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【発明の名称】 逆流防止用ゲート
【発明者】 【氏名】森村 克

【要約】 【課題】流量が少なくても開放状態を維持して円滑に排水し、排水先の水位が上昇したときに人為的な判断及び操作を要することなく、迅速かつ適切に閉動して確実に逆流を防止する逆流防止用ゲートを提供する。

【解決手段】開口をプレート21で閉蓋した扉体18を、下部ほど上流側に位置する勾配の戸当たり15に、水平支軸17の軸心周りで揺動自在に設け、河川12の水位が設定以上になったとき、扉体18に発生する浮力を利用して扉体18に閉方向モーメントを付与して扉体18を閉動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排水管先端の排水口に、下部ほど上流側に後退する勾配を付けた形状の戸当たりを固定し、排水口を開閉する扉体を戸当たりの上端部において水平支軸の軸心廻りに揺動自在に支持し、扉体に排水口に対向して開口する凹部を形成するとともに、扉体の開口をプレートで閉蓋して浮力部を形成し、排水先の水位上昇により浮力部に発生する浮力で、扉体に水平支軸の軸心廻りに閉方向モーメントを付与して扉体を閉動させることを特徴とする逆流防止用ゲート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば樋管等の排水管の先端に設置して用いられる逆流防止用ゲートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、河川に隣接する陸地側や排水処理場から河川へ排水するために、図4(a)(b)に示すように、堤防1を貫通して配置される樋管2の先端に、操作機構3によって門型ガイド4に沿って昇降するゲート5を設けている。通常はゲート5を開放して使用し、河川6が増水して水位が上昇したときに、河川管理者などが操作機構3を操作して、ゲート5を降下させて樋管2の排水口2Aを閉じることにより、河川6からの逆流を防止する。
【0003】また、図5に示すように、堤防1を貫通して配置する樋管2の先端にフラップ弁7を装着するものがある。通常は樋管2内を流れる水流を受けてフラップ弁7が開動し、河川6が増水して水位が上昇したときに、樋管2の内外の水位差及びフラップ弁7の自重を利用してフラップ弁7を閉動させて、河川6からの逆流を防止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、昇降式ゲート5では、河川管理者等の主観的判断や人的操作でゲート5を開閉させるために、判断及び操作の誤りや遅れで河川水が逆流する事態を引き起こす可能性がある。また、フラップ弁7では、樋管2の流量が少ないときに、フラップ弁7を自重に抗して開動させることが困難で、樋管2における流れを阻害しやすいという問題がある。
【0005】本発明は上記した課題を解決するものであり、通常時は開放保持して排水を促進し、排水先の水位が上昇したときには、人為的な操作を要することなく、迅速かつ適切に閉動して逆流防止機能を確実に発揮する逆流防止用ゲートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の逆流防止用ゲートは、排水管先端の排水口に、下部ほど上流側に後退する勾配を付けた形状の戸当たりを固定し、排水口を開閉する扉体を戸当たりの上端部において水平支軸の軸心廻りに揺動自在に支持し、扉体に排水口に対向して開口する凹部を形成するとともに、扉体の開口をプレートで閉蓋して浮力部を形成し、排水先の水位上昇により浮力部に発生する浮力で、扉体に水平支軸の軸心廻りに閉方向モーメントを付与して扉体を閉動させるものである。
【0007】上記した構成により、扉体は戸当たりの上端部に水平支軸の軸心廻りで揺動自在に支持され、かつその重心が前方に偏心しているために、通常時は扉体が戸当たりから離間して排水口を開放しており、排水管内の流量が少なくても排水を円滑に行なうことができる。一方、河川など排水先の水位が設定以上に上昇した時は、扉体の浮力部に浮力が発生し、この浮力により扉体に水平支軸の軸心廻りの閉方向モーメントが付与される。これによって、扉体が戸当たりに密着してゲートが閉じられ、排水先から排水管内への逆流を確実に防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、排水管となる樋管11は、陸地側もしくは排水処理場から排水先である河川12に排水するために、堤防(図示省略)を貫通して配置しており、この樋管11の先端にゲート13を取付けている。
【0009】ゲート13は、樋管11の先端の排水口14に固定した戸当たり15と、この戸当たり15の上端部から河川12側に突出するホルダー部16と、ホルダー部16に水平支軸17を介してその軸心廻りに揺動自在に支持する扉体18とからなる。樋管11先端の戸当たり15は、樋管11内の通常の流れ方向(矢印y)に対して下部ほど上流側に位置する勾配を付けた形状に形成しており、その勾配面15aには戸当たりシート19を設けている。図2及び図3に示するように、扉体18は、排水口14に対向して開口する凹部20を有するとともに、開口をプレート21で閉蓋して浮力部22を形成しており、上辺部の上方に向けて突出するブラケット23で水平支軸17に支持される。このため、扉体18は、その重心Gが体積中心Vに対して壁部18aの側に偏心している。
【0010】本実施の形態では、扉体18を円形に形成したが、扉体18は四角形に形成することも可能である。以下、上記した構成における作用を説明する。扉体18はその重心Gが壁部18aの側に偏心しているので、扉体18を戸当たり15の上端部から突出するホルダー部16に、水平支軸17の軸心廻りに揺動自在に吊り下げると、扉体18は、図1の実線に示すように、下部ほど戸当たり15の戸当たりシート19から離間して開放保持されるので、樋管11内の流量が少なくても河川12に向けて排水を円滑に行なえる。
【0011】一方、例えば激しい降雨等によって河川12が増水し水位が設定水位以上に上昇すると、扉体18の浮力部22に浮力Fが発生し、この浮力Fが扉体18の体積中心Vに作用するために、扉体18には水平支軸17の軸心廻りに閉方向モーメントが付与される。これによって、扉体18のプレート21が、図1の仮想線に示すように、戸当たり15の戸当たりシート19に密着して扉体18が閉じられ、河川12側から樋管11側への水の逆流が確実に防止される。
【0012】また、河川12の水位が低下すると、扉体18に発生する浮力Fが減少し、扉体18の自重が浮力Fよりも大きくなった時点で、扉体18は水平支軸17の軸心廻りに揺動してプレート21が戸当たりシート19から離間し、開放状態に復帰する。
【0013】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、扉体がその重心を前方に偏心させているので、通常時は排水口が開放状態にあり、排水管内の流量が少なくても排水を円滑に行なうことができ、増水時には扉体に発生する浮力により、水平支軸の軸心廻りに閉方向モーメントを付与して扉体を閉じることで、人為的な判断及び操作を要することなく、排水先から排水管内への逆流を確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年8月31日(1999.8.31)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2001−65720(P2001−65720A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−244148