| 【発明の名称】 |
バタフライ弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 正行
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| 【要約】 |
【課題】バタフライ弁において、弁体とシートとの間でスティックスリップが発生しないようにする。
【解決手段】弁箱1の内周にゴム製のシート5が設けられたバタフライ弁である。ゴム製のシート5の内周面が、弁体4の移動方向11に沿った方向に加工されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁箱の内周にゴム製のシートが設けられたバタフライ弁であって、前記ゴム製のシートの内周面が、弁体の移動方向に沿った方向に加工されていることを特徴とするバタフライ弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はバタフライ弁に関する。 【0002】 【従来の技術】バタフライ弁として海水などの用途に供されるものがあり、その一種としてオールゴムライニング型バタフライ弁がある。図3および図4は、従来のオールゴムライニング型バタフライ弁の構成例を示す。図3において、1は円筒状の弁箱であり、その両端に接続フランジ2、2が形成されている。図4に詳細に示すように、弁箱1の内周面およびフランジ2、2の端面は、その全面がゴムライニング3によって被覆されている。図4において、4は弁体を示す。 【0003】弁体4が閉止した位置に対応する弁箱1の内周には、シート5が設けられている。このシート5は軟質のゴムにて形成され、たとえば弁箱1の中央部におけるゴムライニング3の部分を他の部分よりも厚肉に形成することなどによって形成されている。このシート5は、たとえば、このシート5と、ゴムライニング3におけるシート5以外の部分とが一体に形成された構成の帯状体を、弁箱1の内周にわたって貼り付けることなどによって形成される。そして、このような帯状体を貼り付けた後に、シート5の内径が所定の寸法となるように、機械加工が施される。この機械加工は、シート5が軟質のゴムであるゆえに金属材料のようにバイトを使って行うことができない。このため、グランインダ加工を施すようにするのが一般的である。 【0004】従来、このグラインダ加工は、図3(b)に示すように、砥石6の回転方向7が弁箱1の内周の方向に沿ったものとなるようにして、すなわち砥石6の回転軸8が弁箱1の軸心の方向に沿ったものとなるようにして行われている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シート5の内面の機械加工が十分平滑に行われていない場合は、このようにして加工されたシート5を有するバタフライ弁を組み立てて弁体4を開閉させると、弁体4が全閉位置に近づくにつれて、「ギュギュ」という音が発生するとともに弁全体に振動が発生することが多い。すなわち弁体4とシート5との間でスティックスリップが発生していることが多い。図5は弁閉時におけるスティックスリップの発生例を示すチャートであり、横軸は時間、縦軸は弁体4に印加しているトルクを表す。このチャートで、Sがスティックスリップの発生部分を表し、ここでは短い周期の急激なトルク変動が多数回発生している。 【0006】このスティックスリップの発生原因は次のようなものであると考えることができる。すなわち、上述のように砥石6の回転方向7が弁箱1の内周の方向に沿ったものである結果として、シート5の加工面すなわち内周面には、微視的には、図6に示すように、砥石6の回転方向7すなわち弁箱1の内周の方向の多数の溝部9が形成されることになる。換言すると、シート5の内面には、微視的には弁箱1の軸心の方向に沿って多数の凹凸すなわち多数の溝部9と山部10とが交互に形成されることになる。すなわち、これら溝部9および山部10は、弁体4の移動方向11と交差する方向に形成されることになる。 【0007】このうち溝部9は、山部10よりも内径が大きくなる。また溝部9は、このように山部10よりも内径が大きいために、通過流体が保持された状態となって、この通過流体が弁体4の開閉時に弁体4とシート5との間の潤滑膜として機能することになる。このため、溝部9は山部10に比べて弁体4の移動に対する抵抗が小さくなる。そして、このように抵抗の小さな溝部9とそれよりも抵抗の大きな山部10とが交互に存在することで、すなわち弁体4の移動時の抵抗が常に変動することで、上述のようなスティックスリップが発生すると考えることができる。 【0008】このスティックスリップは、シート5の内面の加工精度を向上させることによってほとんど解消させることが可能な場合もある。しかし、シート5の内面の表面粗さが外観的にはほとんど変わらないような場合であっても、スティックスリップが発生したり発生しなかったりすることがあり、スティックスリップの発生の予測は困難である。このため、シート5の外観状況だけでスティックスリップの発生の有無を予測することはできず、最終的に弁本体を組み立てた後の作動試験時にならないと、その発生の有無を実際に確認することができない。 【0009】そこで本発明は、このような問題点を解決し、バタフライ弁において弁体とシートとの間でスティックスリップが発生しないようにすることを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明は、弁箱の内周にゴム製のシートが設けられたバタフライ弁において、前記ゴム製のシートの内周面が、弁体の移動方向に沿った方向に加工されているようにしたものである。このような構成であると、加工にともなってゴム製のシートの内周面に形成される多数の溝部のそれぞれが、その加工方向すなわち弁体の移動方向に沿った方向に形成されることになる。すると、弁体の移動方向に沿って微小な凹凸が繰り返し存在するようなことがなく、したがって弁体の移動時の抵抗が繰り返し変動するようなことがないため、スティックスリップの発生が防止されることになる。また加工溝には弁体とシートとの間の潤滑膜として機能する通過流体が保持され、その保持状態が弁体の移動方向に沿って一様に連続し、その保持状態が途切れることがないことによっても、同様にスティックスリップの発生が防止されることになる。 【0011】 【発明の実施の形態】図1において、1は弁箱、2は接続フランジ、3はゴムライニング、4は弁体、5はシートで、これらは図6に示されるものと同様の構成である。この図1のものでは、グラインダ加工による溝部9および山部10が、弁体4の移動方向11すなわち開閉方向に沿った方向に形成されている。つまり、従来技術の説明に用いた図3(a)において仮想線で示すように、砥石6の回転方向7が弁箱1の内周面と直交する方向となるように、すなわち砥石6の回転軸8が弁箱1の内周面の接線の方向に沿ったものとなるようにして、グラインダ加工が行われている。 【0012】このような構成であると、加工にともなってゴム製のシート5の内周面に形成される多数の溝部9のそれぞれが、その加工方向すなわち弁体4の移動方向に沿った方向に形成されるため、弁体4の移動方向に沿って微小な凹凸が繰り返し存在するようなことがなく、したがって弁体4の移動時の抵抗が繰り返し変動するようなことがないため、スティックスリップの発生を防止することができる。 【0013】溝部9には弁体4とシート5との間の潤滑膜として機能する通過流体が保持されることになるが、その保持状態が弁体4の移動方向11に沿って一様に連続し、その保持状態が途切れることがないことによっても、同様に弁体4の移動時の抵抗が繰り返し変動することを防止できて、スティックスリップの発生を防止することができる。 【0014】図2は、図1の構成を有するバタフライ弁の閉動時のトルクの変化を示すチャートであり、図5の場合と同様に横軸は時間、縦軸は弁体4に印加しているトルクを表す。このチャートでは、スティックスリップの発生にもとづく短い周期の急激なトルク変動は、まったく観察されない。 【0015】 【発明の効果】以上のように本発明によると、弁箱の内周にゴム製のシートが設けられたバタフライ弁において、前記ゴム製のシートの内周面の加工方向が弁体の移動方向に沿った方向になるようにしたため、加工にともなってゴム製のシートの内周面に形成される多数の溝部のそれぞれを、その加工方向すなわち弁体の移動方向に沿った方向に形成することができ、このため、弁体の移動方向に沿って微小な凹凸が繰り返し存在するようなことがなく、したがって弁体の移動時の抵抗が繰り返し変動するようなことがないため、スティックスリップの発生を防止でき、しかも、加工溝には弁体とシートとの間の潤滑膜として機能する通過流体が保持され、その保持状態が弁体の移動方向に沿って一様に連続し、その保持状態が途切れることがないことによっても、同様にスティックスリップの発生を防止でき、したがってスティックスリップの発生を確実に防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年9月13日(1999.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068087 【弁理士】 【氏名又は名称】森本 義弘
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| 【公開番号】 |
特開2001−82615(P2001−82615A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−258147 |
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