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【発明の名称】 偏心構造弁
【発明者】 【氏名】安栗 成晃

【要約】 【課題】弁箱シートに対する雄ねじ部および弁箱に対する雌ねじ部の加工などの煩わしい作業を不要にして生産性を向上させるとともに、弁箱シートの取付けを容易にして組立性を向上させ、かつ保守・点検時や交換時などの作業性を向上させる。

【解決手段】弁箱1の出口側に設けた弁口部10Aの内側に、上部開口1Aの上端面側方を上端開口12Aとした有底のプレート嵌合溝12を設け、このプレート嵌合溝12にリング状の弁箱シート9を設けた弁箱シートプレート90を着脱可能に嵌合する。プレート嵌合溝12の上端開口12Aは、蓋体1Bで弁箱1の上部開口1Aを閉塞した蓋体1Bの取付時に閉塞され、弁箱1から蓋体1Bを取外した部開口1Aの開放時に同時に開放されて、弁箱シートプレート90の脱抜を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 横軸線の両端部に弁口部が開口され、かつ前記横軸線に交差する縦軸線の一側に開口部を設けた弁箱と、この弁箱に着脱可能に取付られて前記開口部を閉塞する蓋体と、この蓋体と該蓋体が対向する弁箱の部位とに設けた弁棒支持部で軸まわりの回転を自在に前記横軸線の側方に偏心して支持された弁棒と、この弁棒に回転中心部が固着されて該弁棒と同時に前記弁箱の内部で弁棒の軸まわりに回転するとともに、前記弁口部の一端部の弁口部の内側に取付けられているリング状の弁箱シートに接離して該一端部の弁口部を開閉する弁体とを備えた偏心構造弁において、前記弁箱における前記一端部の弁口部の内側に前記横軸線に交差する方向を有してプレート嵌合溝が設けられ、このプレート嵌合溝にリング状の弁箱シートを設けた弁箱シートプレートが着脱可能に嵌合されていることを特徴とする偏心構造弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偏心構造弁に係り、さらに詳しくは生産性と組立性および弁箱シートの保守・点検時や交換時などの作業性が向上するように工夫した偏心構造弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種、従来の偏心構造弁は、図6に示すように、弁箱1の横軸線軸線C1に側方に偏心して交差する軸線C2上で上下に分離された上弁棒2と下弁棒3を有し、上弁棒2に上側基部4が固定され、かつ下弁棒3に下側基部5が固定されて、上弁棒2と下弁棒3に弁体6が取付けられ、弁箱1の上部開口1Aを開放可能に閉塞する蓋体1Bに設けられた上側弁棒支持部7に上弁棒2が軸まわりに回転自在に支持されているとともに、弁箱1の下部に設けられた下側弁棒支持部8に下弁棒3が軸まわりに回転自在に支持され、手動もしくは自動により上弁棒2を軸まわりの正逆方向に回転させることで、弁体6が弁箱シート9に接離して弁箱1の軸方向一端部(出口側)に設けた弁口部10Aを開閉するように構成されている。なお、10Bは弁箱1の軸方向他端部(入口側)に設けた弁口部である。
【0003】上側弁棒支持部7はブシュ7Aと複数のゴム製シールリング7Bなどを備えた軸封構造になっており、下側弁棒支持部8はブシュ8Aとゴム製シールリング8Bなどを備えた軸封構造になっている。ところで、偏心構造弁は、付設配管より本体部(弁箱1)を取外すことなく、保守・点検を可能に構成することが義務付けられている。このため、弁体6は蓋体1Bの施蓋に併せて上部開口1Aから弁箱1の内部に装入され、また、蓋体1Bの取外しに追従して上部開口1Aから弁箱1の外部に取出すことができるように構成されている。一方、弁箱シート9は、上部開口1Aから弁箱1の内部に装入したのち、外周に形成した雄ねじ部9Aを弁箱1側に形成した雌ねじ部11に螺合することによって弁箱1に取付け、雄ねじ部9Aと雌ねじ部11との螺合を解いたのち、上部開口1Aから弁箱1の外部に取出すことができるように構成されている。
【0004】しかし、螺合によって弁箱シート9が着脱可能に弁箱1の内部に取付けられている従来の弁箱シートの取付け構造では、弁箱シート9に対する雄ねじ部9Aの加工や弁箱1に対する雌ねじ部11の加工などの煩わしい作業を必要とするため生産性に劣る欠点がある。また、弁箱シート9のの取付けには、専用の工具を用いて弁箱シート9を複数回軸まわりに回転させる煩わしい作業を必要とするので組立性に劣るとともに、弁箱シート9の保守・点検時や交換時においては、専用の工具を用いて弁箱シート9を複数回軸まわりに逆回転させる煩わしい作業を必要とするので、保守・点検時や交換時などの作業性も劣る欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の偏心構造弁における弁箱シートの取付け構造では、弁箱シートに対する雄ねじ部および弁箱に対する雌ねじ部の加工などの煩わしい作業が必要であるため生産性に劣るとともに、弁箱シート組立性および保守・点検時や交換時などの作業性に劣る欠点を有している。
【0006】そこで、本発明は、弁箱シートに対する雄ねじ部および弁箱に対する雌ねじ部の加工などの煩わしい作業を不要にして生産性を向上させるとともに、弁箱シートの取付けを容易にして組立性を向上させ、かつ保守・点検時や交換時などの作業性の向上を図ることができる偏心構造弁を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明に係る偏心構造弁は、横軸線の両端部に弁口部が開口され、かつ前記横軸線に交差する縦軸線の一側に開口部を設けた弁箱と、この弁箱に着脱可能に取付られて前記開口部を閉塞する蓋体と、この蓋体と該蓋体が対向する弁箱の部位とに設けた弁棒支持部で軸まわりの回転を自在に前記横軸線の側方に偏心して支持された弁棒と、この弁棒に回転中心部が固着されて該弁棒と同時に前記弁箱の内部で弁棒の軸まわりに回転するとともに、前記弁口部の一端部の弁口部の内側に取付けられているリング状の弁箱シートに接離して該一端部の弁口部を開閉する弁体とを備えた偏心構造弁において、前記弁箱における前記一端部の弁口部の内側に前記横軸線に交差する方向を有してプレート嵌合溝が設けられ、このプレート嵌合溝にリング状の弁箱シートを設けた弁箱シートプレートが着脱可能に嵌合されていることを特徴としている。
【0008】本発明によれば、弁箱シートプレートをプレート嵌合溝に嵌合する簡単な作業により弁箱シートの取付け状態を得ることができる。
【0009】一方、プレート嵌合溝に嵌合されている弁箱シートプレートを引っ張り出す簡単な作業により弁箱シートを弁箱から取外すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る偏心構造弁の一実施の形態を示す縦断面図、図2は図1のA−A線断面図である。なお、前記従来例と同一もしくは相当部分には同一符号を付して詳しい構造説明は省略する。図1において、弁箱1の軸方向一端部(出口側)に設けた弁口部10Aの内側には、上部開口1Aの上端面側方を上端開口12Aとした有底のプレート嵌合溝12が軸線C2に平行な軸線を有して設けられ、このプレート嵌合溝12にリング状の弁箱シート9を設けた弁箱シートプレート90が着脱可能に嵌合されている。プレート嵌合溝12の上端開口12Aは、蓋体1Bの周縁部によって開閉される。すなわち、蓋体1Bで弁箱1の上部開口1Aを閉塞した蓋体1Bの取付時に上端開口12Aは閉塞され、弁箱1から蓋体1Bを取外した部開口1Aの開放時に上端開口12Aは同時に開放される。
【0011】弁箱シートプレート90は、図3ないし図5に示すように、中央部に貫設した透孔91の軸方向一端部内面にゴムライニングによってリング状の弁箱シート9を設けた金属板によってなり、リング状の弁箱シート9の反対側の面にリング状の弁箱シート9よりも大径のOリング溝92が同心状に凹設されている。また、上端面の2箇所に吊りボルト螺合用の雌ねじ孔93,93が設けてある。
【0012】弁箱シートプレート90は、蓋体1Bによって弁箱1の上部開口1Aが閉塞される前、つまり、弁体6が弁箱1内に装入される前にプレート嵌合溝12に嵌合される。すなわち、Oリング溝92にOリング94を装着したのち、雌ねじ孔93,93に吊りボルト(図示省略)を螺合し、この吊りボルトに連結されているワイヤを利用して、弁箱シートプレート90を吊り上げ、その下端部をプレート嵌合溝12の上端開口12Aに対応させて状態で、弁箱シートプレート90を降下させる手順によってプレート嵌合溝12に嵌合することができる。
【0013】このように、弁箱シートプレート90をプレート嵌合溝12に嵌合する簡単な作業により弁箱シート9の取付け状態を得ることができる。
【0014】一方、弁箱シート9の保守・点検や交換などに際しては、蓋体1Bを弁箱1から取外し、雌ねじ孔93,93に吊りボルト(図示省略)を螺合し、この吊りボルトに連結されているワイヤを利用して、弁箱シートプレート90を吊り上げてプレート嵌合溝12から取出す簡単な作業によって、弁箱シート9を弁箱1から取外すことができる。
【0015】すなわち、本発明によれば、従来必要とされていた弁箱シート9に対する雄ねじ部9Aや弁箱1に対する従来の雌ねじ部11の加工などの煩わしい作業が不要になるので、生産性を向上させることができる。また、弁箱シートプレート90を出し入れする簡単な作業により、弁箱シート9を着脱することができるので、弁箱シート9の組立性を向上させ、かつ保守・点検時や交換時などの作業性を向上させることができる。
【0016】なお、前記実施の形態では、プレート嵌合溝12を弁棒2,3の軸線C2に平行に設けて、弁箱シートプレート90を弁箱1の上側から出し入れするように構成しているが、本発明は、前記実施の形態にのみ限定されるものではなく、プレート嵌合溝12を弁棒2,3の軸線C2に平行しない弁箱1の軸線C1に交差する方向に設けて、弁箱シートプレート90を出し入れするように構成してもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、弁箱における一端部の弁口部の内側に弁箱の軸線に交差する方向を有してプレート嵌合溝を設け、このプレート嵌合溝にリング状の弁箱シートが設けられた弁箱シートプレートを着脱可能に嵌合しているので、従来必要とされていた弁箱シートに対する雄ねじ部や弁箱に対する雌ねじ部の加工などの煩わしい作業が不要になり、生産性を向上させることができる。また、弁箱シートプレートを出し入れする簡単な作業により、弁箱シートを着脱することができるので、弁箱シートの組立性を向上させ、かつ保守・点検時や交換時などの作業性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年7月9日(1999.7.9)
【代理人】 【識別番号】100072338
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
【公開番号】 特開2001−21049(P2001−21049A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−195997