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【発明の名称】 ソレノイドバルブ
【発明者】 【氏名】山本 俊也

【要約】 【課題】ソレノイドバルブにおいて、1つ1つの組み立ての手間を少なくし、全体に組立工数を削減させる。

【解決手段】流体入口16と流体出口17を有する弁体部14と、外周にコイル20を装着し内周に流体入口および流体出口と通ずるプランジャガイド穴18を設けるボビン部15とを樹脂材料で一体成形した弁体ボディ10と、首部11bに弁ゴム21を嵌め込んで、プランジャガイド穴に移動自在に挿入するプランジャ11と、プランジャの後側でプランジャガイド穴に嵌め込むプランジャ受け12と、プランジャ受けとプランジャ間に配設して非通電時はプランジャを付勢して弁ゴムで流体入口および流体出口間を遮断する付勢ばね22と、対向する押え板部13aと掛止め板部13b間に、プランジャ、付勢ばね、プランジャ受けをプランジャガイド穴内に嵌め込み後の弁体ボディを押し込んで挟持しうる形状としたヨーク13を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体入口および流体出口を有する弁体部と、外周にコイルを装着し内周に流体入口および流体出口と通ずるプランジャガイド穴を設けるボビン部とを樹脂材料で一体成形してなる弁体ボディと、前端側で細径に形成した首部に一部を嵌め込んで弁ゴムを取り付け、プランジャガイド穴に移動自在に挿入するプランジャと、プランジャの後側でプランジャガイド穴に嵌め込むプランジャ受けと、プランジャ受けとプランジャ間に配設し、非通電時はプランジャを付勢して弁ゴムを弁体部に突き当て流体入口および流体出口間を遮断する付勢ばねと、一側にプランジャ受けの後端を押えて抜け止めする押え板部を設け、その押え板部と対向する他側に弁体ボディの一部と係合する掛止め板部を設け、それら板部間に、プランジャ、付勢ばね、プランジャ受けをプランジャガイド穴内に嵌め込み後の弁体ボディを押し込んで挟持しうる形状としたヨークと、を備えて構成したことを特徴とするソレノイドバルブ。
【請求項2】 前記プランジャ受けに流体排出口を設ける一方、前記プランジャの後端に、通電時プランジャを付勢ばねに抗して吸引したときプランジャ受けに突き当てて流体排出口を遮断する後弁ゴムを設けるとともに、前記弁体ボディのプランジャガイド穴とプランジャ間に、非通電時に前記流体入口と流体排出口とが連通する流路を設けてなることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ。
【請求項3】 同じ形状の前記ヨークを複数個一体に連結してヨーク構造体を形成し、そのヨーク構造体の各ヨークに、それぞれプランジャ、付勢ばね、プランジャ受けをプランジャガイド穴内に嵌め込み後の前記弁体ボディを押し込んで構成したことを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ。
【請求項4】 各弁体ボディの前記流体入口に、1つのチューブに複数設ける接続口をそれぞれ接続し、該チューブ入口で複数の流体入口を1つに共通化して形成したことを特徴とする請求項3に記載のソレノイドバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、通電時は付勢ばねに抗してプランジャを吸引し弁ゴムを弁体から離して流体入口から流入した流体を流体出口から排出する一方、非通電時は付勢ばねの付勢力によりプランジャを押して弁ゴムで流体入口および流体出口間を遮断するソレノイドバルブに係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】 従来、この種のソレノイドバルブは、通常、たとえば次のような組立工程を経て、図10に示すような構造になるように組み立てられている。
【0003】(1)ヨーク1にプランジャ受け2の後端2aをプレス機によりカシメ2bする。
(2)プランジャ受け2の外周溝にOリングaを取り付ける。
(3)プランジャ受け2をボビン用ガイドパイプ3に挿入する。
(4)ヨーク1のボビン用ガイドパイプ3外周にコイル組立品4をセットする。
(5)ヨークフタ5を、図11でも示すようにプレス機によりカシメ5bする。
(6)付勢ばね6とプランジャ7をボビン用ガイドパイプ3内に入れる。
(7)ボビン用ガイドパイプ3の先端外周にOリングbを装着する。そして、(8)弁体8をヨークフタ5に4ヶ所ねじ止めする。
【0004】なお、従来、プランジャ7への弁ゴム9の取り付けは、たとえば図12に示すように、予めプランジャ7の頭部に弁取付穴7aをあけ、弁取付穴7aにゴムをインサート成形し、しかる後、そのゴムの先端面を研磨し、弁ゴム9のシール面として平面を出すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 ところが、従来では、弁ゴム9をプランジャ7にいちいちゴム成形により設け、ヨーク1やヨークフタ5はプレス機でカシメ、さらにはヨークフタ5に弁体8を複数ヶ所いちいちねじ止めするなど、1つ1つの組み立てに手間がかかり、組立工数もかなり多くなるという課題があった。
【0006】そこで、本発明の目的は、ソレノイドバルブにおいて、1つ1つの組み立ての手間を少なくし、全体の組立工数を削減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記目的は、ソレノイドバルブにおいて、流体入口および流体出口を有する弁体部と、外周にコイルを装着し内周に流体入口および流体出口と通ずるプランジャガイド穴を設けるボビン部とを樹脂材料で一体成形してなる弁体ボディと、前端側で細径に形成した首部に一部を嵌め込んで弁ゴムを取り付け、プランジャガイド穴に移動自在に挿入するプランジャと、プランジャの後側でプランジャガイド穴に嵌め込むプランジャ受けと、プランジャ受けとプランジャ間に配設し、非通電時はプランジャを付勢して弁ゴムを弁体部に突き当て流体入口および流体出口間を遮断する付勢ばねと、一側にプランジャ受けの後端を押えて抜け止めする押え板部を設け、その押え板部と対向する他側に弁体ボディの一部と係合する掛止め板部を設け、それら板部間に、プランジャ、付勢ばね、プランジャ受けをプランジャガイド穴内に嵌め込み後の弁体ボディを押し込んで挟持しうる形状としたヨークとを備えて構成したことにより達成される。
【0008】また、上記目的は、請求項1に記載のソレノイドバルブにおいて、前記プランジャ受けに流体排出口を設ける一方、前記プランジャの後端に、通電時プランジャを付勢ばねに抗して吸引したときプランジャ受けに突き当てて流体排出口を遮断する後弁ゴムを設けるとともに、前記弁体ボディのプランジャガイド穴とプランジャ間に、非通電時に前記流体入口と流体排出口とが連通する流路を設けたことにより達成される。
【0009】さらに、上記目的は、請求項1に記載のソレノイドバルブにおいて、同じ形状の前記ヨークを複数個一体に連結してヨーク構造体を形成し、そのヨーク構造体の各ヨークに、それぞれプランジャ、付勢ばね、プランジャ受けをプランジャガイド穴内に嵌め込み後の前記弁体ボディを押し込んで構成したことにより達成される。
【0010】そして、上記目的は、請求項3に記載のソレノイドバルブにおいて、各弁体ボディの前記流体入口に、1つのチューブに複数設ける接続口をそれぞれ接続し、該チューブ入口で複数の流体入口を1つに共通化して形成したことにより達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】 以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】図1に、本発明によるソレノイドバルブの一例を示す。
【0013】このソレノイドバルブは、図中符号10で示す弁体ボディと、プランジャ11と、プランジャ受け12と、ヨーク13とを備えて構成される。
【0014】弁体ボディ10は、樹脂材料を用いて一体成形により弁体部14とボビン部15を形成する。そして、弁体部14には、図中上下方向に流体入口16を設け、その流体入口16と直交する方向に流体出口17を設ける。ボビン部15には、流体出口17と同一中心線上に、前側(図中左側)で流体入口16および流体出口17と通ずる筒状のプランジャガイド穴18を設ける。そのプランジャガイド穴18の後側の開口縁には、円周段部10aを設ける。さらに、ボビン部15の図中下側には、係合凹部10bを設けてなる。そして、このボビン部15の外周に、たとえば銅線からなるコイル20を装着してなる。なお、図中符号19は、電気接続用のピン端子である。
【0015】この弁体ボディ10には、プランジャガイド穴18にプランジャ11を移動自在に挿入してなる。プランジャ11は、鉄製棒状をなし、図2でも点線で示すように、前側(図中左側)の円板状頭部11a近くに、弁ゴム21を取り付ける細径な首部11bを設け、後側を若干小径に形成してそこにばね取付部11cを設ける。弁ゴム21は、たとえば合成ゴム製で、図1に示すように、一側にプランジャ11の頭部形状に合わせて取付穴21aを設け、他側端面に円形の突当て凸部21bを形成してなる。そして、取付穴21aに頭部11aを嵌め込んで弁ゴム21を取り付けてなる。
【0016】このプランジャ11の後側で、プランジャガイド穴18内にプランジャ受け12を嵌め込んでなる。プランジャ受け12は、前側を若干小径に形成してそこにばね取付部12aを形成し、反対の後側外周に取付鍔部12bを設けてなる。そして、ばね取付部12aとプランジャ11のばね取付部11cに付勢ばね22を装着し、取付鍔部12bを嵌め付けた弁体ボディ10の円周段部10aにおいて、外周にOリング23を装着してなる。
【0017】しかして、図示ソレノイドバルブでは、上述したプランジャ11、付勢ばね22、プランジャ受け12をプランジャガイド穴18内に嵌め込み済みの弁体ボディ10全体を、ヨーク13に押し込んだ構成としてなる。ヨーク13は、鉄板製で、一側を直角に曲げ起こし、その一側にプランジャ受け12の後端を押えて抜け止めする押え板部13aを設けるとともに、他側も曲げ起こして押え板部13aに対向する掛止め板部13bを設けてなる。掛止め板部13bには、図3に示すように掛止用の切欠き部分13cを設け、その切欠き部分13cを、図1に示すように差し込んで弁体ボディ10の係合凹部10bに係合させてなる。
【0018】さて、図示ソレノイドバルブを組み立てるときは、たとえば図4に示すように、弁体ボディ10のプランジャガイド穴18内に、順次、頭部11aに弁ゴム21を取り付けたプランジャ11、付勢ばね22、Oリング23を取り付けたプランジャ受け12を、手で嵌め込む。
【0019】そして、そのようにプランジャ11、付勢ばね22、プランジャ受け12をプランジャガイド穴18内に嵌め込み済みの弁体ボディ10を、ヨーク13の押え板部13aと掛止め板部13b間に、手で押し込み、それら板部間で挟持することでヨーク13に取り付ける。
【0020】しかして、図示ソレノイドバルブでは、通電時、コイル20に流れる電流によりプランジャ11を付勢ばね22に抗して吸引し、図5に示すように、弁ゴム21を弁体部14から離して流体入口16から流入した流体を流体出口17から排出する。一方、通電をオフにすると、図1に示すように、付勢ばね22によりプランジャ11を突出して弁ゴム21で流体出口17を塞いで流路を遮断する。
【0021】ところで、上述した図示ソレノイドバルブは、流体の流路を開閉するだけの所謂2方弁方式であったが、本発明によるソレノイドバルブは、流体の排出方向も変える所謂3方弁方式のものにも同様に適用することができる。
【0022】その場合は、たとえば図6に示すように構成するとよい。プランジャ受け12は、管状に形成し、その中の貫通穴に、流体出口17とは別の流体排出口25を形成する。そのため、ヨーク13には、その押え板部13aに、図7に示すように、流体排出口25が外部に臨むようにプランジャ受け12を受けて保持する切欠き凹部13cを設ける。
【0023】一方、プランジャ11は、横断面円形状ではなく、図6に示すように、たとえば外周両側に長さ方向にカット面11dを付けた形状に形成したものを用い、これによってカット面11dとプランジャガイド穴18間に、流体入口16と流体排出口25とが連通しうる流路を形成する。また、プランジャ11には、その後端に、弁ゴム21とは別に、後弁ゴム26を付設してなる。
【0024】しかして、この3方弁方式のソレノイドバルブでは、通電時は、プランジャ11を付勢ばね22に抗して吸引し、図6に示すように、後弁ゴム26で流体排出口25を塞ぐ一方、弁ゴム21を流体出口17から離して流体入口16から流入した流体を流体出口17から排出する。
【0025】一方、通電をオフにすると、付勢ばね22によりプランジャ11を突出して弁ゴム21で流体出口17を塞ぐ一方、後弁ゴム26をプランジャ受け12から離し、プランジャガイド穴18とプランジャ11間の流路を介して流体入口16と流体排出口25とが連通し、流体の排出方向が切り替えられて、流体入口16から流入した流体を流体排出口25から排出する。
【0026】ところで、本発明によるソレノイドバルブは、次のように構成することもできる。
【0027】たとえば図8に示すように、前記した同じ形状のヨーク13を4個一体に連結してつくりヨーク構造体30を形成する。そして、ヨーク構造体30の各ヨーク13に、前記したプランジャ11、付勢ばね22、プランジャ受け12をプランジャガイド穴18内に嵌め込み済みの弁体ボディ10を、各ヨーク13の押え板部13aと掛止め板部13b間に、手で押し込み、それら板部間で挟持させて構成する。
【0028】また、本発明において、このように複数のソレノイドバルブをまとめてヨーク構造体30に取り付ける構成とする場合(4連タイプ)には、たとえば図9に示すように、各弁体ボディ10の流体入口16に、1つのチューブ35に複数設ける接続口35aをそれぞれ接続し、このチューブ入口35bで4つの流体入口16を1つに共通化させる構成にするとよい。
【0029】
【発明の効果】 以上のように構成した本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0030】請求項1によれば、従来のようにゴム成形や研磨工程を伴わず、弁ゴムを首部に手で嵌め込むだけでプランジャに取り付けられ、プランジャ受けはカシメによらず弁体ボディのプランジャガイド穴に手で嵌め込むだけで取り付けられ、しかも、弁体部とボビン部を一体成形して弁体ボディを形成するため、弁体とボビンのねじ止め工程もなく、さらに弁体ボディはヨークフタのカシメを伴わず、手でヨークに押し込むだけセットすることができ、その結果、各々の組立作業が極めて容易になり、全体の組立工数も大幅に削減させることができる。
【0031】また、一体成形により弁体ボディのボビン部にプランジャガイド穴を設ける構成とすることにより、従来のようにボビン用ガイドパイプを不要とし、それだけ部品点数を削減することができる。さらに、弁体部とボビン部を一体成形して弁体ボディを形成することにより、従来のように弁体とボビン間をシールするOリングを不要とし、それだけ部品点数を削減するとともに組立工数を減らすことができる。
【0032】請求項2によれば、流体の排出方向も変える所謂3方弁方式のものに適用する場合にも、同様に、各組立作業を容易とし、全体の組立工数を大幅に削減する効果を奏することができる。
【0033】請求項3によれば、1つのヨーク構造体に複数の弁体ボディを取り付けてソレノイドバルブを構成する場合についても、同様に、各組立作業を容易とし、全体の組立工数を大幅に削減する効果を奏することができる。
【0034】請求項4によれば、加えて、各弁体ボディの流体入口を、チューブを用いて1つに共通化するため、それだけ構造が簡単でコストを下げることができる。
【出願人】 【識別番号】000169330
【氏名又は名称】ティディエス株式会社
【出願日】 平成11年9月3日(1999.9.3)
【代理人】 【識別番号】100062269
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 義雄
【公開番号】 特開2001−74159(P2001−74159A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−249543