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【発明の名称】 電磁弁のシーケンサ駆動用アダプタ
【発明者】 【氏名】丹羽 徹

【要約】 【課題】大電流で駆動される電磁弁を少ない配線・接続と少ないスペースをもってシーケンサで直接的に駆動制御すること。

【解決手段】アダプタ1は大電流駆動の電磁弁2をシーケンサ3で制御するのに使用される。アダプタ1は一つの主電線4と、主電線4の一端に設けられてシーケンサ3に接続されるシーケンサ端子5と、主電線4の他端に設けられて電源6に接続される電源端子7と、電磁弁2に接続される電磁弁端子8と、主電線4上に設けられる駆動回路14とを備える。電磁弁端子8は駆動回路14から延びる分岐電算13の先端に設けられる。駆動回路14は、電源端子7を通じて電源6から供給される大電流をシーケンサ端子5を通じてシーケンサ3から供給される制御信号に応じた駆動電流に変換して電磁弁端子8から出力させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大電流で駆動される電磁弁をシーケンサで制御するために使用されるシーケンサ駆動用アダプタであって、一つの電線と、前記電線の一端に設けられて前記シーケンサに接続されるシーケンサ端子と、前記電線の他端に設けられて所定の電源に接続される電源端子と、前記電磁弁に接続される電磁弁端子と、前記電線上に設けられ、前記電源端子を通じて前記電源から供給される大電流を、前記シーケンサ端子を通じて前記シーケンサから供給される制御信号に応じた駆動電流に変換して前記電磁弁端子から出力させるための駆動回路とを備えたことを特徴とする電磁弁のシーケンサ駆動用アダプタ。
【請求項2】 前記駆動回路から延び、先端に前記電磁弁端子が設けられる電線を備え、前記シーケンサ端子、前記電源端子及び前記電磁弁端子へ延びる三本の電線が前記駆動回路から分岐されることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁のシーケンサ駆動用アダプタ。
【請求項3】 前記駆動回路は、前記電源から前記電磁弁に対する大電流の供給を制御するためにオン・オフされるスイッチングトランジスタと、前記シーケンサから供給される制御信号を前記スイッチングトランジスタを駆動する駆動信号に変換するためのフォトカプラとを備えたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁弁のシーケンサ駆動用アダプタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、大電流で駆動される電磁弁に係り、更に詳しくは、この種の電磁弁をシーケンサ(=プログラマブル・コントローラ:PLC)で直接的に駆動制御するのに使用される電磁弁のシーケンサ駆動用アダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、大電流で駆動される電磁弁がある。この種の電磁弁として、例えば、金属弁体そのものを可動鉄心としてソレノイドの固定鉄心及び磁気フレーム等の吸引面に吸引・吸着させたり、その吸着を停止させたりすることにより、金属弁体を弁座に当接又は離間させるようにしたものがある。
【0003】この種の電磁弁は、例えば、所定の高圧流体(例えば「圧縮エア」)の流れを制御するための専用の流体制御装置等で使用される。従って、電磁弁を含む各種アクチュエータを制御するために、通常、流体制御装置には専用の駆動制御回路が予め設けられることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の電磁弁は、専用の流体制御装置に組み込まれて使われる以外にも、例えば、ユーザが独自に工夫した簡易装置に組み込まれて使用されることも考えられる。この場合、例えば、一つの電磁弁を駆動制御するために、その都度、わざわざ専用のシーケンサ等の駆動制御回路を別途に準備し、必要な配線を行わなければならない。
【0005】しかしながら、この種の駆動制御回路の設計や配線等には意外と手間がかかり、必要な電気回路のための設置スペースや必要な外部配線等の作業を考慮しなければならない。
【0006】例えば、図5に示すように、既存のシーケンサ41を使用して電磁弁42を駆動制御することを考える。この場合、シーケンサ41は、一般的な基本構成として、制御内容を記憶するメモリ部43と、制御内容を実行するCPU部44と、信号を取り込んだり送り出したりする入出力部45と、それら各部に電源を供給する電源部46とを備える。そして、例えば、電磁弁42を所定のセンサ47の検出結果に基づいて駆動制御するには、入出力部45の端子45a,45bにセンサ47と電磁弁42とをそれぞれ電線48,49を介して接続しなければならない。又、電源部46の端子46aに所定の電源50を電線51を介して接続しなければならない。即ち、センサ47の接続を除いても、各電線48,51の接続のためにそれぞれ2回、合計4回の接続作業を行わなければならない。更に、場合によっては、電源50の容量に合わせて電源部46の回路構成を変更することも必要になる。
【0007】この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、大電流で駆動される電磁弁を、少ない配線・接続と少ないスペースをもってシーケンサで直接的に駆動制御することを可能にした電磁弁のシーケンサ駆動用アダプタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、大電流で駆動される電磁弁をシーケンサで制御するために使用されるシーケンサ駆動用アダプタであって、一つの電線と、電線の一端に設けられてシーケンサに接続されるシーケンサ端子と、電線の他端に設けられて所定の電源に接続される電源端子と、電磁弁に接続される電磁弁端子と、電線上に設けられ、電源端子を通じて電源から供給される大電流を、シーケンサ端子を通じてシーケンサから供給される制御信号に応じた駆動電流に変換して電磁弁端子から出力させるための駆動回路とを備えたことを趣旨とする。
【0009】上記発明の構成によれば、シーケンサ端子をシーケンサに、電源端子を電源に、電磁弁端子を電磁弁にそれぞれ接続するだけで配線・接続が終了することになり、電源とシーケンサとを電線により接続する必要がない。又、駆動回路が電線上に設けられることから、駆動回路のための設置スペースを特別に設ける必要がない。
【0010】上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、駆動回路から延び、先端に電磁弁端子が設けられる電線を備え、シーケンサ端子、電源端子及び電磁弁端子へ延びる三本の電線が駆動回路から分岐されることを趣旨とする。
【0011】上記発明の構成によれば、請求項1の発明の作用に加え、電磁弁端子が駆動回路から分岐される電線の先端に設けられることから、電磁弁端子の電磁弁に対する接続自由度が増す。
【0012】上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明の構成において、駆動回路は、電源から電磁弁に対する大電流の供給を制御するためにオン・オフされるスイッチングトランジスタと、シーケンサから供給される制御信号をスイッチングトランジスタを駆動する駆動信号に変換するためのフォトカプラとを備えたものであることを趣旨とする。
【0013】上記発明の構成によれば、請求項1又は請求項2の発明の作用に加え、シーケンサからの制御信号とスイッチングトランジスタへの駆動信号とがフォトカプラを介して互いに絶縁されることから、ノイズや過大電圧に対して駆動回路が保護されることになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電磁弁のシーケンサ駆動用アダプタを具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0015】図1に電磁弁のシーケンサ駆動用アダプタ(以下、「アダプタ」と言う。)1の一部断面を含む正面図を、図2に同じくアダプタ1の平面図をそれぞれ示す。このアダプタ1は、大電流で駆動される電磁弁(図2,4参照)2をシーケンサ(図2,4参照)3で直接的に駆動制御するために使用されるものである。電磁弁2は、例えば、ソレノイドを大電流で駆動させて金属弁体を弁座に当接又は離間させるように構成したものである。
【0016】アダプタ1は、一つの主電線4と、その主電線4の一端に設けられてシーケンサ3に接続されるシーケンサ端子5と、その主電線4の他端に設けられて所定の電源(図2,4参照)6に接続される電源端子7と、電磁弁2に接続される電磁弁端子8と、主電線4上、即ち主電線4の中間位置に設けられ、複数の微小電子部品9等より構成される回路部10とを備える。
【0017】主電線4は、一対のリード線11より構成される。シーケンサ端子5及び電源端子7は剥き出し導線より構成される。電磁弁端子8は、電磁弁2に設けられた所定のコネクタに接続されるソケット12に設けられる。電磁弁端子8は、回路部10から分岐される分岐電線13の先端に設けられる。即ち、この実施の形態において、シーケンサ端子5、電源端子7及び電磁弁端子8へ延びる三本の電線4,4,13は、回路部10からそれぞれ分岐された状態をなす。
【0018】回路部10は、電子部品9より構成される駆動回路14と、その駆動回路14を覆う絶縁材15と、その絶縁材15を包む保護チューブ16とを備える。保護チューブ16の両端部は、主電線4の一部を包んでいる。回路部10は、電源端子7を通じて電源6から供給される大電流を、シーケンサ端子5を通じてシーケンサ3から供給される制御信号に応じた駆動電流に変換して電磁弁端子8から電磁弁2へ出力させるためのものである。
【0019】図3に駆動回路14の構成を電気回路図に示す。この実施の形態において、駆動回路14は、入力側回路17と、出力側回路18と、それら両回路17,18の間に設けられたフォトカプラ19とを備える。入力側回路17は、互いに直列に接続された第1〜第3のダイオード20,21,22を備える。第2のダイオード21は定電流ダイオードよりなり、第3のダイオード22はフォトカプラ19の入力部を構成する。第3のダイオード22には抵抗23が並列に接続される。これら各ダイオード20〜22及び抵抗23には、コンデンサ24が並列に接続される。第1のダイオード20のアノード及び第3のダイオード22のカソードには、それぞれシーケンサ端子5を介してシーケンサ3が接続されることになる。ここで、シーケンサ3の「Vcc」は、例えば「24V」である。出力側回路18は、互いに接続された第1〜第3のトランジスタ25,26,27を備える。第1のトランジスタ25はフォトトランジスタよりなり、フォトカプラ19の出力部を構成するものである。このトランジスタ25のコレクタ及び第2のトランジスタ26のベースには、抵抗28が接続される。第2のトランジスタ26は、第1のトランジスタ25の出力を受けてその出力を反転させるものである。このトランジスタ26のコレクタには、別の抵抗29が接続される。これら両抵抗28,29には、ダイオード30が接続される。第3のトランジスタ27は、本発明のスイッチングトランジスタとしてのFETより構成される。このトランジスタ27のベースには、更に別の抵抗31が接続される。このトランジスタ27のコレクタ及びダイオード30のカソードには、電磁弁端子8を介して電磁弁2が接続されることになる。ダイオード30のアノード及び各トランジスタ25〜27のコレクタには、電源6が接続されることになる。ここで、電源6の「Vdd」は、例えば、「48V,2A」である。第3のトランジスタ27は、電源6から電磁弁2に対する大電流の供給を制御するためにオン・オフされるものである。フォトカプラ19は、シーケンサ3から供給される制御信号を第3のトランジスタ27を駆動するための駆動信号に変換するためのものであり、電気的な制御信号をフォトダイオードよりなる第3のダイオード22で光に変換し、この光をフォトトランジスタよりなる第1のトランジスタ25で受けて再び電気信号に戻して信号を伝える素子である。
【0020】ここで、図2に、本実施の形態のアダプタ1の寸法構成を示す。シーケンサ端子5から回路部10までの長さを「L1」、電源端子7から回路部10までの長さを「L2」、電磁弁端子8から回路部10までの長さを「L3」とすると、それぞれL1=1000mm、L2=1000mm、L3=300mmとなっている。回路部10の長さを「L4」、回路部10の幅を「W」とすると、それぞれL4=60mm、W=15mmとなっている。
【0021】上記のように構成されたアダプタ1は、既存のシーケンサ3と電源6を使用した所定の簡易装置における電磁弁2を駆動制御するために、例えば、図4に示すように接続される。ここで、シーケンサ3は、一般的な基本構成として、従来例と同様にメモリ部、CPU部、入出力部及び電源部を備える。そして、電磁弁2を所定のセンサ32の検出結果に基づいて駆動制御するために、シーケンサ3の入出力部の端子には、センサ32と、アダプタ1のシーケンサ端子5がそれぞれ接続される。又、アダプタ1の電源端子7が所定の電源6に、アダプタ1の電磁弁端子8が電磁弁2にそれぞれ接続される。
【0022】この簡易装置として、例えば、穀物中に含まれる石や泥、不良穀物等の異物を選別して除去するための選別装置が挙げられる。この選別装置において、電磁弁2は、センサ32により識別された異物のみをノズル33から吐出される圧縮エアで吹き飛ばすために、シーケンサ3により制御されるようになっている。即ち、シーケンサ3は、次々に落下する穀物34の良否をセンサ32の検出結果に基づいて判断する。そして、その判断結果が不良である場合、シーケンサ3は、先に不良と判断した穀物34aを選別するために穀物34の落下速度を考慮した所定のタイミングで電磁弁2を駆動させてノズル33から圧縮エアを吐出させるようになっている。
【0023】この実施の形態では、上記選別装置の配線にアダプタ1が使用されるので、センサ32とシーケンサ3とを接続する以外に、アダプタ1のシーケンサ端子5をシーケンサ3に、アダプタ1の電源端子7を電源6に、アダプタ1の電磁弁端子8を電磁弁2にそれぞれ接続するだけで、即ち、合計3回の接続作業で、必要な配線・接続が終了することになり、従来例と異なり、電源6とシーケンサ3とを別の電線で接続する必要がない。加えて、駆動回路14を含む回路部10が主電線4上に設けられることから、駆動回路14のための特別な設置スペースをシーケンサ3等に別途設ける必要がない。このため、大電流で駆動される電磁弁2を、少ない配線・接続と少ないスペースをもってシーケンサ3で直接的に駆動制御することができるようになる。
【0024】この実施の形態では、アダプタ1の電磁弁端子8が駆動回路14から分岐される分岐電線13の先端に設けられることから、電磁弁端子8の電磁弁2に対する接続自由度が増すことになる。このため、電磁弁2のシーケンサ3に対する設置方向の違いに拘わらず、電磁弁2に対する電磁弁端子8の接続を容易なものにすることができるようになる。特に、この実施の形態では、主電線4上の中間位置に回路部10が設けられ、その回路部10から分岐電線13が分岐することから、回路部10が電磁弁2、シーケンサ3及び電源6のそれぞれから離れて配置され、例えば、前記各機器2,3,6の間にあって生かされていない空間に配置されることになる。このため、回路部10が電磁弁2、シーケンサ3及び電源6と干渉することがなく、回路部10が各端子5,7,8の接続の邪魔になることもない。更には、主電線4と分岐電線13とが互いに錯綜することもない。
【0025】この実施の形態では、シーケンサ3からの制御信号と、駆動回路14の第3のトランジスタ27への駆動信号とがフォトカプラ19により互いに絶縁されることから、ノイズや過大電圧に対して駆動回路14が保護されることになる。このため、シーケンサ3、電源6及び電磁弁2の間に別途リレーを介在させることなく電磁弁2を応答性良く駆動制御することができるようになる。
【0026】尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0027】(1)前記実施の形態では、回路部10から分岐された分岐電線13の先端に電磁弁端子8を設けたが、回路部に対して電磁弁端子を設けてもよい。
【0028】(2)前記実施の形態では、シーケンサ端子5及び電源端子7をそれぞれ剥き出し導線より構成したが、これらの端子をソケットに設けられる端子としてもよい。
【0029】(3)前記実施の形態では、駆動回路14を含む回路部10を主電線4の中間位置に設けたが、この回路部10を各端子5,7,8寄りの位置に設けてもよい。
【0030】(4)前記実施の形態では、ソレノイドを大電流で駆動させて金属弁体を弁座に当接又は離間させるようにした電磁弁2にアダプタ1を適用したが、この種の電磁弁に適用が限られるものではなく、大電流で駆動される電磁弁であればよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、大電流で駆動される電磁弁を、少ない配線・接続と少ないスペースをもってシーケンサで直接的に駆動制御することができるという効果を発揮する。
【0032】請求項2に記載の発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、電磁弁のシーケンサに対する設置方向の違いに拘わらず、電磁弁に対する電磁弁端子の接続を容易なものにすることができるという効果を発揮する。
【0033】請求項3に記載の発明の構成によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、シーケンサ、電源及び電磁弁の間に別途リレーを介在させることなく電磁弁を応答性良く駆動制御することができるという効果を発揮する。
【出願人】 【識別番号】000106760
【氏名又は名称】シーケーディ株式会社
【出願日】 平成11年8月24日(1999.8.24)
【代理人】 【識別番号】100097009
【弁理士】
【氏名又は名称】富澤 孝 (外2名)
【公開番号】 特開2001−65731(P2001−65731A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−236675