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【発明の名称】 弁装置
【発明者】 【氏名】松本 修

【氏名】松田 宏

【氏名】安尾 貴司

【氏名】豊吉 英文

【要約】 【課題】複数種類の弁を単一の弁装置として構成することにより、全体として必要な弁装置の数を少なくし、弁装置を含む装置ないし設備をコンパクト化するとともに操作性を良好なものとする。

【解決手段】弁装置を、()スプール弁体50を弁ハウジング46の筒形滑り面48に内接させ、スプール弁体50の軸方向移動により滑り面48で開口する流路56の開度を変化させる機能弁(流量調整弁)16と、()弁体36の軸方向移動によって流路の開閉を行う開閉弁10と、()機能弁16におけるスプール弁体50の軸方向の駆動及び開閉弁10における弁体36の軸方向の駆動とをともに行う、それら機能弁16及び開閉弁10に共通の駆動軸20とを有する構成とする。ここで機能弁16は、スプール弁体50の軸方向移動によって流路の切替えを行う切替弁や混合弁等として構成することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】()スプール弁体を弁ハウジングの筒形滑り面に内接させ、該スプール弁体の軸方向移動により該筒形滑り面で開口する流路の開度を変化させるスプール弁から成る機能弁と()弁体の軸方向移動によって流路の開閉を行う開閉弁と()該機能弁におけるスプール弁体の軸方向の駆動及び該開閉弁における弁体の軸方向の駆動とをともに行う、それら機能弁及び開閉弁に共通の駆動部とを有することを特徴とする弁装置。
【請求項2】 請求項1に記載の弁装置において、前記機能弁及び開閉弁がそれぞれ別の部位に設けられていることを特徴とする弁装置。
【請求項3】 請求項1,2の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁におけるスプール弁体と前記開閉弁における弁体とが一体的に構成され、それら各弁体が一体的に軸方向に移動するものとされていることを特徴とする弁装置。
【請求項4】 請求項3に記載の弁装置において、前記駆動部が軸状をなし且つ軸方向に移動することによって、前記機能弁のスプール弁体及び開閉弁の弁体を軸方向に駆動するものとされていることを特徴とする弁装置。
【請求項5】 請求項1,2の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁のスプール弁体と前記開閉弁の弁体とが別体とされており、軸状をなす前記駆動部の軸方向移動により前記スプール弁体が軸方向に駆動され、また該駆動部の回転により前記開閉弁の弁体が軸方向に駆動されるものとなされていることを特徴とする弁装置。
【請求項6】 請求項5に記載の弁装置において、前記駆動部は外周部にカム部を有していて該カム部に前記開閉弁の弁体が当接しており、該カム部の回転によって該弁体が軸方向に駆動されるものとなしてあることを特徴とする弁装置。
【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の弁装置において、前記開閉弁からの流路上に前記機能弁が配設されており、該開閉弁からの流体が該機能弁に供給されるものとなしてあることを特徴とする弁装置。
【請求項8】 請求項1〜7の何れかに記載の弁装置において、前記開閉弁が主開閉弁と該主開閉弁の開閉を制御するパイロット開閉弁とを有しており、該パイロット開閉弁の弁体が前記共通の駆動部にて軸方向に駆動されるものとなしてあることを特徴とする弁装置。
【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁が、前記筒形滑り面で開口する流入流路と流出流路とを有しており、前記スプール弁体の軸方向移動によって該流出流路からの流出流量を変化させる流量調整弁であることを特徴とする弁装置。
【請求項10】 請求項9に記載の弁装置において、前記流入流路と流出流路とは軸方向の異なる位置に設けてあることを特徴とする弁装置。
【請求項11】 請求項1〜8の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁が、前記筒形滑り面で開口する流入流路と、軸方向の異なる位置において該筒形滑り面で開口する第一及び第二流出流路とを有しており、前記スプール弁体の軸方向移動によって該第一及び第二流出流路の開度を変化させるものであることを特徴とする弁装置。
【請求項12】 請求項11に記載の弁装置において、前記機能弁が、前記流入流路から流入した流体の流出流路を前記第一流出流路から第二流出流路に若しくはその逆に切り替える切替弁であることを特徴とする弁装置。
【請求項13】 請求項12に記載の弁装置において、前記機能弁が、前記スプール弁体の軸方向移動により前記第一流出流路又は第二流出流路の開度を漸次変化させることにより、それら第一流出流路又は第二流出流路からの流出流量を調整する流量調整弁をも兼ねていることを特徴とする弁装置。
【請求項14】 請求項12,13の何れかに記載の弁装置において、該弁装置が人体局部洗浄装置における弁装置であって、前記開閉弁が温水の流路を開閉するものであり、前記機能弁が、前記流入流路より流入した温水の供給を肛門洗浄用のおしりノズルから女性局部洗浄用のビデノズルに若しくはその逆に切り替えるものであることを特徴とする弁装置。
【請求項15】 請求項11〜13の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁が、前記流入流路から流入した水を前記第一流出流路又は第二流出流路の一方を通じて電気温水器に導き、他方を通じて該電気温水器からの温水の供給先である吐水部に水を導くものであることを特徴とする弁装置。
【請求項16】 請求項1〜8の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁が、前記筒形滑り面で開口する流出流路と、軸方向の異なる位置において該筒形滑り面で開口する第一及び第二流入流路とを有しており、前記スプール弁体の軸方向移動によって、該第一及び第二流入流路の開度を変化させるものであることを特徴とする弁装置。
【請求項17】 請求項16に記載の弁装置において、前記機能弁が、前記スプール弁体の軸方向移動によって前記第一流入流路からの流入量を漸次多くするとともに前記第二流入流路からの流入量を漸次少なく若しくはその逆に変化させて、それら第一流入流路からの流入流体と第二流入流路からの流入流体とを混合し且つ混合比率を変化させる混合弁であることを特徴とする弁装置。
【請求項18】 請求項1〜17の何れかに記載の弁装置において、前記開閉弁として少なくとも第一開閉弁及び第二開閉弁を有しており、それらが同時に開閉するものとなしてあることを特徴とする弁装置。
【請求項19】 請求項17に記載の弁装置において、前記開閉弁として少なくとも第一開閉弁及び第二開閉弁を有しており、それらが同時に開閉するものとなしてあるとともに、該第一開閉弁からの水の第一流路上及び該第二開閉弁からの湯の第二流路上に前記混合弁が配設されており、該開閉弁の開弁によって水と湯とを該混合弁に供給した上で該混合弁にて水と湯とを混合し流出させるようになしてあることを特徴とする弁装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は便器に備えられて人体局部を洗浄する局部洗浄装置やその他の装置,設備に適用可能な弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、流体を扱う各種装置や設備において様々な弁装置がその構成要素として用いられている。例えば便器に備えられて人体局部を洗浄する局部洗浄装置にあっては、洗浄用の水の流路を開閉する開閉弁装置,流量調整を行う流量調整弁装置,流路の切替えを行う切替弁装置等が用いられている。
【0003】図13はその一例を示したものである。同図において200は局部洗浄装置で、202はそのケーシングである。この局部洗浄装置200においては、供給管204を通じて供給されて来た水が、ケーシング202内部に収容された温水タンク206内部に流入して内部の温水を押し出し、そして押し出された温水がおしりノズル208,ビデノズル210の何れか一方から人体局部に向けてシャワー噴射される。ここでおしりノズル208は肛門洗浄用のノズルであり、またビデノズル210は女性局部洗浄用のものである。
【0004】この局部洗浄装置200においては、水の流路上にメインバルブとしての開閉弁装置212,流量調整弁装置214,切替弁装置216が設けられており、その開閉弁装置212によって洗浄用の水の流路が開閉され、また流量調整弁装置214によって流路を流通する水の流量調整が行われ、以ってノズル208,210からの水の噴射量が調整されるようになっている。更に切替弁装置216によって温水の供給がおしりノズル208からビデノズル210に若しくはその逆に切り替えられるようになっている。
【0005】このように局部洗浄装置においては機能の異なる少なくとも3種の弁装置がその構成要素として組み込まれている。或いはまた便器自体を洗浄する便器洗浄装置においても、洗浄用の水の流路を開閉する開閉弁装置と、水の供給先を便器上端の周縁に沿って延びるリム水路から便器底部の溜水部に向けて水をジェット噴射するジェット孔に若しくはその逆に切り替える切替弁装置とを備えて効率良く洗浄するものがある。同様に流体を扱う他の種々装置,設備においても様々な機能の弁装置がその構成要素として組み込まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の局部洗浄装置200の例に見られるように、従来の装置,設備にあっては各弁装置がそれぞれ独立に設けられている。例えばこの局部洗浄装置200の場合、メインバルブとしての開閉弁装置212,流量調整弁装置214,切替弁装置216の3つの弁装置がそれぞれ独立に設置されており、各弁装置ごとに駆動部が設けられている。
【0007】このため弁装置の数が多くなって部品点数,部品コストが高くなるとともに組付工数も多くなり、更に装置そのものが多数の弁装置によって複雑化し且つ大型化してしまうといった問題を生ずる。更に各弁装置の操作についても、各弁装置ごとにそれぞれ離れた場所で別々に各駆動部の操作を行わなければならず、その操作も面倒であるといった問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の弁装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。而して請求項1のものは、()スプール弁体を弁ハウジングの筒形滑り面に内接させ、該スプール弁体の軸方向移動により該筒形滑り面で開口する流路の開度を変化させるスプール弁から成る機能弁と、()弁体の軸方向移動によって流路の開閉を行う開閉弁と、()該機能弁におけるスプール弁体の軸方向の駆動及び該開閉弁における弁体の軸方向の駆動とをともに行う、それら機能弁及び開閉弁に共通の駆動部とを有することを特徴とする。
【0009】請求項2のものは、請求項1に記載の弁装置において、前記機能弁及び開閉弁がそれぞれ別の部位に設けられていることを特徴とする。
【0010】請求項3のものは、請求項1,2の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁におけるスプール弁体と前記開閉弁における弁体とが一体的に構成され、それら各弁体が一体的に軸方向に移動するものとされていることを特徴とする。
【0011】請求項4のものは、請求項3に記載の弁装置において、前記駆動部が軸状をなし且つ軸方向に移動することによって、前記機能弁のスプール弁体及び開閉弁の弁体を軸方向に駆動するものとされていることを特徴とする。
【0012】請求項5のものは、請求項1,2の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁のスプール弁体と前記開閉弁の弁体とが別体とされており、軸状をなす前記駆動部の軸方向移動により前記スプール弁体が軸方向に駆動され、また該駆動部の回転により前記開閉弁の弁体が軸方向に駆動されるものとなされていることを特徴とする。
【0013】請求項6のものは、請求項5に記載の弁装置において、前記駆動部は外周部にカム部を有していて該カム部に前記開閉弁の弁体が当接しており、該カム部の回転によって該弁体が軸方向に駆動されるものとなしてあることを特徴とする。
【0014】請求項7のものは、請求項1〜6の何れかに記載の弁装置において、前記開閉弁からの流路上に前記機能弁が配設されており、該開閉弁からの流体が該機能弁に供給されるものとなしてあることを特徴とする。
【0015】請求項8のものは、請求項1〜7の何れかに記載の弁装置において、前記開閉弁が主開閉弁と該主開閉弁の開閉を制御するパイロット開閉弁とを有しており、該パイロット開閉弁の弁体が前記共通の駆動部にて軸方向に駆動されるものとなしてあることを特徴とする。
【0016】請求項9のものは、請求項1〜8の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁が、前記筒形滑り面で開口する流入流路と流出流路とを有しており、前記スプール弁体の軸方向移動によって該流出流路からの流出流量を変化させる流量調整弁であることを特徴とする。
【0017】請求項10のものは、請求項9に記載の弁装置において、前記流入流路と流出流路とは軸方向の異なる位置に設けてあることを特徴とする。
【0018】請求項11のものは、請求項1〜8の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁が、前記筒形滑り面で開口する流入流路と、軸方向の異なる位置において該筒形滑り面で開口する第一及び第二流出流路とを有しており、前記スプール弁体の軸方向移動によって該第一及び第二流出流路の開度を変化させるものであることを特徴とする。
【0019】請求項12のものは、請求項11に記載の弁装置において、前記機能弁が、前記流入流路から流入した流体の流出流路を前記第一流出流路から第二流出流路に若しくはその逆に切り替える切替弁であることを特徴とする。
【0020】請求項13のものは、請求項12に記載の弁装置において、前記機能弁が、前記スプール弁体の軸方向移動により前記第一流出流路又は第二流出流路の開度を漸次変化させることにより、それら第一流出流路又は第二流出流路からの流出流量を調整する流量調整弁をも兼ねていることを特徴とする。
【0021】請求項14のものは、請求項12,13の何れかに記載の弁装置において、該弁装置が人体局部洗浄装置における弁装置であって、前記開閉弁が温水の流路を開閉するものであり、前記機能弁が、前記流入流路より流入した温水の供給を肛門洗浄用のおしりノズルから女性局部洗浄用のビデノズルに若しくはその逆に切り替えるものであることを特徴とする。
【0022】請求項15のものは、請求項11〜13の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁が、前記流入流路から流入した水を前記第一流出流路又は第二流出流路の一方を通じて電気温水器に導き、他方を通じて該電気温水器からの温水の供給先である吐水部に水を導くものであることを特徴とする。
【0023】請求項16のものは、請求項1〜8の何れかに記載の弁装置において、前記機能弁が、前記筒形滑り面で開口する流出流路と、軸方向の異なる位置において該筒形滑り面で開口する第一及び第二流入流路とを有しており、前記スプール弁体の軸方向移動によって、該第一及び第二流入流路の開度を変化させるものであることを特徴とする。
【0024】請求項17のものは、請求項16に記載の弁装置において、前記機能弁が、前記スプール弁体の軸方向移動によって前記第一流入流路からの流入量を漸次多くするとともに前記第二流入流路からの流入量を漸次少なく若しくはその逆に変化させて、それら第一流入流路からの流入流体と第二流入流路からの流入流体とを混合し且つ混合比率を変化させる混合弁であることを特徴とする。
【0025】請求項18のものは、請求項1〜17の何れかに記載の弁装置において、前記開閉弁として少なくとも第一開閉弁及び第二開閉弁を有しており、それらが同時に開閉するものとなしてあることを特徴とする。
【0026】請求項19のものは、請求項17に記載の弁装置において、前記開閉弁として少なくとも第一開閉弁及び第二開閉弁を有しており、それらが同時に開閉するものとなしてあるとともに、該第一開閉弁からの水の第一流路上及び該第二開閉弁からの湯の第二流路上に前記混合弁が配設されており、該開閉弁の開弁によって水と湯とを該混合弁に供給した上で該混合弁にて水と湯とを混合し流出させるようになしてあることを特徴とする。
【0027】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1の弁装置は、スプール弁体の軸方向移動によって流路の開度を変化させるスプール弁から成る機能弁と、弁体の軸方向移動により流路の開閉を行う開閉弁とを、それらに共通の駆動部によって駆動するようになしたもので、この弁装置の場合、少なくとも2種類の弁を単一の弁装置として構成することができ、従って必要な部品点数を少なくし得て部品コストを低減することができるとともに、1箇所の操作部で共通の駆動部を操作するだけで少なくとも2種類の弁を働かせることができ、操作性も良好となる。
【0028】また複数種類の弁を単一の弁装置として構成できることから全体の弁装置をコンパクト化でき、ひいてはかかる弁装置を構成要素として含む装置ないし設備をコンパクト化することができる。
【0029】ここで上記スプール弁から成る機能弁及び開閉弁はそれぞれ別の部位に設けておくことができる(請求項2)。更にその機能弁におけるスプール弁体と開閉弁における弁体とを一体的に構成し、それら各弁体を一体的に軸方向に移動させるようになすことができる(請求項3)。このようにすれば、共通の駆動部によって容易に機能弁のスプール弁体と開閉弁の弁体とを移動させ、各弁を動作させることができる。
【0030】上記駆動部は、これを軸状となして軸方向移動により上記機能弁のスプール弁体及び開閉弁の弁体を軸方向に駆動するようになすことができる(請求項4)。このようにすれば駆動部,機能弁及び開閉弁を含む弁装置を簡単な構造で構成することができる。
【0031】本発明においてはまた、機能弁のスプール弁体と開閉弁の弁体とを別体となし、そして軸状をなす駆動部の軸方向移動によりスプール弁体を軸方向に駆動し、また駆動部の回転により開閉弁の弁体を軸方向に駆動するようになすことができる(請求項5)。このようにすることによっても、共通の駆動部にてそれら機能弁と開閉弁とをともに動作させることができる。
【0032】この場合において上記駆動部には外周部にカム部を設けておいてそこに開閉弁の弁体を当接させ、カム部の回転によりその弁体を軸方向に駆動するようになすことができる(請求項6)。このようにすれば、駆動部の回転により良好に開閉弁を開閉動作させることができる。
【0033】請求項7の弁装置は、開閉弁からの流路上に機能弁を配設したもので、このようにすれば、開閉弁の開弁により機能弁に液体,気体等の流体を供給するとともに、その機能弁において所定の弁機能を発揮させることができる。
【0034】本発明においては、上記駆動部にて直接流路の開閉を行う主開閉弁を駆動するようになすこともできるが、その主開閉弁の開閉を制御するパイロット開閉弁の弁体を駆動部にて駆動するようになすことができる(請求項8)。このようにすれば僅かな力及びストロークで主開閉弁の開閉動作、即ち流路の開閉動作を行わせることができる。
【0035】本発明においては、上記機能弁を、筒形滑り面で開口する流入流路と流出流路とを有し、スプール弁体の軸方向移動により流出流路からの流出流量を変化させる流量調整弁となすことができる(請求項9)。この場合において、流入流路と流出流路とは軸方向の異なる位置に設けておくことができる(請求項10)。このようにすれば、スプール弁体における流入流路と流出流路とを連通させる連通路を簡単な構造で形成することができる。
【0036】請求項11の弁装置は、上記機能弁を、流入流路と軸方向の異なる位置に設けた第一及び第二流出流路とを有し、スプール弁体の軸方向移動によりそれら第一及び第二流出流路の開度を変化させるものとなしたもので、このようにすれば機能弁を種々の弁として働かせることができる。
【0037】例えば、流入流路からの流体を第一流出流路と第二流出流路とに分配し或いはまたその分配比率を変化させる分配弁として働かせることもできるし、または流入流路から流入した流体の流出流路を第一流出流路から第二流出流路に若しくはその逆に切り替える切替弁として(請求項12)、更にその際に第一流出流路,第二流出流路からの流出流量の調整を行う流量調整弁としての機能を併せ持った切替弁として(請求項13)働かせることができる。
【0038】而してこのように機能弁を切替弁として、或いは流量調整弁としての機能を併せ持った切替弁として用いる場合において、かかる弁装置を人体局部洗浄装置の弁装置として用い、そして開閉弁を温水の流路を開閉する弁として、また機能弁を、流入流路から流入した温水を肛門洗浄用のおしりノズルから女性局部洗浄用のビデノズルに若しくはその逆に切り替える切替弁となすことができる(請求項14)。このようにすれば、従来局部洗浄装置において必要であった3つの弁装置、即ちメインバルブとしての開閉弁装置,流量調整弁装置及び洗浄用の水の供給をおしりノズルからビデノズルに若しくはその逆に切り替える切替弁装置を1つの弁装置として構成でき、従って必要な弁装置を少なくすることができるとともに、その操作も共通の操作部において操作するだけで各弁を適正に働かせることが可能となる。
【0039】即ち単一の操作部の操作により共通の駆動部を操作し、これにより機能弁におけるスプール弁体の軸方向移動及び開閉弁における弁体の軸方向移動によって、3種類の弁機能を発揮させることができる。またこのようにすることによって局部洗浄装置自体をコンパクト化することができ、加えて操作性も良好となる。
【0040】本発明においては、上記機能弁を、流入流路からの流入水を第一流出流路又は第二流出流路の一方を通じて電気温水器に導き、他方を通じて電気温水器からの湯の供給先である吐水部に水を導くものとなすことができる(請求項15)。
【0041】請求項16の弁装置は、上記機能弁を、軸方向の異なる位置に第一及び第二流入流路を有し、スプール弁体の軸方向移動により第一,第二流入流路の開度を変化させるようになしたものである。このようにした場合においても機能弁を種々の弁として働かせることができる。
【0042】例えば、弁内部への流体の流入を第一流入流路から第二流入流路に若しくはその逆に切り替える切替弁として、或いはまた第一流入流路からの流入量を漸次多くするとともに第二流入流路からの流入量を漸次少なく若しくはその逆に変化させ、流入流体を混合し且つ混合比率を変化させる、上記流路の切替えを伴った若しくは切替えを伴わない混合弁として働かせることができる(請求項17)。
【0043】本発明においては、上記開閉弁として少なくとも第一開閉弁及び第二開閉弁の2つの開閉弁を備え、それらを同時に開閉させるようになすことができる(請求項18)。更にこの場合において、第一開閉弁からの水の第一流路上及び第二開閉弁からの湯の第二流路上に上記混合弁を配設しておき、両開閉弁の開弁により水と湯とを機能弁としての混合弁に供給し、そこで水と湯とを混合して流出させるようになすことができる(請求項19)。このようにした場合単一の弁装置にて、水と湯のそれぞれの流路を開閉する2つの開閉弁としての機能と、それら開閉弁の開弁により供給された水と湯とを混合する混合弁としての機能を持たせることができる。
【0044】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。図1ないし図3は弁装置の一例として、開閉弁と機能弁としての流量調整弁とを有するものを示している。同図中10は開閉弁で、主開閉弁11とパイロット開閉弁12とを有しており、それらが共通の弁ハウジング14に組み込まれている。
【0045】16は機能弁としての流量調整弁で、18は共通の操作部としてのハンドルである。このハンドル18には、同じく共通の駆動部となる駆動軸20がねじ締結具22によりハンドル18に一体回転状態に結合されている。
【0046】上記弁ハウジング14は内部に流体としての水の流路24を有しており、その流路24上に主開閉弁11が設けられている。この主開閉弁11は、ダイヤフラム弁から成る主弁体26と弁座28とを有しており、その弁座28への主弁体26の着座によって流路24を閉鎖し、また主弁体26の弁座28からの浮上りによって流路24を開放する。
【0047】主弁体26の背面側(図中上面側)には背圧室30が形成されており、主弁体26は通常はその背圧室30の圧力によって図中下向きに押圧され、弁座28に着座した状態となっている。即ち流路24が閉鎖された状態となっている。尚背圧室30は、流路24の主開閉弁11の上流部に対し小孔から成る連通孔32にて連通状態とされている。
【0048】この背圧室30と流路24の主開閉弁11の下流部とはパイロット水路34にて連絡されている。そしてこのパイロット水路34上に上記パイロット開閉弁12が設けられている。このパイロット開閉弁12は、弁体36と弁座38とを有しており、その弁座38への弁体36の着座によってパイロット水路34を閉鎖し、また弁体36の弁座38からの浮上りによってパイロット水路34を開放する。
【0049】而して弁体36の浮上りによってパイロット水路34を開放すると、背圧室30内部の水が流路24の主開閉弁11の下流部へと流れ出て背圧室30の圧力が下り、これにより主弁体26が開弁して、弁ハウジング14の流入口40から流入した水が流出口42から流出する。
【0050】開閉弁10からの水の外部流路44上には、上記流量調整弁16が配設されている。この流量調整弁16は、弁ハウジング46内部に円筒形滑り面48を有しており、その滑り面48に軸状をなすスプール弁体50が軸方向に摺動可能に内接されている。詳しくはスプール弁体50の大径の弁部52が、滑り面48に摺動可能に内接されている。
【0051】このスプール弁体50は、その端部(図中下端部)が弁ハウジング46から外部に突き出しており、その突き出した端部に上記パイロット開閉弁12における弁体36が一体に設けられている。即ちこの例ではスプール弁体50とパイロット開閉弁12における弁体36とが一体的に構成され、それらが上記共通の駆動軸20の軸方向移動によって、それぞれ軸方向に駆動されるようになっている。
【0052】この流量調整弁16の弁ハウジング46には、流入流路54と流出流路56とが軸方向の異なる位置に形成されており、それぞれが上記円筒形の滑り面48内に且つ軸方向の異なる位置で開口している。
【0053】流入流路54には上記外部流路44が接続されており、開閉弁10から流出した水が外部流路44を通じて流入流路54へと流入した上、流出流路56から外部へと流出するようになっている。そしてスプール弁体50は軸方向移動によって流出流路56の開度を変化させ、これによって流出流路56からの水の流出流量を調整する。
【0054】このスプール弁体50の図中上端部は、上記駆動軸20に一体回転状態にねじ結合されている。尚スプール弁体50と駆動軸20とは、それらが軸方向に一体移動する状態で結合されていれば良く、必ずしも一体回転状態である必要はない。
【0055】駆動軸20は図中下端部に大径部58を有しており、その大径部58の外周面の雄ねじ60が、弁ハウジング46に設けられた雌ねじ孔62に螺合されている。これにより、ハンドル18の回転操作によって駆動軸20がそれらねじの作用によって軸方向に進退移動させられ、そしてこれに伴って上記スプール弁体50及びパイロット開閉弁12の弁体36が一体に軸方向に駆動される。
【0056】尚ここでは駆動軸20が軸方向に移動するものとなしてあるが、駆動軸20を弁ハウジング46に対し回転可能且つ軸方向に位置固定となしておく一方、スプール弁体50を弁ハウジング46に対して回転不能となしておき、そのスプール弁体50と駆動軸20とのねじ結合に基づいて、駆動軸20の回転によりスプール弁体50を軸方向に移動させるようになすといったことも可能である。この点は以下の実施例においても同様である。
【0057】この例の弁装置では、図1に示す状態からハンドル18を図中左向きに回転操作すると、図2に示しているように駆動軸20が雄ねじ60と雌ねじ孔62とのねじ作用により軸方向且つ図中上方に移動させられ、これとともにスプール弁体50が図中上向きに引き上げられる。これによりパイロット開閉弁12における弁体36が引き上げられ、ここにおいてパイロット開閉弁12が開弁状態となる。
【0058】すると主開閉弁11における主弁体26の背圧室30の圧力が抜かれて主弁体26に対する図中下向きの押圧力が低下ないし消失し、ここにおいて主弁体11が流路24の圧力により開弁させられる。ここにおいて流入口40から流路24内部に流入した水が流出口42から流出し、そして外部流路44を通じて流量調整弁16の流入流路54へと流入する。
【0059】さて図2に示しているように、スプール弁体50及びパイロット開閉弁12の弁体36を僅かに上向きに引き上げた状態の下では、流量調整弁16における流出流路56は完全閉鎖状態から僅かにその一部が開放された状態にあり、従ってこの状態の下では流出流路56からの水の流出流量は僅かである。
【0060】そこで図3に示しているように、更にハンドル18を左向きに回転操作してスプール弁体50を上向きに更に引き続いて大きく上昇させると、これに伴って流出流路56の開度が大きくなり、これに伴って流出流路56からの水の流出流量が漸次多くなる。即ちスプール弁体50の軸方向且つ上向きの移動により、流量調整弁16から流出する水の流量が漸次多くなる。
【0061】またその逆の操作を行うと流出流量は漸次少なくなり、そして最終的にパイロット開閉弁12が閉鎖された状態となって、ここにおいて流出流路56からの水の流出が停止する。即ちパイロット開閉弁12が閉弁することによって背圧室30内部の圧力が高まり、これによって主開閉弁11が閉鎖状態となって流出口42からの水の流出が停止する。
【0062】尚この例において、駆動軸20とスプール弁体50とは別体とされているが、それらを一体に構成しても良い。或いはまた、上記のようにスプール弁体50に直接パイロット開閉弁12の弁体36を設けるのではなく、それぞれを別体に構成した上で互いを連結部材にて軸方向に連結して一体化しても良い。この点は以下の実施例においても同様である。
【0063】このように本例の弁装置では共通の駆動軸20によって流量調整弁16と開閉弁10とをともに駆動するようになし、2種類の弁(開閉弁10,流量調整弁16)を単一の弁装置として構成していることから、必要な部品点数を少なくし得て部品コストを低減することができるとともに、1箇所のハンドル18で共通の駆動軸20を操作するだけで2種類の弁を働かせることができ、操作性も良好である。また2種類の弁を単一の弁装置として構成したことから全体の弁装置をコンパクト化でき、ひいてはかかる弁装置を構成要素として含む装置ないし設備をコンパクト化することができる。
【0064】本例では、開閉弁10からの流路上に流量調整弁16を配設しており、これにより開閉弁10の開弁により流量調整弁16に水を供給した上、その流量調整弁16において流量調整を行わせることができる。
【0065】また本例では主開閉弁11の開閉を制御するパイロット開閉弁12の弁体36を駆動軸20にて駆動するようになしていることから、僅かな力及びストロークで主開閉弁11の開閉動作、即ち流路24の開閉動作を行わせることができる。
【0066】図4〜図7は開閉弁及び機能弁としての切替弁、詳しくは流量調整弁としての機能を併せ有する切替弁を備えた弁装置の例を示している。この例の弁装置は、便器に備えられ人体局部を洗浄する局部洗浄装置の弁装置として構成された例である。
【0067】先ず図4に示しているようにこの弁装置は、開閉弁10と機能弁としての切替弁64とを有しており、それらの各弁体が共通のハンドル18及び駆動軸20により軸方向に駆動されるようになっている。尚、この例では開閉弁10と切替弁64とが共通の弁ハウジング66に組み込まれている。
【0068】弁ハウジング66、詳しくは弁ハウジング66の切替弁64側の部分には、上記と同様の円筒形の滑り面48が内部に形成されていて、そこに上記と同様のスプール弁体50が軸方向に摺動可能に内接されている。但しこの例ではスプール弁体50に大径の2つの弁部68,70が軸方向に離隔して設けられており、それらが滑り面48に内接させられている。
【0069】スプール弁体50は、その一端部(図中上端部)が切替弁64及び開閉弁10におけるパイロット開閉弁12共通の駆動軸20に対し、上記と同様にして軸方向に一体移動する状態で且つ一体回転状態にねじ結合されており、かかる駆動軸20と一体に軸方向に進退移動するようになっている。
【0070】切替弁64には、弁ハウジング66内部に第一流出流路72と第二流出流路74とがスプール弁体50における軸方向の異なった位置に形成されている。ここで第一流出流路72は外部流路を通じて局部洗浄装置におけるおしりノズル、即ち肛門に温水を噴射するおしりノズルと連絡されており、また第二流出流路74は外部流路を通じてビデノズル、即ち女性局部に温水を噴射するビデノズルに連絡されている。
【0071】上記パイロット開閉弁12の弁体76は、切替弁64におけるスプール弁体50とは直角向き、即ち駆動軸20の軸心と直角向きに設けられており、その先端が駆動軸20の外周部且つ軸方向中間部に形成された大径のカム部78の外周面に当接させられている。カム部78は半径方向外方に突出する突出部80を有しており、他の部分が円周面とされている。尚突出部80の周面もまた円弧面となしておくことができる。
【0072】次に本例の弁装置の作用を説明する。図4はパイロット開閉弁12及び主開閉弁11が閉鎖し且つ切替弁64におけるスプール弁体50が、第一流出流路72及び第二流出流路74の何れも閉鎖した状態を示している。
【0073】さてこの状態で図5に示しているようにハンドル18を図中左向きに回転操作すると、先ず当初駆動軸20におけるカム部78の突出部80に乗り上がった状態のパイロット開閉弁12の弁体76が、その突出部80から外れてばねにより図中右向きに突き出される。即ち弁体76が弁座38から浮き上った状態となる。
【0074】この時点においてパイロット開閉弁12が開放され、流入口40から流入した温水が主開閉弁11を通過して、弁ハウジング66に形成された流入流路54を通じ切替弁64の内部へと流入する。尚本例において、流入流路54は開閉弁10における流路24に連続して弁ハウジング66内部に形成されている。
【0075】さて上記のようにしてハンドル18を図中左向きに回転操作すると、このとき切替弁64におけるスプール弁体50が僅かに軸方向且つ図中上方に引き上げられ、ここにおいて第一流出流路72が僅かに開かれた状態となる。
【0076】そして更に引き続いてハンドル18を図中左向きに大きく回転操作すると、第一流出流路72の開度が漸次大きくなり、第一流出流路72からおしりノズルに供給される温水の流量が漸次増大する。図6(II)及び(III)はこのときの状態を示している。尚このとき、第二流出流路74は閉鎖された状態に保たれている。
【0077】一方これとは逆にハンドル18を図4の状態から図中右向きに回転操作すると、パイロット開閉弁12が開弁、そしてこれに伴い主開閉弁11が開弁するとともに、今度はスプール弁体50が駆動軸20とともに図中下向きに移動し、第一流出流路72を閉鎖状態に保ちつつ第二流出流路74を開き、或いはスプール弁体50の引続く下向きの移動によってその開度を漸次大きく変化させる。これによって今度は温水の供給がビデノズルの側に切り替えられ、且つスプール弁体50の移動とともにその供給量が漸次大きく変化する。
【0078】以上のように本例の弁装置は、開閉弁としての機能と洗浄用の温水をおしりノズルからビデノズルに若しくはその逆に切り替える切替弁としての機能、更におしりノズル又はビデノズルへの温水の供給流量を変化させる流量調整弁としての機能を併せ有している。
【0079】本例の弁装置においても、共通の駆動軸20によって切替弁64及び開閉弁10をともに動作させることができる。
【0080】尚、この例では駆動軸20の軸方向移動によって切替弁64のスプール弁体50を軸方向に駆動し、また駆動軸20の回転によってパイロット開閉弁12の弁体76を軸方向に駆動するようになしているが、第一の実施例(図1〜図3の実施例)と同様に駆動軸20の軸方向移動によって切替弁64のスプール弁体50とパイロット開閉弁12の弁体76とをともに軸方向に駆動するようになすことも可能である。
【0081】本例の弁装置によれば、従来局部洗浄装置において必要であった3つの弁装置、即ちメインバルブとしての開閉弁装置,流量調整弁装置及び温水の供給をおしりノズルからビデノズルに若しくはその逆に切り替える切替弁装置を1つの弁装置として構成でき、従って必要な弁装置を少なくすることができるとともに、その操作についても共通のハンドル18を操作するだけで各弁(開閉弁10,流量調整弁としての機能を有する切替弁64)を適正に働かせることができる。またこのようにすることによって局部洗浄装置全体をコンパクト化することができる。
【0082】次に図8及び図9は開閉弁と機能弁としての分配弁、詳しくは流量調整弁としての機能を併せ持った分配弁とを有する弁装置の例を示している。図8において10は開閉弁,82は機能弁としての分配弁である。この開閉弁10は、基本的に図1の開閉弁10と同様の構成であり、また分配弁82は図4の切替弁64と類似の構成,機能を有している。但しこの例では、図1の実施例と同様にパイロット開閉弁12における弁体36が、分配弁82におけるスプール弁体50の軸端部に一体に構成されている。
【0083】また分配弁82は、図4のスプール弁体50と同様に軸方向に離隔して設けられた大径の2つの弁部68,70を有しており、更に分配弁82の弁ハウジング92には、第一流出流路72と第二流出流路74とが軸方向の異なった位置に形成されている点で図4の実施例における切替弁64と類似の構成であるが、この例では第一流出流路72が外部流路84を通じて電気温水器86に接続され、また第二流出流路74が外部流路88を通じて、電気温水器86からの湯の供給先である吐水部90に連絡されている。
【0084】またスプール弁体50は、第一流出流路72,第二流出流路74からの流出水の水量を調節する機能を有するとともに、それら第一流出流路72及び第二流出流路74をともに部分的に開放し、それら第一流出流路72及び第二流出流路74の両方から水を流出させ得るようにされている。
【0085】本例の弁装置の場合、図8に示す状態においてハンドル18を図中左向きに回転操作すると、図9に示しているようにパイロット開閉弁12が開かれ、続いて主開閉弁11が開かれる。ここにおいて開閉弁10からの水が分配弁82の流入通路54へと導かれる。
【0086】分配弁82に導かれた水は、続いて第二流出流路74から吐水部90へと導かれ、また第一流出流路72を通じて電気温水器86へと導かれ、そして電気温水器86内の湯を電気温水器86から流出させて吐水部90へと送り出す。
【0087】この例において、分配弁82はスプール弁体50の軸方向移動によって第一流出流路72からの流出流量を多く、第二流出流路74からの流出流量を少なく若しくはその逆に変化させ、吐水部90からの混合水温度を調節する。
【0088】尚本例において、スプール弁体50の軸方向所定位置において第一流出流路72又は第二流出流路74の何れか一方を択一的に閉鎖し、切替弁としての機能を持たせることもできる。このように本例の弁装置の場合においても、開閉弁としての機能と分配弁としての機能及び流量調整弁としての機能の3つの機能を単一の弁装置が備えている。
【0089】図10〜図12は開閉弁と機能弁としての混合弁とを有する弁装置の例を示している。図10において、94はその機能弁としての混合弁で、弁ハウジング96内部に円筒形の滑り面48を有しており、そこにスプール弁体50が軸方向に摺動可能に内接している。この例において、スプール弁体50は大径の2つの弁部68,70を軸方向の離隔した位置に有しており、それら弁部68,70が滑り面48に摺動可能に内接している。
【0090】弁ハウジング96には、第一流入流路98と第二流入流路100とが軸方向の異なった位置に形成されており、それら第一流入流路98,第二流入流路100を通じて内部に水と湯とを流入させるようになっている。弁ハウジング96にはまた、流出流路56が形成されており、その流出流路56から水,湯或いはそれらの混合水が流出するようになっている。上記スプール弁体50は、第一流入流路98の開度を漸次小さくまた第二流入流路100の開度を漸次大きく若しくはその逆に変化させる。
【0091】本例の弁装置は、図中左右一対の開閉弁(第一開閉弁,第二開閉弁)10を備えており、それぞれの開閉弁10におけるパイロット開閉弁12の各弁体36がスプール弁体50の軸端部に一体に構成され、それら一対の弁体36がスプール弁体50と一体に軸方向に移動するようになっている。
【0092】これら一対の開閉弁10のうちの一方の流路24には水が流入させられ、また他方の開閉弁10の流路24には湯が流入させられて、それぞれが一対の主弁体26それぞれの開弁により第一流路102,第二流路104を通じて上記混合弁94の第一流入流路98,第二流入流路100へと導かれる。
【0093】この例の弁装置の場合、図10の状態からハンドル18を図中左向きに回転操作すると、図11に示しているように先ず一対のパイロット開閉弁12が開かれ、これによって一対の主開閉弁11がそれぞれ開かれる。これにより水と湯とが混合弁94の第一流入流路98と第二流入流路100とに導かれる。
【0094】而してハンドル18を図中左向きに僅かに回転操作した状態では、第二流入流路100がほぼ閉鎖、第一流入流路98がほぼ全開状態にあり、従って第一流入流路98に導かれた水だけが流出流路56を通じて外部に流出する。
【0095】続いて図12(II)に示しているようにハンドル18を更に図中左向きに回転操作すると、スプール弁体50が軸方向且つ図中上向きに移動し、水側の第一流入流路98の開度を狭めるとともに湯側の第二流入流路100の開度を広く変化させる。これにより水と湯とが混合された上、その混合水が流出流路56から外部に流出する。
【0096】引き続いて図12(III)に示しているようにハンドル18を更に図中左向きに大きく回転操作すると、今度は水側の第一流入流路98が閉鎖され、同時に湯側の第二流入流路100が全開状態となる。ここにおいて湯のみが流出流路56から外部に流出する。
【0097】このように本例によれば、単一の弁装置に、水と湯のそれぞれの流路24を開閉する2つの開閉弁10としての機能と、それら開閉弁10の開弁により供給された水と湯とを混合する混合弁94としての機能を持たせることができる。
【0098】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。例えば本発明においてはスプール弁体を筒形状となして所定位置に開口を形成するととともに内部に流体の通路を形成するようになすこともできるし、また上例ではハンドル18を手動操作することによって開閉弁及び各種機能弁を動作させるようにしているが、場合によって共通の駆動軸20をモータ等により電動で軸方向に駆動し、開閉弁における弁体及び機能弁におけるスプール弁体をそれぞれ軸方向に駆動するようになすこともできる。或いはまた、上記駆動軸20とは異なる形態の駆動部を手動により又は電動により駆動し、開閉弁における弁体及び機能弁におけるスプール弁体を共通に軸方向に移動させるようになすといったことも可能である。
【0099】更には、開閉弁における弁体及び機能弁におけるスプール弁体を単一且つ共通のソレノイドコイルによって電磁的に共通に駆動するようになすこともできるし、また上例では何れもパイロット開閉弁の弁体を駆動することによって流路の開閉をなす開閉弁を動作させるようにしているが、場合によってそのようなパイロット開閉弁を介することなく、直接主開閉弁における弁体を軸方向に駆動して流路の開閉をなすようにすることも可能である。
【0100】また上記実施例においては2つの開閉弁を同時に開閉する例を挙げたが、場合によって3つそれ以上の開閉弁の各弁体を同時に駆動するようになすといったことも可能であるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【出願人】 【識別番号】000000479
【氏名又は名称】株式会社イナックス
【出願日】 平成11年8月30日(1999.8.30)
【代理人】 【識別番号】100089440
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 和夫
【公開番号】 特開2001−65717(P2001−65717A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−244117