| 【発明の名称】 |
比例制御弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】深野 喜弘
【氏名】佐々木 則也
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| 【要約】 |
【課題】ダンパ部材を不要とすることにより部品点数を削減して製造コストを低減するとともに、ヒステリシスを小さくすることにより流量制御の精度を向上させることにある。
【解決手段】ピン部材60が固定鉄心52に当接した状態を保持しながら、コイル44の励磁作用下に、板ばね80のばね力に打ち勝ってプランジャ54が固定鉄心52側に変位することにより、前記プランジャ54と一体的に変位する弁体70が着座部74から離間するように設けられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】入力信号に比例した圧力流体の流量を出力する比例制御弁において、ケーシング内に配設され、コイルに対する励磁作用下に固定鉄心側にプランジャを吸引するソレノイド部と、圧力流体供給ポートおよび圧力流体排出ポートが形成され、前記ケーシングと一体的に連結されるバルブボデイと、前記プランジャの一端部に連結されたキャップ部材を介して保持され、着座部に着座することにより圧力流体供給ポートと圧力流体排出ポートとの連通を遮断する弁体と、前記プランジャの軸線方向に沿って延在する孔部内に配設され、一端部が、該プランジャから突出して、常時、固定鉄心に当接するように設けられたピン部材と、前記ピン部材の他端部と前記弁体との間に介装され、弾発力の作用下に弁体を着座部側に向かって押圧するとともに、ピン部材を固定鉄心側に向かって押圧するコイルスプリングと、前記プランジャに外嵌され、該プランジャと一体的に変位するキャップ部材が係合する板ばねと、を備え、前記プランジャは、ピン部材が固定鉄心に当接した状態を保持しながら、コイルの励磁作用下に、板ばねのばね力に打ち勝って固定鉄心側に変位することにより、前記プランジャと一体的に変位する弁体が着座部から離間するように設けられることを特徴とする比例制御弁。 【請求項2】請求項1記載の比例制御弁において、前記板ばねは、円板状を呈し、略円形状の中心孔と、前記中心孔から半径外方向に向かって延在する複数のスリットとを有することを特徴とする比例制御弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、コントローラ等の制御部から導出される入力信号に比例した圧力流体の流量を出力することが可能な比例制御弁に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、例えば、シリンダのピストンの変位速度を制御するために、前記シリンダに供給・排出される圧力流体の流量を制御する比例制御弁が用いられている。この比例制御弁は、例えば、コントローラ等の制御部から導出される入力信号(電圧または電流)に比例した圧力流体の流量を流体圧アクチュエータに対して供給することにより、シリンダ室に沿って往復動作するピストンの変位速度を制御している。 【0003】ここで、従来技術に係る比例制御弁(例えば、米国特許第5232196号参照)を図10に示す。この比例制御弁1は、コイル2が複数巻回されたボビン3と前記ボビン3の貫通する孔部内に固定された固定鉄心4とを有するソレノイド部5と、圧力流体供給ポート6および圧力流体排出ポート7が形成されたバルブボデイ8とを備える。 【0004】前記ボビン3の孔部内には、コイル2の励磁作用下に固定鉄心4側に向かって変位するプランジャ9が設けられ、前記プランジャ9の一端部には板ばね10およびコイルスプリング11が装着されている。また、前記プランジャ9の一端部には、バルブボデイ8に形成された着座部12に着座しあるいは着座部12から離間することにより、オリフィス13を開閉する弁体14が設けられている。なお、前記弁体14と着座部12によってポペット弁が構成される。 【0005】前記プランジャ9には、環状溝15を介してゴム製のダンパ部材16が装着され(図11参照)、コイル2の励磁作用下にプランジャ9が固定鉄心4側に変位した際、プランジャ9が固定鉄心4に当接するのを防止する機能を営む。 【0006】従来技術に係る比例制御弁1の概略動作を説明すると、図示しないコントローラからの入力信号(電圧または電流)がコイル2に供給されることにより、前記コイル2が励磁される。前記コイル2の励磁作用下にプランジャ9は板ばね10のばね力に打ち勝って固定鉄心4側に変位し、前記プランジャ9と一体的に弁体14も変位する。この場合、図12に示されるように、ダンパ部材16の摺動作用によってプランジャ9の一端部が固定鉄心4に当接することが阻止される。 【0007】弁体14がプランジャ9と一体的に変位して着座部12から離間することによりオリフィス13が開成され、圧力流体供給ポート6と圧力流体排出ポート7とが連通する。この結果、入力信号に比例した圧力流体の流量を圧力流体排出ポート7に連通接続されたシリンダ等の流体圧機器(図示せず)に供給することができる。 【0008】なお、前記コイル2に対する励磁作用を解除して非励磁状態とすることにより、前記プランジャ9は、板ばね10のばね力によって固定鉄心4から離間する方向に変位し、弁体14が着座部12に着座してオリフィス13が閉塞される。この場合、弁体14は、コイルスプリング11の弾発力によって着座部12に押圧され、オリフィス13が気密に閉塞される。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術に係る比例制御弁では、プランジャにゴム製のダンパ部材を装着することにより、摺動抵抗が増大してヒステリシスが大きくなる。従って、前記ヒステリシスが大きくなることにより、圧力流体の流量制御に誤差が発生するという不都合がある。なお、前記ヒステリシスとは、入力信号と出力流量との入出力静特性を示すヒステリシスループにおいて、出力流量の差の最大値をいう。 【0010】本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、ダンパ部材を不要とすることにより部品点数を削減して製造コストを低減するとともに、ヒステリシスを小さくすることにより流量制御の精度を向上させることが可能な比例制御弁を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、入力信号に比例した圧力流体の流量を出力する比例制御弁において、ケーシング内に配設され、コイルに対する励磁作用下に固定鉄心側にプランジャを吸引するソレノイド部と、圧力流体供給ポートおよび圧力流体排出ポートが形成され、前記ケーシングと一体的に連結されるバルブボデイと、前記プランジャの一端部に連結されたキャップ部材を介して保持され、着座部に着座することにより圧力流体供給ポートと圧力流体排出ポートとの連通を遮断する弁体と、前記プランジャの軸線方向に沿って延在する孔部内に配設され、一端部が、該プランジャから突出して、常時、固定鉄心に当接するように設けられたピン部材と、前記ピン部材の他端部と前記弁体との間に介装され、弾発力の作用下に弁体を着座部側に向かって押圧するとともに、ピン部材を固定鉄心側に向かって押圧するコイルスプリングと、前記プランジャに外嵌され、該プランジャと一体的に変位するキャップ部材が係合する板ばねと、を備え、前記プランジャは、ピン部材が固定鉄心に当接した状態を保持しながら、コイルの励磁作用下に、板ばねのばね力に打ち勝って固定鉄心側に変位することにより、前記プランジャと一体的に変位する弁体が着座部から離間するように設けられることを特徴とする。 【0012】この場合、前記板ばねを円板状に形成し、略円形状の中心孔と、前記中心孔から半径外方向に向かって延在する複数のスリットを設けるとよい。 【0013】本発明によれば、ピン部材が固定鉄心に当接した状態を保持しながら、コイルの励磁作用下に、板ばねのばね力に打ち勝って固定鉄心側に変位することにより、前記プランジャと一体的に変位する弁体が着座部から離間するように設けられているため、ダンパ部材が不要となる。従って、プランジャの変位によって摺動抵抗が増大することがなく、ヒステリシスを抑制することができる。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明に係る比例制御弁について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。 【0015】図1において、参照数字20は、本発明の実施の形態に係る比例制御弁を示す。 【0016】この比例制御弁20は、軸線方向に沿って延在する断面円形状の孔部22が形成されたケーシング24と、圧力流体供給ポート26および圧力流体排出ポート28が形成されたバルブボデイ30とを有し、二方弁として機能するものである。前記ケーシング24の一側面には、図2に示されるように、複数の取付用突起部32が突出して形成され、前記取付用突起部32に係合する取付用ピン34によってケーシング24とバルブボデイ30とが一体的に連結される。なお、ケーシング24とバルブボデイ30との連結面には気密性を保持するためにシール部材36が設けられる。 【0017】前記ケーシング24の内部に形成された孔部22には、図1に示されるように、非磁性材料によって形成された有底円筒状部材38が挿入され、前記有底円筒状部材38の内部にはソレノイド部40が配設される。 【0018】このソレノイド部40は、軸線方向に沿って貫通する孔部42が形成されコイル44が複数巻回されたボビン46と、前記有底円筒状部材38の孔部48内に一端部50が係止されることにより前記ボビン46の孔部42内に固定される固定鉄心52とを有する。前記ボビン46の孔部42内には、前記固定鉄心52と同軸状に略円筒状のプランジャ54が変位自在に挿入され、前記プランジャ54は、例えば、磁性を帯びたステンレス鋼によって形成されている。なお、前記ボビン46は、有底円筒状部材38の開口部に嵌合するリング体56によって保持されている。 【0019】前記プランジャ54の内部には、図1および図3に示されるように、軸線方向に沿って延在する孔部58が形成され、前記孔部58内には、例えば、樹脂製材料によって形成されたピン部材60が挿入されている。小径に形成された前記ピン部材60の一端部62は、プランジャ54に形成された小孔64を介して外部に露呈し、後述するコイルスプリング66の弾発力によって、常時、固定鉄心52に当接するように設けられている。 【0020】前記プランジャ54の一端部にはキャップ部材68が加締められて固定され、前記キャップ部材68の内部には、ゴム製の弁体70と非磁性材料によって形成されたばね受部材72とが保持される。前記弁体70とばね受部材72は、一体的に固着されている。前記ピン部材60の他端部とばね受部材72との間には、コイルスプリング66が介装されている。前記弁体70の一部は、キャップ部材68から突出してバルブボデイ30に形成された着座部74に着座するように設けられている。なお、バルブボデイ30には、着座部74に連続し圧力流体供給ポート26に連通するオリフィス76が形成されている。 【0021】前記プランジャ54には、その外周面を囲繞するように環状部材78が装着され、前記環状部材78には、環状凹部とプランジャ54が挿通する孔部とが形成されている。また、前記プランジャ54には略円形状の板ばね80が外嵌され、前記板ばね80は、環状部材78の環状凹部とキャップ部材68のフランジ部82との間に介装されている。 【0022】前記板ばね80は、図9に示されるように、略円形状に形成された中心孔84と、前記中心孔84から相互に直交する4方向(半径外方向)に向かって延在するスリット86が形成されている。このように、板ばね80を円板状に形成し、しかも複数のスリット86を設けることにより、プランジャ54の微小な変位量を微小荷重によってコントロールして制御性を向上させることができるという利点がある。 【0023】すなわち、図8から諒解されるように、スリット86を設けていない板ばね(図示せず)を用いた場合、付与される荷重に対応してばね定数が大きくなってしまうという不具合がある。これに対して、板ばね80にスリット86を設けることにより、始めにB部分(キャップ部材68のフランジ部82が当接する部位)が撓むときにはスリット86によって容易に変形し、さらに板ばね80が撓むとB部分とC部分とが加算された範囲でばね定数が変化する。このように、板ばね80にスリット86を設けることにより、プランジャ54の微小な変位量を精度良くコントロールすることができる。なお、前記環状部材78には、板ばね80が変形しやすいようにテーパ面88が形成されている。 【0024】本発明の実施の形態に係る比例制御弁20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、以下の説明では、図1に示されるように、コイル44に電圧が印加されていない非励磁状態にあって弁体70が着座部74に着座した状態を初期位置として説明する。 【0025】先ず、本実施の形態に係る一組の比例制御弁20a、20bを組み込んで、シリンダ90のピストン92の変位速度を制御する流体回路94を構成する。この流体回路94は、圧力流体供給源96に対してそれぞれ直列に接続されるドレン排出付フィルタ98およびリリーフ付減圧弁100と、前記リリーフ付減圧弁100の出力側に分岐通路102a、102bを介して並列に接続される一組の比例制御弁20a、20bとを含む。 【0026】また、流体回路94は、前記一組の比例制御弁20a、20bの圧力流体排出ポート28に接続されるシリンダ90と、前記一組の比例制御弁20a、20bにそれぞれ入力信号を導出する一組のコントローラ104a、104bと、各コントローラ104a、104bに指令信号を導出する制御回路106と、ピストン92の位置を検出してその検出信号を前記制御回路106に向かって導出する一組のセンサ108a、108bとを有する。 【0027】図1に示す初期位置において、コントローラ104a(104b)は、制御回路106の指令信号に基づいて比例制御弁20a(20b)に対して入力信号を導出することにより、前記比例制御弁20a(20b)がオン状態となる。なお、前記入力信号は、コイル44に印加される電圧またはコイル44に通電される電流のいずれであってもよい。前記入力信号に基づいてコイル44が励磁され、プランジャ54は固定鉄心52側に向かって吸引される。 【0028】すなわち、プランジャ54およびキャップ部材68は、固定鉄心52に対してピン部材60の一端部62が当接した状態を保持しながら、板ばね80のばね力およびコイルスプリング66の弾発力に打ち勝って一体的に固定鉄心52側に向かって変位する。この結果、キャップ部材68に保持された弁体70が着座部74から離間してオリフィス76が開口することにより、圧力流体供給ポート26と圧力流体排出ポート28とが連通する。 【0029】前記プランジャ54およびキャップ部材68が一体的に変位する際、キャップ部材68のフランジ部82が板ばね80を変位方向に向かって押圧するために、図5に示されるように、板ばね80は、変位方向側に向かって、しかも、環状部材78のテーパ面88に沿って変形する。 【0030】このようにして、シリンダ90の一方のシリンダ室には、比例制御弁20aの圧力流体排出ポート28を介して、入力信号に比例した圧力流体の流量が供給され、前記圧力流体の作用下にピストン92が変位終端位置まで移動する。前記ピストン92が変位終端位置に到達すると、センサ108bによって検出され、該センサ108bから出力される検出信号によって制御回路106は、ピストン92が変位終端位置に到達したことを確認する。 【0031】コントローラ104a(104b)から比例制御弁20a(20b)に対して導出される入力信号に基づいて、比例制御弁20a(20b)をオン状態からオフ状態とすることにより、コイル44の励磁作用が解除される。従って、プランジャ54およびキャップ部材68は、板ばね80のばね力とコイルスプリング66の弾発力との共働作用下に、固定鉄心52から離間する方向に向かって変位し、弁体70が着座部74に着座して圧力流体供給ポート26と圧力流体排出ポート28とが非連通状態となる初期位置に復帰する。 【0032】本実施の形態では、プランジャ54の内部に固定鉄心52に常時当接するピン部材60を挿入し、前記ピン部材60が固定鉄心52に当接した状態でプランジャ54が固定鉄心52側に向かって変位するように設けることにより、従来技術におけるダンパ部材が不要となる。従って、部品点数を削減することにより、製造コストを低減することができる。 【0033】また、本実施の形態では、従来技術と比較して、プランジャ54が変位する際の摺動抵抗を抑制することにより、ヒステリシスを小さくすることができ、このことは、図7に示されるように、本実施の形態に係る比例制御弁20、20a、20bを用いた実験結果によって確認することができた。この結果、流量制御における誤差の発生を抑制することにより、入力信号に対する圧力流体の流量制御の精度を向上させることができる。 【0034】 【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られる。 【0035】すなわち、ピン部材が固定鉄心に当接した状態を保持しながらプランジャを固定鉄心側に向かって変位自在に設けることにより、ダンパ部材が不要となる。従って、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。 【0036】また、従来技術と比較して、プランジャが変位する際の摺動抵抗を減少させることにより、ヒステリシスを小さくして流量制御の精度を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102511 【氏名又は名称】エスエムシー株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月9日(1999.7.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077665 【弁理士】 【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−21059(P2001−21059A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月26日(2001.1.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−196684 |
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