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【発明の名称】 ボール式止水栓
【発明者】 【氏名】金村 時喜

【氏名】西口 勝彦

【氏名】藤田 定雄

【要約】 【課題】管との接続が簡単で、かつ、伸縮機能を持った継手部を有するボール式止水栓を提供する。

【解決手段】栓本体1と、両側の継手部2、3とからなる。栓本体1では、本体胴11にボール栓体12が入っていて、ボール栓体を90°回動させると、流路が開閉する。一方の継手部2は、内面が摩擦面で、径の拡縮変形が可能なスリーブを持った管用の継手である。他方の継手部3は、軸線方向に移動自在な短管31を持った伸縮継手である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体胴内にボール栓体が収容された栓本体と、この栓本体の両側に設けられた2つの継手部とからなり、一方の継手部は、径の拡縮自在なスリーブを、管の外面に押し付けて、管を固定保持する形式の継手であり、他方の継手部は、軸線方向に移動可能な短管を有する伸縮自在形の継手であるボール式止水栓。
【請求項2】 一方の継手部が、本体胴の受口と、この受口に螺合するスリーブ押えと、このスリーブ押えと傾斜面で接触するスリーブと、受口の奥の位置に嵌め込まれたパッキンとからなり、スリーブは1箇所に切り割りを有するリング状で、かつ、その内面は摩擦面になっていて、スリーブ押えを受口に締め込むと、スリーブが奥の方に押されて、パッキンを圧縮すると共に、スリーブの径が縮径して、摩擦面が管の外面に押し付けられるようになる請求項1記載のボール式止水栓。
【請求項3】 他方の継手部が、本体胴に螺合したボール押えと、このボール押えの接続部の内面に、一方の端が嵌入した短管と、接続部の端に螺合して、短管の抜け出しを阻止する袋ナットと、短管の先端に取付けられた接続用袋ナットとからなり、短管は接続部内で軸線方向に移動自在である請求項1記載のボール式止水栓。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として水道管路に使用するボール式止水栓の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ボール式止水栓とは、ボール形状の栓体を用い、この栓体を90°回転させて、流路の開閉を図る止水栓のことである。このような形式の止水栓は、従来から存在し、栓本体部やその継手部に改良を加えた種々の形態のものが多数提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のボール式止水栓には、特に継手部に問題があって、実用上、充分とはいえない。即ち、止水栓には、その両側に水道管や各種機器が接続されるが、継手部の改良が不充分な為、接続時の作業に手間取ったり、接続強度が低くて、使用中に管が抜け出したりするなどの問題がある。
【0004】本発明はこのような点に鑑み、管に対する加工が一切不要で、管の端を挿し込むだけで、簡単に接続できるボール式止水栓を提供するにある。また、本発明は、塩化ビニール管、ポリエチレン管、鋼管などの各種の水道管と簡単かつ強固に接続できるボール式止水栓を提供するにある。更に、本発明は、伸縮機能を持ったボール式止水栓を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のボール式止水栓の技術的手段は、本体胴内にボール栓体が収容された栓本体と、この栓本体の両側に設けられた2つの継手部とからなり、一方の継手部は、径の拡縮自在なスリーブを、管の外面に押し付けて、管を固定保持する形式の継手であり、他方の継手部は、軸線方向に移動可能な短管を有する伸縮自在形の継手であることにある。
【0006】また、一方の継手部を、本体胴の受口と、この受口に螺合するスリーブ押えと、このスリーブ押えと傾斜面で接触するスリーブと、受口の奥の位置に嵌めたパッキンとで構成し、スリーブは1箇所に切り割りを有するリング状にすると共に、その内面は摩擦面にし、スリーブ押えを受口に締め込むと、スリーブが奥の方に押されて、パッキンを圧縮すると共に、スリーブの径が縮径して、摩擦面が管の外面に押付けられるようにするのが好ましい。
【0007】更に、他方の継手部を、本体胴に螺合するボール押えと、このボール押えの接続部の内面に、一方の端が嵌入した短管と、接続部の端に螺合して短管の抜け出しを阻止する袋ナットと、短管の先端に取付けた接続用袋ナットとで構成して、短管は接続部内で軸線方向に移動自在となるようにするのがよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のボール式止水栓の実施の形態を、図面の実施例に基づいて説明する。実施例のボール式止水栓は図1に示されるように、栓本体1と、その両側の継手部2、3とからなる。先ず、栓本体1について説明すると、栓本体1の外殻を構成する本体胴11の内部にボール栓体12が収容されている。ボール栓体12にはハンドル13が付いていて、このハンドル13を回すことによって、ボール栓体12は本体胴11の内部で回動する。ボール栓体12には、貫通状に通水孔14が形成されているので、90°回動させることによって、通水路が開閉する。また、ボール栓体12は、合成樹脂製のボールシート15で挟まれ、ボール押え16で位置保持されている。なお、ボール押え16は本体胴11に螺合固定する。
【0009】次に、2つの継手部の内、管Aを接続する側の継手部2について説明する。図1、図2に示されるように、本体胴11の受口20の内側には、奥から順にパッキン21、ワッシャ22、スリーブ23が嵌め込まれる。パッキン21は適度な弾性を有する合成ゴム製であり、ワッシャ22は硬質の合成樹脂製であって、これらのパッキン21及びワッシャ22の形状はいずれも完全なリング状である。スリーブ23は銅合金などの金属製であり、その形状はリング状であるが、1箇所に切り割り24があって、リングの径は拡縮可能である。更に、スリーブ23の内面は、滑り止めの為に、適当な形状の歯や凹凸を形成した摩擦面25になっており、また、スリーブ23の外面は傾斜面26になっている。
【0010】スリーブ押え27の内面には、傾斜面28が形成されている。この傾斜面28の傾斜角度は、前記スリーブの傾斜面26と同じである。従って、このスリーブ押え27を受口20の内面にネジ込むと、両傾斜面26、28が接触して、スリーブ23は受口の奥に向かって押されると共に、縮径変形させられる。この結果、パッキン21は外方から力を受けて圧縮させられ、受口20の内面と、管Aの外面とに強く密着し、これらの間隙からの漏水を阻止する。また、スリーブ23が縮径することによって、その内面の摩擦面25が管Aの外面に強く圧接して喰い込み、管Aの抜け出しを阻止する。なお、図に示すようにスリーブ27の内面にはOリング29が取付けられている。
【0011】継手部2は前記のような構造であるので、管Aの接続作業は、先ず、スリーブ押え27の螺合状態を緩めておいて、管Aの端を受口20に挿し込む。この時には、スリーブ23の径が拡がっており、かつ、パッキン21には外力が作用していないので、管Aの挿し込みに対する抵抗はなく、簡単に挿し込むことができる。管Aを完全に挿し込んだ後に、スリーブ押え27の螺合を締め込む。これによって前記の如く、パッキン21が圧縮させられ、スリーブ23が縮径変形して、漏水防止作用と抜出防止作用とが生ずる。また一旦、接続した管Aを抜き取る場合には、先ずスリーブ押え27の螺合を緩める。この結果、スリーブ23は拡がり、パッキン21に作用していた圧縮力がなくなるので、管Aを簡単に引き抜くことができる。
【0012】以上のように、継手部2に接続する管Aには、その管端に何等の加工も必要としない。従って、管の接続作業は極めて簡単である。また、管Aの種類に限定はなく、塩化ビニール管やポリエチレン管などの合成樹脂製の管の他、鋼管などの金属製の管との接続も可能である。ただし、管の素材の違いによって、管の外径に差のある場合には、それに対応したパッキン21やスリーブ23を用いるものとする。
【0013】次に、他方の伸縮継手部3について説明する。図1、図3に示されるように、この継手部3はボール押え16に取付けられる。ボール押え16には筒状の接続部30が設けられていて、この接続部30の内面に、短管31が軸線方向に移動自在に嵌入している。この短管31の端には、抜け出し防止の為にリング状の突部32が形成され、かつ、漏水防止の為にOリング33が取付けられている。また、短管31の他端には、ナット離脱防止の為に、リング状の突部34が形成され、かつ、袋ナット35が取付けられている。短管31の抜け出し防止用の袋ナット36は、接続部30の外面と螺合する。この袋ナット36の内側には、ガイドリーフ37とパッキン38とが嵌め込まれている。ガイドリーフ37はやや硬質の合成樹脂製で、断面がL形をしたリング状であるが、1箇所に切り割り39が設けられていて、径の拡縮変形が可能である。また、パッキン38は適度な弾性を持った合成ゴム製で、完全なリング状である。
【0014】継手部3は以上のような構造を有するので、短管31は軸線方向に移動可能である。また、最伸長時には、短管31の突部32がパッキン38と衝突して係止されるので、短管31が抜け出してしまうことはない。この継手部3には、通常、メーターなどの各種水道機器が接続されるが、その接続作業は、袋ナットを接続相手の挿口に螺合させることによって行う。なお、継手部3は伸縮可能であるので、この接続作業に都合がよく、また、接続後に、管路に伸縮方向の外力が作用した時には、それを吸収でき、管路の破損を防止できる。
【0015】なお、本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で自由に変形実施可能である。特に、栓本体1、及び両方の継手部2、3の詳細な構造は自由である。
【0016】
【発明の効果】本発明のボール式止水栓では、一方の継部が管用継手で、他方の継手部が伸縮継手になっているので、配管施工時の接続作業を極めて簡単に行うことができ、実用上、非常に便利である。また、管用継手部は、スリーブを管の外面に押付けて、管を固定保持する形式であるから、管には一切の加工が不要であり、簡単かつ強固に管を接続できる。更に、他方の継手部が伸縮自在であるので、接続作業が容易である他、接続後に管路に軸線方向の外力が作用しても、これを吸収でき、管路の破損を防止できる。
【0017】請求項2のものは、スリーブ押えの締め込みによってスリーブが奥の方へ移動すると共に、縮径変形するので、スリーブの摩擦面が管の外面に圧接して、管をしっかりと保持する他、パッキンに圧縮力を加えることができる。この為、どのような管とも接続可能で、接続後の固定保持力が高くて、使用中に外力が作用しても管の抜け出しがなく、かつ、接続部で水漏れを起こすこともない。
【0018】請求項3のものでは、短管が、突部の衝突で係止されるので、抜け出すことはなく、また、接続は袋ナットによるので、他の水道機器と極めて簡単に接続可能である。
【出願人】 【識別番号】595086328
【氏名又は名称】株式会社光明製作所
【出願日】 平成11年9月3日(1999.9.3)
【代理人】 【識別番号】100076495
【弁理士】
【氏名又は名称】竹田 明弘
【公開番号】 特開2001−74150(P2001−74150A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−249486