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【発明の名称】 流量制御弁
【発明者】 【氏名】大林 敏彦

【要約】 【課題】従来の電磁式流量制御弁にあっては、電磁力とスプリングとの釣り合いでプランジャを制御するため、製品のバラツキが発生し易く、このバラツキを少なくするために製品の組み立て時における調整作業が困難であるという問題が発生すると共に閉止状態を完全に保持できないという問題があった。

【解決手段】ステッピングモータ10の回転を垂直移動に変換する手段と、該垂直変換手段に接続されたプランジャ17と、該プランジャに形成された弁体17aによって弁座7eとの開閉を行うようにした流量制御弁である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ステッピングモータの回転を垂直移動に変換する手段と、該垂直変換手段に接続されたプランジャと、該プランジャに形成された弁体によって弁座との開閉を行うようにした流量制御弁。
【請求項2】 ステッピングモータと、該ステッピングモータが取付けられる回転防止ガイドと、該回転防止ガイド内で垂直移動可能に案内され、かつ、前記ステッピングモータの回転により垂直移動する作動駒と、前記回転防止ガイドに取付けられた支持体と、該支持体に取付けられたガイド管と、該ガイド管内を摺動自在に収容されたプランジャと、前記作動駒に一端が取付けられ、かつ、前記支持体内を挿通して他端が前記プランジャに取付けられた作動棒と、前記ガイド管の他端に取付けられ、前記プランジャの先端に形成された弁体と対向した位置に弁座が形成されたブロックとを具備したことを特徴とする請求項1記載の流量制御弁【請求項3】 前記プランジャと前記支持体との間にスプリングを介在させたことを特徴とする請求項1記載の流量制御弁【請求項4】 前記支持体内を挿通し、前記プランジャの一端と連結する作動棒の断面積と、プランジャの他端と対向する位置に設けられた弁座の面積とを略同じにし、プランジャの両端面に働く圧力によって発生する軸力をバランスさせたことを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、理美容用椅子の昇降や背凭れの起伏を制御するための油圧制御回路に用いられ、前記昇降や起伏を行わせるシリンダーへの油量を制御するための流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における流量制御弁の構造を図4と共に説明する。図4は電磁弁式流量制御弁にして、1は中空部を有する電磁コイルにして、下部が開放されたケース2内に収容されている。また、前記中空部には鉄等の磁性体による固定磁極子3前記ケース2にネジ3aによって固定されている。
【0003】4は前記固定磁極子3の下部に固定されたパイプ、5は該パイプ4内を摺動可能に配置されたプランジャにして、固定磁極子3との間にスプリング6が介在されている。また、プランジャ5の下部には弁棒5aが形成されている。
【0004】7は前記ケース2の下端が固定されたブロックにして、油等の流体を供給するための流入口7aと、前記流体を排出するための流出口7bとが形成され、前記流入口7aには前記ブロック7の前記プランジャ5の下部が収容された空間およびパイプ4とプランジャ5との隙間の液体貯留室7cと連通する圧力流入路7dと、後述する流量制御部7fに連通する流入路7gとに分離され、また、前記流出口7bには前記プランジャ5の弁棒5aが臨む前記流入路7gと流量制御部7fを介して流出路7eが連通されている。
【0005】次に、前記した構造の流量制御弁の動作について説明するに、図示の状態は閉止状態を示し、電磁コイル1への通電が遮断され、スプリング6のバネ力によってプランジャ5が押下されて、弁棒5aが流量制御部7fに移動して流出路7eへの通路を塞ぐことにより、流入路7gよりの流体の流出路7eへの流出を阻止している。
【0006】この状態において、電磁コイル1に流量に応じた電圧を印加すると、該電圧に応じた量だけスプリング6のバネ力に抗してプランジャ5が上昇すると、弁棒5aが上昇するので流量制御部7fの開口面積が大きくなって、流入路7gより流出路7eに流体が流れる。
【0007】ところで、前記した流量制御弁にあっては、プランジャ5は電磁コイル1による電磁力とスプリング6のバネ力との釣り合い力で、流量制御部7fの開口面積を制御しているために、製品にバラツキが発生し易いという問題があり、このバラツキを少なくするために、製品の組み立て時の調整作業が面倒であり、かつ、前記調整作業を行ったとしても閉止状態において完全なシール状態を保持することが困難であり、また、開度制御を電圧制御によって行うために制御が複雑になるといった問題があった。
【0008】前記した閉止状態において完全なシール状態を保つことができないことから、流量制御回路を構成するに際して従来は前記した流量制御弁と、流体の流通と遮断を行う公知の電磁弁を併用したものを設計している。すなわち、図5に示す流量制御回路である。
【0009】同図において、A1,A2は前記した流量制御弁であり、B1〜B5は公知の電磁弁、Cはモータおよびポンプからなるモータポンプ、Dはリリーフ弁から構成された油圧回路である。Eは理容用椅子にして、座部昇降用の油圧シリンダE1と背凭れ起伏用の油圧シリンダE2が前記油圧回路に接続されている。
【0010】次に、前記した油圧回路の動作を説明するに、理容用椅子Eの座部を上昇させるために流量制御弁A1を所望開度分(上昇速度に対応)だけ開くと共に電磁弁B2を開放すると、モータポンプCから油が油圧シリンダE1に供給され、前記流量制御弁A1の開度に応じた速度で座部が上昇し、所望の高さ位置で流量制御弁A1と電磁弁B2とを閉止することにより座部を所望高さ位置で停止することができる。
【0011】また、背凭れを起立させるために流量制御弁A1を所望開度分だけ開くと共に電磁弁B2を開放すると、前記した動作と同じように前記流量制御弁A1の開度に応じた速度で油圧シリンダE2に油が供給され背凭れが起立し、所望の起立位置で流量制御弁A1と電磁弁B1とを閉止することにより背凭れを所望の起立位置で停止する。
【0012】次に、前記した上昇状態の座部を下降させる場合には、流量制御弁A2を所望開度分だけ開くと共に電磁弁B4,B5を開放する。これにより、油圧シリンダE1内の油が電磁弁B4、流量制御弁A2および電磁弁B5を介してタンク内に戻される。これにより、座部が下降して流量制御弁A2を閉じた位置において停止するか、油圧シリンダE1のピストンが最下降位置において停止する。
【0013】なお、保圧用の電磁弁B5を用いるのは、流量制御弁A2が閉止する直前に電磁弁B5を閉止し、次いで、電磁弁B4を閉止することにより、流量制御弁A2上流の油圧力が保持された状態となり、次なる下降動作起動時におけるショックを緩和するものであるが、この用に、流量制御弁A2の上流側の油圧力を保持するためには、別途保圧のための電磁弁B5を必要とするものである。
【0014】また、前記した起立状態の背凭れを傾倒させる場合には、前記した座部の下降と同様に、流量制御弁A2を所望開度分だけ開くと共に電磁弁B3,B5を開放する。これにより、油圧シリンダE1内の油が電磁弁B3、流量制御弁A2および電磁弁B5を介してタンク内に戻される。これにより、背凭れが傾倒して流量制御弁A2を閉じた位置において停止するか、油圧シリンダE2のピストンが最起立位置において停止する。なお、電磁弁B5は前記した座部の下降と同様の動作を行う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従来の電磁式流量制御弁にあっては、電磁力とスプリングとの釣り合いでプランジャを制御するため、製品のバラツキが発生し易く、このバラツキを少なくするために製品の組み立て時における調整作業が困難であるという問題が発生すると共に閉止状態を完全に保持できないという問題も発生した。
【0016】そして、前記したように閉止状態において完全なシール状態を保つことができないことから、流量制御回路を構成するに際して前記した流量制御弁と、流体の流通と遮断を行う公知の電磁弁を併用しなければならず、流量制御回路の構成が複雑になると共に電磁弁の数も多くなりコストが高くなるといった問題が発生した。
【0017】本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、信号に比例した弁の開閉動作が得られるステッピングモータを使用した流量制御弁を用いることで、弁の閉止が確実に行えると共に流量制御回路が簡単となり、かつ、電磁弁の数を減らせることかコストの低減が図れる流量制御弁を提供せんとするにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の流量制御弁は前記した目的を達成せんとするもので、その手段は、ステッピングモータの回転を垂直移動に変換する手段と、該垂直変換手段に接続されたプランジャと、該プランジャに形成された弁体によって弁座との開閉を行うようにしたものである。
【0019】また、ステッピングモータと、該ステッピングモータが取付けられる回転防止ガイドと、該回転防止ガイド内で垂直移動可能に案内され、かつ、前記ステッピングモータの回転により垂直移動する作動駒と、前記回転防止ガイドに取付けられた支持体と、該支持体に取付けられたガイド管と、該ガイド管内を摺動自在に収容されたプランジャと、前記作動駒に一端が取付けられ、かつ、前記支持体内を挿通して他端が前記プランジャに取付けられた作動棒と、前記ガイド管の他端に取付けられ、前記プランジャの先端に形成された弁体と対向した位置に弁座が形成されたブロックとを具備したものである。
【0020】さらに、前記プランジャと前記支持体との間にスプリングを介在させることが望ましく、また、前記支持体内を挿通し、前記プランジャの一端と連結する作動棒の断面積と、プランジャの他端と対向する位置に設けられた弁座の面積とを略同じにし、プランジャの両端面に働く圧力によって発生する軸力をバランスさせることが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る流量制御弁の一実施の形態を図1、図2と共に説明する。なお、前記した従来例と同一符号は同一部分を示し説明は省略する。10はステッピングモータ(以下、単にモータという)、11は該モータ10がネジ止め固定される回転防止ガイドにして、前記モータ10の出力軸10aが導出される空間11aが形成されている。
【0022】12は前記空間11a内に導出された出力軸10aに固定された回転軸にして、先端にネジ部12aが形成されている。13は前記空間11a内に摺動自在に保持された移動駒にして、前記ネジ部12aが螺合されるネジ孔13aが形成されている。従って、モータ10の出力軸10aが回転すると回転軸12のネジ部12aが回転し、これにより、移動駒13が空間11a内において上下動するものである。
【0023】14は回転防止ガイド11の下端に固定された円柱状の支持体にして、中心部に作動棒15が摺動自在に挿通され、該作動棒15の一端は前記作動駒13に固定されている。16は前記支持体14の下部に嵌合されたガイド管、17は該ガイド管16内にある程度の隙間を介して摺動自在に収容された下端に弁体17aを有するプランジャである。
【0024】前記プランジャ17には前記作動棒15の他端が嵌合固定され、かつ、作動棒15が固定された部分には凹部17bが形成され、この凹部17b内に前記支持体14との間にスプリング18が張設されている。また、ガイド管16の他端はブロック7の弁座7hと対向する位置に固定されている。なお、前記スプリング18を用いるのは、回転軸12のネジ部12aによる遊びをカバーすると共に移動駒13の上下動時におけるガタツキを吸収するためである。
【0025】このように構成した流量制御弁はモータ10にパルス信号を入力すると、該モータ10はパルス信号の数分だけの角度回転する。この回転は回転軸12に伝達され、該回転軸12のネジ部12aにより移動駒13が上下動する。この上下動によって作動棒15が上下動する。
【0026】すなわち、モータ10が作動駒13を下方に移動させる方向に回転すると、プランジャ17が下方に移動して弁体17aが弁座7hに当接して完全密閉状態となり、流入路7dからの流体を流出路7eへの流出を阻止するように動作する。
【0027】また、モータ10が前記したのとは反対方向に回転すると作動駒13が上昇する方向に移動し、弁体17aが弁座7hから離開するので、流体は流入路7dから流出路7eに流出する。
【0028】そして、前記したプランジャ17の上下移動において、流入路7dからの流体はガイド管16とプランジャ17との隙間を介してプランジャ17と支持体14との隙間に入り込んでおり、支持体14に貫通されている作動棒15による開口面積と、弁座7hにおける開口面積が略同一なので、該流体によるプランジャ17に加わるの上下力がバランスされ、従って、モータ10の駆動力を低減させることができ、小型のモータ10を使用することができ軽量、小型、低価格の流量制御弁を節作できる。
【0029】このような流量制御弁を使用して油圧回路を構成した場合には、図3に示す回路構成となる。なお、図において、本発明の流量制御弁F1〜F4であり、他の符号は従来例で示したものと同じ部材である。
【0030】次に、前記した油圧回路の動作を説明するに、理容用椅子Eの座部を上昇させるために流量制御弁F1を所望開度分(パルス信号の数)だけ開くと、モータポンプCから油が油圧シリンダF1に供給され、前記流量制御弁F1の開度に応じた速度で座部が上昇し、所望の高さ位置で流量制御弁F1を閉止することにより座部を所望高さ位置で停止することができる。
【0031】また、背凭れを起立させるために流量制御弁F2を所望開度分だけ開くと、前記した動作と同じように前記流量制御弁F2の開度に応じた速度で油圧シリンダE2に油が供給され背凭れが起立し、所望の起立位置で流量制御弁F2を閉止することにより背凭れを所望の起立位置で停止する。
【0032】次に、前記した上昇状態の座部を下降させる場合には、流量制御弁F3を所望開度分だけ開くと、油圧シリンダE1内の油が流量制御弁F3を介してタンク内に戻される。これにより、座部が下降して流量制御弁F3を閉じた位置において停止するか、油圧シリンダE1のピストンが最下降位置において停止する。
【0033】また、前記した起立状態の背凭れを傾倒させる場合には、前記した座部の下降と同様に、流量制御弁F4を所望開度分だけ開くと油圧シリンダE1内の油が流量制御弁F4を介してタンク内に戻される。これにより、背凭れが傾倒して流量制御弁F4を閉じた位置において停止するか、油圧シリンダE2のピストンが最起立位置において停止する。
【0034】このように、従来例における電磁弁B1〜B5を無くしても、従来例と同じ動作が行えるのは、本発明に係る流量制御弁は閉止状態が完全に行えるからであり、これにより、油圧回路のコストを大幅に低減することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明は前記したように、弁の開閉を信号に比例して状態で行えるので、弁開閉調整が非常に簡単に行えると共に、シール面が回転しないことからシール性がよく、かつ、耐久性に優れたものである。
【0036】また、プランジャの上下に加わる流体圧力がバランスされていることから、ステッピングモータを小型化でき、従って、軽量、小型、かつ、安価な製品を製作できる。
【0037】さらに、スプリングを支持体とプランジャとの間に介在することにより、回転軸のネジ部による遊びをカバーすると共に移動駒の上下動時におけるガタツキを吸収することができる等の効果を有するものである。
【出願人】 【識別番号】000108672
【氏名又は名称】タカラベルモント株式会社
【出願日】 平成11年9月10日(1999.9.10)
【代理人】 【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男
【公開番号】 特開2001−82622(P2001−82622A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−256907