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【発明の名称】 電磁弁の動作管理方法及び装置
【発明者】 【氏名】森 川 文 夫

【氏名】石 塚 信 行

【氏名】石 川 誠

【要約】 【課題】電磁弁の動作時間を検出してその動作時間から切換動作が正常か異常かを判別することにより、故障前に電磁弁の異常を簡単かつ確実に検知できるようにする。

【解決手段】電磁弁に付設した位置検出手段によってスプールのストローク端での位置を検出し、検出された位置信号と計測用のクロック信号とから信号処理回路12において、電磁弁の駆動信号がオン又はオフになったあとスプールが上記ストローク端から移動を開始するまでの移動開始時間と、上記ストローク端に到達するまでの移動終了時間とを計測し、それらの動作時間T1〜T4を上記信号処理回路12に予め入力された複数の基準値T1a〜T4a,T1b〜T4bと比較することによりスプールの切換動作が正常か異常かを判別し、判別結果に応じた表示信号を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】電磁弁に付設した位置検出手段によって流路切換用の弁部材の動作位置を検出し、検出された位置信号と計測用のクロック信号とから信号処理回路において、電磁弁の駆動信号がオン又はオフになってから上記弁部材が特定の動作位置を移動するか又はその位置に到達するまでの動作時間を計測し、この動作時間を上記信号処理回路に予め入力された複数の基準値と比較することにより、弁部材の切換動作が正常か異常かを判別し、判別結果に応じた表示信号を出力することを特徴とする電磁弁の動作管理方法。
【請求項2】請求項1に記載の管理方法において、上記位置検出手段で弁部材の少なくとも一方のストローク端での位置を検出し、電磁弁の駆動信号がオン又はオフになったあと弁部材が上記ストローク端から移動を開始するまでの時間と、上記ストローク端に到達するまでの時間のうち少なくとも一方を計測することを特徴とするもの。
【請求項3】請求項1又は2に記載の管理方法において、上記複数の基準値が、動作時間の正常範囲を示す第1基準値と、異常予知範囲を示す第2基準値とを含んでいて、弁部材の動作時間が第1基準値以下であったときは正常信号を出力し、第1基準値と第2基準値との間にあったときは異常予知信号を出力し、第2基準値を越えているときは異常信号を出力することを特徴とするもの。
【請求項4】電磁弁に取り付けられて流路切換用の弁部材の動作位置を検出する位置検出手段と;該位置検出手段からの位置信号に基づいて弁部材の動作時間を計測し、その動作時間から該弁部材の切換動作が正常か異常かを判別する信号処理回路と;を備え、上記信号処理回路が、電磁弁に対するオン又はオフの駆動信号をスタート信号として時間計測を開始し、位置検出手段から出力される位置信号に基づいて上記弁部材が切り換わるまでの動作時間を計測する計測部と;予め設定された動作時間についての複数の基準値を有していて、上記計測器で計測された弁部材の動作時間とこれら複数の基準値とを比較することより、上記弁部材の切換動作が正常か異常かを判別する比較部と;該比較器による判別結果に基づいて正常か異常かの表示信号を出力する信号出力部と;を有することを特徴とする電磁弁の動作管理装置。
【請求項5】請求項4に記載の管理装置において、上記位置検出手段が、弁部材の両ストローク端での位置を検出可能なるように構成され、上記信号処理回路の計測部が、電磁弁の駆動信号がオンになったあと弁部材が第1ストローク端から移動を開始するまでの時間を計測する第1計測器と、第2ストローク端に到達するまでの時間を計測する第2計測器と、電磁弁の駆動信号がオフになったあと上記弁部材が第2ストローク端から復帰動作を開始するまでの時間を計測する第3計測器と、第1ストローク端に到達するまでの復帰時間を計測する第4計測器とを有し、また上記比較部が、上記各計測器にそれぞれ接続されて該計測器で計測された動作時間を複数の基準値と比較する第1〜第4の比較器を有することを特徴とするもの。
【請求項6】請求項4又は5に記載の管理装置において、上記位置検出手段が、弁部材と同期して移動するように設置されたマグネットと、このマグネットからの磁束を検出する少なくとも1つの位置センサーとを含んでいることを特徴とするもの。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁の切換動作を監視することによって故障前に異常を検知し、事前の対策を施すことができるようにした、切換動作管理のための手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車やその他の機械器具類の組立工程等においては、圧縮空気を使用した自動運転システムが採用されており、圧縮空気の切り換えに多くの電磁弁が使用されている。またこのような自動運転システムでは、効率を上げるために長期間にわたって運転が継続される。従って、上記電磁弁が一つでも故障すると、システム全体の稼動が停止するためそれにより受ける損害は非常に大きいものとなる。しかも、通常はシステム全体の規模が大きいため、故障した電磁弁の特定やその修理又は交換等に時間を要し、これによってシステムが停止する時間も長くなるため、それによる損失は更に大きくなってしまう。
【0003】電磁弁の故障を事前に予知することができればこのような問題は解決することができるが、そのための効果的な手段はこれまで提案されていない。
【0004】例えば実開平2−66784号公報には、スプールの外周にマグネットを取り付けると共に、ケーシングに磁気センサーを取り付け、磁気センサーでマグネットを検出することによってスプールが切り換わったことを検出するようにしたものが開示されている。
【0005】しかしながらこの第1の公知例は、単にスプールが切り換わったかどうかということを検出するだけのもので、磁気センサーからスプールの切り換わり信号が出力されないときは既に電磁弁が故障している状態であり、電磁弁の故障を事前に予知することはできない。
【0006】また、実公平7−31021号公報には、スプールの一端に連結したピストンにマグネットを取り付けると共に、ケーシングに検出コイルを取り付け、マグネットの移動により検出コイルに発生する誘導電圧を検出し、この誘導電圧の大きさから異常を検知するものが開示されている。これは換言すれば、ピストンすなわちスプールの移動速度を誘導電圧として検出し、この移動速度の大きさから異常を検知するものである。
【0007】しかし、この第2の公知例は、ストローク中のスプールの移動速度を検出する方式であって、スプールの移動が滑らかでない場合を故障として検知するものであるため、例えばスプールがストローク端に固着した状態となって移動開始が遅れたり、ストローク端に到達する直前に摺動抵抗が増大して到達が遅れたりしたような場合には、それらを検知して故障か否かの判別を行うことはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題は、電磁弁の動作時間を検出してその切換動作が正常か異常かを判別することにより、故障前に電磁弁の異常を簡単かつ確実に予知することができる、検知精度の勝れた動作管理手段を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明によれば、電磁弁に付設した位置検出手段によって流路切換用の弁部材の動作位置を検出し、検出された位置信号と計測用のクロック信号とから信号処理回路において、電磁弁の駆動信号がオン又はオフになってから上記弁部材が、、特定の動作位置についてその位置を移動するか又はその位置に到達するまでの動作時間を計測し、この動作時間を上記信号処理回路に予め入力された複数の基準値と比較することにより弁部材の切換動作が正常か異常かを判別し、判別結果に応じた表示信号を出力することを特徴とする電磁弁の動作管理方法が提供される。
【0010】上記方法によれば、電磁弁がオン又はオフになってから弁部材が特定の動作位置を移動し又は到達するまでの動作時間を計測し、この動作時間から切換動作が正常か異常かを判別するようにしているため、上記弁部材のストローク端からの始動やストローク端への到達が遅れた場合でも、それらを異常として確実に検知することができる。
【0011】本発明の具体的な実施態様によれば、上記位置検出手段で弁部材の少なくとも一方のストローク端での位置が検出され、電磁弁の駆動信号がオン又はオフになったあと弁部材が上記ストローク端から移動を開始するまでの時間と、上記ストローク端に到達するまでの時間のうち少なくとも一方が計測される。
【0012】本発明おいては、上記複数の基準値が、動作時間の正常範囲を示す第1基準値と、異常予知範囲を示す第2基準値とを含んでいて、弁部材の動作時間が第1基準値以下であったときは正常信号を出力し、第1基準値と第2基準値との間にあったときは異常予知信号を出力し、第2基準値を越えているときは異常信号を出力するようになっている。
【0013】また、上記方法を実施するため本発明によれば、電磁弁に取り付けられて流路切換用の弁部材の動作位置を検出する位置検出手段と;該位置検出手段からの位置信号に基づいて弁部材の動作時間を計測し、その動作時間から該弁部材の切換動作が正常か異常かを判別する信号処理回路と;を備え、該信号処理回路が、電磁弁に対するオン又はオフの駆動信号をスタート信号として時間計測を開始し、位置検出手段から出力される位置信号に基づいて上記弁部材が切り換わるまでの動作時間を計測する計測部と;予め設定された動作時間についての複数の基準値を有していて、上記計測器で計測された弁部材の動作時間とこれら複数の基準値とを比較することより、上記弁部材の切換動作が正常か異常かを判別する比較部と;該比較器による判別結果に基づいて正常か異常かの表示信号を出力する信号出力部と;を有することを特徴とする電磁弁の動作管理装置が提供される。
【0014】本発明の具体的な実施形態によれば、上記位置検出手段が、弁部材の両ストローク端での位置を検出可能なるように構成されていて、上記信号処理回路の計測部が、電磁弁の駆動信号がオンになったあと弁部材が第1ストローク端から移動を開始するまでの時間を計測する第1計測器と、第2ストローク端に到達するまでの時間を計測する第2計測器と、電磁弁の駆動信号がオフになったあと上記弁部材が第2ストローク端から復帰動作を開始するまでの時間を計測する第3計測器と、第1ストローク端に到達するまでの復帰時間を計測する第4計測器とを有し、また上記比較部が、上記各計測器に接続されて該計測器で計測された動作時間を複数の基準値と比較する第1〜第4の比較器を有している。
【0015】本発明において好ましくは、上記位置検出手段が、弁部材と同期して移動するように設置されたマグネットと、該マグネットからの磁束を検出する少なくとも1つの位置センサーとを含んでいて、該位置センサーが、弁部材の全ストローク領域において上記マグネットからの磁束を検出可能なるように設置されていることである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した電磁弁の第1実施例を示すもので、ここに例示された電磁弁1は、1つのパイロット弁3で主弁2を切り換えるシングルパイロット式の電磁弁である。
【0017】上記電磁弁1は、非磁性体素材からなるケーシング4に、圧縮空気等の作動流体が流通する複数のポートP,E1,E2,A,Bと、これらの各ポートが開口する弁孔5と、この弁孔5内に摺動自在に収容された流路切換用の弁部材であるスプール6と、該スプール6の両端に位置する大小2つのピストン7a,7bとを設けると共に、ケーシング4における大径の第1ピストン7a側の端部に、この第1ピストン7a側の第1圧力室8aにパイロット流体を供給する上記パイロット弁3を取り付けたものである。そして上記第1圧力室8aは、パイロット流路9a,9bによりパイロット弁3を介して供給ポートPに連通し、小径の第2ピストン7b側の第2圧力室8bは、パイロット流路9cにより供給ポートPに常時連通している。
【0018】上記電磁弁1において、パイロット弁3がオフの状態にあって第1圧力室8aにパイロット流体が供給されていないときは、第2圧力室8bに供給されているパイロット流体圧により第2ピストン7bが押されるため、スプール6は図に示すように左側の第1ストローク端に移動している。この状態から上記パイロット弁3がオンとなって第1圧力室8aにパイロット流体が供給されると、2つのピストン7a,7bの受圧面積の差により、第1ピストン7aに作用する流体圧作用力の方が第2ピストン7bに作用する流体圧作用力より大きいため、スプール6はこの第1ピストン7aにより図の右側に押され、第2ストローク端に移動する。
【0019】上記電磁弁1には、上述したスプール6の切換動作を管理するための動作管理装置が付設されている。この管理装置は、スプール6の動作位置を検出するための位置検出手段11と、該位置検出手段11からの位置信号に基づいてスプール6の動作時間を計測し、その動作時間から該スプール6の切換動作が正常か異常かを判別する信号処理回路12とを備えている。この信号処理回路12は、図示したように電磁弁1の上面や側面などの適当な場所に設置することができる。あるいは、電磁弁を搭載するベースや、複数の電磁弁を集合化するとき一緒に結合されるエンドブロックやポートブロックあるいは配電ブロックなどに設置しても良く、それ以外の適当な場所に設置しても良い。
【0020】上記位置検出手段11は、非磁性素材からなるスプール6に取り付けられて該スプール6と一緒に移動するマグネット15と、ケーシング4の定位置に取り付けられて該マグネット15の移動に伴う磁束密度の変化を検出する位置センサー16とで構成されている。この位置センサー16は、スプール6の全ストロークにおいてマグネット15からの磁束密度を検出できるように設置されていて、図2に示すように、スプール6が第1ストローク端から第2ストローク端に移動するに従って大きさが次第に減少するアナログ信号としての位置信号Sを出力するものである。
【0021】一方、上記信号処理回路12は、図3に示すように、位置判別器20と、計測部21と、比較部22と、信号出力部23とを含んでいる。
【0022】上記位置判別器20は、上記位置センサー16に接続されていて、この位置センサー16から出力される位置信号S上に時間計測の対象となる特定の動作位置を設定するためのしきい値M,N(図2参照)を定め、これらのしきい値M,Nで設定された動作位置が検出されたときに後段の計測部21に制御用の位置判別信号m,nを出力するものである。
【0023】この実施例においては、上記位置信号Sの両ストローク端寄りの位置に2つのしきい値M,Nを設定することにより、スプール6の位置を両ストローク端で検出するようにしている。そして、電磁弁1の駆動信号がオンとなってスプール6が第1ストローク端から第2ストローク端へと切り換わる場合、図2に示すように、位置センサー16から出力される位置信号Sがしきい値Mを越えるまで、すなわちスプール6が移動を開始するまでは、上記位置判別器20から位置判別信号mが出力され、位置信号Sがしきい値Mを越えた時、すなわちスプール6が移動を開始すると、上記位置判別信号mがオフに切り換わり、更に、位置信号Sがしきい値Nに到達した時、すなわちスプール6が第2ストローク端に到達した時に、上記位置判別信号nがオンになるようになっている。
【0024】また、電磁弁1の駆動信号がオフとなってスプール6が第2ストローク端から第1ストローク端へ復帰する場合には、位置センサー16からの位置信号Sがしきい値Nを越えるまで、すなわちスプール6が復帰動作を開始するまでは、位置判別器20から位置判別信号nが出力され、位置信号がしきい値Nを越えた時、すなわちスプール6が復帰動作を開始した時に、上記位置判別信号nがオフに切り換わり、更に、上記位置信号がしきい値Mに達した時、すなわちスプール6が第1ストローク端に到達した時に、位置判別信号mがオンになるように構成されている。
【0025】一方、上記計測部21は、電磁弁1に対するオン又はオフの駆動信号をスタート信号としてクロックパルスによる時間計測を開始し、上記位置判別器20を通じて入力される位置信号に基づいて上記スプール6が特定の動作位置に到達するまでの動作時間を計測するもので、これらの計測を上記位置判別器20に接続された第1〜第4の複数の計測器21a〜21dで行うものである。
【0026】上記第1計測器21aは、電磁弁1の駆動信号がオンになったあと、スプール6が第1ストローク端から移動を開始するまでの動作時間T1を計測するものであって、駆動信号の入力と同時にクロックパルスをカウントすることによって計測を開始し、スプール6が移動を開始した時、すなわち上記位置判別器20からの位置判別信号mがオフになった時に、その計測を停止することにより上記動作時間T1を求め、その計測信号を後段の比較部22の第1比較器22aに向けて出力するものである。
【0027】また、第2計測器21bは、電磁弁1の駆動信号がオンになったあと、スプール6が第2ストローク端に到達するまでの動作時間T2を計測するもので、駆動信号の入力と同時にクロックパルスをカウントすることにより計測を開始し、スプール6が第2ストローク端に到達した時、すなわち上記位置判別器20からの位置判別信号nがオンになった時に、その計測を停止することによって上記動作時間T2を求め、その計測信号を後段の比較部22の第2比較器22bに向けて出力するものである。
【0028】更に、第3計測器21cは、電磁弁1の駆動信号がオフになったあと、スプール6が第2ストローク端から復帰動作を開始するまでの動作時間T3を計測するもので、オフの駆動信号の入力と同時にクロックパルスをカウントすることにより計測を開始し、スプール6が復帰動作を開始した時、すなわち上記位置判別器20からの位置判別信号nがオフになった時に、その計測を停止することによって上記動作時間T3を求め、その計測信号を後段の比較部22の第3比較器22cに向けて出力するものである。
【0029】そして、第4計測器21dは、電磁弁1の駆動信号がオフになったあと、スプール6が第1ストローク端に復帰するまでの動作時間T4を計測するもので、オフの駆動信号の入力と同時にクロックパルスをカウントすることにより計測を開始し、スプール6が復帰ストローク端に到達した時、すなわち上記位置判別器20からの位置判別信号mがオンになった時に、その計測を停止することによって上記動作時間T4を求め、その計測信号を後段の比較部22の第4比較器22dに向けて出力するものである。
【0030】また、上記比較部22は、スプール6の動作時間についての複数の基準値を設定できるようになっていて、上記計測器21a〜21dで計測された動作時間T1〜T4とこれら複数の基準値とを比較することより、スプール6の切換動作が正常か異常かを判別するもので、第1〜第4の複数の比較器22a〜22dを有している。
【0031】上記第1比較器22aは、第1計測器21aで計測された上記動作時間T1について、その正常な動作時間の上限である第1基準値T1aと、この第1基準値T1aよりは大きく、異常ではないが異常の前段階である異常予知時間の上限を示す第2基準値T1bとを設定できるようになっていて、上記動作時間T1をこれらの基準値と比較し、動作時間T1が第1基準値T1a以下(0<T1≦T1a)であったときは正常信号Xを出力し、第1基準値T1aより大きく且つ第2基準値T1b以下(T1a<T1≦T1b)であったときは異常予知信号Yを出力し、第2基準値T1bより大きい(T1b<T1)ときは異常信号Zを出力するものである。
【0032】また、第2比較器22bは、第2計測器21bで計測された上記動作時間T2について、その正常な動作時間の上限である第1基準値T2aと、異常予知時間の上限である第2基準値T2bとを設定できるようになっていて、上記動作時間T2をこれらの基準値と比較し、動作時間T2が第1基準値T2a以下(0<T2≦T2a)であったときは正常信号Xを出力し、第1基準値T2aより大きく且つ第2基準値T2b以下(T2a<T2≦T2b)であったときは異常予知信号Yを出力し、第2基準値T2bより大きい(T2b<T2)ときは異常信号Zを出力するものである。
【0033】更に、第3比較器22cは、第2計測器21bで計測された上記動作時間T3について、その正常な動作時間の上限である第1基準値T3aと、異常予知時間の上限である第2基準値T3bとを設定できるようになっていて、上記動作時間T3をこれらの基準値と比較し、動作時間T3が第1基準値T3a以下(0<T3≦T3a)であったときは正常信号Xを出力し、第1基準値T3aより大きく且つ第2基準値T3b以下(T3a<T3≦T3b)であったときは異常予知信号Yを出力し、第2基準値T3bより大きい(T3b<T3)ときは異常信号Zを出力するものである。
【0034】また、第4比較器22dは、第2計測器21bで計測された上記動作時間T4について、その正常な動作時間の上限である第1基準値T4aと、異常予知時間の上限である第2基準値T4bとを設定できるようになっていて、上記動作時間T4をこれらの基準値と比較し、動作時間T4が第1基準値T4a以下(0<T4≦T4a)であったときは正常信号Xを出力し、第1基準値T4aより大きく且つ第2基準値T4b以下(T4a<T4≦T4b)であったときは異常予知信号Yを出力し、第2基準値T4bより大きい(T4b<T4)ときは異常信号Zを出力するものである。
【0035】これらの各計測器21a〜21dと比較器22a〜22dの動作のタイミングは、図4に示されているとおりである。
【0036】更に、上記信号出力部23は、上記各比較器22a〜22dによる判別結果に基づいて正常か異常かの表示信号を出力するもので、第1〜第3のOR回路24a〜24cと、これらの各OR回路24a〜24cに接続された第1〜第3のラッチ回路25a〜25cとを備えている。
【0037】第1のOR回路24aは、上記第1〜第4の比較器22a〜22dから正常信号Xが入力されるようになっていて、何れかの比較器からの信号の入力があったとき第1ラッチ回路25aに動作信号を出力するものである。
【0038】また、第2のOR回路24bは、上記第1〜第4の比較器22a〜22dから異常予知信号Yが入力されるようになっていて、何れかの比較器からの信号の入力があったとき第2ラッチ回路25bに動作信号を出力するものである。
【0039】更に、第3のOR回路24cは、上記第1〜第4の比較器22a〜22dから異常信号Zが入力されるようになっていて、何れかの比較器からの信号の入力があったとき第3ラッチ回路25cに動作信号を出力するものである。
【0040】そして上記各ラッチ回路25a〜25cは、上記OR回路24a〜24cから信号が入力されると、図示しないコントローラーあるいはデスプレイ装置に向けて正常信号Xか異常予知信号Yあるいは異常信号Zなどの表示信号を出力するものである。この場合、上記信号処理回路12に通信回路を設け、この通信回路によって通信するように構成することもできる。
【0041】なお、上記各ラッチ回路25a〜25cはコントローラーに接続され、このコントローラーからのリセット信号によりリセットされるようになっている。
【0042】かくして、電磁弁1がオン又はオフになってからスプール6が切り換わるまでの動作時間を計測し、この動作時間から切換動作が正常か異常かを判別することにより、上記スプール6がストローク端からの始動やストローク端への到達が遅れた場合であっても、それらを異常予知状態かあるいは異常状態として確実に検知することができる。そして、切換動作が異常予知の段階にあるか又は異常の段階にあると判断された場合には、現実に故障等の事故が発生する以前にその異常の程度に応じた予防的保全処置を直ちに施すことができ、自動運転システムを長時間にわたって稼動させるような場合の安全性と信頼性とに勝れる。また、万一の故障時にも、その電磁弁からの信号により故障場所を特定することが容易であるため、迅速な復旧が可能であり、システムの停止による損失を最小限に抑えることができる。
【0043】上記実施例では、位置検出手段11が1つの位置センサー16を備えている場合について示されているが、図5に示す第2実施例のように、位置センサーを複数設けることもできる。この場合には、2つの位置センサー16a,16bをスプール6の両ストローク端においてマグネット15に向かい合うように設置し、これらの位置センサー16a,16bから図6に示すような対称形をした2つの位置信号Sa,Sbが得られるようにして、これら2つの位置信号Sa,Sb上にM,N2つのしきい値を設定することにより、スプール6の両ストローク端の位置を検出できるようになっている。
【0044】この第2実施例の上記以外の構成とその作用や効果等については、実質的に上記第1実施例の場合と同じであるから、それらの説明は省略する。
【0045】また、上記第2実施例では、2つの位置センサー16a,16bがアナログ形の位置信号Sa,Sbを出力する場合が示されているが、図7及び図8に示すように、位置検出手段がオン・オフのデジタル的な位置信号Sa,Sbを出力するものであっても良い。図7に示す場合は、2つの位置センサーがそれぞれスプール6の何れか一方のストローク端においてのみ位置信号Sa,Sbを出力するものである。また、図8に示す場合は、2つの位置センサーからの位置信号Sa,Sbがストロークの中間でオーバーラップしており、このオーバーラップしている部分Scの位置信号を無視することにより、両ストローク端でスプール6の位置を検出することができる。
【0046】なお、上記各実施例おいて、位置判別信号n及びmが共にオフのときはスプール6が移動途中であることを示しているが、この間の時間を演算処理することによってスプール6の移動時間と移動速度とを同時に検出することもできる。
【0047】更に、上記実施例では、スプール6の両ストローク端での位置を検出しているが、何れか一方のストローク端だけを検出して、スプールがその位置から移動するまでの時間やその位置に到達するまでの時間を計測する場合でも、ストローク途中の1箇所又は複数箇所の動作位置を検出し、スプールがそれらの位置に到達するまで又はそこを離れる(移動する)までの時間を計測する場合でも、本発明は適用することができる。これらの場合には、検出位置の数等に応じて信号処理回路における計数器や比較器の数が変わることは当然である。また、スプール6の動作位置を直接検出することなく、ピストン7a又は7bの動作位置を検出することによって間接的にスプール6の動作位置を検出するようにしても良い。
【0048】更に、本発明を適用できる電磁弁はシングルパイロット式の電磁弁に限定されない。例えば2つのパイロット弁を有するダブルパイロット式の電磁弁であっても良く、あるいは、電磁的又は機械的な駆動手段によってスプールが直接駆動される直動形の電磁弁であっても良い。また、弁部材も上述したようなスプールに限定されず、ポペット式に流路を切換えるものやその他の形式のものであっても構わない。
【0049】更にまた、上記実施例では、位置検出手段としてマグネットと磁気センサーとからなる磁気検出式のものが示されているが、位置検出手段もこのようなものに限定されない。光センサーを使用して光学的に検出するものや、静電容量を検出するもの、あるいは交番磁界を発生する回路のインピーダンスの変化を測定するものなど、各種方式の検出手段を用いることができる。
【0050】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれば、電磁弁の動作時間を検出してその切換動作が正常か異常かを判別することにより、故障前に電磁弁の異常を簡単かつ確実に検知することができる。
【出願人】 【識別番号】000102511
【氏名又は名称】エスエムシー株式会社
【出願日】 平成11年7月16日(1999.7.16)
【代理人】 【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏 (外1名)
【公開番号】 特開2001−32958(P2001−32958A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−203411