| 【発明の名称】 |
空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型 |
| 【発明者】 |
【氏名】沼尾 康弘
【氏名】中島 正雄
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| 【要約】 |
【課題】スロットルボディおよびスロットルバルブの溶着を防止し、離脱を促進させることが可能な空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型を提供すること。
【解決手段】樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、空気流通路を形成したスロットルボディと前記スロットルボディを貫通する状態でスロットルボディに回動可能に支持されたスロットルシャフトと、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、前記スロットルシャフトに固定されてスロットルボディ内で回動して空気流通路を開閉するスロットルバルブとを有する空気流量制御装置の製造方法において、成形時に前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に潤滑物質を介在させた構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、空気流通路を形成したスロットルボディと前記スロットルボディを貫通する状態でスロットルボディに回動可能に支持されたスロットルシャフトと、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、前記スロットルシャフトに固定されてスロットルボディ内で回動して空気流通路を開閉するスロットルバルブとを有する空気流量制御装置の製造方法において、成形時に前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に潤滑物質を介在させたことを特徴とする空気流量制御装置の製造方法。 【請求項2】 請求項1に記載の空気流量制御装置の製造方法において、前記スロットルボディが形成された後に潤滑物質を金型内に注入し、次いで、スロットルバルブ成形用の溶融樹脂を金型内に射出することにより、前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に潤滑物質を介在させて、前記スロットルバルブを形成させることを特徴とする空気流量制御装置の製造方法。 【請求項3】 請求項1に記載の空気流量制御装置の製造方法において、前記スロットルボディが形成される前に潤滑物質を金型内に注入し、次いで、スロットルボディおよびスロットルバルブ成形用の溶融樹脂を金型内に射出することにより、前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に潤滑物質を介在させることを特徴とする空気流量制御装置の製造方法。 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の空気流量制御装置の製造方法において、前記金型に設置された噴霧ノズルにより潤滑物質を金型内に噴霧することを特徴とする空気流量制御装置の製造方法。 【請求項5】 請求項4に記載の空気流量制御装置の製造方法において、前記金型に設置された噴霧ノズルは、スロットルバルブ形成用の可動型に具備されており、金型内への潤滑物質の噴霧時期、時間および噴霧量を制御して前記スロットルバルブを成形することを特徴とする空気流量制御装置の製造方法。 【請求項6】 樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、空気流通路を形成したスロットルボディと前記スロットルボディを貫通する状態でスロットルボディに回動可能に支持されたスロットルシャフトと、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、前記スロットルシャフトに固定されてスロットルボディ内で回動して空気流通路を開閉するスロットルバルブとを有する空気流量制御装置を成形する成形金型において、前記金型に前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に介在させる潤滑物質の噴霧ノズルが具備されていることを特徴とする空気流量制御装置の成形金型。 【請求項7】 請求項6に記載の空気流量制御装置の成形金型において、前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に介在させる潤滑物質の噴霧用ノズルは、スロットルバルブを形成する可動型内に具備されていることを特徴とする空気流量制御装置の成形金型。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば吸気式エンジンの吸入空気量を制御するのに用いられる樹脂製空気流量制御装置の、スロットルボディとスロットルバルブとの溶着を防止することが可能な空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、自動車に搭載されるエンジンの周辺部品について、軽量化や成形性ないしは量産性向上等のために樹脂化することが検討されている。例えば、ターボチャージャーの空気吸入側インペラでは樹脂化が実施され、これ以外にも空気流量制御装置(スロットルチャンバ)においても、樹脂化することが検討されている。 【0003】図4および図5は従来の空気流量制御装置(スロットルチャンバ)の構造例を示す正面図および平面図である。この空気流量制御装置51は、空気流通路52を形成したスロットルボディ53と、このスロットルボディ53を貫通する状態でスロットルボディ53の軸受54に回動可能に支持されたスロットルシャフト55とこのスロットルシャフト55に固定されて、スロットルボディ53内で回動することにより空気流通路52を開閉するスロットルバルブ56を備えた構造を有するものである。 【0004】そこで、このような空気流量制御装置51において、スロットルボディ53およびスロットルバルブ56を樹脂化するために、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料を用いてそれぞれ個別に射出成形により成形すると、成形後の収縮に伴う変形(成形歪み)を生じてスロットルボディ53やスロットルバルブ56の真円度が各々微妙に異なる状態で低下するようになる。このような状態においてスロットルバルブ56を全閉状態にすると、スロットルボディ53の内周壁とスロットルバルブ56の外周端との隙間が大きくなって、空気の漏れ量が多くなることにより燃費の低下を招くことになりかねない、という問題点があった。 【0005】そこで、スロットルバルブ56の全閉状態においても、スロットルボディ53の内周壁とスロットルバルブ56の外周壁との間での隙間が大きくならないように、スロットルボディ53とスロットルバルブ56を同一の成形型を用いて射出成形することも考えられた。この例を示すのが、図6および図7である。 【0006】図において、空気流量制御装置の成形型61は、スロットルシャフト55の支持部分(この例では別体の軸受54を有するものとなっている。)を含むスロットルボディ53の外周側を形成する外周成形型63(63a,63b,63c)と、前記外周成形型63を支える上部型64および下部型65と、前記スロットルボディ53の内周側のうちスロットルシャフト55から上側の内周部分とスロットルバルブ56の上側のバルブ面とを成形する上側内周兼バルブ面成形型66と、前記スロットルボディ53の内周側のうちスロットルシャフト55から下側の内周部分とスロットルバルブ56の下側のバルブ面を成形する下側内周兼バルブ面成形型67を備え、上側内周兼バルブ面成形型66には、外周成形型63(63a,63b,63c)と内周兼バルブ面成形型66,67との間で形成される。(なおこの例では、上部型64および下部型65も多少関与した構造例のものとなっている。)スロットルボディ成形空間CB間に樹脂を注入するためのボディ用樹脂注入路68と、上側内周兼バルブ面成形型66と下側内周兼バルブ面成形型67とを上下方向に若干離間させることにより形成されるスロットルバルブ成形空間CVに樹脂を注入するためのバルブ用樹脂注入路69を備えた構造を有するものである。 【0007】このような構造の成形型61を用いて樹脂製空気流量制御装置51を射出成形する場合には、先ず図6に示すように、スロットルシャフト55を挟んだ状態にして上側内周兼バルブ面成形型66の下端面と下側内周兼バルブ面成形型67の上端面とを密着した状態にして、ボディ用樹脂注入路68からスロットルボディ用樹脂を注入してスロットルボディ成形空間CB内に充填することによりスロットルボディ53を成形する。 【0008】次いで、図7に示すように、下側内周兼バルブ面成形型67を矢印A方向に移動させる(コアバックさせる)ことによって上側内周兼バルブ面成形型66と下側内周兼バルブ面成形型67との間でスロットルバルブ成形空間CVを形成した後、バルブ用樹脂注入路69からスロットルバルブ用樹脂を注入してスロットルバルブ成形空間CV内に充填することによりスロットルバルブ56を形成する。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記したこのような従来の成形方法では、バルブ全閉時における空気の漏れ量を少なくできるという大きな利点を有するものの、スロットルボディ成形空間CBにボディ用樹脂を注入してスロットルボディ53を形成した後、上側内周兼バルブ面成形型66と下側内周兼バルブ成形型67とを図7の矢印A方向に所定量離間させてスロットルバルブ成形空間CVを形成すると(すなわち、図6から図7へと移動させると)、スロットルボディ53の一部がスロットルバルブ成形空間CVの外周端面部分を形成することとなるため、成形条件や複合材料の組合せなどによっては、図10の(A)に示すように、スロットルバルブ56の外周端がスロットルボディ53より円滑に離れて回る良好な状態が得られないことも考えられる。例えば、図10の(B)に示すように、スロットルボディ53の内周壁とスロットルバルブ56の外周端が成形時に溶着し、離れがたくなってしまう、という恐れもあった。 【0010】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、同一の成形型を用いてスロットルバルブとスロットルボディとを成形した空気流量制御装置において、スロットルバルブとスロットルボディとの離脱を促進させるべく、両者の界面に潤滑物質を一連の成形とともに存在せしめることにより、両者の溶着を防止し、スロットルボディ内でスロットルバルブをスムーズに回動させることができるようにすることを目的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明に係わる空気流量制御装置の製造方法は、請求項1に記載しているように、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、空気流通路を形成したスロットルボディと前記スロットルボディを貫通する状態でスロットルボディに回動可能に支持されたスロットルシャフトと、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、前記スロットルシャフトに固定されてスロットルボディ内で回動して空気流通路を開閉するスロットルバルブとを有する空気流量制御装置の製造方法において、成形時に前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に潤滑物質を介在させた空気流量制御装置の製造方法とする構成としたことを特徴としている。 【0012】そして、本発明に係わる空気流量制御装置の製造方法の実施態様においては、請求項2に記載しているように、前記スロットルボディが形成された後に潤滑物質を金型内に注入し、次いで、スロットルバルブ成形用の溶融樹脂を金型内に射出することにより、前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に潤滑物質を介在させて、前記スロットルバルブを形成させた空気流量制御装置の製造方法としたことを特徴としている。 【0013】そして、本発明に係わる空気流量制御装置の製造方法の実施態様においては、請求項3に記載しているように、前記スロットルボディが形成される前に潤滑物質を金型内に注入し、次いで、スロットルボディおよびスロットルバルブ成形用の溶融樹脂を金型内に射出することにより、前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に潤滑物質を介在させた空気流量制御装置の製造方法としたことを特徴としている。 【0014】そして、本発明に係わる空気流量制御装置の製造方法の実施態様においては、請求項4に記載しているように、前記金型に設置された噴霧ノズルにより潤滑物質を金型内に噴霧する空気流量制御装置の製造方法としたことを特徴としている。 【0015】そして、本発明に係わる空気流量制御装置の製造方法の実施態様においては、請求項5に記載しているように、前記金型に設置された噴霧ノズルは、スロットルバルブ形成用の可動型に具備されており、金型内への潤滑物質の噴霧時期、時間および噴霧量を制御して前記スロットルバルブを成形する空気流量制御装置の製造方法としたことを特徴としている。 【0016】また、本発明に係わる空気流量制御装置の成形金型は、請求項6に記載しているように、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、空気流通路を形成したスロットルボディと前記スロットルボディを貫通する状態でスロットルボディに回動可能に支持されたスロットルシャフトと、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、前記スロットルシャフトに固定されてスロットルボディ内で回動して空気流通路を開閉するスロットルバルブとを有する空気流量制御装置を成形する成形金型において、前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に介在させる潤滑物質の噴霧ノズルが具備されている空気流量制御装置の成形金型の構成としたことを特徴としている。 【0017】そして、本発明に係わる空気流量制御装置の成形金型は、請求項7に記載しているように、前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に介在させる潤滑物質の噴霧用ノズルは、スロットルバルブを形成する可動型内に具備されている空気流量制御装置の成形金型であることを特徴としている。 【0018】以下、本発明の作用を説明する。本発明に係わる空気流量制御装置の製造方法は、スロットルボディおよびスロットルバルブの界面に潤滑物質を一連の成形とともに存在せしめることにより、両者の溶着を防止し、離脱を促進させるものである。 【0019】本発明に係わる空気流量制御装置において、スロットルボディおよびスロットルバルブの成形に用いる複合材料の母材(マトリックス)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ABS、ポリカーボート、ポリアセタール等の汎用樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、シリコーン樹脂、テフロン(登録商標)(PTEE)樹脂等の剛性樹脂を採用することができる。また、スロットルボディおよびスロットルバルブの成形に用いる複合材料に含まれる繊維材料および充填材料については、ガラス繊維、炭素繊維、セラミックス繊維、セルロース繊維、ビニロン繊維、黄銅繊維、アラミド繊維等の繊維類、炭素カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、シリカ、水酸化マグネシウム、タルク、珪酸カルシウム、マイカ、ガラス、炭素、黒鉛、熱硬化性樹脂粉末、カシューダスト等が有効であり、場合によっては、難燃剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、滑剤等を適宜配合してもよい。 【0020】本発明においては、成形後にスロットルボディとスロットルバルブの離脱を促進させるため、一連の成形時に、両者の界面に潤滑物質を介在するようにしたため、スロットルボディ内において、スロットルバルブをスムーズに回転させることができる。また一連の成形工程とともに潤滑物質を存在せしめるタイミングがスロットルボディが形成された後であり、スロットルバルブを形成する溶融樹脂が金型内に射出される以前になされることによって、スロットルバルブがスロットルボディを型とする部分に、潤滑物質を直接噴霧することにより、両者の離脱をより確実に行うことができる。さらに一連の成形工程とともに潤滑物質を存在せしめるタイミングがスロットルボディが形成される以前になされることによって、従来用いられている金型をそのまま利用することができ、より簡便に空気流量制御装置を製造することが可能となり、かつ、スロットルボディとスロットルバルブの溶着を防止できる。 【0021】さらに潤滑物質として、二硫化モリブデン、エナメルを用いることができる。これらを用いることにより、スロットルボディとスロットルバルブの溶着を防止できるだけでなく、スロットルバルブの動作がよりスムーズになる効果がある。また同様に、潤滑物質としてシリコン、テフロン、ステアリン酸亜鉛を用いることができる。これらを用いることにより、上記物質と同様にスロットルボディとスロットルバルブの溶着を防止できるとともに、冬季においては着氷によるスロットルバルブの固着を防止できる。本発明で用いられる潤滑物質は、スロットルボディとスロットルバルブ間の潤滑作用はもちろん、剥離作用も有している。さらにこれ以外で本発明に用いることができる潤滑物質としては、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体、ポリビニリデンフローライド、Cが16以上の流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、Cが16以上の高級脂肪族アルコール、高級脂肪族アマイド等がある。これらの潤滑物質は潤滑性能、もしくは耐氷結性を持つ材料である。 【0022】さらに、潤滑物質を金型に設置されたノズルを用い、一連の成形工程の中で噴霧することにより、短い成形工程の中においても潤滑物質をスロットルボディとスロットルバルブとの界面に介在させることができ、ノズルに任意のタイミング、噴霧時間等をコントロール可能な制御機能を設けることにより、射出圧縮成形法など他の成形方法にも応用ができ、より細かい噴霧量の制御ができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明による空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型の実施の形態について、実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。 【0024】(実施例1)図1は、本発明による空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型の一実施例を示すものである。図は成形開始時の型開きを行い、スロットルシャフト105を型内に設置した後の状態であり、この状態での固定側のコア101に潤滑物質としてステアリン酸亜鉛(日本油脂(株)製)を約0.5g塗布した。この後に型を閉じ、スロットルボディ用ゲート110よりスロットルボディ樹脂(ポリエーテルイミド、ガラス繊維30重量%含有、ウルテム2300(GEプラスチックス社製))を射出する。次いで、可動側のコア102を後退させた後、スロットルバルブ用ゲート111よりスロットルバルブ樹脂(ポリエーテルイミド、ガラス繊維10重量%含有、ウルテム2100(GEプラスチックス社製))を射出、成形して実施例1の空気流量制御装置を製造した。 【0025】実施例1では、スロットルバルブ側の樹脂が固定側のコア101に付着した潤滑物質を押し広げてスロットルバルブを成形するため、スロットルボディとスロットルバルブとの界面に潤滑物質が介在しており、両者は溶着せずにスロットルバルブは回転可能であった。 【0026】(実施例2)図2は、本発明による空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型の他の実施例を示すものである。図2(A)は成形開始時の型開き後、スロットルシャフトを型内に設置した後に型を閉じて、スロットルボディ樹脂(ポリエーテルイミド、ガラス繊維30重量%含有、ウルテム2300(GEプラスチックス社製))を射出成形した状態のスロットルバルブ部の状態を示すものである。ここで、可動側のコア142の中に具備された潤滑物質噴霧用ノズル144aと144bよりスロットルバルブキャビィティ内に潤滑物質として二硫化モリブデン(デフリックスプレー405、川邑研究所製)を約2秒間噴霧する(図2(B))。次に可動側のコア142を後退させて、スロットルバルブ用ゲート143よりスロットルバルブ樹脂(ポリエーテルイミド、ガラス繊維10重量%含有、ウルテム2100(GEプラスチックス社製))を射出、成形して実施例2の空気流量制御装置を製造した(図2(C))。 【0027】実施例2では、スロットルバルブ側の樹脂が固定側のコア141および可動側のコア142に付着した潤滑物質を押し広げてスロットルバルブを成形するため、スロットルボディとスロットルバルブとの界面に潤滑物質が介在しており、両者は溶着せずにスロットルバルブは回転可能であった。 【0028】(実施例3)図3は、本発明による空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型のさらに他の実施例を示すものである。図は成形開始時の型開きを行い、スロットルシャフト165を型内に設置した後に型を閉じ、スロットルボディ用ゲート170よりスロットルボディ樹脂(ポリエーテルイミド、ガラス繊維30重量%含有、ウルテム2300(GEプラスチックス社製))を射出、成形し、次いで、可動側のコア162を後退させた状態を示したものである。ここで、可動側のコア162の中にある潤滑物質噴霧用ノズル164より潤滑物質として二硫化モリブデン(デフリックスプレー405、川邑研究所製)を約2秒間噴霧する。その後、スロットルバルブ用ゲート171よりスロットルバルブ樹脂(ポリエーテルイミド、ガラス繊維10重量%含有、ウルテム2100(GEプラスチックス社製))を射出、成形して実施例3の空気流量制御装置を製造した。 【0029】実施例3では、スロットルバルブ側の樹脂が固定側のコア161および可動側のコア162に付着した潤滑物質を押し広げてスロットルバルブを成形し、またスロットルボディ163内面に付着した潤滑物質が両者の間に介在しており、溶着せずにスロットルバルブは回転可能であった。 【0030】(比較例1)実施例1において、固定側のコア101に潤滑物質の塗布を行わず、その他は同様にして比較例1の空気流量制御装置を製造した。比較例1では、スロットルバルブおよびスロットルボディの成形後において、スロットルボディの内周壁とスロットルバルブの外周壁とが溶着しており、スロットルバルブは円滑に回転できなかった。 【0031】 【発明の効果】本発明による空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型にあっては、その構成を、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、空気流通路を形成したスロットルボディと前記スロットルボディを貫通する状態でスロットルボディに回動可能に支持されたスロットルシャフトと、樹脂をマトリックスとする繊維複合材料により成形され、かつ、前記スロットルシャフトに固定されてスロットルボディ内で回動して空気流通路を開閉するスロットルバルブとを有する空気流量制御装置の製造方法において、成形時に前記スロットルボディと前記スロットルバルブとの界面に潤滑物質を介在させた空気流量制御装置の製造方法およびその成形金型としたことにより、スロットルボディ内において、スロットルボディとスロットルバルブの溶着を防止できるため、スロットルバルブをスムーズに回転させることができる、という優れた効果が得られる。また、潤滑物質の介在により、スロットルバルブの動作がよりスムーズになると共に、冬季においては着氷によるスロットルバルブの固着を防止できる、という優れた効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月7日(1999.9.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−74156(P2001−74156A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−252819 |
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