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【発明の名称】 エアコントロールバルブ
【発明者】 【氏名】山田 弘

【要約】 【課題】簡単な手段によって排気異音の音源を元から絶つようにしたエアコントロールバルブを提供する。

【解決手段】排気スリーブ弁4の排気口端内に、排気流を前記排気口端の外側に向けて偏流する円錐体8を臨ませて配置し、また、円錐体8によって排気口端に絞り通路9を形成して排気異音の原因となっている渦の発生を抑止した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】エアを供給、排出制御するエアコントロールバルブであって、前記エアコントロールバルブに内設されている排気スリーブ弁の排気口端内に、排気流を前記排気口端の外側に向けて偏流する円錐体を臨ませて配置したことを特徴とするエアコントロールバルブ。
【請求項2】前記円錐体は排気口端の上流から排気口端に向かって円錐体の円錐面と排気スリーブの内壁面との間のエア通路を漸次狭め、排気口端に絞り通路を形成してなる請求項1に記載のエアコントロールバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エア排出時の排気異音を消音したエアコントロールバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のサービスブレーキラインにはエアを供給、排出制御するエアコントロールバルブが用いられている。従来一般の例えばリレーバルブ等のエアコントロールバルブ1は図4で示すように、図略のブレーキバルブからの信号エアP1の信号ポート3と、図略のエアタンクからのエアP2の導入ポート5と、前記信号エアP1によって作動するピストン2と、エア給排ポート6と、前記ピストン2によって前記エアP2の導入ポート5から前記エア給排ポート6へのエアの供給通路を開閉し、かつ前記エア給排ポート6からの排出エアを大気に排気Eする排気スリーブ弁4とから構成されているものである。尚、図4において符号7はチェック弁のダストシールラバーである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のエアコントロールバルブ1において、エアの排出時に笛を吹いたような排気異音が発生する。これの原因は図5で示すように、排気スリーブ弁4の排気口端から排出される排気流FSは排気スリーブ弁4の軸線に沿った直線である。この直線の排気流FSによって排気スリーブ弁の排気口端にカルマン渦Wが発生し、カルマン渦Wのために排気流FSに直角な方向に空気振動(自励振動)が起こってエオルス音が発生しこれが笛を吹いたような排気異音となっている。従来では、この排気異音を低減するためにエアコントロールバルブ1を防音カバーなどのサイレンサー手段で音の絶対値レベルを下げているものであり、音源を元から絶つものではなかった。
【0004】本発明は、簡単な手段によって排気異音の音源を元から絶つようにしたエアコントロールバルブを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため本発明は、請求項1に記載の通り、エアを供給、排出制御するエアコントロールバルブであって、前記エアコントロールバルブに内設されている排気スリーブ弁の排気口端内に、排気流を前記排気口端の外側に向けて偏流する円錐体を臨ませて配置したことを特徴とするものである。
【0006】また、請求項2に記載の通り、前記円錐体は排気口端の上流から排気口端に向かって円錐体の円錐面と排気スリーブの内壁面との間のエア通路を漸次狭め、排気口端に絞り通路を形成してなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は例えばリレーバルブ等のエアコントロールバルブ1であり、図略のブレーキバルブからの信号エアP1の信号ポート3と、図略のエアタンクからのエアP2の導入ポート5と、前記信号エアP1によって作動するピストン2と、エア給排ポート6と、前記ピストン2によって前記エアP2の導入ポート5から前記エア給排ポート6へのエアの供給通路を開閉し、かつ前記エア給排ポート6からのエアを大気に排気Eする排気スリーブ弁4とから構成されている。符号7はチェック弁のダストシールラバーである。
【0008】本発明は上記のようなエアコントロールバルブ1において、排気スリーブ弁4の排気口端内に、排気流を前記排気口端の外側に向けて偏流する円錐体8を臨ませて配置したものである。
【0009】前記円錐体8は排気口端の上流から排気口端に向かって円錐体8の円錐面と排気スリーブ4の内壁面との間のエア通路を漸次狭め、排気口端に絞り通路9を形成したものである。
【0010】前記円錐体8と排気スリーブ弁4との寸法関係の1実施例としては図3で示すように、排気スリーブ弁4の排気口端の口径a1を10mmとした場合、円錐体8の全高b1を20mm、円錐体8の基部径b2を8mmとし、排気スリーブ弁4の排気口端と円錐体8の基部まで間隙gを5mmとしたものが有効であった。
【0011】前記円錐体8の材質は合成樹脂が形状の加工面で有利であるが、合成樹脂以外の金属やゴムあるいは陶器、磁器等でも良い。
【0012】本発明は上記の通りの構造であるから、エアコントロールバルブ1は図略のブレーキバルブからの信号エアP1の信号ポート3に供給されるとスプリングで上昇しているピストン2を押し下げる。このピストン2の押し下げによって排気スリーブ弁4の上端にピストン2が当接し排気スリーブ弁4の上端を塞いでエア給排ポート6と排気スリーブ弁4とのエアの排出通路を遮断すると共に、エアP2の導入ポート5とエア給排ポート6とのエアの供給通路を連通してエアP2をエア給排ポート6よりエアP2を供給する。
【0013】図略のブレーキバルブから供給されている信号エアP1をブレーキバルブより大気に排出して信号エアP1の圧力が下がるとピストン2はスプリングによって上昇し、エア給排ポート6とピストン2が排気スリーブ弁4の上端から離れてエアP2の導入ポート5とエア給排ポート6との連通を遮断すると共に、エア給排ポート6と排気スリーブ弁4とを連通してエア給排ポート6からの排出エアを排気スリーブ弁4を介して大気に排気Eするものである。
【0014】そこで本発明では上記排出エアを排気スリーブ弁4を介して大気に排出する時の排気異音を前記円錐体8によって消音するようにしたものである。
【0015】すなわち、図2で示すように、排気スリーブ弁4内を流れる排気流は円錐体8の尖先端までは排気スリーブ弁4の軸線に沿った直線で流れるが、円錐体8の尖先端からは円錐体8の円錐面に沿って末拡がり状に偏流し、排気スリーブ弁4の排気口端では外側に向けて流れる曲線の流線形排気流FBとなる。
【0016】前記排気スリーブ弁4の排気口端において外側に向けて流れる曲線の流線形排気流FBにより排気スリーブ弁の排気口端に発生するエオルス音の排気異音生成の原因であるカルマン渦Wを排気スリーブ弁4の排気口端の外側に押し流してカルマン渦Wの位置を変化させて排気異音を消音するのである。
【0017】前記円錐体8により偏流して排気スリーブ弁4の排気口端において外側に向けて流れる曲線の流線形排気流FBは請求項2に記載のように、排気口端に絞り通路9により、流速を増加してカルマン渦Wの発生を抑止し、排気異音を一層確実に消音する。
【0018】上記の実施形態では図示構造のリレーバルブに本発明を適用して1例を示したが、図示構造のリレーバルブに限定されるものではなく、排気スリーブ弁を内設したエアを供給、排出制御するエアコントロールバルブであれば本発明は適用することが可能である。また、車両のエアコントロールバルブのみではなく、工作機械のエア配管におけるエアコントロールバルブ等に本発明は適用することが可能である。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように本発明によると、エアコントロールバルブの基本的な構造を改変することなく簡単な付加部品によってエア排出時の排気異音を実現することができ静寂性が図られる。
【出願人】 【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
【出願日】 平成11年8月27日(1999.8.27)
【代理人】 【識別番号】100090435
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 義雄
【公開番号】 特開2001−65734(P2001−65734A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−240761