トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 比例電磁式リリーフ弁
【発明者】 【氏名】荒井 順一

【氏名】橋本 幸司

【要約】 【課題】ソレノイドオフ時の流量・圧力特性をソレノイドオン時の特性と変え、ダンパの用途に合せて種々の減衰力特性を実現でき、併せて切換弁の構造と加工の簡素化が図れ、コスト低減とバルブ特性の安定化ができ、小型化も達成できる。

【解決手段】比例ソレノイドSOLからの入力の増加に伴ってリリーフ設定圧力を連続して最高制御圧力から最低制御圧力に制御していく比例電磁式リリーフ弁において、入口ポート1と戻りポート2との間に第1,第2,第3の三つの流路を並列に設け、第1の流路A中にオリフィス3を設け、第2の流路B中にはリリーフ圧力設定用の第1のスプリングS1で閉じ方向に付勢された第1の弁体4と当該第2の流路Bを開閉制御する切換弁5とを直列に設け、第3の流路C中にはリリーフ圧力設定用の第2のスプリングS2で閉じ方向に付勢された第2の弁体6を設け、更に第2の弁体6を上記第2のスプリングS2に抗して開き方向への力を作用させる比例ソレノイドSOLを設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 比例ソレノイドからの入力の増加に伴ってリリーフ設定圧力を連続して最高制御圧力から最低制御圧力に制御していく比例電磁式リリーフ弁において、入口ポートと戻りポートとの間に第1,第2,第3の三つの流路を並列に設け、第1の流路中にオリフィスを設け、第2の流路中にはリリーフ圧力設定用の第1のスプリングで閉じ方向に付勢された第1の弁体と当該第2の流路を開閉制御する切換弁とを直列に設け、第3の流路中にはリリーフ圧力設定用の第2のスプリングで閉じ方向に付勢された第2の弁体を設け、更に第2の弁体を上記第2のスプリングに抗して開き方向への力を作用させる比例ソレノイドを設けたことを特徴とする比例電磁式リリーフ弁。
【請求項2】 第2の弁体に対して第2のスプリングと反対側に切換弁を設け、切換弁は第2の流路を切換える弁部と、弁部の頭部に設けられて第2の弁体に対向するプッシュロッドと、弁部を開き方向に付勢するスプリングと、このスプリングに抗して弁部を第2の弁体側に付勢する比例ソレノイド側可動鉄心とを備えている請求項1の比例電磁式リリーフ弁。
【請求項3】 バルブケース内に弁座体を設け、バルブケースに入口ポートと戻りポートとを接続する第1の流路を設け、バルブケースと弁座体にはそれぞれ第1の流路と並列に第2の流路と第3の流路とを形成し、更に弁座体には第2の流路と第3の流路に連通する弁孔を設け、第1の流路の途中にオリフィスを設け、第2の流路の途中に第1の弁体と切換弁とを直列に設け、第3の流路の途中に第2の弁体を設け、且つ上記弁孔内に上記第2の弁体と切換弁とが同軸上に直列に配置されていることを特徴とする請求項1又は2の比例電磁式リリフー弁。
【請求項4】 第1、第2のスプリングはそれぞれ背部の移動自在な調整ねじでばね荷重が調整されることを特徴とする請求項1,2又は3の比例電磁式リリーフ弁。
【請求項5】 比例ソレノイドからの入力の増加に伴ってリリーフ設定圧力を連続して最高制御圧力から最低制御圧力に制御していく比例電磁式リリーフ弁において、入口ポートと戻りポートとの間に第1,第2,第3の三つの流路を並列に設け、第1の流路中に第1のオリフィスを設け、第2の流路中には第2のオリフィスと当該第2の流路を開閉制御する切換弁とを直列に設け、第3の流路中にはリリーフ圧力設定用の第2のスプリングで閉じ方向に付勢された第2の弁体を設け、更に第2の弁体を上記第2のスプリングに抗して開き方向への力を作用させる比例ソレノイドを設けたことを特徴とする比例電磁式リリーフ弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比例ソレノイドからの入力に基いてリリーフ設定圧力を最高圧力と最低圧力の間で可変制御することができる、例えば、鉄道車両の横揺れ制振用ダンパ等への使用に好適な比例電磁式リリーフ弁に関する。
【0002】
【従来の技術】比例ソレノイドのオフ時におけるリリーフ設定圧力を、最高圧力よりも低く且つソレノイドから最大入力で決まる最低圧力よりも高い任意の中間圧力に設定することで、制振用ダンパ等の制振装置の制御力を必要最小限に確保することができる比例電磁式リリーフとして例えば特開平11−94119号公報に開示されたものが開発されている。
【0003】この比例電磁式リリーフ弁によれば、ソレノイドオフ時(パッシブ時)は、入口ポート圧力がポペット型弁体受圧部に加わり、弁体軸力がリリーフ圧力設定用ばね力より大きくなると、弁体が開き流体が戻りポートに流れるため入口ポート圧力が低下し、軸力が小さくなるとばねが弁体を閉じ、これらを断続的に行うことにより入口ポート圧力が一定に保たれる。
【0004】ソレノイドオン時(制御時)は、まずソレノイド力が加わるとソレノイドと弁体の間に設けられたスプール型切換弁が移動し、リリーフ圧力設定用ばねのシートたる押圧体背面の受圧室の連通を戻りポートから入口ポートへ切り換える。
【0005】この状態で入口ポートに圧力が加わると、受圧室にもその圧力が加わるため一定量リリーフ圧力設定用ばねが圧縮され、ソレノイドオフ時よりもばねセット荷重が増えリリーフ圧力も増加する。
【0006】また、切換弁が弁体に接触するとソレノイド力が加わるため、見かけ上ばね力が下がることになるのでその分リリーフ圧力は減少する。比例ソレノイドを用いれば、一定のストローク間でソレノイドに通電する電流に対してほぼ比例した推力が得られるため、ソレノイド電流を変化させることによりリリーフ圧力の制御が可能である。
【0007】よって、上記の比例電磁式リリーフ弁では、切換弁機構によりソレノイドオフ時のリリーフ圧力をソレノイドオン時の最大制御圧力と最小制御圧力の中間で任意に設定が可能である。
【0008】車両サスペンションの制振用ダンパの減衰力発生回路に比例電磁式リリーフ弁を用いる場合には、システムフェール等によるソレノイドオフ時に適切なダンパ減衰力を確保する必要があり、ソレノイドオフ時のリリーフ圧がオン時の最高・最低制御力の中間で任意に設定できる上記公報記載のリリーフ弁は好適である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の比例電磁式リリーフ弁を制御用ダンパの減衰力発生回路として用いる場合、ダンパ特性として減衰力がダンパ速度に依存しない特性が必要なため、上記リリーフ弁の特性はソレノイドオン時(制御時)はリリーフ圧力が流量には依存せずソレノイド電流で決定される特性にしている。
【0010】この為、ソレノイドオフ時の特性はリリーフ設定圧力(クラッキング圧力)を変えるだけなので、そのダンパ特性は発生減衰力がダンパ速度に依存しない特性となり、ソレノイドオフ時のダンパ減衰力特性を、例えば、一般的な車両のダンパとして多く用いられているダンパ速度と減衰力が比例する特性(速度比例形ダンパ)にすることができず、例えば、制振用ダンパで車両の乗り心地を改善しょうとする場合、ソレノイドオフ時は条件によっては速度比例形ダンパよりも乗り心地が悪くなるという場合が考えられる。
【0011】更に、切換弁がシート背部の受圧室の連通を入口ポートと戻りポートに切り換える3ポート弁構造となっていた為、切換弁の形状が複雑で、高い加工精度が要求され、従ってコストがアップすると共に、バルブ性能への影響が大きいと言う問題点があった。
【0012】そこで、本発明の目的は、ソレノイドオフ時の流量・圧力特性をソレノイドオン時の特性と変え、ダンパの用途に合わせ種々の減衰力特性を実現でき、併せて切換弁の構造と加工の簡素化が図れ、コスト低減とバルブ特性の安定化ができ、小型化も達成できる比例電磁式リリーフ弁を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の手段は、比例ソレノイドからの入力の増加に伴ってリリーフ設定圧力を連続して最高制御圧力から最低制御圧力に制御していく比例電磁式リリーフ弁において、入口ポートと戻りポートとの間に第1,第2,第3の三つの流路を並列に設け、第1の流路中にオリフィスを設け、第2の流路中にはリリーフ圧力設定用の第1のスプリングで閉じ方向に付勢された第1の弁体と当該第2の流路を開閉制御する切換弁とを直列に設け、第3の流路中にはリリーフ圧力設定用の第2のスプリングで閉じ方向に付勢された第2の弁体を設け、更に第2の弁体を上記第2のスプリングに抗して開き方向への力を作用させる比例ソレノイドを設けたことを特徴とするものである。
【0014】この場合、第2の弁体に対して第2のスプリングと反対側に切換弁を設け、切換弁は第2の流路を切換える弁部と、弁部の頭部に設けられて第2の弁体に対向するプッシュロッドと、弁部を開き方向に付勢するスプリングと、このスプリングに抗して弁部を第2の弁体側に付勢する比例ソレノイド側可動鉄心とを備えているのが好ましい。
【0015】同じく、バルブケース内に弁座体を設け、バルブケースに入口ポートと戻りポートとを接続する第1の流路を設け、バルブケースと弁座体にはそれぞれ第1の流路と並列に第2の流路と第3の流路とを形成し、更に弁座体には第2の流路と第3の流路に連通する弁孔を設け、第1の流路の途中にオリフィスを設け、第2の流路の途中に第1の弁体と切換弁とを直列に設け、第3の流路の途中に第2の弁体を設け、且つ上記弁孔内に上記第2の弁体と切換弁とが同軸上に直列に配置されているのが好ましい。
【0016】更に、第1、第2のスプリングはそれぞれ背部の移動自在な調整ねじでばね荷重が調整されるのが好ましい。
【0017】同じく、他の手段は比例ソレノイドからの入力の増加に伴ってリリーフ設定圧力を連続して最高制御圧力から最低制御圧力に制御していく比例電磁式リリーフ弁において、入口ポートと戻りポートとの間に第1,第2,第3の三つの流路を並列に設け、第1の流路中に第1のオリフィスを設け、第2の流路中には第2のオリフィスと当該第2の流路を開閉制御する切換弁とを直列に設け、第3の流路中にはリリーフ圧力設定用の第2のスプリングで閉じ方向に付勢された第2の弁体を設け、更に第2の弁体を上記第2のスプリングに抗して開き方向への力を作用させる比例ソレノイドを設けたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図にもとづいて説明する。
【0019】本発明の比例電磁式リリーフ弁は、比例ソレノイドからの入力の増加に伴ってリリーフ設定圧力を連続して最高制御圧力から最低制御圧力に制御していくものである。このリリーフ弁Vは図1,図5に示すように、入口ポート1と戻りポート2との間に第1,第2,第3の三つの流路A,B,Cを並列に設けている。第1の流路A中にオリフィス3を設け、第2の流路B中にはリリーフ圧力設定用の第1のスプリングS1で閉じ方向に付勢された第1の弁体4と、第1の弁体4の下流側で当該第2の流路Bを開閉制御する切換弁5とを直列に設けている。第3の流路中にはリリーフ圧力設定用の第2のスプリングS2で閉じ方向に付勢された第2の弁体6を設けている。更に第2の弁体6を上記第2のスプリングS2に抗して開き方向への力を作用させる比例ソレノイドSOLを設けている。
【0020】上記の構成において、第2の弁体6に対して第2のスプリングS2と反対側に切換弁5を設け、切換弁5は第2の流路Bを切換える弁部5aと、弁部5aの頭部に設けられて第2の弁体6に対向するプッシュロッドPと、弁部5aを開き方向に付勢するスプリングS3と、このスプリングS3に抗して弁部5aを第2の弁体6側に付勢する比例ソレノイドSOL側可動鉄心27とを備えている。
【0021】以下、更に詳しく述べる。
【0022】バルブケースK内に弁座体7を着脱自在に挿入して設け、バルブケースKと弁座体7に三つの第1,第2,第3の流路A,B,Cを形成し、バルブケースK側にオリフィス3と第1の弁体4とを設け、弁座体7内に第2の弁体6と切換弁5とを設けている。
【0023】バルブケースKには入口ポート1に連通する通孔8と戻りポート2に連通する通孔9が形成されている。バルブケースKには上記二つの通孔8,9を連通する通孔10が形成され、通孔8,9,10が第1の流路Aを構成し、通孔10の途中にオリフィス3を設けている。
【0024】バルブケースKには通孔8に接続された弁孔11と、通孔9に接続された弁孔47とが形成され、更に上記弁孔11に連通する通孔12が形成されている。
【0025】弁座体7には中央の軸方向弁孔14a,14b,14cと、この弁孔14c,14bを通孔8,12にそれぞれ連通させる環状溝18,19と横方向の通孔17,13とが形成されている。更に弁座体7には弁孔14a,14bに連通する軸方向の通孔15が形成され、又弁孔47を上記通孔9に連通させる横方向の通孔16が形成されている。
【0026】上記の通孔と弁孔において、通孔8−弁孔11−通孔12−環状溝19−通孔13−弁孔14b−通孔15−弁孔47−通孔16−通孔9とで入口ポート8と戻りポート9とを連通する第2の流路Bを構成している。
【0027】同じく、通孔8−環状溝18−通孔17−弁孔14c−弁孔47−通孔16−通孔9とで第3の流路Cを構成している。
【0028】弁孔11内には第1の弁体4と第1のスプリングS1と調整ねじ20とが直列に挿入され、第1の弁体4は第1のスプリングS1によって通孔8の出口側を閉じる方向に付勢され、第1のスプリングS1は背部の調整ねじ20のストローク調整によってばね荷重が調整され、このばね荷重に応じたリリーフ圧力が設定されている。
【0029】弁孔14c,47は対向して配置され、この弁孔14c,47内に亘ってポペット状の第2の弁体6と、第2のスプリングS2と調整ねじ21とが直列に挿入され、第2の弁体6は第2のスプリングS2で常時弁孔14cの出口側を閉じる方向に付勢され、第2のスプリングS2は調整ねじ21のストロークに応じたばね荷重が設定され、このばね荷重に応じたリリーフ圧力が設定されている。
【0030】更に後述するように、切換弁5がソレノイドSOLの最大電流によって最大にストロークして第2の弁体6を開き方向に付勢した時には、図2のグラフで示すようにリリーフ圧力は最低制御圧力Plとなる。
【0031】第2の弁体6は弁孔14bに沿って摺動するガイド6aを備え、他方、この弁孔14b内には第2の弁体6と同軸上に切換弁5が摺動自在に挿入され、プッシュロッドPがガイド6aに対向している。切換弁5はソレノイドSOLがオフの時、図1に示すように第3のスプリングS3によって第2の弁体6と離れた位置に付勢され、且つ弁部5aが弁孔14b内のシート部を開いている。そして、ソレノイドSOLをオンの時、可動鉄心27によって切換弁5は第3のスプリングS3に抗して押し上げられ、プッシュロッドPがガイド6aに当接する。プッシュロッドPが微少電流で押し上げられて第1の弁体6のガイド6a端面に当接した時弁部5aが弁孔14bを閉じ、この時切換弁5よりソレノイドSOLからの押圧力が第2の弁体6に作用し、見かけ上第2のスプリングS2のばね荷重が下がることになり、その分リリーフ圧力は減少する。第2の弁体6によるリリーフ圧力は図2に示すように、弁部5aが弁孔14bを閉じた時が最高制御圧力Phとなり、この時位置から更にソレノイドSOLに対する印加電流によって第2の弁体6が開き方向に付勢されると電流に応じてリリーフ圧力が最低制御圧力Plまで徐々に減少することになる。尚、上記の実施の形態では第1の弁体4が切換弁5の上流側に設けられているが、下流側に設けても良いことはいうまでもない。次にリリーフ弁V自体の作動について説明する。
【0032】ソレノイドオフ時において、図3に示すように、入口ポート1に作動油が流れた時この入口ポート1の圧力はそれぞれ第1の弁体4と第2の弁体6に通孔8より作用するが、第1の弁体4のクラッキング圧力が最高制御圧力以下であれば、第2の弁体6は開かず、第1の弁体4のみが開く。この場合、切換弁5は弁孔14bを開いているから、作動油は矢印で示すように第1の流路Aとオリフィス3及び第1の弁体4と第2の流路Bを介して戻りポート2に流れる。この際、弁体4から流体たる作動油が流れた時、図2のグラフで示すように流量Qに比例したリリーフ圧Pmの特性が得られる。
【0033】次に図4に示すように、ソレノイドオン時にはソレノイドSOLに対する印加電流に応じて可変鉄心27によって切換弁5が押され、プッシュロッドPが第2のスプリングS2に抗して第2の弁体6を開き方向に付勢し、併せて切換弁5の弁部5aが弁孔14bを閉じる。この為、入口ポート1に圧力が立って第1の弁体4と第2の弁体6に圧力が作用した時、第2の流路Bは閉じており、第1の弁体4が開いても油の流れは生じない。従って、矢印で示すように入口ポート1からの流体は第1の流路Aとオリフィス3及び第3の流路Cと第2の弁体6を介して流れて戻りポート2に戻される。
【0034】上記において、切換弁5よりソレノイドSOLからの押圧力が第2の弁体6に作用すると、見かけ上第2のスプリングS2のばね力たるばね荷重が下がることになるのでその分リリーフ圧力は減少し、従って、比例ソレノイドを用いることにより一定のストローク間でソレノイドSOLに通電する電流に対してほぼ比例した推力が得られるため、ソレノイドSOLに印加する電流を変化させることによりリリーフ圧力の制御が可能となる。
【0035】図5は、本発明の比例電磁式リリーフ弁Vを鉄道車両の横揺れ制振用ダンパ、即ちセミアクティブ制御用ダンパに適用した一実施の形態を示す。この場合、リリーフ弁Vは図1に示す各部材に対応する同一の符号を付すことに、詳細は省略する。
【0036】上記セミアクティブ制御用ダンパDは、図5に示すように、シリンダ106とリザーバ107および減衰力制御回路108とからなっている。
【0037】シリンダ106は、シリンダ106の内部を摺動自在のピストン110でヘッド側室111とロッド側室112とに区画し、且つ、ピストン110からは外部に向ってピストンロッド113が延びている。
【0038】セミアクティプ制御用ダンパDは、それぞれオフの位置においてチェックバルブ116,117をもつ位置を、また、オンの位置において導通位置を保つ圧側用と伸側用の二つのアンロードバルブ118,119を備えている。
【0039】圧側用のアンロードバルブ118は、ヘッド側室111とリザーバ107を連通する流路120の途中に介装されており、且つ、オフの位置でヘッド側室111からリザーバ107に向う作動流体の流れをチェックバルブ116で阻止すると共に、オンの位置でヘッド側室111を流路120でリザーバ107に連通するように配置してある。
【0040】それに対して、伸側用のアンロードバルブ119は、圧側用のアンロードバルブ118の入口側からロッド側室112に向って延びる流路121の途中に介装され、かつ、オフの位置でシリンダ106のロッド側室112からヘッド側室111に向う作動流体の流れをチェックバルブ117で阻止すると共に、オンの位置でロッド側室112をヘッド側室111に連通するように配設されている。
【0041】また、ヘッド側室111は、サクションバルブ122をもつ吸込流路123によってもリザーバ107に通じており、且つ、ロッド側室112がフィルタ124から減衰力制御回路108を通じてリザーバ107に通じている。
【0042】減衰力制御回路108には、上流側のロッド側室112から下流側のリザーバ107へと向って、最大発生減衰力を規制する本発明のオリフィス3を含む比例電磁式リリーフ弁Vを位置してある。これによりソレノイドオフ時には第2の弁体6は作動せず、オリフィス3と第1の弁体4が作動し、ソレノイドオフ時の特性を通常のダンパとして作用することができる。ソレノイドオフ時には次のように作動する。
【0043】まず、シリンダ106のピストン110が動き始めの低速度領域ではロッド側室112から減衰力回路108に押し出されてきた作動流体が、オリフィス3を通してリザーバ107に流れその圧損により減衰力が発生する。
【0044】さらに、ピストン速度が中・高速度領域に入り、圧損がオリフィス3と並列に配置された比例電磁式リリーフ弁Vのリリーフ設定圧力に達すると弁体6が開き作動流体をリザーバ107に流し回路圧力を一定に保ち最大減衰力が制御される。
【0045】台車の横揺れによって車体に横方向への振れが生じてこれら台車と車体の間に相対変位が生じたとすると、当該台車と車体の振れ方向に対応してこれら台車と車体との間に介装したシリンダ106が伸縮動作する。
【0046】シリンダ106が伸長動作すると、リザーバ107内の作動流体をサクションバルブ122から吸込流路123を通してヘッド側室111に吸い込みつつ、ロッド側室112内の作動流体を減衰力制御回路108に向いフィルタ124を通して押し出す。
【0047】反対に、シリンダ106が圧縮動作した場合には、サクションバルブ122が閉じてロッド側室111内の作動流体を流路120から伸側用のアンロードバルブ114のチェックバルブ117を開いてロッド側室112に流し、ロッド側室112からピストンロッド113の侵入体積分に相当する量の作動流体をフィルタ124を通して減衰力制御回路108に押し出す。そして、これら減衰力制御回路108に向って押し出されてきた作動流体は、前述した絞りオリフィス3と第2の弁体6の制御の下でリザーバ107に流れる。
【0048】したがって、台車と車体の間の相対横揺れ速度に対比して比例電磁式リリーフ弁Vを適切に操作することにより、減衰力制御回路108が所定の減衰力を発生して車体の横揺れを効果的に抑える。
【0049】図6,図7は、本発明の他の実施の形態に係る。この実施の形態は上記図1の実施の形態に対して、第1の弁体4に代えてオリフィスを設けたものである。
【0050】即ち、第1の流路A中に第1のオリフィス3を設けると共に第2の流路B中に第2のオリフィス4aと切換弁5を直列に設けている。この場合、図1における第1のスプリング51は設けられていない。
【0051】第1の弁体4に代えて第2のオリフィス4aを設けたことにより、ソレノイドオフ時のダンパ減衰力特性が速度比例型に代えて速度二乗型特性が得られる。
【0052】第1の流路における第1のオリフィス3に対して断面積を変化させることになるのでソレノイドオン・オフ時それぞれ別々の速度二乗特性の調整が可能となる。例えば、この実施の形態のリリーフ弁は懸垂物用ダンパ、即ち、速度二乗特性のダンパに適している。
【0053】その他の構造,作用,図2の効果は図1の実施の形態と同じであり、同一の符号を付すことで詳細は省略する。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。
【0055】(1) 各請求項の発明によれば、ソレノイドオフ時に使用する第1の弁体と、ソレノイドオン時に使用する第2の弁体とをそれぞれ第2の流路と第3の流路に別々に組付けたので、ソレノイドオン時とオフ時において各弁体に応じた異なった流量、圧力特性が実現できる。この為、例えば車両のサスペンションにおいて従来の固定減衰弁を使用したダンパから乗り心地向上を狙って制振用ダンパに置き変える場合、減衰力発生回路に本発明に係る比例電磁式リリーフ弁を組込むことによりソレノイドオフ時のダンパ特性を通常のダンパに合せることが可能となり、従って通常ダンパと同等の乗り心地を確保できる。
【0056】(2) ソレノイドオン時とソレノイドオフ時における第2の流路の開閉切換を単なるオン・オフの2ポートの切換弁で行なっている為、切換弁の形状が小型でシンプルとなり、しかも流路切換の精度がラフで良く、加工性,組付性が向上し、経済性にすぐれている。同様に加工が容易となることにより加工精度等による性能への影響が少なくなり、低コスト化と性能の安定化が図れる。
【出願人】 【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
【出願日】 平成11年9月7日(1999.9.7)
【代理人】 【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
【公開番号】 特開2001−74154(P2001−74154A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−252715