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【発明の名称】 弁装置
【発明者】 【氏名】福田 僚

【要約】 【課題】弁室に流入した流体がシリンダ室に漏れることがない弁装置を提供する。

【解決手段】本体10の弁室10aとシリンダ室10bとを、隔壁11aによって隔てる。弁室10aに弁体20を摺動可能に収容し、この弁体20の上端部に永久磁石21を設ける。シリンダ室10bに、ピストン30を摺動可能に収容し、このピストン30の下端部に永久磁石31を設ける。永久磁石21,31どうしは、互いに反発し合う。ピストン30がスプリング32の付勢によってキャップ12に突き当てられている時は、弁体20は、スプリング22の付勢によって弁座13cから離れ、隔壁11aに突き当たっている。背圧源35(圧力付与手段)からシリンダ室10bの上室部分10cに背圧(圧力)が供給されると、この背圧によってピストン30が隔壁11aに突き当てられ、弁体20が磁石21,31の反発力によって弁座13cに着座させられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(イ)弁室と、この弁室と非磁性の隔壁で隔てられたシリンダ室とを有し、上記弁室において上記隔壁に対向する面に弁座が形成された本体と、(ロ)上記弁室に収容され、上記弁座に着座する閉位置と、上記弁座から離れ上記隔壁に寄る開位置との間を摺動可能な弁体と、(ハ)上記弁室に収容され、上記弁体を付勢する弁スプリングと、(ニ)上記シリンダ室に収容され、駆動機構によって、上記隔壁に寄せられた接近位置と、隔壁から離された離間位置との間を摺動可能なピストンとを備え、上記弁体に第1磁石を設けるとともに、上記ピストンに第2磁石を設け、上記ピストンが上記離間位置に位置された時は、上記弁スプリングの付勢力によって、上記弁体が、上記閉位置または開位置の一方に位置され、上記ピストンが上記接近位置に位置された時は、上記第1、第2磁石間の磁力によって、上記弁体が、上記弁スプリングに抗して上記閉位置または開位置の他方に位置されることを特徴とする弁装置。
【請求項2】 上記駆動機構が、上記シリンダ室に収容されて上記ピストンを上記離間位置または接近位置の一方に付勢するピストンスプリングと、このピストンスプリングに抗して上記ピストンに上記離間位置または接近位置の他方に向かう圧力を付与する圧力付与手段とを有していることを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】 上記駆動機構が、上記シリンダ室に収容されて上記ピストンを上記離間位置に付勢するピストンスプリングと、上記ピストンに上記接近位置に向かう圧力を付与する圧力付与手段とを有し、この圧力付与手段による圧力付与の停止時には、上記ピストンが、上記ピストンスプリングの付勢によって上記離間位置に位置され、上記弁体が、上記弁スプリングの付勢によって上記開位置に位置され、上記圧力付与手段による圧力付与時には、上記ピストンが、上記圧力によって上記ピストンスプリングに抗して上記接近位置に位置され、上記弁体が、上記第1、第2磁石の反発力によって上記閉位置に位置されることを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
【請求項4】 上記駆動機構が、上記シリンダ室に収容されて上記ピストンを上記接近位置に付勢するピストンスプリングと、上記ピストンに上記離間位置に向かう圧力を付与する圧力付与手段とを有し、この圧力付与手段による圧力付与の停止時には、上記ピストンが、上記ピストンスプリングの付勢によって上記接近位置に位置され、上記弁体が、上記第1、第2磁石の反発力によって上記閉位置に位置され、上記圧力付与手段による圧力付与時には、上記ピストンが、上記圧力によって上記ピストンスプリングに抗して上記離間位置に位置され、上記弁体が、上記弁スプリングの付勢によって上記開位置に位置されることを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気などの流体の流通路を開閉するための弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来のこの種の弁装置の一例を示したものである。この弁装置は、本体1の軸線に沿って弁室1aとシリンダ室1bとが形成されている。これら弁室1aおよびシリンダ室1bは、連通孔1cによって連ねられている。弁室1aには弁体2が収容され、シリンダ室1bにはピストン3が収容されている。ピストン3の下端から作動ピン4が延び、連通孔1cを通って弁体2の上面に当たっている。連通孔1cには、Oリング5が設けられており、このOリング5が作動ピン4に接することにより、弁室1aとシリンダ室1bとが気密に仕切られている。
【0003】弁体2およびピストン3は、スプリング6,7によってそれぞれ上方に付勢されている。これによって、弁体2が弁座1dから離され、空気などの流体が入口通路1eから弁室1aに入り、出口通路1fから出ていく。シリンダ室1bにおいてピストン3より上の背圧室1gには、背圧源8が接続されている。この背圧源8から背圧室1gに圧縮空気(背圧)が供給されると、ピストン3がスプリング7に抗して押し下げられ、ひいては、弁体2がスプリング6に抗して押し下げられる。これによって、弁体2が弁座1dに着座し、上記流体の流通が遮断される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来構成では、作動ピン4の上下方向への動きに伴い、Oリング5が変形させられる。このため、Oリング5が損耗してシール性が悪くなり、弁室1aに流入した流体がシリンダ室1bに漏れるおそれがあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、第1の発明は、(イ)弁室と、この弁室と非磁性の隔壁で隔てられたシリンダ室とを有し、上記弁室において上記隔壁に対向する面に弁座が形成された本体と、(ロ)上記弁室に収容され、上記弁座に着座する閉位置と、上記弁座から離れ上記隔壁に寄る開位置との間を摺動可能な弁体と、(ハ)上記弁室に収容され、上記弁体を付勢する弁スプリングと、(ニ)上記シリンダ室に収容され、駆動機構によって、上記隔壁に寄せられた接近位置と、隔壁から離された離間位置との間を摺動可能なピストンとを備え、上記弁体に第1磁石を設けるとともに、上記ピストンに第2磁石を設け、上記ピストンが上記離間位置に位置された時は、上記弁スプリングの付勢力によって、上記弁体が、上記閉位置または開位置の一方に位置され、上記ピストンが上記接近位置に位置された時は、上記第1、第2磁石間の磁力によって、上記弁体が、上記弁スプリングに抗して上記閉位置または開位置の他方に位置されることを特徴とする。
【0006】第2の発明は、第1の発明において、上記駆動機構が、上記シリンダ室に収容されて上記ピストンを上記離間位置または接近位置の一方に付勢するピストンスプリングと、このピストンスプリングに抗して上記ピストンに上記離間位置または接近位置の他方に向かう圧力を付与する圧力付与手段とを有していることを特徴とする。
【0007】第3の発明は、第1の発明において、上記駆動機構が、上記シリンダ室に収容されて上記ピストンを上記離間位置に付勢するピストンスプリングと、上記ピストンに上記接近位置に向かう圧力を付与する圧力付与手段とを有し、この圧力付与手段による圧力付与の停止時には、上記ピストンが、上記ピストンスプリングの付勢によって上記離間位置に位置され、上記弁体が、上記弁スプリングの付勢によって上記開位置に位置され、上記圧力付与手段による圧力付与時には、上記ピストンが、上記圧力によって上記ピストンスプリングに抗して上記接近位置に位置され、上記弁体が、上記第1、第2磁石の反発力によって上記閉位置に位置されることを特徴とする。
【0008】第4の発明は、第1の発明において、上記駆動機構が、上記シリンダ室に収容されて上記ピストンを上記接近位置に付勢するピストンスプリングと、上記ピストンに上記離間位置に向かう圧力を付与する圧力付与手段とを有し、この圧力付与手段による圧力付与の停止時には、上記ピストンが、上記ピストンスプリングの付勢によって上記接近位置に位置され、上記弁体が、上記第1、第2磁石の反発力によって上記閉位置に位置され、上記圧力付与手段による圧力付与時には、上記ピストンが、上記圧力によって上記ピストンスプリングに抗して上記離間位置に位置され、上記弁体が、上記弁スプリングの付勢によって上記開位置に位置されることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る常開の弁装置Mを示したものである。装置Mは、本体10と、この本体10に収容された弁体20およびピストン30を備えている。
【0010】本体10は、筒形状をなすボディ11と、このボディ11の上端部にねじ込まれたキャップ12と、ボディ11の下端部に嵌め込まれた弁座部材13とを有している。ボディ11の長さ方向の中間には、隔壁11aが設けられている。この隔壁11aによって本体10の内部空間が、下側の弁室10aと上側のシリンダ室10bとに隔てられている。隔壁11aを含むボディ11は、真鍮(非磁性材料)から形成されている。
【0011】弁座部材13には、弁室10aに連なる流入通路13aおよび流出通路13bが形成されている。流入通路13aには、空気回路の上流側通路40が接続され、流出通路13bには、下流側通路41が接続されている。弁座部材13の上面(弁室10aにおいて隔壁11aと軸線方向に対向する面)の中央部には、弁座13cが突出して形成されており、この弁座13cに流入通路13aの弁室10a側の端部が開口している。
【0012】弁室10aに、上記弁体20が収容されている。弁体20は、弁室10aの軸線に沿って、弁座13cから離れて隔壁11aに突き当たる開位置と、弁座13cに着座する閉位置との間を摺動可能になっている。弁室10aの下側部には、コイルスプリング22(弁スプリング)が収容されており、このコイルスプリング22が、弁体20を上方に付勢している。弁体20の上端部には、永久磁石21(第1磁石)が設けられている。永久磁石21は、隔壁11aに対向する上面が、例えばN極になっている。
【0013】シリンダ室10bに、上記ピストン30が収容されている。ピストン30は、シリンダ室10bの軸線に沿って、キャップ12に突き当たる離間位置と、隔壁11aに突き当たる接近位置との間を摺動可能になっている。ピストン30の下端部には、永久磁石31(第2磁石)が設けられている。永久磁石31は、隔壁11aに対向する下面が、上記弁体20の永久磁石21の上面と同じ磁極(N極)になっている。したがって、これら磁石31,21は、互いに反発し合うようになっている。
【0014】シリンダ室10bは、ピストン30によって上室部分10cと下室部分10dとに仕切られている。上室部分10cは、キャップ12に設けた継手管33、およびこの継手管33に連なる背圧通路34を介して背圧源35(圧力付与手段)に接続されている。下室部分10dには、コイルスプリング32(ピストンスプリング)が収容されている。このコイルスプリング32が、ピストン30を上方に付勢している。このコイルスプリング32と上記背圧源35とは、特許請求の範囲の「駆動機構」を構成している。下室部分10dは、ボディ11に設けたねじ穴11bを介して大気に開放されている。
【0015】上記のように構成された装置Mの作用について説明する。背圧源35から上室部分10cへの圧縮空気による背圧(圧力)の供給が停止されているときは、ピストン30がコイルスプリング32の付勢によってキャップ13に突き当てられ、離間位置に位置されている。したがって、弁体20は、上記磁石21,31の磁力に影響されず、コイルスプリング21の付勢によって隔壁11aに突き当てられ、開位置に位置されている。これによって、上記空気回路の上流側通路40と下流側通路41が、流入通路13a、弁室10a、および流出通路10bを介して連通される。弁室10aとシリンダ室10bとは、隔壁11aで隔てられているので、弁室10aに流入した空気がシリンダ室10bに漏れることはない。
【0016】背圧源35から上室部分10cに背圧が供給されると、この背圧によってピストン30がコイルスプリング32に抗して押し下げられ、隔壁11aに突き当たって接近位置に達する。この時、弁体20が、磁石21,31の反発力によってコイルスプリング22に抗して押し下げられ、弁座13cに着座し、閉位置に位置される。これによって、空気回路の上流側通路40と下流側通路41が遮断される。
【0017】次に、本発明の第2実施形態に係る常閉の弁装置M’について、図2を参照して説明する。装置M’において、上記第1実施形態の装置Mと重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を簡略化する。装置M’では、シリンダ室10bの上室部分10cにコイルスプリング32が収容されている。このコイルスプリング32によってピストン30が下方に付勢されている。継手管33は、ねじ穴11bに螺合されている。これによって、背圧源35が下室部分10dに接続されている。
【0018】背圧源35から下室部分10dへの背圧供給が停止されているときは、ピストン30がコイルスプリング32の付勢によって隔壁11aに突き当てられ、接近位置に位置されている。これによって、弁体20が、磁石21,31の反発力によってコイルスプリング22に抗して押し下げられ、弁座13cに着座して、閉位置に位置されている。
【0019】背圧源35から下室部分10dに背圧が供給されると、ピストン30がコイルスプリング32に抗して押し上げられ、キャップ12に突き当たって離間位置に達する。これによって、弁体20が、コイルスプリング22の付勢によって押し上げられ、隔壁11aに突き当たって、開位置に達する。
【0020】本発明は、上記の実施形態に限定されず種々の形態を採用することができる。例えば、永久磁石21,31どうしは、互いに吸引し合うようにしてもよい。この場合、弁室10aのコイルスプリング22が、弁体20を閉位置に付勢するようにする。駆動機構は、コイルスプリング32を用いるのに代えて、上室部分10cと下室部分10dとの一方に圧縮空気(圧力)を選択的に供給するとともに、他方の室部分10c,10dを大気開放するようにしてもよい。圧力付与手段は、圧縮空気などの気体の他、油などの液体でもよい。本発明は、リークテスタの閉鎖系の容積変更にも適用できる。その場合、弁座部材13に1つの通路13aだけを形成しておき、この通路13aに、閉鎖系の通路を接続する。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明は、弁体とピストンとを接続する必要がなく、弁室とシリンダ室とを隔壁で隔てているので、弁室に流入した空気などの流体がシリンダ室に漏れることはない。第2の発明は、ピストンスプリングと圧力付与手段とによってピストンを駆動させることができる。第3の発明は、常開の弁装置を構成することができる。第4の発明は、常閉の弁装置を構成することができる。
【出願人】 【識別番号】390019035
【氏名又は名称】株式会社フクダ
【出願日】 平成11年7月6日(1999.7.6)
【代理人】 【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
【公開番号】 特開2001−21060(P2001−21060A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−191463