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【発明の名称】 調圧弁
【発明者】 【氏名】佐藤 賢一

【氏名】中西 寿朗

【要約】 【課題】操作力が低減され、表示圧力が明確で分かり易く、圧力設定がし易い調圧弁を提供する。

【解決手段】操作部69の回転に従い圧力指示板83は、雌ねじ79のリード角に従い圧力表示線81に沿って昇る。操作部69の回転が2周目に入ったときには、1回転前の圧力値が圧力指示板83により隠蔽される。このため、現在圧力値を明確に判断出来る。最高圧力は、インサートナット下部91がバネ筒上部93に当接することで規制される。この最高圧力を低く設定するため、インサートナット下部91の下端又はバネ筒上部93の上端のいずれかの箇所にカラー95Aを固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボディ(1)に内蔵され、使用液の圧力が設定圧力値以上のとき流路を開くピストン(61)と、該ピストン(61)を前記設定圧力値で付勢する弾性手段(15)と、該弾性手段(15)が収納された筒体(51)と、該筒体(51)に対し螺合され、螺進退操作されることで前記弾性手段(15)による前記設定圧力値を調整し、1回転を超える回転により、前記弾性手段(15)による前記設定圧力値を前記使用液の最高圧力値に到達させる操作手段(69)と、該操作手段(69)の螺進退操作位置を前記使用液の圧力値に換算し、前記回転に合わせて表示した圧力表示手段(81)と、該圧力表示手段(81)の圧力表示に対し前記使用液の現在圧力値を指示する圧力指示手段(83)とを備えたことを特徴とする調圧弁。
【請求項2】 前記筒体(51)に対する前記操作手段(69)の螺進退操作を段階的に仮止めする段階停止手段(27、29、31、33)を備え、前記圧力表示手段(81)は、前記段階停止手段(27、29、31、33)で仮止めされた各段階位置に対応させて換算された前記使用液の圧力値を表示したことを特徴とする請求項1記載の調圧弁。
【請求項3】 前記操作手段(69)の螺進退操作により、少なくとも前記圧力表示手段(81)の1回転以上前の圧力表示を含む所定部分を隠蔽したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の調圧弁。
【請求項4】 前記弾性手段(15)と前記操作手段(69)間に所定の厚みを有する少なくとも一つのカラー(95)が介装自在であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の調圧弁。
【請求項5】 前記操作手段(69)及び前記筒体(51)の一方に配設され、前記操作手段(69)の後退操作の限界を規制するストッパ(87)と、前記操作手段(69)及び前記筒体(51)の他方に配設され、前記ストッパ(87)に当接される当接体(27)とを備え、前記操作手段(69)の進行操作に伴い、前記当接体(27)は前記ストッパ(87)に当接されないことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の調圧弁。
【請求項6】 前記圧力表示手段(81)の各圧力表示間は連続線若しくは断続線で結ばれたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の調圧弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は調圧弁に係わり、特に操作力が低減され、表示圧力が明確で分かり易く、圧力設定がし易い調圧弁に関する。
【0002】
【従来の技術】図11に従来の調圧弁の横断面図を示す。また、図12には図11中のA−A矢視断面図を示す。図11において、ボディ1の下方には流入口3が配設され、図示しないポンプより高圧の使用液(例えば水)が流入するようになっている。また、ボディ1の左方には流出口5が配設されている。
【0003】ボディ1内部には、ピストン摺動室10が形成されている。このピストン摺動室10の左方内壁には、シリンダ7が埋設され、このシリンダ7の左端には弁座9が配設されている。この弁座9には、ピストン11が着座可能なようになっている。ピストン11の右方周囲には、円盤13が固定されており、この円盤13の周囲は、シリンダ7の内壁を摺動自在になっている。
【0004】コイルバネ15は、ピストン摺動室10に内蔵され、その一端が円盤13を押圧している。コイルバネ15の他端は、バネ受け17で保持され、このバネ受け17は、操作部19の中心にねじ込まれたボルト21の左端に固定されている。
【0005】ボディ1右端外周には、雄ねじ23が螺刻されている。そして、操作部19内部には、この雄ねじ23に螺合するように雌ねじ25が螺刻されている。この螺合により、操作部19はボディ1に対し螺進退操作可能なようになっている。
【0006】また、ボディ1上部には、当接体27が形成され、この当接体27の内部にはコイルバネ29が内装されている。コイルバネ29の上端には球体31が載置され、球体31の上部は、操作部19の内側に配設された溝33と係合するようになっている。
【0007】溝33はその断面が部分円形状であり、操作部19の長手方向に向けて複数本併設されている。操作部19の左方には傾斜面35が設けられ、この傾斜面35の周囲には溝33の位置に対応させて圧力表示34が記載されている。
【0008】圧力表示34は、0〔MPa〕であるSTART点を超えて後退操作出来ないように、この限界を規制するためストッパ37がネジ穴39に止められている。かかる構成において、最高圧力を規制しない場合には、START点より操作部19を回転させることで、1回転以内で最高圧力である例えば5.0〔MPa〕に設定される。
【0009】最高圧力に至るまでの所望の位置に操作部19を回転させることで、コイルバネ15は収縮され、所定の付勢力でピストン11は弁座9に対し押圧される。流入口3から流入された使用液の圧力がコイルバネ15の付勢力より大きくなった場合には、ピストン11は弁座9に対し開かれ、流路が確保される。従って、使用液の圧力は傾斜面35により設定した圧力表示34に維持される。
【0010】操作部19の回動に伴い、球体31は溝33に係合されるため、操作部19の螺進退操作は段階的に仮止めされる。一方、最高圧力を規制する方法を図13に示す。図13は、図11中のA−A矢視断面図を示す。図13において、最高圧力に相当する圧力表示位置に別途ネジ穴41が設けられ、ストッパ43がこのネジ穴41に止められている。
【0011】このことにより、操作部19はこのストッパ43を超えて回転することが出来ず、コイルバネ15の圧縮も規制される。このため、使用液の最高圧力も傾斜面35により設定した最高圧力表示に制限される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の調圧弁では、操作部19の操作を1回転以内で行うため、ネジのリードを大きくせざるを得なかった。このため、操作力も大きく必要であった。また、仮に、操作部19を複数回操作しようとすると各回転毎に応じた圧力が複数並列表示されるため設定圧力と表示圧力の識別が難しくなるおそれがあった。
【0013】更に、最高圧力を変更(下げる)設定する時は、操作部19にストッパ43を追加するためのネジ穴41の加工が改めて必要となっていた。本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、操作力が低減され、表示圧力が明確で分かり易く、圧力設定がし易い調圧弁を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため本発明(請求項1)は、ボディ(1)に内蔵され、使用液の圧力が設定圧力値以上のとき流路を開くピストン(61)と、該ピストン(61)を前記設定圧力値で付勢する弾性手段(15)と、該弾性手段(15)が収納された筒体(51)と、該筒体(51)に対し螺合され、螺進退操作されることで前記弾性手段(15)による前記設定圧力値を調整し、1回転を超える回転により、前記弾性手段(15)による前記設定圧力値を前記使用液の最高圧力値に到達させる操作手段(69)と、該操作手段(69)の螺進退操作位置を前記使用液の圧力値に換算し、前記回転に合わせて表示した圧力表示手段(81)と、該圧力表示手段(81)の圧力表示に対し前記使用液の現在圧力値を指示する圧力指示手段(83)とを備えて構成した。
【0015】弾性手段(15)はピストン(61)を設定圧力値で付勢している。この設定圧力は、操作手段(69)を螺進退操作することで調整可能である。操作手段(69)は、1回転を超える回転により、弾性手段(15)による設定圧力値を使用液の最高圧力値に到達させる。
【0016】このように、1回転を超える回転としたのは、操作手段(69)の螺進退操作のリードを短くし、操作手段(69)にかける操作力を低減するためである。1回転を超える回転であるから、丁度複数回転の位置で使用液の最高圧力値に到達させてもよいし、回転の途中で使用液の最高圧力値に到達させてもよい。
【0017】圧力表示手段(81)では、操作手段(69)の螺進退操作位置を使用液の圧力値に換算し、回転に合わせて表示する。従って、1回転を超える回転に合わせて圧力値が表示される。圧力指示手段(83)では、この圧力表示手段(81)の圧力表示に対し使用液の現在圧力値を指示する。以上により、操作手段(69)の設定が楽に行える。
【0018】また、本発明(請求項2)は、前記筒体(51)に対する前記操作手段(69)の螺進退操作を段階的に仮止めする段階停止手段(27、29、31、33)を備え、前記圧力表示手段(81)は、前記段階停止手段(27、29、31、33)で仮止めされた各段階位置に対応させて換算された前記使用液の圧力値を表示したことを特徴とする。
【0019】段階停止手段(27、29、31、33)により、筒体(51)に対する操作手段(69)の螺進退操作を段階的に仮止めすることが可能である。圧力表示手段(81)では、段階停止手段(27、29、31、33)で仮止めされた各段階位置に対応させて換算された使用液の圧力値を表示する。
【0020】操作手段(69)は、1回転を超えて回転可能なので、段階停止手段(27、29、31、33)の仮止め位置の間隔を増すことができ、細かい圧力設定を行うことが可能となる。
【0021】更に、本発明(請求項3)は、前記操作手段(69)の螺進退操作により、少なくとも前記圧力表示手段(81)の1回転以上前の圧力表示を含む所定部分を隠蔽したことを特徴とする。
【0022】圧力指示手段(83)で現在指示されている圧力表示以外の圧力表示部分は、隠蔽することが現在圧力表示を明確にする上で望ましい。従って、操作手段(69)の螺進退操作により、少なくとも圧力表示手段(81)の1回転以上前の圧力表示を含む所定部分を隠蔽することとする。
【0023】少なくともと表現したのは、現在圧力表示より1回転以上後の圧力表示が存在する場合には、この部分をも隠蔽対象としてもよいし、現在圧力表示を残した形で周囲を覆う等してもよいためである。
【0024】更に、本発明(請求項4)は、前記弾性手段(15)と前記操作手段(69)間に所定の厚みを有する少なくとも一つのカラー(95)が介装自在であることを特徴とする。
【0025】カラー(95)を介装させることで、操作手段(69)の進行操作が規制される。このため、操作手段(69)は、このカラー(95)の厚み分を超えて弾性手段(15)を付勢することが出来ず、結果的に最高圧力値が規制される。
【0026】このように、最高圧力の変更がカラー(95)の介装でできるので、従来のように操作手段(69)にストッパ用の別穴を設ける必要がない。このため、操作手段(69)を別部品で対応する必要がない。カラー(95)は、厚みを変更するだけで、あるいは段積みする枚数を増減するだけで最高圧力の変更ができる。
【0027】更に、本発明(請求項5)は、前記操作手段(69)及び前記筒体(51)の一方に配設され、前記操作手段(69)の後退操作の限界を規制するストッパ(87)と、前記操作手段(69)及び前記筒体(51)の他方に配設され、前記ストッパ(87)に当接される当接体(27)とを備え、前記操作手段(69)の進行操作に伴い、前記当接体(27)は前記ストッパ(87)に当接されないことを特徴とする。
【0028】ストッパ(87)は、操作手段(69)及び筒体(51)の一方に配設され、操作手段(69)の後退操作の限界を規制する。当接体(27)は、操作手段(69)及び筒体(51)の他方に配設され、ストッパ(87)に当接される。ストッパ(87)と当接体(51)の当接により後退操作の限界を規制したことで、操作手段(69)がボディ(1)から離脱することはなくなる。また、使用液の圧力値ゼロを規制することが出来る。
【0029】操作手段(69)は、1回転を超えて回転可能なので、操作手段(69)の進行操作に伴い、当接体(27)はストッパ(87)に当接されないこととする。このため、例えば操作手段(69)に形成されるネジのリードやストッパ(87)の大きさ等の相対関係を規制する。
【0030】更に、本発明(請求項6)は、前記圧力表示手段(81)の各圧力表示間は連続線若しくは断続線で結ばれたことを特徴とする。
【0031】各圧力表示間が連続線若しくは断続線で結ばれたことで、操作手段(69)の回動中も圧力値が視覚的に分かる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施形態の正面断面図を図1に、また平面図を図2に示す。なお、図11と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
【0033】図1において、ボディ1上部には、バネ筒51が取り付けられている。バネ筒51にはピストン61、円盤13及びコイルバネ15が内蔵されている。コイルバネ15の上端は、バネ受け67で保持されている。そして、このバネ受け67は、操作部69の中心に配設された押しボルト71の下端により圧接されている。操作部69内には、インサートナット73が埋設され、ここに押しボルト71がナット75にて固定されている。
【0034】バネ筒51の上部外周には、雄ねじ77が螺刻されている。そして、操作部69内部には、この雄ねじ77に螺合するように雌ねじ79が螺刻されている。バネ筒51の下部外周には、図3の圧力表示展開図に示すように、雄ねじ77のリードに従い右肩上がりに進む圧力表示線81及び圧力値0〜5.0〔MPa〕が表示されている。
【0035】この圧力値は、溝33に一致させて表示されている。このため、操作部69の回転の2周目には、2列表示されている。また、この圧力値は、操作部69の螺進退操作位置をボディ1に流れる使用液の圧力値に換算して表示されている。バネ筒51の下部には、圧力指示板83の一端が固定されている。そして、圧力指示板83の他端は、図3に示すように現在圧力値の直下を指すようになっている。
【0036】圧力表示の0〔MPa〕を超えて後退操作出来ないように、この限界を規制するためストッパ87がネジ穴89に止められている。このストッパ87は、当接体27の側部に当接するようになっている。一方、最高圧力は、インサートナット下部91がバネ筒上部93に当接することで規制されるようになっている。
【0037】次に、本発明の実施形態の作用を説明する。図1に、0〔MPa〕でコイルバネ15を付勢しない状態を示す。このときの圧力表示展開図を図3に示す。圧力指示板83は0〔MPa〕を指している。
【0038】この際には、図4(A)に示すように、ストッパ87が当接体27の側部に当接するため後退操作は出来ない。進行操作は、操作部69を回転させることで行われ、この回転に従い圧力指示板83は、雌ねじ79のリード角に従い図5の圧力表示展開図に示す圧力表示線81に沿って昇る。このように、各圧力値間は圧力表示線81で結ばれており、操作部69の回転中も圧力値が視覚的に分かる。
【0039】操作部69の回転が2周目に入ったとき、今度は図4(B)に示すようにストッパ87が当接体27の側部に当接しないようにストッパ87を当接体27の下側に通過させる必要がある。このため、ストッパ87が当接体27に当接する位置から当接体27の最下部までの高さを、(操作部69の雌ねじ79のリード)−ストッパ87の高さ方向の寸法(ストッパ87の径)以下とする。
【0040】また、2周目に入ったときには、図5に示すように1回転前の圧力値(例えば2.0)が圧力指示板83により隠蔽される。このため、現在圧力値(例えば5.0)を明確に判断出来る。
【0041】操作部69の回転に伴い、押しボルト71がバネ受け67を介してコイルバネ15を圧縮する。この際、溝33に球体31が係合し、丁度圧力値の表示された位置で仮止めされるため、圧力設定がし易い。操作部69は、1回転を超えて回転可能なので、従来に比べて溝33同士の間隔を増すことができ、細かい圧力設定を行うことが可能となる。
【0042】最高圧力は、図6に示すようにインサートナット下部91がバネ筒上部93に当接することで規制する。しかしながら、安全弁としての機能を考慮する観点から、コイルバネ15が完全に密着しない範囲で規制する。これは、例えば負荷端であるノズルが詰まる等の緊急時に、安全弁としての機能が果たせなくなるのを防止するためである。即ち、かかる緊急時には、コイルバネ15を一層圧縮し、流路を確保する必要があるからである。
【0043】次に、最高圧力を低く設定する方法について説明する。最高圧力を低く設定するため、図7に示すようにインサートナット下部91の下端又はバネ筒上部93の上端のいずれかの箇所にカラー95Aを固定する。カラー95Aの介装によっても、インサートナット下部91とカラー95A間又はバネ筒上部93とカラー95A間の隙間により操作部69の回転当初は何らの制約を受けずに回転可能である。
【0044】しかしながら、このカラー95Aにより、操作部69の最高圧力に向けた移動量は規制される。最高圧力を変更する場合、図8に示すようにカラー95Aに代えて、厚みの異なるカラー95Bを配設してもよいし、図9と図10に示すように、同一の厚みを有するカラー95Cの個数を変えて配設してもよい。このカラー95は、調圧弁内部にあるので、分解しないと最高圧力の変更が困難である。このため、顧客が容易に圧力を上昇させられず安全である。
【0045】以上のように、最高圧力の変更がカラー95の介装でできるので、従来のように操作部69にストッパ用のネジ穴39等を設ける必要がない。このため、操作部69を別部品で対応したり、追加加工したりする必要がない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、操作手段(69)の1回転を超える回転により、弾性手段(15)による設定圧力値を使用液の最高圧力値に到達させることとしたので、操作手段(69)の螺進退操作のリードは短く、操作手段(69)にかける操作力は低減する。このことにより、操作手段(69)の設定が楽に行える。また、弾性手段(15)と操作手段(69)間にカラー(95)を介装させたことで、最高圧力値を任意に規制することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
【出願日】 平成11年8月24日(1999.8.24)
【代理人】 【識別番号】100105201
【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 正利
【公開番号】 特開2001−65722(P2001−65722A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−237088