の基端部にカム部材13が固定され、中央部に回動体6が挿通され、中央部の先端部側に第4軸受23、オイルリング24がそれぞれ挿着され、アッパケース3の外側に突出した先端部にプーリ14が固定されている。
【0025】アッパケース3は、ロアケース2の開口部を覆う板状にして形成されており、そのほぼ中央部に形成された軸受取付用凹部3aに第4軸受23、オイルリング24がそれぞれ固定されている。
【0026】カム部材13は、クラッチ機構の他の一部を構成するものであって、このカム部材13には、カム部材本体13a、アーム13b、突起13cがそれぞれ備えられている。
【0027】カム部材本体13aは、図5に示されるように、円環形に形成されて出力軸12に一体に固定されている。アーム13bは、カム部材本体13aから外側に板状に突出形成されている。突起13cは、図2に示されるように、アーム13bの先端部からロアケース2のガイド溝2d内で遊動可能に突出形成されている。
【0028】カム部材13は、回動体6に直接的に結合されておらず、回動体6に形成された第1、第2カム部材押圧部6g、6hによってのみ押圧回動されるとともに、それらに押圧されないときに第1、第2カム部材押圧部6g、6hの範囲内で回動自在にして組付けられている。また、カム部材13は、突起13cが挿入されたロアケース2のガイド溝2dの範囲内でのみ回動自在になっている。
【0029】カム部材13は、モータ4のアーマチュア軸4gが正回転することによってピニオン5が正回転して回動体6が復帰位置Aからロック位置Bまで進み回動される際、図10に示されるように、アーム13bが回動体6に形成された第1カム部材押圧部6gに衝突され、この第1カム部材押圧部6gに押圧されることによって突起13cがガイド溝2d内を第1の端部2d1側から第2の端部2d2に向け移動され、その結果、出力軸12がバルブ閉位置Cからバルブ開位置Dに回動される。回動体6がロック位置Bまで回動された際、図11に示されるように、カム部材13は、突起13cがロアケース2のガイド溝2dの第2の端部2d2によって、進み回動される側が拘束されているとともに、回動体6の第1カム部材押圧部6gによって戻り回動される側が拘束されてロック状態とされる。
【0030】カム部材13は、モータ4のアーマチュア軸4gが逆回転することによってピニオン5が逆回転して回動体6がロック位置Bから復帰位置Aまで戻し回動される際、図12に示されるように、アーム13bが回動体6に形成された第2カム部材押圧部6hに押圧されず、第1カム部材押圧部6gと第2カム部材押圧部6hとの間に置かれるため、回動体6のみが復帰位置Aまで戻り回動する空振り動作が行われる。
【0031】回動体6がロック位置Bから復帰位置Aまで戻し回動された際、出力軸12に結合されたプーリ14がエンジンのコントロールバルブ側に設けられた図2に示される戻しばね40の弾性復元力により強制的に戻り回動されるため、図13に示されるように、出力軸12とカム部材13とが一体でもって回動体6に対し分離してバルブ開位置Dからバルブ閉位置Cまで単独で戻り回動される。カム部材13および出力軸12は、プーリ14に連結されるケーブル41の引張力によって戻り回動されるから、カム部材13、出力軸12、プーリ14のみが戻り回動することがなく、その結果、ケーブル41が弛んだり、外れたりすることがない。
【0032】そして、出力軸12がバルブ閉位置Cにあって、カム部材13の突起13cがガイド溝2dの第2の端部2d2側にある際に、外力によって出力軸12がバルブ閉位置Cからバルブ開位置Dにカム部材13とともに強制的に回動されたとしても、カム部材13は、復帰位置Aにある回動体6の第1カム部材押圧部6gと第2カム部材押圧部6hとの間で、ガイド溝2dの第1の端部2d1から第2の端部2d1内を遊動して空振り回動するだけなので、回動体6にその動力が伝達されることがなく、その結果、回動体6がモータ4の動力を介さずに外力で進み回動されて回動体ロック溝2fで保持されてしまうことがないから、従来の負圧式のものの場合に、外力と負圧とが対抗しあって内部機構が破壊されるようなことになることがない。
【0033】回動体6には、円板形にされた回動体本体6a、歯部6b、出力軸挿通部6c、スライダ収容部6d、第1のダンパ取付部6e、第2のダンパ取付部6f、第1カム部材押圧部6g、第2カム部材押圧部6hがそれぞれ備えられている。
【0034】歯部6bは、回動体本体6aの側縁部のほぼ120度に渡って形成されており、この歯部6bにはピニオン5が噛み合っている。
【0035】出力軸挿通部6cは、回動体本体6aの中央部で回動体本体6aの厚さ方向に貫通されて形成されている。この出力軸挿通部6cには出力軸12が挿通されているため、回動体6は出力軸12によって回転可能に支持されている。
【0036】スライダ収容部6dは、歯部6bの反対側に回動対の外側部から中心に向けて深さをもつ矩形の孔に形成されている。このスライダ収容部6dには、ロック機構の他の一部を構成するスライダばね8、同じくロック機構の他の一部を構成するスライダ7の順に収容され、スライダ7の先端部にロック機構の残りの一部を構成するローラ9が回転可能に取付けられている。スライダ7は、スライダ収容部6dに支持されながらスライダばね8の弾性反発力によりロアケース2に形成されたローラ回転用側壁2e側に押圧されるため、ローラ9をロアケース2のローラ回転用側壁2eに押し付けながら回転させる。
【0037】第1、第2のダンパ取付部6e、6fは、回動体本体6aの下面側にそれぞれ板形にして突出形成されており、スライダ収容部6dを中心としてハの字の配置になっている。第1のダンパ取付部6eには第1のダンパ10が固定され、第2のダンパ取付部6fには第2のダンパ11が固定されている。第1のダンパ10は、回動体6が復帰位置Aに到達する際にロアケース2の第1ダンパ衝突部2gに衝突し、第2のダンパ11は、回動体6がロック位置Bに到達する際にロアケース2の第2ダンパ衝突部2hが衝突することによって、回動体6のストロークエンドでの衝撃を緩和する。
【0038】第1、第2カム部材押圧部6g、6hは、第1、第2のダンパ取付部6e、6fのそれぞれの反対側にほぼ110度の範囲をもってハの字の配置にされて形成されている。
【0039】第1カム部材押圧部6gは、クラッチ機構の残りの一部およびロック機構の残りの一部を構成するものであって、モータ4の動力により回動体6が復帰位置Aからロック位置Bまで回動される際に、カム部材13に衝突して、そのカム部材13とともに出力軸12をバルブ閉位置Cからバルブ開位置Dまで押圧回動させる機能をもつとともに、回動体6がロック位置Bに到達している際に、カム部材13のアーム13bに衝突して、カム部材13、出力軸12が回動しないようにロックさせる機能をもつ。
【0040】第2カム部材押圧部6hは、クラッチ機構18の残りの一部を構成するものであって、モータ4の動力により回動体6がロック位置Bから復帰位置Aまで戻り回動される際に、カム部材13のアーム13bに衝突して、カム部材13とともに出力軸12をバルブ開位置Dからバルブ閉位置Cまで押圧回動させる機能をもつ。
【0041】回動体6が復帰位置Aにあって、カム部材13とともに出力軸12がバルブ閉位置Cにある図10の状態で、モータ4に正方向に通電がされると、ピニオン5の正回転によって、回動体6が進み側に図中時計方向に回動される。
【0042】回動体6が進み側に回動を始めると、ローラ9がローラ回転用側壁2e上を回転しながら移動され、回動体6の第1カム部材押圧部6gがカム部材13のアーム13bを図10中時計方向に押圧するため、出力軸12がバルブ閉位置Cからバルブ開位置Dに向けて回動される。
【0043】やがて、図11に示されるように、回動体6がロック位置Bに到達すると、第2のダンパ11がロアケース2の第2のダンパ衝突部2hに衝突し、ローラ9が回動体ロック溝2fに落し込まれて回動体6が進み回動を拘束され、出力軸12がバルブ開位置Dに到達する。このとき、回動体6は、ローラ9が回動体ロック溝2fに落し込まれているため、機械的なロックが掛けられるとともに、カム部材13は、回動体6の第1カム部材押圧部6gによってバルブ閉位置Cに向けた回動を阻止されるため、モータ4への通電がカットオフされてからも、回動体6のロック位置B、カム部材13および出力軸12のバルブ閉位置Cでのロック状態が保持される。
【0044】回動体6がロック位置Bにあって、カム部材13とともに出力軸12がバルブ開位置Dにある図11の状態で、モータ4に逆方向に通電がされると、ピニオン5の逆回転によって、回動体6が戻り側に図中反時計方向に回動される。回動体6が戻り側に回動を始めると、図12に示されるように、回動体ロック溝2fに落し込まれていたローラ9が回動体ロック溝2fから外れて、ローラ9がローラ回転用側壁2e上を戻り方向に移動し、回動体6の第2カム部材押圧部6hがカム部材13のアーム13bを図中反時計方向に押圧するため、回動体6が復帰位置Aに到達すると、第1のダンパ10がロアケース2の第1のダンパ衝突部2gに衝突する。
【0045】このとき、回動体6がロック位置Bから解除されて復帰位置Aに向け戻り回動を始めると同時的に、出力軸12に結合されたプーリ14がケーブル40を介してエンジンのコントロールバルブ側に設けられた図2に示される戻しばね40の弾性復元力により強制的に戻り回動されるため、図13に示されるように、出力軸12がカム部材13とともに回動体6とは分離してバルブ開位置Dからバルブ閉位置Cまで単独で戻り回動される。
【0046】回動体6は、出力軸12がバルブ閉位置Cにあって、カム部材13の突起13cがガイド溝2dの第2の端部2d2側にある際に、外力によって出力軸12がバルブ閉位置Cからバルブ開位置Dにカム部材13とともに強制的に回動されたとしても、カム部材13が復帰位置Aにある回動体6の第1カム部材押圧部6gと第2カム部材押圧部6hとの間で、ガイド溝2dの第1の端部2d1から第2の端部2d1内を遊動して空振り回動するだけなので、カム部材13の動力が伝達されることがなく、その結果、モータ4の動力を介さずに外力で進み回動されて回動体ロック溝2fで保持されてしまうことがない。
【0047】回動体6は、モータ4の動力によってのみ、復帰位置Aからロック位置Bへ、または、ロック位置Bから復帰位置Aへそれぞれ回動されるため、高地等の気圧の低い所で気圧の影響を受けて作動が鈍るおそれがない。
【0048】プーリ14は、アッパケース3から突出した出力軸12の先端部に固定されている。このプーリ14には、図6に示されるように、出力軸12が中央に固定されるプーリ本体14a、フック係止部14b、ケーブル巻回部14cが一体成形されている。フック係止部14bには、図示しないエンジンのコントロールバルブに連結される図2に示されるケーブル41の端部に設けられたフック41aが係止される。ケーブル巻回部14cには、ケーブル41が巻回される。プーリ14は、出力軸12とともにバルブ閉位置C、バルブ開位置Dのあいだを回動する。
【0049】プーリ14は、図7に示されるように、フック係止部14bと、プーリ本体14aのケーブル巻回部14cのない側と、ケーブル巻回部14cの端部14c1とを結んだパーティングラインPLが設定されているため、ケーブル巻回部14cにパーティングラインが存在しないので、通常の2分割の型割りによって作成した場合に、ケーブル巻回部上にあるパーティングラインを削除するのに行われるやすりがけなどの後処理が必要ないので、工数の増加が防げる。
【0050】ブリーザ15は、図5に示されるように、ロアケース2の端部に配置されている。このブリーザ15には、ケース内連通口15a、大気開放口15b、空気流路15c、水膜切断部15dがそれぞれ備えられている。
【0051】ケース内連通口15aは、ロアケース2の底板2iの端部で側板2jとの境目に、底板2iの面に沿った矩形の孔にして形成されている。
【0052】大気開放口15bは、図9に示されるように、ロアケース2の側板2jの底板2i側の端部に、ケース内連通口15aよりも大きい開口面積でもって、側板2jの面に沿った矩形の孔にして形成されている。この大気開放口15bは、ケース内連通口15aに対し直線的に連続されないずれた位置に配置されている。
【0053】空気流路15cは、一端部がケース内連通口15aに連通され、他端部が大気開放口15bに連通されており、その中央部がほぼ直角に折曲されている。
【0054】水膜切断部15dは、図9に示されるように、空気流路15cの一部を形成するものとして、大気開放口15bの奥側の近傍に配置されており、湾曲した突出状の湾曲面15d1をもつ。
【0055】ブリーザ15は、このアクチュエータ1が、後述するブラケット45を介してエンジンのインテークマニホールドコレクタに固定された際に、図5に示されるように、大気開放口15bが下方に向けて配置される。そして、ロアケース2とアッパケース3とによって密閉された空間内にある空気の呼吸作用を行うのに用いられる。そして、洗車や降雨によりアクチュエータ1に水がかかった際に、このアクチュエータ1の下方をその水が通り、アクチュエータ1の下端部で大気開放口15bを覆う水膜がアクチュエータ1内の負圧によって大気開放口15bから空気流路15c内に導かれようとするが、大気開放口15bの近傍の水膜切断部15dの湾曲面15d1によってその水膜が切断され、その結果、雨水等がケース内連通口15aからアクチュエータ1の内部に入り込むことがない。
【0056】ロアケース2、アッパケース3の外側には、ブラケット45がねじ止めされており、このブラケット45に設けられたケーブル支持部45aにケーブル41に備えられたケース42がねじ止めされている。ブラケット45は、エンジンのインテークマニホールドコレクタに固定される。プーリ14に一端部が連結されたケーブル41の他端部は、インテークマニホールドコレクタ内に配置されたコントロールバルブに連結される。
【0057】このようなアクチュエータ1は、ブラケット45がエンジンのインテークマニホールドコレクタに固定され、ケーブル41の他端部がインテークマニホールドコレクタ内に配置されたコントロールバルブに連結され、コネクタ部2bにコントローラのコネクタが装着されて車体に搭載される。
【0058】エンジンが始動され、そのエンジンが低中速回転の時は、コントローラから第1、第2のターミナル20、21に通電が行われないので、図10に示されるように、回動体6は復帰位置Aに、カム部材13、出力軸12、プーリ14は、いずれもバルブ閉位置Cにあり、ケーブル41は、コントロールバルブの戻しばね40によって閉じられている。
【0059】コントロールバルブが閉じられているため、吸気ポートの実効長さが長くなり、長いポートによって吸気慣性効果が得られて吸入効率が向上し、その結果、エンジンがより高いトルクを発生する。
【0060】エンジンが高速回転になると、コントローラから第1、第2のターミナル20、21に正方向に電流供給が行われるので、モータ4のアーマチュア軸4gが正回転され、ピニオン5の正回転によって、回動体6が図10中時計方向に回動を始める。
【0061】回動体6が進み側に図10中時計方向に回動を始めると、ローラ9がローラ回転用側壁2e上を回転しながら移動され、回動体6の第1カム部材押圧部6gがカム部材13のアーム13bを図10中時計方向に押圧するため、出力軸12がバルブ閉位置Cからバルブ開位置Dに向けて回動され、図11に示されるように、回動体6がロック位置Bに到達すると、第2のダンパ11がロアケース2の第2のダンパ衝突部2hに衝突し、ローラ9が回動体ロック溝2fに落し込まれて回動体6が進み回動を拘束され、出力軸12がバルブ開位置Dに到達するため、プーリ14によりコントロールバルブが開けられる。このとき、コントローラからの電流供給は内蔵されたタイマによりカットオフされる。この状態で回動体6は、ローラ9が回動体ロック溝2fに落し込まれているため、機械的なロックが掛けられ、モータ4への通電がカットオフされてからもそのロック状態が保持される。
【0062】コントロールバルブが開けられるため、吸気ポートの実効長さが短くなり、短いポートによって吸気慣性効果が得られて吸入効率が向上し、その結果、エンジンがより高いトルクを発生する。
【0063】そして、エンジンが再び低中速回転になると、コントローラから第1、第2のターミナル20、21に逆方向に電流供給が行われるので、モータ4のアーマチュア軸4gが逆回転され、ピニオン5の逆回転によって、回動体6の第2カム部材押圧部6hがカム部材13のアーム13bを図11中反時計方向に押圧するため、回動体ロック溝2fに落し込まれていたローラ9が回動体ロック溝2fから外れて回動体6が図11中反時計方向に回動を始め、ローラ9がローラ回転用側壁2e上を戻り方向に移動し、やがて、図10に示されるように、回動体6が復帰位置Aに到達すると、第1のダンパ10がロアケース2の第1のダンパ衝突部2gに衝突する。
【0064】回動体6がロック位置Bから解除されて復帰位置Aに向け戻り回動を始めると同時的に、出力軸12に結合されたプーリ14がエンジンのコントロールバルブ側に設けられた戻しばね40の弾性復元力により強制的に戻り回動されるため、図12および図13に示されるように、出力軸12がカム部材13とともに回動体6とは分離してバルブ開位置Dからバルブ閉位置Cまで単独で戻り回動され、コントロールバルブは戻しばね40によって閉じられる。
【0065】コントロールバルブが閉じられているため、吸気ポートの実効長さが長くなり、長いポートによって吸気慣性効果が得られて吸入効率が向上し、その結果、エンジンがより高いトルクを発生する。
【0066】そして、出力軸12がバルブ閉位置Cにあって、カム部材13の突起13cがガイド溝2dの第2の端部2d2側にある際に、外力によって出力軸12がバルブ閉位置Cからバルブ開位置Dにカム部材13とともに強制的に回動されたとしても、カム部材13が復帰位置Aにある回動体6の第1カム部材押圧部6gと第2カム部材押圧部6hとの間で、ガイド溝2dの第1の端部2d1から第2の端部2d1内を遊動して空振り回動するだけなので、回動体6に対してカム部材13の動力が伝達されることがなく、その結果、回動体6がモータ4の動力を介さずに外力で進み回動されて回動体ロック溝2fで保持されてしまうことがない。
【0067】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請求項1、2、3、4に係わるアクチュエータによれば、クラッチ機構は、外力で出力軸がバルブ閉位置からバルブ開位置に回されたとしても、回動体がロック位置まで回わらないようにその動力を遮断する。それ故、回動体は、ピニオンの動力ではロック位置まで回動されるが、外力ではクラッチ機構により空振りされて回動されない。よって、外力が加えられても確実な作動を行うことができるという優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000181251
【氏名又は名称】自動車電機工業株式会社
【出願日】 平成11年9月10日(1999.9.10)
【代理人】 【識別番号】100077610
【弁理士】
【氏名又は名称】小塩 豊
【公開番号】 特開2001−82630(P2001−82630A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−257556