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【発明の名称】 高温高圧流体の流量制御弁及びその弁軸の固着防止方法
【発明者】 【氏名】北川 充宏

【氏名】斉藤 典生

【氏名】佐藤 公彦

【要約】 【課題】弁のケーシングを必要とせずに直接配管に取り付けられる流量制御弁とし、十分なシール性の確保及び弁軸の固着防止を図る。

【解決手段】片持ち式に支持され、弁板11と弁軸12をセラミックスで一体に形成された弁体1と、弁軸12が回転自在に挿通され、送風支管100に設けられた開口部102に挿着される耐火物からなるプラグ部材2と、開口部の取付座103に取り付けられる金属製の取付部材23と、弁体の駆動機構3とを備え、開口部に対し着脱可能なカートリッジ式の流量制御弁とし、さらにプラグ部材の外周に巻き付けられる耐熱性ファイバーからなる第1のシール部材4と、取付部材に装着されるOリングからなる第2のシール部材5と、軸受部材27におけるグランドパッキンからなる第3のシール部材6とを有する構成とし、また、弁軸とプラグ部材の軸孔24との間隙に加熱された不活性気体または空気を供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 片持ち式に支持された弁体を流路内に回転可能に設けてなる流量調整弁において、弁板及び弁軸がセラミックスにより一体に形成された弁体と、前記弁軸が回転自在に挿通され、配管の流路壁に設けられた開口部に挿着される耐火物からなるプラグ部材と、前記プラグ部材が固着され、前記開口部の取付座に取り付けられる金属製の取付部材と、前記取付部材の前記プラグ部材と反対側の面に取り付けられる弁駆動手段とを備え、この弁装置を前記配管の開口部に対し着脱可能なカートリッジ式に構成してなることを特徴とする高温高圧流体の流量制御弁。
【請求項2】 前記プラグ部材の外周面に装着される第1のシール部材と、前記取付部材と前記取付座の間に介装される第2のシール部材と、前記取付部材の前記弁軸の軸受部材に装着される第3のシール部材とを備えたことを特徴とする請求項1記載の高温高圧流体の流量制御弁。
【請求項3】 前記プラグ部材が、軸方向前部を高強度耐火物、軸方向後部を断熱性耐火物とする2層構造からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の記載の高温高圧流体の流量制御弁。
【請求項4】 前記プラグ部材は、前記弁軸の前部に前記高強度耐火物を配置し、該高強度耐火物と前記取付部材との間に前記断熱性耐火物を流し込むことにより形成することを特徴とする請求項3記載の高温高圧流体の流量制御弁。
【請求項5】 前記プラグ部材が先細り状の円錐台形状に形成してあることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一に記載の高温高圧流体の流量制御弁。
【請求項6】 前記プラグ部材は、その先端面が前記流路壁の内周面にほぼ一致するように前記開口部に挿着されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一に記載の高温高圧流体の流量制御弁。
【請求項7】 第1のシール部材が耐熱性ファイバーからなることを特徴とする請求項2記載の高温高圧流体の流量制御弁。
【請求項8】 前記弁駆動手段と前記弁軸とは継手手段によって連結されていることを特徴とする請求項1記載の高温高圧流体の流量制御弁。
【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれか一に記載の高温高圧流体の流量制御弁において、前記弁軸と前記プラグ部材の軸孔との間隙に、加熱された気体を供給することを特徴とする高温高圧流体の流量制御弁の弁軸の固着防止方法。
【請求項10】 前記取付部材の内部に、前記第3のシール部材によってシールされ、前記弁軸と前記プラグ部材の軸孔との間隙に連通する空間部を設け、前記空間部に、加熱された気体の供給手段を接続したことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一に記載の高温高圧流体の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温高圧流体の配管との着脱が容易なカートリッジ式の流量制御弁及びその弁軸の固着防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄用高炉の羽口からは、例えば温度1300℃、圧力340kPaの高温高圧の圧縮空気(以下、熱風という)が例えば200m/秒という高い流速で吹き込まれている。高炉の外周にはこのような羽口が30〜50個も設けられており、高炉の操業状態に応じて、羽口から吹き込まれる熱風の送風量を変えることが必要である。このため特公平3−20628号、特公平3−45264号、実公平1−17729号、実公昭63−46771号に示すように弁板と弁軸が一体となったセラミックス製の弁体を有する流量制御弁(バタフライ弁)が提案され、高炉操業において多くの効果が得られている。
【0003】また、実公昭63−46771号公報においても弁板と弁軸が一体となったセラミックス製の弁体が開示されているが、同公報ではさらに、流体流路を設けた短い接続管にて構成されたケーシングに流量制御弁を片持ち式に着脱可能とした構成が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各公報に示す流量制御弁は、熱風を供給するために特別に構成されたケーシングの流路内に弁体を設けるものであるから、該ケーシングを強度や断熱性を考慮した耐火物で構成する必要があり、流量制御弁自体の製作費が高価になることに加えて、その流量制御弁を設置するにあたっても配管(例えば、送風支管)全体の再設計と再製作が必要になり、そのため多大の時間と費用がかかっていた。さらに、流量制御弁の取り替えは悪環境下での作業であるうえに、送風支管全体を取り外してから再組立をしなければならないので、メンテナンス時にも多くの時間と労力、費用がかかっていた。特に、流量制御弁を上記特公昭63−46771号公報のように片持ち式の着脱可能な方式にした場合の一番の問題点は、流体流路に通じるように設けられた横穴と該横穴に挿着される耐火物製のプラグとの間隙におけるシール方法である。内部の流路には前述のように極めて高い高温高圧の熱風が通っているので、完全に漏れのないように上記間隙をシールすることが必須の条件であると同時に、流路を構成する耐火物を損傷させずに、かつスムーズに着脱ができるようにしなければならない。さらにまた、高温高圧の空気を生成する熱風炉からの熱風には煉瓦屑や亜鉛アルカリ化合物等が含まれているため、これらが弁体の弁軸と該弁軸を挿通する耐火物製プラグの軸孔との間隙に詰まって固着し、弁の動作不能を引き起こすおそれがあった。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、従来のように弁のケーシングを必要とせずに直接配管に取り付けられるようにカートリッジ式の流量制御弁とするとともに、カートリッジ式にした場合の重要課題である耐火物製プラグ部におけるシール性の確保を十分なものとすることを目的とする。また、本発明の他の目的は、弁軸と耐火物製プラグの軸孔との間隙に煉瓦屑や亜鉛アルカリ化合物等が侵入するのを防止し、長期にわたり安定した弁動作を可能にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高温高圧流体の流量制御弁は、片持ち式に支持された弁体を流路内に回転可能に設けてなる流量調整弁において、弁板及び弁軸がセラミックスにより一体に形成された弁体と、前記弁軸が回転自在に挿通され、配管の流路壁に設けられた開口部に挿着される耐火物からなるプラグ部材と、前記プラグ部材が固着され、前記開口部の取付座に取り付けられる金属製の取付部材と、前記取付部材の前記プラグ部材と反対側の面に取り付けられる弁駆動手段とを備え、この弁装置を前記配管の開口部に対し着脱可能なカートリッジ式に構成してなることを特徴とするものである。ここで、本発明において、「カートリッジ式の流量制御弁」というのは、送風支管等の配管本体に接続されるような短管構成の弁ケーシングを有しないものであり、かつ、少なくともセラミックス製の弁体及び耐火物製のプラグ部材の取り替えが容易な構成となっているものである。
【0007】また、本発明の高温高圧流体の流量制御弁は、下記の特徴を有するものである。前記プラグ部材の外周面に装着される第1のシール部材と、前記取付部材と前記取付座の間に介装される第2のシール部材と、前記取付部材の前記弁軸の軸受部材に装着される第3のシール部材とを備える。前記プラグ部材は、軸方向前部を高強度耐火物、軸方向後部を断熱性耐火物とする2層構造からなる。前記プラグ部材は、前記弁軸の前部に前記高強度耐火物を配置し、該高強度耐火物と前記取付部材との間に前記断熱性耐火物を流し込むことにより形成する。前記プラグ部材は先細り状の円錐台形状に形成してある。前記プラグ部材は、その先端面が前記流路壁の内周面にほぼ一致するように前記開口部に挿着される。第1のシール部材が耐熱性ファイバーからなる。前記弁駆動手段と前記弁軸とは継手手段によって連結されている。
【0008】また、本発明に係る高温高圧流体の流量制御弁の弁軸の固着防止方法は、前記のいずれかの高温高圧流体の流量制御弁において、前記弁体の弁軸と前記プラグ部材の軸孔との間隙に、加熱された気体を供給することを特徴とするものであり、前記加熱された気体に不活性気体または空気を使用するものである。そして、この方法を実施する手段としては、前記取付部材の内部に、前記第3のシール部材によってシールされ、前記弁軸と前記プラグ部材の軸孔との間隙に連通する空間部を設け、前記空間部に、加熱された気体の供給手段を接続するものである。
【0009】上記のように構成することにより、弁のケーシングが不要なカートリッジ式の流量制御弁が得られる。したがって、構成が簡単となり配管との着脱が容易でメンテナンス性が向上する。また、配管の側面に設けられた開口部を通して直接取り付けられるので、配管の大幅な改造を必要としないためコストの低減が可能となる。さらに、プラグ部材の挿着時、その円錐台形状の外周面に装着された耐熱性ファイバからなる第1のシール部材がテーパー状の開口部に圧着されるため、プラグ部材と開口部間の間隙を第1のシール部材によって均一にシールする。また、プラグ部材は上記のように軸方向前部を高強度耐火物、軸方向後部を断熱性耐火物とする2層構造からなっているので、熱伝導を低く抑えることが可能となっているため第2のシール部材に通常のOリングを使用することが可能となり、このような第1と第2のシール部材による二重のシール手段によって高温高圧流体の漏洩を確実に防止している。そしてさらに、セラミックス製弁軸の軸受部材はプラグ部材を固着した取付部材に設けてあり、この軸受部材をシールする第3のシール部材に通常のグランドパッキンを使用することができるため、弁軸とプラグ部材の軸孔との間隙を通じる流体の漏洩もこの第3のシール部材によって確実に防止することができる。よって、上記3つのシール部材によって、カートリッジ式の流量制御弁とした場合に最も問題となるシール性を十分に確保できる構成となっている。また、弁軸とプラグ部材の軸孔との間隙に、加熱された気体、例えば、加熱された窒素等の不活性ガスまたは熱風を供給することにより、この間隙に配管内部から侵入しようとする煉瓦屑や亜鉛アルカリ化合物等の夾雑物の侵入を阻止するため、該夾雑物が間隙に詰まることによる弁軸の固着を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1を示す流量制御弁の正面断面図、図2はその側面断面図、図3は本発明におけるシール手段を示す要部の拡大図、図4はこの流量制御弁を配管としての送風支管に取り付けた状態を示す説明図である。この流量制御弁10は、弁体1とプラグ部材2及び弁体1の駆動機構3を有するカートリッジ式の構成となっている。さらに、弁体1はセラミックスで一体に形成された弁板11と弁軸12とからなっており、片持ち式に支持されている。プラグ部材2は中心に弁軸12が貫通する軸孔24を有し、外周はやや先細になったテーパー状をなし、全体として円錐台形状となっている。また、プラグ部材2は軸方向前部の高強度耐火物21と後部の断熱性耐火物22とからなる2層構造となっている。後部の断熱性耐火物22にはこの流量調整弁10を送風支管100に取り付けるための金属製フランジ23が固着されている。前部の高強度耐火物21の先端面25は送風支管100の流路101に接しており、内部流体の流れを乱さないように円弧面またはテーパー面となっている。すなわち、流量制御弁10の装着時、先端面25は送風支管100の内周面とほぼ一致するように形成されている。またこの高強度耐火物21の先端側の内周には弁軸12を回転自在に支持するブシュ26が装着されている。ブシュ26は弁体1と同様に高強度セラミックスからなっている。
【0011】上記のプラグ部材2は前部の高強度耐火物21を事前に配置した状態で断熱性耐火物22を図示しない型枠内に流し込んで形成されており、金属製フランジ23にアンカーボルト(図示せず)によって取り付けられている。このようにプラグ部材2は軸方向前部の高強度耐火物21と後部の断熱性耐火物22とからなっており、高強度耐火物21の材質としては圧縮強さが590kPa以上ものが好ましく、例えば高級シャモット質不定形耐火物、高アルミナ質不定形耐火物などが挙げられる。また軸方向後部の断熱性耐火物22の材質としては熱伝導率が1.3kJ/m/h/℃以下のものが好ましく、例えばバーミキュライト質不定形耐火物、シャモット質不定形耐火物などが挙げられる。この実施形態においては高強度耐火物21をプレキャストしてセラミックス製の弁体1の弁軸12に組み込んだ状態で高強度耐火物21と金属製フランジ23との間に断熱性耐火物22を型枠内に流し込み施工して形成されている。なお、弁軸12には断熱性耐火物22が接着しないように予め離型剤が塗布されていることが好ましい。したがって、弁体1の弁軸12とプラグ部材2の軸孔24の同心性を精度良く作り出すことができる。
【0012】弁体1の弁駆動機構3は、金属製フランジ23上に取り付けられた第1の継手部31、第2の継手部32及び電動モータ33からなっており、弁軸12がこれらの継手部31、32を介して電動モータ33の駆動軸34と連結されるようになっている。弁軸12は金属製フランジ23の外側に突出し、第1の継手部31内の継手35を介して軸36と連結されている。さらに軸36は第1の継手部31内のユニバーサルジョイント37を介して軸38に連結されており、軸38は第2の継手部32内の継手39を介して電動モータ33の駆動軸34に連結されている。また、第1の継手部31には水冷ジャケット40が設けられており、この水冷ジャケット40により第1の継手部31を冷却している。
【0013】次に、この流量制御弁10におけるシール手段について図3を参照して説明する。まず、第1のシール部材4は、プラグ部材2が挿入される送風支管100の挿入孔102との間隙をシールするために設けられる。この第1のシール部材4には、耐熱性ファイバー、例えばアルミナ−シリカ系のセラミックスファイバーを使用し、該ファイバーをプラグ部材2の円錐台形の外周面に巻き付ける。具体的には、ブランケット状の当該ファイバーをプラグ部材2に巻き付け、挿入時のズレを防止するため、さらに該ファイバーを粘着テープ等で固定する。そして、当該間隙の形状をテーパーとし、かつ、ファイバーの初期厚みを当該間隙の寸法より大きくしておき、挿入時にセラミックスファイバーが均一に圧縮される構造としている。次に、第2のシール部材5は、上記金属製フランジ23とこれが取り付けられる送風支管100側の取付座103との間に介装される。第2のシール部材5にはOリングを使用している。このOリングの耐熱温度は260℃であるが、プラグ部材2が前述のように軸方向前部の高強度耐火物21と後部の断熱性耐火物22の2層構造となっているため、熱伝導を低く抑えることができ、実測値によると115℃であった。このように、第1と第2のシール部材4、5の二重シール構造によって、高温高圧流体である熱風の上記間隙からの漏洩を確実に防止している。
【0014】次に、第3のシール部材6は弁軸12の軸受部材27における間隙をシールするために設けられる。第3のシール部材6にはグランドパッキンを使用している。従来構造では、弁軸12の支持、回転トルクのスムーズな伝達、弁軸12の軸心のズレの吸収を目的として砲金製の球面軸受を使用していた。球面軸受の場合、適当なクリアランスを持った雄部品と雌部品とがスムーズに摺動する構造であるが、弁軸を通じた熱伝導によって雄部品の温度が雌部品より高くなり、上記クリアランスが過小となってスムーズな回転が不能となる場合があった。これに対して、グランドパッキンは潤滑性に富み、フレキシビリティーを持つため芯ズレを吸収しながらスムーズな回転伝達が可能であり、さらにグランドパッキンの耐熱温度は650℃と高いため、温度上昇による不具合も発生しない。また、シール性も併せ持つため、従来の軸シール構造をさらに強化する構造となっている。なお、軸受部材27は金属製フランジ23の中央部に取り付けられている。軸受部材27の取付部はOリング28によってシールされている。さらに、この軸受部材27の下方、すなわち金属製フランジ23の内部には、上記第3のシール部材6によってシールされ、かつ、弁軸12とプラグ部材2の軸孔24との間隙7に連通する空間部8が設けられている。この空間部8は後述するように弁軸12の固着防止のために利用される。
【0015】上記のように構成されたカートリッジ式の流量制御弁10を、例えば、図4に示すように高炉送風支管100に管軸に直交する方向に取り付ける。このとき、送風支管100には図1、図2に示すように側面に挿入孔102を設けるとともに、挿入孔102の外縁に中空の金属製フランジである取付座103を溶接する。挿入孔102はプラグ部材2の外周形状に適合するようなテーパー状の開口部であり、流路壁を構成する鉄皮104及びその内張り材の断熱性不定形耐火物105を貫通するように設けられる。そして、断熱性不定形耐火物105の内周端の口径は流路101の口径にほぼ等しく、弁板11がちょうど通るだけの口径となっている。また、金属製取付座103の流路101の中心からの取付面高さは、弁板11の中心からプラグ部材2の金属製フランジ23の下面までの寸法に等しくなるように定められている。
【0016】この流量制御弁10を取り付ける際には、プラグ部材2の外周に前述のごとくセラミックスファイバー等からなる第1のシール部材4を巻き付け、挿入孔102との間にシール部材4を介在させた状態で、金属製フランジ23と送風支管100上の金属製取付座103とを第2のシール部材5であるOリングを介してボルト(図示せず)により締結し、プラグ部材2を挿入孔102に挿着する。流量制御弁10の取り外しに際しては、金属製フランジ23と金属製取付座103のボルトを緩め流量制御弁10を引き抜く。また、流量制御弁10を引き抜いた後では、図7に示すような耐火物製の盲プラグ110を用いて挿入孔102を塞ぐ。この盲プラグ110は、円錐台形状の耐火物製プラグ部材111を金属製フランジ112に固着してなるもので、使用に際しては、前記と同様に第1のシール部材と同じであるセラミックスファイバー(図示せず)を巻き付け、第2のシール部材5と同一のOリング113を介して金属製フランジ112を取付座103に取り付ける。なお、第1のシール部材4にはモルタル等のような高温で固着する材質は使用しないことが肝要である。また図4において、107は送風羽口、108は熱風本管である。
【0017】以上のようにして流量制御弁10は送風支管100に設置されるので、次にその動作を説明する。図1の電動モータ33を作動させて駆動軸34を回転させると、継手39、軸38、ユニバーサルジョイント37、軸36及び継手35を介して弁軸12が回転し、これによって流路101内で弁板11の角度を変え、高温高圧流体の流量制御を行うことができる。前述したようにこの流量制御弁10では、弁体1は弁板11と弁軸12がセラミックスで一体に形成されており、プラグ部材2は軸方向前部の高強度耐火物21と後部の断熱性耐火物22とからなっている。さらに、カートリッジ式とした場合に問題となるシール性は、プラグ部材2の挿入部におけるテーパー状の間隙にセラミックスファイバー等の第1のシール部材4を圧着させることでシールし、かつ、金属製フランジ23の取付座103における間隙をOリングからなる第2のシール部材5によりシールするため、このような二重のシール構造によって、当該間隙からの高温高圧ガスの漏洩を完全に防止することができる。また、弁軸12の軸受部材27における間隙はグランドパッキンからなる第3のシール部材6によって確実にシールされる。因みに、プラグ部材2の高強度耐火物21の厚さを0.1m、熱伝導率を4.2kJ/m/h/℃とし、また断熱性耐火物22の厚さを0.1m、熱伝導率を0.84kJ/m/h/℃とし、流路101に温度1200℃の高温ガスを流した場合、金属製フランジ23の外表面の温度は理論上180℃前後となる。
【0018】この流量制御弁10はカートリッジ式に構成されており、従来のように弁のケーシングをもっていないので、構成が簡単で配管との着脱が容易であり、かつ流量制御弁10の取付や交換の際に送風支管100ごと変更するような施工を必要としない。送風支管は通常400〜600Aの配管サイズからなっており、従来構造では取り付けのため、400〜600Aに相当する取付フランジを持つ弁ケーシングを既設配管に付加する必要があったが、カートリッジ式の場合、既設の送風支管100にテーパー状の横穴を設けるとともに、φ300mm程度の小さな取付フランジを持つ取付座103を設置するだけであるので、改造工事は大幅に簡素化される。
【0019】さらに、損耗により弁体1やプラグ部材2を交換する際には、継手35により弁軸12を取り外し、また弁駆動機構3のケーシングである第1の継手部31を金属製フランジ23から取り外すことにより新品の弁体1及びプラグ部材2と交換することができる。
【0020】実施の形態2.図5に本発明の実施の形態2を示す。流量制御弁10の構成は上記実施の形態1と同じである。ここでは、窒素などの不活性ガスを加熱して弁体1の弁軸12とプラグ部材2の軸孔24との間隙に供給する手段について説明する。また要部の拡大図を図6に示す。図6に示すように、弁体1の弁軸12とプラグ部材2の軸孔24との間には通常ある程度の間隙7が存在する。この間隙7のために、送風支管100内を流れる高温高圧ガスにより流路壁を構成する不定形耐火物105の煉瓦屑や高温高圧ガス中に含まれる亜鉛アルカリ化合物等の夾雑物が間隙7に侵入し該間隙を詰まらせ固着する。そのため弁軸12が固着し、弁の動作を不能にするので、このような夾雑物の侵入を防ぐ目的で、加熱された不活性ガスなどを間隙7に流すようにしている。
【0021】図5においては、不活性ガスの供給管201の一端が弁駆動機構3の第1の継手部31に接続され、供給管201は内部の中継管202を介して前記空間部8に連通しており、供給管201の他端は不活性ガス源(図示せず)に接続されている。また、この供給管201には圧力調整弁203、流量計204、ヒーター205、及び温度センサ206が設けられている。したがって、窒素などの不活性ガスは、ヒータ205により例えば150〜200℃程度に加熱され、流路101内の圧力よりある程度高い圧力(例えば、150kPa以下)に昇圧して上記空間部8から間隙7に供給され、送風支管100の流路101に噴出させる。空間部8は前述のように第3のシール部材6により軸受部材27における間隙をシールされているので、間隙7を通って加熱された不活性ガスが流路101内に噴出する。不活性ガスの流量は例えば1Nm3/H以下程度でよい。このため、上記夾雑物の侵入を防ぎ、弁軸12の固着が防止されるため、長期にわたり安定した弁の動作を維持することができる。また、不活性ガスを昇温するのは、耐火物やセラミック製の弁板11へのサーマルショックを極力避けるためである。
【0022】この実施形態では、不活性ガスの使用例を示したが、最初から清浄な、またはフィルタなどで清浄化された空気を用いることもできる。したがって、流路101を流れる熱風の一部を取り出し、フィルタなどで清浄化した後、上記空間部8から間隙7に供給するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、カートリッジ式の流量制御弁としたので、構成が簡単で配管との着脱が容易であるため安価な流量制御弁が得られる。また、カートリッジ式の流量制御弁とした場合に最も問題となるシール性も3つのシール部材によって十分に確保することができる。さらに、流路壁を構成する耐火物を損傷させることなくスムーズに着脱することができる。また、弁軸の芯ズレが少ないうえに芯ズレの吸収が容易な構造であるので、弁体の回転動作をスムーズに行うことができる。また、既存設備の配管の大幅な改造を必要とせずに着脱も容易であるため大幅にメンテナンス性を向上させることができる。さらに、加熱された不活性気体または空気を弁軸とプラグ部材の軸孔との間隙に供給することにより、弁軸の固着を防止でき、長期にわたり安定した弁の動作を維持することができる。
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】旭硝子株式会社
【出願日】 平成10年8月31日(1998.8.31)
【代理人】 【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開2001−65710(P2001−65710A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願2000−211150(P2000−211150)