| 【発明の名称】 |
感圧制御弁および容量可変型圧縮機用制御弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】金子 守男
【氏名】大河原 一郎
【氏名】高橋 幸太郎
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| 【要約】 |
【課題】弁開度特性が感圧素子特性に直接左右されず、超高圧に対応することができ、制御特性の設定の自由度、成立性が高く、超臨界蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置で使用する容量制御弁として好適な感圧制御弁を提供すること。
【解決手段】ダイヤフラム装置41の感圧動作により開弁方向あるは閉弁方向に駆動され、且つダイヤフラム装置41と対抗する調整ばね52のばね力により開弁方向に付勢されると共に、調整ばね52と対向する弁ばね40のばね力により閉弁方向に付勢されるボール弁体36を有し、ダイヤフラム装置41の感知圧力に応じて弁開度を設定される容量制御弁30において、ダイヤフラム装置41とボール弁体36の間に変換用圧縮コイルばね57を設け、ダイヤフラム装置41の感圧動作を変換用圧縮コイルばね57の弾性変形動作に変換しボール弁体36に伝達する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 感圧素子の感圧動作により開弁方向あるいは閉弁方向に駆動され、且つ前記感圧素子と対抗する調整ばねのばね力により開弁方向に付勢されると共に、前記調整ばねと対向する弁ばねのばね力により閉弁方向に付勢される弁体を有し、前記感圧素子の感知圧力に応じて弁開度を設定される感圧制御弁において、前記感圧素子と前記弁体との間に弾性部材が設けられ、前記感圧素子の感圧動作を前記弾性部材の弾性変形動作に変換して前記弁体に伝達することを特徴とする感圧制御弁。 【請求項2】 前記弾性部材は前記感圧素子と前記弁体との間に挟まれた変換用圧縮コイルばねにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の感圧制御弁。 【請求項3】 請求項1または2記載の感圧制御弁により構成され、前記感圧素子は容量可変型圧縮機の吸入圧力に応動し、弁開度に応じて容量可変型圧縮機のクランク室圧力を制御することを特徴とする容量可変型圧縮機用制御弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、感圧制御弁および容量可変型圧縮機用制御弁に関し、特に、車載空調装置などにて使用される斜板式容量可変型圧縮機のための容量制御弁として好適な感圧制御弁および容量可変型圧縮機用制御弁に関するものである。 【0002】 【従来の技術】感圧制御弁として、特開平5−39876号公報や特開平7−279843号公報、特開平8−177735号公報に示されているように、ダイヤフラム装置やベローズ装置のような感圧素子の感圧動作により開弁方向あるいは閉弁方向に駆動され、且つ前記感圧素子と対抗する調整ばねのばね力により開弁方向に付勢されると共に、前記調整ばねと対向する弁ばねのばね力により閉弁方向に付勢される弁体を有し、前記感圧素子が容量可変型圧縮機の吸入圧力に応動し、当該感圧素子の感知圧力(吸入圧力)に応じて弁開度を設定され、その弁開度に応じて容量可変型圧縮機のクランク室圧力を制御する斜板式容量可変型圧縮機のための容量制御弁が従来より知られている。 【0003】上述のような容量制御弁では、弁体の弁開度が容量可変型圧縮機の吸入圧力に応動する感圧素子の感知圧力(吸入圧力)に応じて設定されることから、制御弁の特性が主に感圧素子の特性により決定されることになる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そのため、感圧素子は容量可変型圧縮機の吸入圧力に敏感に応動するものであることが重要となるが、そのようにすればするほど感圧素子の構造に高精度が要求されるので、種々の制御弁要求特性に呼応した感圧素子の特性変更は、なかなか容易でない。 【0005】しかも近年、環境保護のために、従来フロンを冷媒として使用していた冷凍サイクル装置の代替装置として、CO2 等の冷媒を使用する超臨界蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置の開発が進んでいる。超臨界蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置では、圧縮機の吸入圧力の使用圧力域が高いため(30〜50kgf/cm2 程度)、容量制御弁の感圧素子は吸入圧力が高いことに応じて高い使用圧力域で伸縮する荷重特性を設定されることになり、そのため、もともと容量可変型圧縮機の吸入圧力に敏感に応動するために高精度が要求される感圧素子の特性変更は、さらに困難を極めることになる。よって、制御弁特性の設定の自由度、成立性が、従来の制御弁では低いという不具合がある。 【0006】この発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、弁開度特性が感圧素子特性に直接左右されず、超高圧に対応することができ、制御特性の設定の自由度、成立性が高く、超臨界蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置で使用する容量制御弁として好適な感圧制御弁および容量可変型圧縮機用制御弁を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、請求項1記載の発明による感圧制御弁は、感圧素子の感圧動作により開弁方向あるいは閉弁方向に駆動され、且つ前記感圧素子と対抗する調整ばねのばね力により開弁方向に付勢されると共に、前記調整ばねと対向する弁ばねのばね力により閉弁方向に付勢される弁体を有し、前記感圧素子の感知圧力に応じて弁開度を設定される感圧制御弁において、前記感圧素子と前記弁体との間に弾性部材が設けられ、前記感圧素子の感圧動作を前記弾性部材の弾性変形動作に変換して前記弁体に伝達するものである。 【0008】請求項2記載の発明による感圧制御弁は、前記弾性部材は前記感圧素子と前記弁体との間に挟まれた変換用圧縮コイルばねにより構成されているものである。 【0009】また、上述の目的を達成するため、請求項3記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁は、請求項1または2記載の感圧制御弁により構成され、前記感圧素子は容量可変型圧縮機の吸入圧力に応動し、弁開度に応じて容量可変型圧縮機のクランク室圧力を制御するものである。 【0010】請求項1の発明による感圧制御弁では、感圧素子の感圧動作が弾性部材の弾性変形動作に変換され、弾性部材の弾性変形による発生荷重と弁ばねの発生荷重との平衡関係により弁体の開度調整が行われる。 【0011】請求項2の発明による感圧制御弁では、感圧素子の感圧動作が変換用圧縮コイルばねのばね変形動作に変換され、変換用圧縮コイルばねの弾性変形による発生荷重と弁ばねの発生荷重との平衡関係により弁体の開度調整が行われる。 【0012】請求項3記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁では、容量制御弁の基本的動作として、感圧素子が容量可変型圧縮機の吸入圧力に応動し、弁開度に応じて容量可変型圧縮機のクランク室圧力が制御される。 【0013】 【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。 【0014】図1は本発明による制御弁を組み込まれた容量可変型圧縮機を、図2はこの発明による感圧制御弁(容量制御弁)の一つの実施の形態を各々示している。 【0015】斜板式容量可変型圧縮機1は、圧縮機ハウジング2により画定されたクランク室3と、各々一方のストロークエンド部にてクランク室3に連通している複数個のシリンダ室4とを有している。シリンダ室4の各々にはピストン5が軸線方向に摺動自在に嵌合しており、各ピストン5のクランク室3側にはピストンロッド6の一端が連結されている。 【0016】圧縮機ハウジング2は駆動軸7を回転可能に支持しており、駆動軸7は、プーリ8に掛け渡された図示されていない駆動ベルトにより図示されていないエンジンと駆動連結され、エンジンによって回転駆動される。 【0017】駆動軸7はクランク室3内においてウオブル板(斜板)9を公知の連繋機構(図示省略)により取付角度変更可能にトルク伝達関係にて連結されており、ウオブル板9のシリンダ室4側の板面にはピスントロッド6が軸力伝達可能に係合している。 【0018】ウオブル板9が傾斜状態にて駆動軸7により回転駆動されることにより、各シリンダ室4のピストン5がウオブル板9の傾斜角に応じたストロークをもって往復動し、その傾斜角がクランク室圧力Pcと各シリンダ室4の吸入圧力(圧縮機吸入圧力)Psとの差圧に応じて自動調整される。 【0019】この場合、圧縮機1は、クランク室圧力Pcの上昇に応じてウオブル板9の傾斜角が減少してピストン5のストロークが低減することにより吐出容量を低減し、クランク室圧力Pcが吸入圧力Psより高い場合にはアンロード運転状態になり、クランク室圧力Pcの低下に応じてウオブル板9の傾斜角が増大してピストン5のストロークが増大することにより吐出容量を増大し、クランク室圧力Pcが吸入圧力Psに実質的に等しい圧力になることによってフルロード運転状態になる。 【0020】各シリンダ室4には各々一方向弁による吸入弁12、吐出弁13を有する吸入ポート14と吐出ポート15とが形成されており、各シリンダ室4の吸入ポート14は吸入通路16によって吸入接続ポート17に連通し、吐出ポート15は吐出通路18によって吐出接続ポート19に連通しており、吸入接続ポート17と吐出接続ポート19とに、蒸発器20、膨張弁21、ガス・クーラー(凝縮器)22を含む、CO2 冷媒使用の超臨界蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置の冷凍サイクル用循環管路が接続されている。 【0021】圧縮機ハウジング2には有底孔による制御弁受入孔23が形成されており、この制御弁受入孔23内にこの発明による容量制御弁(感圧制御弁)30が挿入固定されている。 【0022】容量制御弁30は、制御弁受入孔23に挿入される弁ハウジング31を有している。 【0023】図2に示されているように、弁ハウジング31には、弁ハウジング31の中間部を径方向に横切って延在するクランク室側通路32および吸入ポート側通路33と、弁室34と、弁室34とクランク室側通路32とを連通接続する弁ポート35とが形成されている。 【0024】弁室34にはボール弁体36が配置されており、ボール弁体36は、弁座部37に選択的に着座することにより、弁ポート35を開閉、換言すれば、弁室34とクランク室側通路32との連通、遮断を行う。 【0025】弁ハウジング31にはアジャスタブルばねリテーナ38がねじ止めされており、アジャスタブルばねリテーナ38とボール弁体36に係合しているばねリテーナ39との間に圧縮コイルばねによる弁ばね40が取り付けられている。弁ばね40はアジャスタブルばねリテーナ38とばねリテーナ39との間に作用し、ボール弁体36を閉弁方向へ付勢している。 【0026】弁ハウジング31の一端部(下端部)には感圧素子としてダイヤフラム装置41が取り付けられている。ダイヤフラム装置41は、弁ハウジング31の下端部にかしめ結合された皿状の上蓋42と、ダイヤフラム43を挟んで上蓋42と結合された皿状の下蓋44と、下蓋44にかしめ結合された円筒状のばね箱45と、ばね箱45にねじ係合した調整ねじキャップ46とを有している。 【0027】ダイヤフラム43は、弁ハウジング31側に吸入ポート側通路33と直接連通しているダイヤフラム室47を、ばね箱45側に密閉室48を各々画定している。 【0028】ダイヤフラム43の密閉室48側には当金49、ボール50、ばねリテーナ51が順に設けられており、ばねリテーナ51と調整ねじキャップ46との間には、ダイヤフラム43を上向きに付勢してダイヤフラム室47の圧力に対抗する圧縮コイルばねによる調整ばね52が設けられている。 【0029】弁ハウジング31は案内孔53に連結棒54を軸線方向に移動可能に支持している。連結棒54は一端にてボール弁体36に溶接されている。連結棒54の他端はダイヤフラム室47内にあり、この端部にはばねリテーナ55が係合している。ダイヤフラム43のダイヤフラム室47側には当金56が設けられており、当金56とばねリテーナ55との間には、弾性部材として、変換用圧縮コイルばね57が挟まれている。 【0030】上述の構成による容量制御弁30は、図1に示されているように、圧縮機ハウジング2の制御弁受入孔23に挿入固定され、クランク室側通路32はクランク室圧力通路24によってクランク室3に連通し、吸入圧力通路33は吸入圧力通路25によって吸入ポート14に連通し、制御弁受入孔23は吐出圧力通路26によって吐出ポート15に連通している。なお、アジャスタブルばねリテーナ38には、制御弁受入孔23に導入される吐出圧力Pdを弁室34に導くための連通孔38aが形成されている。 【0031】次に上述の構成よりなる容量制御弁30の動作を説明する。 【0032】圧縮機1の吸入圧力Psが、吸入ポート14より吸入圧力通路33を経てダイヤフラム室47に入り、ダイヤフラム43に作用する。これにより、ダイヤフラム43は圧縮機1の吸入圧力Psにダイヤフラム43の有効受圧面積を乗じた力と、調整ばね52のばね力との差に応じて変位する。 【0033】このダイヤフラム43の変位量Lbに相関して変換用圧縮コイルばね57が弾性変形し、換言すれば、ダイヤフラム43の感圧動作が変換用圧縮コイルばね57の弾性変形動作に変換され、変換用圧縮コイルばね57の弾性変形による発生荷重Whと弁ばね40によるばね荷重Wsとの平衡関係によりボール弁体36の開度調整が行われ、その開度に応じて吐出圧力Pdがクランク室3に導入される。 【0034】圧縮機1の吸入圧力Psに相関するダイヤフラム装置41の発生荷重Wbと変位量Lbとの関係は図3に示されているようになり、ダイヤフラム有効面積Abを2cm2 とすると、ダイヤフラム装置41の発生荷重Wbは、使用域(設定域)にて、WbA=60kgf〜WbB=100kgf程度になる。これに対し、変換用圧縮コイルばね57を弱いロードスケールの圧縮コイルばねで構成することで、ダイヤフラム装置41の変位量Lb(LbA〜LbB)に相関する変換用圧縮コイルばね57の発生荷重Whは、図4に示されているように、使用域(設定域)にて、WhA=0.2kgf〜WbB=0.8kgf程度になり、弁ばね40のばね荷重Wsは、弱いロードスケールの変換用圧縮コイルばね57の発生荷重Whにバランスする程度の小さいものでよい。 【0035】これにより、変換用圧縮コイルばね57のばね特性を弁ばね40のばね荷重特性に合致させるだけで、感圧素子特性に左右されずに、超臨界蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置におけるような超高圧にも対応した制御弁が設計可能になり、また制御弁の比例帯を変換用圧縮コイルばね57の荷重特性により設定でき、自由度が大きくなる。 【0036】 【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項1の発明による感圧制御弁によれば、感圧素子の感圧動作が弾性部材の弾性変形動作に変換され、弾性部材の弾性変形による発生荷重と弁ばねの発生荷重との平衡関係により弁体の開度調整が行われるから、弁開度特性が感圧素子特性に直接左右されず、超高圧に対応することができ、制御特性の設定の自由度、成立性が高くなる。換言すれば、弾性部材と弁ばねの組み合わせにより、任意の制御弁特性(ゲイン=比例帯)を得ることができる。 【0037】請求項2の発明による感圧制御弁によれば、感圧素子の感圧動作が変換用圧縮コイルばねのばね変形動作に変換され、変換用圧縮コイルばねの弾性変形による発生荷重と弁ばねの発生荷重との平衡関係により弁体の開度調整が行われるから、弁開度特性が感圧素子特性に直接左右されず、超高圧に対応することができ、制御特性の設定の自由度、成立性が高くなる。 【0038】請求項3記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、容量制御弁の基本的動作として、感圧素子が容量可変型圧縮機の吸入圧力に応動し、弁開度に応じて容量可変型圧縮機のクランク室圧力を制御するから、弁開度特性が感圧素子特性に直接左右されず、超高圧に対応することができ、制御特性の設定の自由度、成立性が高くなり、超臨界蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置で使用する容量制御弁として好適な容量制御弁が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000143949 【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
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| 【出願日】 |
平成11年9月10日(1999.9.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060690 【弁理士】 【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−82618(P2001−82618A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−256981 |
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