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【発明の名称】 安全弁作動表示装置
【発明者】 【氏名】井上 和平

【要約】 【課題】構造が簡単で、作動が確実かつ良好な取扱性を備え、破裂薄膜の高圧機器の異状高圧力発生時の安全弁の作動表示装置を提供する。

【解決手段】高圧機器の異状高圧発生に備えた安全弁の安全弁装置において、前記安全弁の作動により高圧機器に設けられた安全弁とその吐出口側との集合管の接続管路に設けた対をなすフランジ間に、シート状部材の表面に、導電材料により導電路が描かれ安全弁が作動したとき破裂して前記導電路を開路となす薄膜が貼着されてなる薄膜センサを挟着するとともに、ホルダはフランジのガスケット機能を果たし、前記導電路の開路により前記安全弁の作動を表示する表示手段を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高圧ガスを用いる圧力機械、圧力容器等の圧力機器の異状高圧の発生時に作動する安全弁を備えた安全弁装置において、前記圧力機器のそれぞれに前記安全弁を設けるとともに、それぞれの安全弁の吐出口と該吐出口に接続される集合管との接続フランジ間に、前記安全弁の作動時の吐出圧力又は前記安全弁からの漏洩ガスの蓄積により破裂する破裂薄膜を有し、該破裂薄膜の表面に破裂位置を特定するように導電材料で導電路が描かれてなる薄膜センサを挟着し、さらに前記導電路の開路により前記安全弁の作動を表示する表示手段を設けたことを特徴とする安全弁作動表示装置。
【請求項2】 前記薄膜センサを構成する破裂薄膜は、その表裏の差圧による破裂圧力が前記安全弁の設定圧力に影響を及ぼさない程度の薄紙からなり、該破裂薄膜に描かれた前記導電路に交叉するように、前記導電路の断路位置を特定せしめる破裂帯を描き、該破裂帯は前記破裂薄膜の飛散を防止可能な図形に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の安全弁作動表示装置。
【請求項3】 前記対をなすフランジ間に、前記薄膜センサと、前記表示手段に接続される導線が取付けられたシート状のホルダ部材とを、前記薄膜センサの導電路の端子と前記ホルダ部材の導線の端子とを接触可能にして挟着し、該薄膜センサとホルダとにより前記フランジのガスケットを兼ねるように構成されてなる請求項1記載の安全弁作動表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧ガスの圧力機器の異常高圧力発生時に作動する安全弁を設けた安全弁装置において、該安全弁の作動の有無を表示するための安全弁作動表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍装置においては、冷媒としてフレオンに代えてアンモニアが使用されてきているが、該アンモニアは強い臭気を放つことから高圧機器からの該アンモニア冷媒の異状高圧力による機器の破裂を阻止するため、安全弁が設置されている。かかる安全弁は、通常、高圧機器毎に設けられており、複数の高圧機器がある場合には複数の安全弁が設けられている。そして、通常は大気中に放出できないような高圧ガスの場合の複数の安全弁は集合管に接続され、一括してガスが処理されるので、作動した安全弁の見分けは困難である。また、常時に前記弁の弁座の不具合による漏洩発生の場合も同様である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように複数の安全弁が設けられている高圧機器にあっては、何れの安全弁が作動したかを速やかに表示し、該安全弁が作動した高圧機器の気体の放出あるいは漏洩阻止の処置を迅速に行うことを要する。
【0004】従来から、かかる安全弁の作動を表示する手段として、前記のように破裂薄膜を用い、該薄膜上の破裂体の破裂位置を特定させることにより安全弁の作動を確実にする手段が用いられているが、かかる手段による場合、破裂薄膜が集合管内に飛散してしまうという不具合の発生をみる。また、従来のものにあっては、該破裂薄膜センサを保持するため特殊構造のホルダは構造が複雑で、取り扱いが煩雑であるという問題点も有している。
【0005】本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、構造が簡単で、作動が確実かつ良好な取扱性をそなえ、破裂薄膜の破裂時に薄膜飛散を防止する薄膜センサとした安全弁の作動表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、高圧ガスを用いる圧力機械、圧力容器等の圧力機器の異状高圧の発生時に作動する安全弁を備えた安全弁装置において、前記圧力機器のそれぞれに前記安全弁を設けるとともに、それぞれの安全弁の吐出口と該吐出口に接続される集合管との接続フランジ間に、前記安全弁の作動時の吐出圧力又は前記安全弁からの漏洩ガスの蓄積により破裂する破裂薄膜を有し、該破裂薄膜の表面に破裂位置を特定するように導電材料で導電路が描かれてなる薄膜センサを挟着し、さらに前記導電路の開路により前記安全弁の作動を表示する表示手段を設けたことを特徴とする安全弁作動表示装置を提案する。
【0007】請求項2記載の発明は、前記薄膜の具体的構成に係り、請求項1において、前記薄膜センサは、前記破裂薄膜を破裂圧力が安全弁の設定圧力に影響を及ぼさない程度の薄紙にて構成し、該破裂薄膜に描かれた導電路に交叉するように他の部位よりも小さい強度を有して、前記安全弁の作動時の吐出圧により破裂して前記導電路を開路となす破裂帯を形成してなる。ここで、前記破裂薄膜は絶縁体からなり、僅かな圧力でも破裂し得る薄紙にて構成されており、前記破裂帯は前記導電路に直交するように形成しその断路位置を特定して開路の開放を確実ならしめ、その端末を開放した形状として破裂薄膜の破裂時の飛散を防止するようにしてある。
【0008】また、請求項3記載の発明は請求項1において、前記対をなすフランジ間に、前記薄膜センサと、前記表示手段に接続される導線が取付けられたシート状のホルダ部材とにおいて、前記薄膜センサの導電路の端子と前記ホルダ部材の導線の端子とを接触可能にして挟着するようにし、前記ホルダは一対のフランジのガスケットを兼ねた破裂薄膜センサホルダとしたものである。
【0009】かかる発明によれば、通常時には前記薄膜センサの導電路を通る電気回路が形成され、僅かな量の電流が流れており、安全弁が作動するとその吐出圧力で強度の小さい破裂帯の部分で破裂し、この破裂によって前記導電路が開路し前記電気回路が開路となって電流が遮断される。かかる電流の遮断により、表示手段が作動し、表示灯の点灯、警報の発信等により安全弁の作動を表示せしめる。
【0010】従って、かかる発明によれば、薄膜センサの導電路を通した電気回路に微少量の電流を常時流しておき、安全弁が作動したとき該薄膜センサの破裂部を僅かな圧力で破裂せしめることにより、前記導電路を通した電気回路を開路として表示手段に安全弁の作動を表示するように構成されているので、いわゆるフェールセーフ的機能により常に安全側に作動するので、作動の確実性が高い安全弁作動表示装置が得られる。
【0011】また、薄膜センサ及びこれのホルダを対をなすフランジ間に挟持し、薄膜センサは紙等の薄膜に導電材料を塗布するという極めて簡単かつ低コストの構造で前記のような確実性の高い安全弁の作動表示を可能とすることができる。
【0012】さらに、かかる発明によれば、シート状で導電路が描かれた薄膜センサと安全弁の吐出口側とは気密構造のために、常時安全弁の不具合からの漏洩ガスは積算型であるため、微量であってもこれが蓄積されて破裂帯の破裂圧力に達すれば安全弁の漏洩表示ができるので、毒性を有するガス等に好適な高精度の装置が得られる。
【0013】また、特に請求項3記載の発明によれば、薄膜センサは対をなすフランジ間にシート状のホルダ部材とともに挟着されているので、薄膜センサの破裂帯の破裂による破片が流体管路内に飛散されることが無く、これに伴う不具合の発生が防止されるとともに、取扱性が良好となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図1は本発明の実施形態に係る圧縮機器の安全弁作動センサの要部縦断面図、図2は図1のY−Y矢視図、図3は複数の安全弁と集合管との接続表示装置の全体構成図である。
【0015】図3において、51、52、53、54は複数個(この例では4個)設けられた圧縮機等の高圧発生機器21、22、23、24は安全弁71、72、73、74は前記高圧発生機器51、52、53、54からの高圧吐出管、50は安全弁吐出集合管であり、前記各高圧吐出管71、72、73、74は、前記高圧発生機器51、52、53、54の高圧吐出口から安全弁21、22、23、24及び後述する安全弁作動センサ31、32、33、34を経て前記安全弁吐出集合管50に接続されている。41、42、43、44は各高圧吐出管71、72、73、74に設けられて該管路を開閉する止弁である。
【0016】60は安全弁作動表示器であり、前記各安全弁作動センサ31、32、33、34・・・と導線81、82、83、84・・・により接続され、該安全弁作動センサ31、32・・・からの作動信号を受けて表示灯の点灯、警報の発信等による表示がなされるようになっている。
【0017】前記安全弁作動センサ31、32・・・の詳細を示す図1〜図2において、該安全弁作動センサ31(32、33・・・も同様)は次のように構成されている。1は安全弁接続管、2は吐出側接続管であり、双方の接続管1、2は、図3に示す高圧吐出管71(72、73、74)の一部を構成し、安全弁接続管1は安全弁21(22、23、24)から前記安全弁作動センサ31(32、33、34)に接続される管、吐出側接続管2は該安全弁作動センサ31(32、33、34)から安全弁吐出集合管50に接続される管である。
【0018】3は該安全弁接続管1の管端に固着されたフランジ、4は該吐出側接続管2に固着されたフランジであり、双方のフランジ3、4は後述するガスケット9や薄膜用ホルダ20を貫通して4本のボルト(複数本であれば可)によって締結されている。15はそのボルト穴である。前記フランジ3、4の間には、図1に示すようにフランジ3側のガスケット9、破裂用の薄膜センサ5、3枚のガスケット6、7、8からなり接着剤で接着し、一体化した薄膜用ホルダ20が介装され、これら各部材を前記4本のボルトによってフランジ3、4間に挟着するようになっている。
【0019】前記薄膜センサ5は、図2に示すように略5角形状をなしており、全面に薄紙等の破断し易い薄膜材(破裂薄膜)5aが貼られている。該薄膜材5aはその表裏の差圧による破裂圧力が前記安全弁の設定圧力に影響を及ぼさない程度の小さな強度を有する。そして、該薄膜材5aの表面には、導電塗料によって図2に示すように、「大の字」形の導電路12及び該導電路12の端子14が描かれている。また、前記薄膜材5aには、前記導電路12に略直角に交叉し、かつ端末が開放(13aは開放部)されている円環状の破裂帯13が描かれている。
【0020】この破裂帯13は、薄膜材を僅かに焦がすこと等によって他の部位よりも強度を減少させることにより該薄膜材の破裂部を特定させるようにするもので、これにより、薄膜材の破裂時には前記導電路12は確実に開路せしめられることとなる。ここで、前記薄膜センサ5は図2に示されるように、5角形状をなし、その上端部がフランジ3、4及び一体化されたガスケット9、6、7、8等の外周よりも突出している(5a)ので、該突出部5aにより該センサ5挿入の有無を知ることができる。
【0021】前記ガスケット6は、図2に示されるように下方への突出部6bを有する略気球断面形状をなし、中央部に前記接続管1、2の外径よりもやや大きい径の穴6aを設けるとともに、前記破裂用の薄膜センサ5の端子側を露出して設けて前記端子14に接触可能としている。そして前記接続用の端子部10は導線11に接続されて、該ガスケット6の裏側に引出され、外部取出用の導線16に接続される。該導線16は図3に示す導線81(82、83、84)に連結され、さらに前記安全弁作動表示器60に接続される。
【0022】また、前記ガスケット7は、ガスケット6と同様な中心孔7aを有する気球断面状の平面形状をなし、前記導線11を通す部分のみを切欠いて、(7bは切欠部)形成されている。前記ガスケット8は、ガスケット6、7と同様な中心孔8aを有する気球断面状の平面形状をなしている。そして、前記ガスケット6、7、8を重ね合わせ、その間に接着剤を塗布し、外部から圧力を加えて一体化し、前記端子部10、導線11、16を保持する薄膜用ホルダ20を形成する。
【0023】従って、前記薄膜用ホルダ20は、これに取付けられた端子部10が前記薄膜センサ5の端子14に対向するように配されて、前記ガスケット6及び薄膜センサ5とともにフランジ3、4間にボルト穴15に挿通されるボルトによって固定される。これにより、前記導線16、11及びこれの接続端子部10と薄膜センサ5の端子14及び導電路12とが接続された電気回路が形成される。通常時には、かかる電気回路に少量の電流を流しておき、安全弁の作動時には後述するような過程でこの電気回路を開放するようになっている。
【0024】かかる構成からなる安全弁の作動表示装置において、図3において、例えば安全弁21が作動した際には、該安全弁21からの気体の放出あるいは気体の漏洩が発生すると、該気体の圧力は安全弁接続管1を通って安全弁作動センサ31の薄膜センサ5に作用する。前記圧力が作用すると、圧力差0.2kgf/cm程度で以って、該薄膜センサ5の薄膜材5aに形成された強度の小さい破裂帯13が破裂せしめられ、これによって導電路12が開放され、前記導線16、11及び端子部10、薄膜センサ5側の端子及び導電路を接続する。
【0025】前記安全弁作動表示器60は前記センサの電気回路の開放により電流が遮断されたときにのみ、これを表示灯の点灯あるいは警報の発信等によって表示するようになっており、前記安全弁21の作動がなされると、前記のようにして安全弁作動センサ31の薄膜センサ5の薄膜材5aの破裂により該薄膜センサ5を通している電気回路が開放され、前記安全弁作動表示器60に該安全弁21の作動が表示される。
【0026】従って、かかる実施形態によれば、薄膜センサ5の含む電気回路に常時微小量の電流を流しておき、安全弁(例えば21)が作動したとき該薄膜センサ5の破裂部の破裂によって前記電気回路を開放することにより安全弁作動表示器60に安全弁21の作動を表示するので、いわゆるフェールセーフ的機能により常に安全側に作動するので、作動の確実性が高くなる。
【0027】また、薄膜センサ5の破裂帯13はフランジ3、3間に挟持された薄膜用ホルダ20を含む枠体内にあるので、薄膜材5aの破片が吐出集合管50等の作動センサ31の外部に飛散することはない。
【0028】また、前記薄膜センサ5を交換する際には、フランジ3、4の下側の2本のボルトのみを挿入し、これを弛めた状態にして、薄膜ホルダ20とガスケット9との間を拡げて薄膜センサ5を前記挿入した2本のボルトの位置まで挿入すれば、薄膜センサ5側の端子14と薄膜用ホルダ20側の端子部10とが対向した位置にあるので、残りの2本つまり上側の2本のボルトを締め付けることにより、該薄膜センサ5が固定され前記電気回路が形成される。
【0029】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明によれば、薄膜センサの導電路を通した電気回路に微少量の電流を常時流しておき、安全弁が作動したとき、該薄膜センサの破裂部を僅かな圧力で破裂せしめることにより、前記導電路を通した電気回路を開路として表示手段に安全弁の作動を表示するように構成されているので、いわゆるフェールセーフ的機能により常に安全側に作動するので、作動の確実性が高い安全弁作動表示装置が得られる。
【0030】また、薄膜センサ及びこれのホルダを対をなすフランジ間に挟持し、薄膜センサは紙等の薄膜に導電材料を塗布するというきわめて簡単かつ低コストの構造で以って前記のような確実性の高い安全弁の作動表示を可能とすることができる。
【0031】さらに、かかる発明によれば、シート状で導電路が描かれた薄膜センサと導線の端子が固定されたホルダ部材はガスケットの機能を果たし、漏洩ガスの蓄積される積算型であるため、微量な気体漏洩であってもこれが蓄積されて破裂帯の破裂圧力に達すれば作動し、漏洩表示もできるので、毒性を有するガス等に好適な高精度の装置が得られる。
【0032】また、特に請求項3のように構成すれば、上記に加えてセンサは対をなすフランジ間にシート状のホルダ部材とともに挟着されているので、薄膜センサの破裂帯の破裂による破片が流体管路内に飛散されることがなく、これに伴う不具合の発生が防止されるとともに、取扱性が良好となるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
【出願日】 平成11年7月22日(1999.7.22)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
【公開番号】 特開2001−32959(P2001−32959A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−206988