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【発明の名称】 液圧弁、特に調節可能な圧力調整弁
【発明者】 【氏名】ロルフ ノイハウス

【氏名】ベルント ウアラウプ

【氏名】フリートリヒ ツァプフ

【氏名】リープハルト ツアイサー

【要約】 【課題】弁スライダに作用する押圧力が万一の場合でも、圧力媒体が弁を通って流れるかどうかおよび圧力媒体が弁を通ってどのように流れるかにほんの少しだけしか左右されないように、液圧弁を改良する。

【解決手段】液圧弁、特に比例調節可能な圧力調整弁は、電磁石10と液圧部分11を備えている。磁極片34と弁ケーシング12の間に流体室44,56が形成され、一方ではこの流体室とアーマチュア室39が開放するように流体接続され、他方では流体室と弁ケーシング12を取り囲む低圧範囲Tとが開放するように流体接続されている。流体室44,56と低圧範囲Tの間の流体接続部は半径方向穴27の外側にあり、この半径方向穴は弁穴13と低圧範囲Tの間の流体接続部内にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁石(10)と液圧部分(11)を備え、この電磁石がコイル(33)と可動の磁石アーマチュア(40)を備え、この磁石アーマチュアがコイル(33)によって取り囲まれかつコイル(33)内に挿入された磁極片(34)によって軸方向において画成されたアーマチュア室(39)内にあり、磁石アーマチュアがアーマチュア突棒(42)に連結され、アーマチュア突棒が磁極片(34)の中央の穴(43)を通過し、液圧部分(11)が組み込みブッシュとして形成された弁ケーシング(12)を備え、この弁ケーシングが軸方向において磁極片(34)に接触し、かつ軸方向に延びる弁穴(13)を備え、この弁穴が少なくとも1つの半径方向穴(27)を介して、弁ケーシング(12)を取り囲む低圧範囲(T)に接続され、液圧部分が弁穴(13)内にある弁スライダ(14)を備え、この弁スライダがアーマチュア突棒(42)を介して磁石アーマチュア(40)によって軸方向に移動可能であり、磁極片(34)と弁ケーシング(12)の間に流体室(44,56)が形成され、一方ではこの流体室とアーマチュア室(39)が開放するように流体接続され、他方では流体室と弁ケーシング(12)を取り囲む低圧範囲(T)とが開放するように流体接続されている、液圧弁、特に比例調節可能な圧力調整弁において、流体室(44,56)と低圧範囲(T)の間の流体接続部が半径方向穴(27)の外側にあり、この半径方向穴が弁穴(13)と低圧範囲(T)の間の流体接続部内にあることを特徴とする液圧弁。
【請求項2】 流体室(44,56)と低圧範囲(T)の間の流体接続部が、流体室(44,56)の方に開放した、止り穴としての補償用軸方向穴(57)と、外側が低圧範囲(T)に開放し、補償用軸方向穴に接続し、弁穴(13)から離れたところで終わっている補償用半径方向穴(58)内にあることを特徴とする請求項1記載の液圧弁。
【請求項3】 少なくとも弁ケーシング(12)を組み込み穴に組み込んだ後で、低圧範囲(T)が流出個所(49)を有する周方向の通路(48)であり、補償用半径方向穴(58)が流出個所(49)と反対側で低圧範囲(T)に開口していることを特徴とする請求項2記載の液圧弁。
【請求項4】 低圧範囲(T)と弁穴(13)の間で、弁ケーシング(12)の周囲に均一に分配配置された奇数の流出用半径方向穴(27)が延び、この流出用半径方向穴(27)に補償用半径方向穴(58)が対向していることを特徴とする請求項3記載の液圧弁。
【請求項5】 弁ケーシング(12)が円板状の部分(17)を備え、この部分が電磁石(10)のカップ状の薄板ケーシング(30)に挿入され、部分が外側に環状溝(48)を有し、この環状溝が、薄板ケーシング(30)を切欠いた個所(49)を除いて薄板ケーシング(30)によって覆われ、低圧範囲(T)を形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の液圧弁。
【請求項6】 アーマチュア突棒(42)が磁石アーマチュア(40)の中央の貫通穴(41)内に固定され、かつ磁極片(34)内でシールして滑動するように案内され、アーマチュア突棒(42)の軸方向穴(54)が流体室(44,56)とアーマチュア室(39)との間の流体接続部内にあり、軸方向穴がアーマチュア室(39)内にあるアーマチュア突棒(42)の端面で開放し、磁石アーマチュア(40)の両端面の前の両アーマチュア部分室(52,53)が磁石アーマチュアを介して互いに流体接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の液圧弁。
【請求項7】 両アーマチュア部分室(52,53)が、磁石アーマチュア(40)に差し込まれたアーマチュア突棒(42)の部分と磁石(40)との間の少なくとも1つの通路(51)を介して互いに流体接続されていることを特徴とする請求項6記載の液圧弁。
【請求項8】 アーマチュア突棒(42)の外側が円形であり、通路(51)がこの円形と、磁石アーマチュア(40)内の中央の貫通穴(41)の横断面との形の差によって形成されていることを特徴とする請求項7記載の液圧弁。
【請求項9】 通路(51)が軸方向に延びていることを特徴とする請求項7または8記載の液圧弁。
【請求項10】 液圧弁が電磁石(10)によって比例調節可能な圧力調整弁であり、この圧力調整弁が軸方向に延びる弁穴(13)を有する、組み込みブッシュとして形成された弁ケーシング(12)と、弁穴(13)内にある弁スライダ(14)を備え、弁穴がそれぞれ少なくとも1つの半径方向穴(25,26,27)を介して、周方向に延びる外側の高圧室(P)と、周方向に延びる外側の低圧室(T)と、軸方向において高圧室(P)と低圧室(T)の間で周方向に延びる調整圧力室(A)に接続され、弁スライダが調整圧力室(A)を高圧室(P)に接続するように磁力によって付勢可能であり、かつ調整圧力室(A)を低圧室(T)に接続するように調整圧力によって付勢可能であり、調整圧力室(A)と、電磁石(10)と反対の弁ケーシング(12)の端部で弁スライダ(14)の前にある圧力室(20)との間の流路(59,60)が、調整圧力室(A)と弁穴(13)との間に形成された半径方向穴(26)の外側に設けられていることを特徴とする特に請求項1〜9のいずれか一つに記載の液圧弁。
【請求項11】 流路が弁ケーシング(12)の端面(19)の方に開放した止り穴の軸方向穴(60)と、調整圧力室(A)の方に開放し、軸方向穴(60)に接続しそして弁穴(13)から間隔をおいて終わっている半径方向穴(59)とを備えていることを特徴とする請求項10記載の液圧弁。
【請求項12】 少なくとも弁ケーシング(12)を組み込み穴に組み込んだ後で、調整圧力範囲(A)が所定の流出個所と流入個所を有し、流路(59,60)の半径方向穴(59)が流出個所と反対側で調整圧力範囲(A)に開口していることを特徴とする請求項11記載の液圧弁。
【請求項13】 調整圧力範囲(A)と弁穴(13)の間に、弁ケーシング(12)の周囲にわたって均一に分配配置された奇数の半径方向穴(26)が形成され、この半径方向穴(26)の1つが流出個所の方に向いており、この半径方向穴(26)に流路(59,60)の半径方向穴(59)が向き合っていることを特徴とする請求項12記載の液圧弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁石と液圧部分を備え、この電磁石がコイルと可動の磁石アーマチュアを備え、この磁石アーマチュアがコイルによって取り囲まれかつコイル内に挿入された磁極片によって軸方向において画成されたアーマチュア室内にあり、磁石アーマチュアがアーマチュア突棒に連結され、アーマチュア突棒が磁極片の中央の穴を通過し、液圧部分が組み込みブッシュとして形成された弁ケーシングを備え、この弁ケーシングが軸方向において磁極片に接触し、かつ軸方向に延びる弁穴を備え、この弁穴が少なくとも1つの半径方向穴を介して、弁ケーシングを取り囲む低圧範囲に接続され、液圧部分が弁穴内にある弁スライダを備え、この弁スライダがアーマチュア突棒を介して磁石アーマチュアによって軸方向に移動可能であり、磁極片と弁ケーシングの間に流体室が形成され、一方ではこの流体室とアーマチュア室が開放するように流体接続され、他方では流体室と弁ケーシングを取り囲む低圧範囲とが開放するように流体接続されている、液圧弁、特に比例調節可能な圧力調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁石と液圧部分を備えた圧力調整弁は例えばドイツ連邦共和国特許第4122376号公報によって知られている。この液圧部分は組み込みブッシュとして形成され、軸方向に延びる弁穴を有する弁ケーシングと、弁穴内で軸方向に移動可能な弁スライダとを備えている。弁穴は軸方向に互いに離隔された個所で、半径方向穴を介して弁ケーシングの外側範囲に接続されている。その際、電磁石の最も近くに低圧範囲が設けられている。この低圧範囲を経て圧力媒体がタンクに流出可能である。電磁石から最も離れたところに高圧範囲が設けられている。この高圧範囲には、圧力媒体源から圧力媒体が流入する。上記の両範囲の間には、弁によって圧力が調整される調整圧力範囲が設けられている。この調整圧力の高さは、電磁石のコイルを流れる電流の大きさに依存する。すなわち、調整圧力は調整圧力範囲を低圧範囲に接続するように弁スライダの作用面に作用し、次のように上昇する。すなわち、弁スライダにおいて、電磁石と調整圧力と場合によって設けられるばねとによって発生する力がつり合うようになるまで上昇する。
【0003】ドイツ連邦共和国特許第4122376号公報に示された圧力調整弁は上昇する特性曲線を有する圧力調整弁である。これは、電磁石のコイルを流れる電流の強さが増大するにつれて調整圧力が上昇することを意味する。このような圧力調整弁の場合、調整圧力によって発生する力と、電磁石によって発生する力は、弁スライダに対して互いに反対向きに作用する。弁スライダの端面と電磁石の中空室は、低圧範囲に流体接続されている。この接続のために軸方向穴が役立つ。この軸方向穴は弁穴に対して偏心させて弁ケーシングに穿設され、半径方向穴に開口している。この半径方向穴は弁ケーシングの外側の低圧範囲と弁穴との間に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の根底をなす課題は、弁スライダに作用する押圧力が万一の場合でも、圧力媒体が弁を通って流れるかどうかおよび圧力媒体が弁を通ってどのように流れるかにほんの少しだけしか左右されないように、冒頭に述べた種類の液圧弁を改良することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、冒頭に述べた種類の液圧弁において、本発明に従い、磁極片と弁ケーシングの間にある流体室と、低圧範囲との間の流体接続部が、半径方向穴の外側にあり、この半径方向穴が弁穴と低圧範囲の間の流体接続部内にあることによって解決される。本発明による液圧弁の場合には、圧力媒体流れの変化と共に生じる圧力媒体の静圧の変化が、弁スライダの一方の端面で電磁石の中空室内に生じる圧力に対して非常にわずかな影響しか及ぼさない。それによって、弁スライダにおいてつり合う力のレベルは、圧力媒体が弁ケーシングの外側で弁穴から低圧範囲に流れるか否かに少ししか左右されない。液圧弁が圧力調整弁であると、調整圧力はきわめて正確に維持される。一般的に、電磁石内の中空室と、弁スライダの端面の前の室は、半径方向穴を通る、汚染粒子を含む圧力媒体流れに対して直接的な関係はない。従って、液圧弁の本発明による形成によって、上記の室の汚染が回避され、それによって液圧弁の長い運転寿命が保証される。
【0006】本発明による液圧弁の有利な実施形は従属請求項から明らかである。その際、請求項3に従って、周方向の通路である低圧範囲の周囲の所定の個所から圧力媒体が流出し、流体室と低圧範囲の間の流体接続部にある補償用半径方向穴が、流出個所と反対側で低圧範囲に開口していると有利である。流出個所と反対側では、静圧に対する流動圧力媒体の影響は非常に小さい。その際、請求項4記載の実施形が特に有利である。この実施形によれば、低圧範囲と弁穴の間に、弁ケーシングの周囲に均一に分配配置された奇数の流出用半径方向穴が形成されている。この場合、この流出用半径方向穴の1つが流出個所の方に向き、補償用半径方向穴がこの流出用半径方向穴に向き合っている。補償用半径方向穴が1個所で圧力が流れない周方向の通路に開口しているので、補償用半径方向穴の開口はもはや、液圧回路から汚染粒子を持続的に搬送して来る圧力媒体流れにさらされない。この汚染粒子は電磁石内の流れ死空間または弁スライダの端面の前の流れ死空間に達する。
【0007】請求項6では、アーマチュア突棒が磁極片内で封隙的に滑動案内され、アーマチュア突棒の軸方向穴が流体室と電磁石内のアーマチュア室との間の流動接続部内にある。この軸方向穴はそれ自体、アーマチュア室内にあるアーマチュア突棒の端面で開放している。これにより、流体室とアーマチュア室の間の通路が非常に長い。磁石アーマチュアの運動時に必要である、アーマチュア室への圧力媒体の流入または流出による、アーマチュア室の自由容積の増大または減少のための補償は、アーマチュア室と流体室の間の通路内でのみ圧力媒体柱を摺動させることになるので、アーマチュア室は非常に効果的に汚染しないように保護される。磁石アーマチュアの両側面の前の両アーマチュア部分室の間の流体接続は、請求項7,8または9に従って行われると有利である。
【0008】圧力調整弁の場合、弁スライダにおける力のつり合いは、弁スライダの一方の端面の前の低圧によってだけでなく、他方の端面の調整圧力によっても影響を受ける。請求項10に従って、調整圧力室と弁スライダの端面の前の圧力室との間の流路が、調整圧力室と弁穴の間に形成された半径方向穴の外側に設けられているときには、弁スライダの一方の端面で生じる調整圧力が、圧力媒体流れによって非常に少ししか影響を受けない。ここで、調整圧力室と弁スライダの一方の端面の前の圧力室と同じ原理が、低圧範囲と弁スライダの他方の端面にも適用される。その際、弁スライダにおける力のつり合いに対する圧力媒体流れの作用は、請求項10記載の特徴を適用するだけで低減され、従って請求項10の実施形は請求項1の特徴が無くても既に有利である。
【0009】
【発明の実施の形態】圧力調整弁として形成された本発明による弁の実施の形態が図に示してある。図に基づいて、本発明を詳しく説明する。
【0010】図示した液圧式圧力調整弁は電磁石10と液圧部分11を備えている。この液圧部分は実質的に、回転対称の外側の弁ケーシング12と、弁スライダ14とからなっている。この弁ケーシングはつば付きブッシュのように形成され、中央に貫通する軸方向穴13を有する。弁スライダ14は軸方向穴内で軸方向に移動可能に案内されている。弁ケーシング12の半径方向外側において、圧力範囲を3つの圧力範囲P,AおよびTに分けることができる。この圧力範囲は周方向の溝に挿入された2個のOリング15,16によって互いにシールされている。圧力範囲Tは弁ケーシング12の拡張された円板状部分17にある。この圧力範囲Tから、圧力媒体が貯蔵容器に還流する。従って、この圧力範囲は低圧範囲と呼ばれる。両圧力範囲A,Pは弁ケーシング12のスリーブ状部分18にある。圧力範囲Pには、圧力媒体源から加圧された圧力媒体が流入する。従って、この圧力範囲Pは以下において高圧範囲と呼ばれる。軸方向において低圧範囲Tと高圧範囲Pの間にある圧力範囲Aでは、調整圧力が調整される。従って、以下において、圧力範囲Aは調整圧力範囲と呼ばれる。ケーシング部分18の自由端面19の手前の室20は、端面19から出発する軸方向穴13の広がった部分と共に、弁ケーシング12の周囲の他のOリング21によって、高圧範囲Pから流体的に分離されている。
【0011】各圧力範囲P,A,Tと軸方向穴13の間には、それぞれ3つの半径方向穴25または26または27が延びている。圧力範囲と軸方向穴13の間のそれぞれ3つの半径方向穴は、弁ケーシング12の周囲にわたって等しい角度間隔をおいて分配されている。すなわち、互いに120°の角度間隔を有する。
【0012】電磁石10は深絞りされたカップ状の薄板ケーシング30を備えている。この薄板ケーシングの底には、第1の磁極片31が載っている。この磁極片はフランジ状の部分が軸方向と半径方向で薄板ケーシング30に接触し、管状の部分32が、同様に薄板ケーシング30に挿入された電磁コイル33内に、電磁コイルの約半分の高さまで挿入されている。第2の磁極片34が反対側から電磁コイル33内に挿入されている。この磁極片もフランジ状の部分が半径方向内側から薄板ケーシング30に接触している。磁極片34は他の磁極片31寄りに、比例磁石の特徴である円錐状部35を備えている。この比例磁石の場合、磁力はストロークに関係なく、磁石のコイルを流れる電流の大きさだけに依存する。軸方向において磁極片34のフランジ状部分と電磁コイル33の間には、波形ディスク36が設けられている。この波形ディスクによって、部材31,33,34の間の軸方向遊びが補正される。非磁性の薄板によって作られたブッシュ37は、電磁コイル33内に挿入された磁極片34の部分を取り囲み、円錐状部35の前方で先細になっていて、磁極片31に差し込まれている。
【0013】ブッシュ37と磁極片34によって閉じ込まれたアーマチュア室は磁石アーマチュア40を収容している。この磁石アーマチュアの中央を段付き穴41が通過している。大きな直径を有するこの穴の部分は磁極片34の方に開放し、小径の部分は薄板ケーシング30の底の方に開放している。大径の穴部分には、アーマチュア突棒42が挿入されている。この場合、プレス長さは磁石アーマチュア40の軸方向長さの約3分の2に相当し、薄板ケーシング30の底の方に向いたアーマチュア突棒42の端面は、両穴部分の間の段部から少し離れている。アーマチュア突棒42は磁極片34の中央の支承穴43内で密封滑動案内され、同心的な旋削穴44内に達している。この旋削穴はアーマチュア室と反対側の磁極片34の端面45に加工されている。アーマチュア突棒42は、磁石アーマチュア40から離れたその端部から或る距離にわたって外側を、弁穴13の直径よりも小さな寸法に旋削されている。従って、アーマチュア突棒42は軸方向で磁極片34に接する弁ケーシング12の弁穴13内に、突き当たることなく入ることができる。
【0014】電磁石10の薄板ケーシング30は磁極片34から突出し、弁ケーシング12の円板状の部分17を取り囲んでいる。この円板状の部分17の周りに、環状溝48が形成されている。この環状溝は制限された角度範囲を除いて薄板ケーシング30によって覆われている。従って、円板状の部分17と電磁石10の薄板ケーシング30の間に、横断面が閉じた環状通路が形成されている。この環状通路は所定の個所で半径方向外側に開放している。この個所において切欠き49が薄板ケーシング30に設けられている。この切欠きは圧力媒体を環状通路48から外側に流出させる働きをするのではなく、電気的な接続部材50を薄板ケーシング30の内部から半径方向外側に案内するために役立つ。特に図2から明らかなように、低圧範囲Tに属する環状通路48を軸方向穴13に接続する半径方向穴27の1つは、流出個所49内で外側に向いている。調整範囲Aについても類似の構造となっている。図1に示した半径方向穴26の延長部で、圧力媒体が調整圧力範囲Aから流出するかまたは調整圧力範囲Aに流入する。
【0015】磁石アーマチュア40の穴41の大きな横断面の部分の壁には、複数の縦方向溝51が形成されている。穴41の小さな部分を含めて、磁石アーマチュア40の両端面の前の両アーマチュア部分室52,53は、縦方向溝を介して、アーマチュア突棒42の外側に沿って、互いに流動的に接続されている。更に、アーマチュア室39全体が低圧範囲Tの方に流動的に開放している。この開放接続のために先ず最初に、軸方向穴54が役立つ。この軸方向穴は薄板ケーシング30の底寄りのアーマチュア突棒42の端面から、このアーマチュア突棒内に形成され、他方の端面のすぐ手前まで達している。アーマチュア突棒のあらゆる位置で、軸方向穴54は横穴55を経て旋削穴44に開放している。磁極片寄りの弁ケーシング12の端面の中央には、磁極片34の旋削穴44の方に開放した窪み56が設けられている。この窪みは旋削穴44ほどの深さではないが、大きな直径を有する。窪み56には、弁穴13に対して平行に延びる軸方向の止り穴57が開口している。この止り穴はその端部のところで、3つの半径方向穴27の平面内にある半径方向の止り穴58に接続している。この半径方向の止り穴は環状通路48の方に開放しているが、弁穴13の側は閉じている。特に図2から判るように、半径方向58は、環状通路48からの圧力媒体の流出個所49と反対の側で環状通路48に開口している。更に、半径方向穴58は2つの半径方向穴27の間のちょうど中間にある。従って、半径方向穴58が環状通路48に開口している個所では、圧力媒体の流れは生じない。この圧力媒体の流れは調整圧力範囲Aからの圧力媒体の流出の後で低圧範囲Tに戻される。
【0016】低圧範囲Tと同様に、調整圧力範囲Aにおいても、半径方向の止り穴59が1つの半径方向穴26に向き合っている。この止り穴は調整圧力範囲Aの方に開放しているがしかし、弁穴13の方は閉じている。半径方向穴59には軸方向の止り穴60が開口している。この止り穴は弁ケーシング20の端面19から形成されているので、穴59,60によって、調整圧力範囲Aから室20への流体接続が行われる。
【0017】弁スライダ14は2つのスライダつば65,66を備えている。このスライダつば相互の軸方向内法間隔は、半径方向穴26と半径方向穴27の軸方向内法間隔に等しい。スライダつばは弁穴13の直径よりもはるかに小さな直径を有するピストンロッド67によって互いに連結されている。弁スライダ14は調整圧力範囲Aと低圧範囲Tを流体接続するように、保持器68内に保持された弱い圧縮ばね69と、室20内の調整圧力によって付勢されている。これと反対方向に、および調整圧力範囲Aと高圧範囲Pを接続するように、磁力が弁スライダに作用する。この磁力は磁石アーマチュア突棒42を介してアーマチュア40によって加えられる。
【0018】図1では、弁は、電磁石に通電されておらず、力が弁スライダ14に加えられていない状態にある。調整圧力範囲Aは低圧範囲Tに流体接続されている。磁石アーマチュアはブッシュ37の底にあり、磁極片34から軸方向に最も離れている。電磁石のコイルに電流を通じると、磁石アーマチュア40は磁極片34の方に移動し、それによって弁スライダ14を圧縮ばね69の力に抗して摺動させ、それによって調整圧力範囲Aと高圧範囲Pが流体接続する。磁石アーマチュア40の移動中、アーマチュア室39の自由容積は増大する。なぜなら、アーマチュア突棒42の一部がアーマチュア室から外に出るからである。アーマチュア室自由容積の増大は、環状通路48から穴58,57、室56、室44、アーマチュア突棒42内の横穴55と軸方向穴54を経て圧力媒体が流入することによって補償される。その際しかし、アーマチュア室自由容積の増大は、その前に環状通路48内にあった圧力媒体がアーマチュア室39内に達するほど大きくない。図示した液体通路内の液柱の摺動が発生するだけである。その際、穴57,58の容積が補償容積よりも大きいので、圧力媒体を環状室48から室44,56内に流す必要がない。従ってアーマチュア室、ひいては磁石アーマチュア40とブッシュ37の間の支承個所だけでなく、支承穴43、ひいては磁極片34内のアーマチュア突棒42の支承部も汚れることがない。
【0019】調整圧力範囲Aと高圧範囲Pを接続した後で、調整圧力範囲Aと室20内の圧力が上昇するので、磁力と反対方向に弁スライダ14に向けられた力が増大し、半径方向穴25がスライダつば65によって閉鎖されるまで、弁スライダを磁極片34の方に摺動させる。弁スライダ14を少し移動させることによって、調整圧力範囲Aを低圧範囲にまたは高圧範囲に開放することにより、調整圧力範囲内で、磁力に等しい圧力が維持される。磁石コイルが電源回路から切り離されると、弁スライダ14は圧縮ばね69によって、図1に示した位置に再びもたらされる。弁スライダ14が元の位置に摺動する間、アーマチュア室39内の自由容積が縮小する。従って、圧力媒体はアーマチュア室から、アーマチュア付き棒42内の穴と室44,56と穴5758を経て押し出される。この場合、液柱の摺動だけが生じる。
【出願人】 【識別番号】598125305
【氏名又は名称】ヒドラウリク・リンク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100063130
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武久 (外1名)
【公開番号】 特開2001−74160(P2001−74160A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願2000−242920(P2000−242920)