トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 空気弁
【発明者】 【氏名】横山 郁生

【氏名】山元 誠治

【要約】 【課題】配管の一部に取付けられ、水の飛散防止と異物の侵入防止の機能を有し、それ自体の外径寸法を保ちながら多量排気能を向上させ、作動状況の確認や分解点検が容易に行える空気弁を提供する。

【解決手段】流体を輸送する配管1に連通して取付けられた弁箱2と、弁箱に固定された空気孔8を有する蓋体9と、弁箱の内部に収容された空気孔5を有する遊動弁体6及びフロート弁4と、蓋体に装着したカバー13とを具備し、配管1内の空気を吸排気する空気弁において、前記カバー13が蓋体9に、配管1内の空気の排気圧により自動的に開放されるよう取付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体を輸送する配管に連通して取付けられた弁箱と、弁箱に固定された空気孔を有する蓋体と、弁箱の内部に収容された空気孔を有する遊動弁体及びフロート弁と、蓋体に装着したカバーとを具備し、配管内の空気を吸排気する空気弁において、前記カバーを前記蓋体に、配管内の空気の排気圧により自動的に開放するよう取付けたことを特徴とする空気弁。
【請求項2】 前記カバーが蓋体に上下に回動するよう枢着されている請求項1に記載の空気弁。
【請求項3】 前記カバーが蓋体に上下に並進運動するよう取付けられている請求項1に記載の空気弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を輸送する配管に取付けられ、通水の際は管内から排気を行い、該配管から送水する際は管内への吸気を行い、さらに配管内が加圧された満水状態では水中から分離した空気を排気する空気弁に関するものであり、さらに詳しくは、改良されたカバー取付け構造を有する空気弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水道、農水用などの流体の輸送配管ラインにおいては、排水時に該配管内へ空気を導入したり、該配管内を流れる流体中に含まれる空気の排気を行うために空気弁が設けられる。該空気弁は、図7に示すように、配管1に連通して取付けられた弁箱2と、弁箱2の上部に大径空気孔8が設けてありボルトを介して固定される蓋体9と、弁箱2の内部に大径空気孔8と同心状に収容された案内3と、該案内3の内部に、小径空気孔5を有する遊動弁体6とともにフロート弁体4が昇降自在に配設されており、遊動弁体6が大径空気孔8を、フロート弁体4が小径空気孔5を開閉するように構成されている。
【0003】上記空気弁では、複数のボルトを介して、蓋体9に装着したカバー13により大径空気孔8を覆うことで、配管の通水時において大径空気孔8が遊動弁体6により閉塞される前段で大径空気孔8から水が上方へ飛散するのを防止するのとともに、弁箱2の内部にゴミなどの異物が侵入するのを防止している。
【0004】しかしながら、空気が大量に排出される際は、空気は弁箱2内に設けられた流路、大径空気孔8、蓋体9とカバー13の間を順次通って外部へ放出されるが、この時、大径空気孔8を通った空気の勢いがカバー13により減勢される状態になり、必然的に多量排気能を低下させる。
【0005】また、異物を多く含む流体の配管に取付けられて使用される場合は、弁箱2内部の作動状況の確認や分解点検などを行う際に、カバーを取外すためには複数本のボルトを取り外さなければならないという煩わしい作業が必要となる。
【0006】これらの問題点を解決した空気弁として、例えば、特開平9−159041号公報や特開平10−318397号公報等に記載されている構造のものが知られている。前者の空気弁では、弁箱を適当容積にて形成して、弁箱内に流入して上方へ流れる水が、遊動弁体をともに上昇せしめる適当速度に減勢されるように構成されている。後者の空気弁では、カバー周辺部の一箇所に、カバーを弁箱に対して浮動開閉可能に枢支するヒンジ部材を設けるとともに、この枢支部に対向するカバーの周辺部と弁箱とに、えび金具式の固定錠を設け、このえび金具式固定錠を介してカバーを弁箱に対して締付固定および固定解除可能に構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の空気弁においては、弁箱を適当容積にて形成しているため空気弁自体の外径寸法が大きくなるという問題がある。また、後者の空気弁では、えび金具式固定錠を介してカバーを弁箱に対して締付固定しているため、分解点検の際、該カバーの開閉に要する手間を非常に少なくできるが、排気の際は従来の空気弁と同様に、多量排気能を低下させるという問題がある。
【0008】本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、その目的は、水の飛散防止と、異物の侵入防止の機能を有し、空気弁自体の外径寸法を保ちながら多量排気能を大幅に向上させ、かつ作動状況の確認や分解点検が容易に行える空気弁を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明は、流体を輸送する配管に連通して取付けられた弁箱と、弁箱に固定された空気孔を有する蓋体と、弁箱の内部に収容された空気孔を有する遊動弁体及びフロート弁と、蓋体に装着したカバーとを具備し、配管内の空気を吸排気する空気弁において、前記カバーを前記蓋体に、配管内の空気の排気圧により自動的に開放するよう取付けたことを特徴としている。
【0010】本発明によれば、上記のカバーを自動的に開放する手段は、カバーを蓋体の一側に枢着し、上下方向に回動できるように構成される。またカバーを蓋に上下に並進運動できるように取付けてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例を示す縦断面図である。図2は、図1の排気作用時を示す縦断面図である。図3は、同じく大径空気孔を閉じた状態の縦断面図である。また、図4は、本発明の他の実施例を示す縦断面図である。図5は、図4の排気作用時を示す縦断面図である。図6は、同じく大径空気孔を閉じた状態の縦断面図である。なお、前記図7の従来例と同一もしくは相当部分には、同一の符号を付して説明する。
【0012】図1において、本発明の空気弁は、配管1に連通して取付けられる弁箱2と、弁箱2の内部の案内3とを有し、案内3の内部にはフロート弁体4と該フロート弁体4に被冠されて上部に小径空気孔5が形成された遊動弁体6とが昇降自在に設けられ、この遊動弁体6の外周部に上向きのシート部7が形成されている。弁箱2の上端には、吸気・排気用の大径空気孔8を有する蓋体9がボルト・ナットを介して取付けられており、大径空気孔8の周縁部には、遊動弁体6のシート部7に対向する弁座10が下向きに取付けられている。また、蓋体9の上面のボルト・ナット固定位置に干渉しない位置には、枢支部11が設けられ、枢支部11の径方向に相対する位置には、支持部12が設けられている。蓋体9の上方には、大径空気孔8を十分に覆う大きさのカバー13が配設され、カバー13は、蓋体9に設けられた枢支部11とこれに対向する位置に設けられたカバー13の枢支部14とにピン15を挿入することにより回動可能に取付けられている。作動状況の確認や分解点検に際しては、カバー13を回動して開放し空気の吸気・排気の作動状況の確認および大径空気孔が遊動弁体により閉塞された状況での洩水の有無などの点検を行うことができる。
【0013】次に、本実施例の作用について図1、図2、図3に基づいて説明する。配管1の施工が完了した初期の状態では、フロート弁体4と遊動弁体5は、図1に示す開弁位置に保持され弁を開放する。このため、配管1への通水時、該配管1内の空気は、弁箱2から案内3上部の切欠(図示省略)および大径空気孔8を通って、蓋体9とカバー14との間の隙間を経て外部へ急速に排出される。このとき、図2に示されているごとく、大径空気孔8より排出される空気の勢いで、カバー13が停止位置まで押し上げられる。そのため、空気の流れは矢印で示されているごとく、カバー13に沿って斜め上方へ排出されるため減勢されることがない。また、配管1への通水にともない弁箱2内へ水が流入すると、フロート弁体4に浮力が発生し、フロート弁体4および遊動弁体6が案内3内を浮上して、遊動弁体5のシート部7が弁座10に密着して大径空気孔8を閉塞して弁箱2内部を止水する。通水完了時には、図3に示されているごとく、上記大径空気孔8が遊動弁体6により閉塞されることで、上記カバー14を押し上げていた空気が遮断され、該カバー13はピン15を軸に支持部12の位置まで自然に落下して、外部からの異物が弁箱2内へ侵入するのを防ぐ。この状態、すなわち加圧された満水状態において、配管1内に流れる水に混入している空気が弁箱2内の上部にたまり、弁箱2内の水位が徐々に下がると、フロート弁体4が下がり小径空気孔5が開放され、小径空気孔5より空気が排気される。空気の排気が完了すると、弁箱2内の水位が上がりフロート弁体4が再び上昇して小径空気孔5を閉塞する。
【0014】図4は本発明の他の実施例を示す縦断面図である。前記実施例と異なる点は、弁箱2と蓋体9はボルト・ナット(図示省略)を介して固定され、上記ボルト・ナット位置に干渉しない位置に弁箱2、蓋体9、カバー13を連通する連通孔16を有し、連通孔16にシャフト17が上下動可能に配設されており、シャフト17の両端には上下動を規制するストッパ18が設けられ、カバー13は上記シャフト17に上下動可能に支持されている点である。
【0015】次に、本実施例の作用について図4、図5、図6に基づいて説明する。配管1の施工が完了した初期の状態では、フロート弁体4と遊動弁体5は、図4に示す開弁位置に保持され弁を開放する。このため、配管1への通水時、該配管1内の空気は、矢印で示されているごとく、弁箱2から案内3上部の切欠(図示省略)および大径空気孔8を通って、蓋体9とカバー13との間の隙間を経て外部へ急速に排出される。このとき、大径空気孔8より排出される空気の勢いで、カバー13がシャフト17を案内に図5に示されているごとく、ストッパ18の位置まで押し上げられ、空気の流路面積を大きく増加させるので空気の流れが減勢されることがない。また、配管1への通水にともない弁箱2内へ水が流入すると、フロート弁体4に浮力が発生し、フロート弁体4および遊動弁体6が案内3内を浮上して、遊動弁体5のシート部7が弁座10に密着して大径空気孔8を閉塞して弁箱2内を止水する。通水完了時には、図6に示されているごとく、上記大径空気孔8が遊動弁体6により閉塞されることで、上記カバー13を押し上げていた空気が遮断され、該カバー13はシャフト17を案内に支持部12の位置まで自然に落下して、外部からの異物が弁箱2内へ侵入するのを防ぐ。加圧された満水状態における作用については前記第1の実施例と同様であるので省略する。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、カバーが配管内の空気の排気圧により自動的に開放されるように設けられているので、空気弁自体の外径寸法を従来の大きさに保ちながら、多量排気能を向上させることができる。また、同一空気弁において、作動状況の確認や分解点検の効率化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000117102
【氏名又は名称】旭有機材工業株式会社
【出願日】 平成11年8月25日(1999.8.25)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2001−65724(P2001−65724A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−238498