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【発明の名称】 容器と弁の接続方法、容器及びそれを用いるガスの生成方法
【発明者】 【氏名】高山 茂

【氏名】鳥巣 純一

【氏名】西川 徹

【氏名】松田 淳彦

【氏名】新井 正一

【要約】 【課題】容器と弁の接続部からのガスの漏洩を完全に防止することができる容器と弁の接続方法、容器及びそれを用いるガスの生成方法。

【解決手段】シール部にガスケット類またはメタルシールを使用し、これを絞めつけて接続する第1段階の接続と、容器と弁の接続部を外部から全周溶接する第2段階の接続を行なうことにより容器と弁を接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器と弁を接続する方法において、シール部にガスケット類またはメタルシールを使用し、これを絞めつけて接続する第1段階の接続と、容器と弁の接続部を外部から全周溶接する第2段階の接続を行なうことを特徴とする容器と弁の接続方法。
【請求項2】 前記接続部の絞めつけ構造が袋ナットである請求項1に記載の容器と弁の接続方法。
【請求項3】 前記ガスケット類が、パッキングまたはO−リングである請求項1または2に記載の容器と弁の接続方法。
【請求項4】 容器及び/または弁の接続部の構造に、面取りされた部分を有する請求項1〜3のいずれかに記載の容器と弁の接続方法。
【請求項5】 容器と弁の接続部の大きさが100mmφ以下である請求項1〜4のいずれかに記載の容器と弁の接続方法。
【請求項6】 第1段階の接続を行なった後、弁を通して容器及び弁の内部に不活性ガスを充填し、容器及び弁の内部がプラス圧の状態で第2段階の接続を行なう請求項1〜5のいずれかに記載の容器と弁の接続方法。
【請求項7】 あらかじめ固体を収納した容器を用いて第1段階の接続を行なう請求項1〜6のいずれかに記載の容器と弁の接続方法。
【請求項8】 前記固体が、加熱するとガスを発生する固体である請求項7に記載の容器と弁の接続方法。
【請求項9】 前記固体が、K3NiF6及び/またはK3NiF7を主成分とする固体である請求項7または8に記載の容器と弁の接続方法。
【請求項10】 シール部にガスケット類またはメタルシールを使用して絞めつける接続を行った容器と弁の接続部が、外部から全周溶接されていることを特徴とする容器。
【請求項11】 前記接続部の絞めつけ構造が袋ナットである請求項10に記載の容器。
【請求項12】 前記ガスケット類が、パッキングまたはO−リングである請求項10または11に記載の容器。
【請求項13】 容器及び/または弁の接続部の構造に、面取りされた部分を有する請求項10〜12のいずれかに記載の容器。
【請求項14】 容器と弁の接続部の大きさが100mmφ以下である請求項10〜13のいずれかに記載の容器。
【請求項15】 あらかじめ固体が収納された後に接続が行なわれた請求項10〜14のいずれかに記載の容器。
【請求項16】 前記固体が、加熱するとガスを発生する固体である請求項15に記載の容器。
【請求項17】 前記固体が、K3NiF6及び/または3NiF7を主成分とする固体である請求項15または16に記載の容器。
【請求項18】 ガスの漏洩量が2×10-7Pam3/sec以下である請求項10〜17のいずれかに記載の容器。
【請求項19】 あらかじめ容器にK3NiF6及び/またはK3NiF7の固体を収納させ、この容器と弁とをガスケット類またはメタルシールを有するシール部を絞めつけることにより接続し、その後、その接続部を全周溶接し、該容器を加熱することによりフッ素ガスを生成させる方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器または反応器(以下「容器」という。)と弁の接続部からのガスの漏洩防止を完全に行うことができる容器と弁の接続方法、容器及びその容器を用いるガスの生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】容器と弁を接続する方法としては、弁の下部のネジ部にシール用のテープ(一般にテフロン(登録商標)製で、シールテープと呼ばれる。)を巻きつけたものを容器にネジ込む方法がよく知られ、高圧ガス保安法に規定されている通常ボンベと呼ばれる圧力容器と弁を接続する際に用いられる。容器及び弁にフランジを取り付け、フランジ間にガスケットやO−リングあるいはパッキン等(以下「ガスケット類」という。)を挿入した状態で、このフランジ間をボルトによって絞め付けることによる接続方法もよく知られている。さらに、フランジの代わりに袋ナット継手を使用する接続方法や、単にネジ込み継手を使用する接続方法が知られている。また、ガスケット類の代わりにテーパ状のメタルシールを用いる接続方法も知られている。
【0003】これらの方法は、接続部を取り外したり、再接続したりする場合には、比較的簡単に再現性よく実施でき、また、特に固体の出し入れが容易であるという利点がある。しかし、いずれの方法も接続部の材料を密着させることにより漏れを防止する方法であるため、原理的にも、漏れを完全に防止することはできない。また、容器と弁の接続部を加熱または冷却して使用する場合、特に加熱・冷却を繰り返すことによる温度変化があり、また容器内の圧力変化が激しい場合は漏れが発生しやすいという問題がある。
【0004】一方、接続部からの漏洩を完全に防止するには、容器と弁を溶接により接続する方法が従来から広く知られている。しかしながら、溶接により接続する方法は、容器材料、弁の材料及び溶接材料を加熱により溶融させて一体化させる方法であるため、これらの材料や、溶接に伴い発生した分解物が容器の中に入り、容器内を汚染するという問題がある。従って、溶接による容器内部の汚染は避けられず、特に容器内部に固体が存在する状態で溶接をすると、容器内部のみならず内部に存在する固体の汚染も免れない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容器と弁の接続部からのガスの漏洩を完全に防止することができる容器と弁の接続方法、容器及びその容器を用いるガスの生成方法に関するものであり、特に加熱すると純度の高いフッ素ガスを発生することができる固体を、弁のついた耐熱性容器に入れ、これを加熱することにより純度の高いフッ素ガスを発生させて使用する際に、固体を内蔵する容器と弁の接続時に、容器内部及び容器内容物をほとんど汚染することなく、かつ接続部からのフッ素ガスの漏洩を完全に防止することができる容器と弁の接続方法、接続部からの漏洩を完全に防止することができる容器及びその容器を用いるフッ素ガスの生成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、先ず容器及び弁の接続部を前記ガスケット類またはメタルシールを用いて接続し、さらにその接続部を外部より全周溶接することにより、容器内部を汚染することなく、溶接部からのガスの漏洩を完全に防止できる構造とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の(1)〜(19)に示される、容器と弁の接続方法、容器及びその容器を用いるガスの生成方法に関する。
【0007】(1)容器と弁を接続する方法において、シール部にガスケット類またはメタルシールを使用し、これを絞めつけて接続する第1段階の接続と、容器と弁の接続部を外部から全周溶接する第2段階の接続を行なうことを特徴とする容器と弁の接続方法。
(2)前記接続部の絞めつけ構造が袋ナットである上記(1)に記載の容器と弁の接続方法。
(3)前記ガスケット類が、パッキングまたはO−リングである上記(1)または(2)に記載の容器と弁の接続方法。
(4)容器及び/または弁の接続部の構造に、面取りされた部分を有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の容器と弁の接続方法。
(5)容器と弁の接続部の大きさが100mmφ以下である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の容器と弁の接続方法。
(6)第1段階の接続を行なった後、弁を通して容器及び弁の内部に不活性ガスを充填し、容器及び弁の内部がプラス圧の状態で第2段階の接続を行なう上記(1)〜(5)のいずれかに記載の容器と弁の接続方法。
(7)あらかじめ固体を収納した容器を用いて第1段階の接続を行なう上記(1)〜(6)のいずれかに記載の容器と弁の接続方法。
(8)前記固体が、加熱するとガスを発生する固体である上記(7)に記載の容器と弁の接続方法。
(9)前記固体が、K3NiF6及び/またはK3NiF7を主成分とする固体である上記(7)または(8)に記載の容器と弁の接続方法。
【0008】(10)シール部にガスケット類またはメタルシールを使用して締めつける接続を行った容器と弁の接続部が、外部から全周溶接されていることを特徴とする容器。
(11)前記接続部の締めつけ構造が袋ナットである上記(10)に記載の容器。
(12)前記ガスケット類が、パッキングまたはO−リングである上記(10)または(11)に記載の容器。
(13)容器及び/または弁の接続部の構造に、面取りされた部分を有する上記(10)〜(12)のいずれかに記載の容器。
(14)容器と弁の接続部の大きさが100mmφ以下である上記(10)〜(13)のいずれかに記載の容器。
(15)あらかじめ固体が収納された後に接続が行なわれた上記(10)〜(14)のいずれかに記載の容器。
(16)前記固体が、加熱するとガスを発生する固体である上記(15)に記載の容器。
(17)前記固体が、K3NiF6及び/またはK3NiF7を主成分とする固体である上記(15)または(16)に記載の容器。
(18)ガスの漏洩量が2×10-7Pam3/sec以下である上記(10)〜(17)のいずれかに記載の容器。
(19)あらかじめ容器にK3NiF6及び/またはK3NiF7の固体を収納させ、この容器と弁とをガスケット類またはメタルシールを有するシール部を絞めつけることにより接続し、その後、その接続部を全周溶接し、該容器を加熱することによりフッ素ガスを生成させる方法。
【0009】すなわち、本発明は「容器内部及び容器内に存在する固体を汚染することなく、かつガスの漏洩を完全に防止することができる容器と弁の接続方法」、「接続部からのガスの漏洩を完全に防止することができる容器」及び「あらかじめK3NiF6及び/またはK3NiF7の固体を収納した該容器を加熱することによりフッ素ガスを生成させる方法」である。ここで、「完全に」とは、「可能な限り完全に」を含む意味に解釈される。
【0010】
【発明の実施の形態】容器と弁の接続部からのガスの漏洩を完全に防止するためには、接続部を溶接構造にする必要がある。しかしながら、前述したように、溶接する場合は、容器内部が汚染され、容器内部に固体が存在する場合は内部の固体も汚染される。特に、後から高純度のガスを発生させる目的で固体を容器内部に入れておく場合には、この発生ガスの純度を低下させる等の問題が発生する。ここで、特に固体としてK3NiF7やK3NiF6を用いて高純度のフッ素ガスを発生させる場合のように、発生ガスが毒性ガスである場合や、高純度のガスを発生させる必要がある場合、あるいは固体を内蔵した弁付き容器が前述のボンベのように移動式の容器である場合は、ガスの漏洩を完全に防止できる接続構造が望まれる。本発明はこのような背景の下になされたものであって、ガスの漏洩を完全に防止し、かつ、容器内部を汚染しない容器と弁の接続方法と、その接続方法を用いた容器及びその容器を用いるフッ素ガスの生成方法を提供することを目的とする。
【0011】本発明の容器と弁の接続構造は、容器及び弁の接続部がガスケット類またはメタルシールが使用可能な構造であり、かつ容器及び弁を接続した後、さらに、その接続部を外部より全周溶接することにより、容器内部を汚染することなく、溶接部からのガスの漏洩を完全に防止できる構造であることを特徴とする。ここで、容器及び弁の接続部を、ガスケット類またはメタルシールとする場合において、これらを絞めつける手段としては、前述したように、容器及び弁の接続部をフランジまたはネジ込み、あるいは袋ナットで接続する構造にしておけばよく、好ましくは袋ナットで接続する構造がよい。容器の材質は特に制限はないが、鉄、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金等を使用することができ、また、ガスケット類はパッキングまたはO−リングがよく、その材質は容器内部に存在する固体あるいは発生するガス等と反応しない材質であり、溶接に伴う温度上昇に耐える材質を用いればよい。一方、メタルシールの場合は、効率的にガスの漏洩を防止するためには、テーパー状のオススリーブとメススリーブを有するメタルシールユニオン構造とすることが好ましい。
【0012】次に、本発明に従って容器内に固体を内蔵させた状態で、この容器と弁とを接続する方法について説明する。先ず、シール部がガスケット類またはメタルシールであり、絞めつけ手段として、袋ナット構造の接続構造を有する容器及び弁に、必要に応じて洗浄・脱脂その他の前処理を行う。次に、この容器に固体を入れ、その後シール部がガスケット類の場合は、ガスケット類を所定の位置に設置した後、袋ナットにより接続部を絞めつけ、第1段階の接続を完了する。また、シール部がメタルシールの場合は、そのまま袋ナットにより接続部を絞めつけ、第1段階の接続を完了する。ここで、接続した容器と弁の接続部は、接続部の大きさが非常に大きいと、漏洩の程度も大きくなるが、その大きさが100mmφ程度以下の比較的小さい接続部の場合には、第1段階の接続後のガスの漏洩量を1×10-5〜1×10-6Pam3/sec程度にすることができる。続いて、袋ナットの周辺を溶接によって全て外部から溶接することにより、容器と弁を一体化する接続(以下「第2段階の接続」という。)を行うことで、全ての接続作業を完了する。この第2段階の接続を行うことで、接続部分からのガスの漏洩を完全に防止することができる。
【0013】前述のように、第1段階の接続を完了した部分は、漏洩量が1×10-5〜1×10-6Pam3/sec程度であり、非常に微量であるので、これを外部から溶接する際には、溶接作業に伴う内部の汚染をほぼ防止できる。また、接続部の大きさが100mmφ以上の場合であっても、第1段階を行わずに単に溶接する方法に比較して第1段階の接続を行った後に溶接を行う方法は、容器の内部汚染を大幅に防止できる方法であることは明らかである。
【0014】以上、第1段階の接続を完了した容器と弁に対し、容器内部と外部がともに大気圧下の状態で、溶接する方法を述べた。しかし、溶接を行う際に微少リークに伴なう容器内部の汚染が問題となる場合には、第1段階の接続終了後に容器内に弁を通じて不活性ガスを充填する方法により、あるいは他の方法を用いて容器内を加圧状態にして第2段階の接続を行なうことも可能である。このような方法を採用すれば、溶接時に容器内部の方が圧力が高いため、溶接に伴う容器内部の汚染防止効果は更に完全なものとなる。また、逆に容器内部を真空にした状態で溶接することも可能である。
【0015】次に図1〜図3に示す容器と弁の接続方法の実施形態の例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。図1に示したように、本発明の実施形態の接続構造1は、ネジ付き袋ナット5を組み込んだテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3を弁1と一体化させる一方、ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4を容器2と一体化させておき、容器2側のネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4のネジ部に弁1側のネジ付き袋ナット5をかぶせ、これをネジ込むことにより、容器2と弁1の第1段階の接続を行なうものである。ここで、テーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3と弁1とを一体化する方法については、洩れがない方法を用いればよいが、お互いを別々に製作した後、付き合わせ溶接あるいは差し込み溶接等の溶接(7−溶接部1)により一体化する方法が簡便な方法の1つである。また、テーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3とネジ付き袋ナット5については、テーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3とネジ付き袋ナット5を元々一体の金属塊から一体物として加工してもよいし、別々に製作したものを組み合せて使用してもよいが、図1は別々に製作したものを組み合わせて使用する例を示している。また、ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4は、容器2の上部を加工して製作してもよいし、図1に示すように、別に製作したものを容器2に接続し、接続部を溶接(8−溶接部2)してもよい。
【0016】以上述べた方法で、ネジ付き袋ナット5を組み込んだテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3のついた弁1と、ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4のついた容器2の準備ができたら、これらを必要に応じて洗浄、脱脂、フッ素化被膜等の被膜の形成、その他の前処理を行う。その後、固体を容器2内に入れる場合にはこの段階で固体を入れ、続いてネジ付き袋ナット5により容器2と弁1を接続することにより、第1段階の接続を完了する。続いて、ネジ付き袋ナット5とネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4との接続部である9(溶接部3−ネジ付き袋ナット5の先端部)を外部より全周溶接することにより、第2段階の接続を完了する。ここで、図1のようにネジ付き袋ナット5がテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3と一体物ではなく、別々に製作された後、組み込まれている形式の場合は、テーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3とネジ付き袋ナット5との接続部である10(溶接部4−袋ナット根もと)も9(溶接部3)と同様に外部より全周溶接する必要がある。
【0017】以上の作業により、溶接に伴なう容器内の汚染を防止し、かつ、洩れのない、容器と弁の接続が完成する。また、9(溶接部3)及び10(溶接部4)を溶接する前に、弁1を通じて容器内に窒素ガスやヘリウムあるいはアルゴンガス等の不活性ガスを充填し、容器内を若干の加圧(例えば0.05MPa-G程度)にしておき、その状態で9(溶接部3)及び10(溶接部4)を溶接すれば、更に溶接による内部汚染の防止を完全に行うことができる。また逆に、必要に応じて容器内部を真空にした状態で溶接を行ってもよい。
【0018】ところで、ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4に、ネジ付き袋ナット5をネジ込む際、十分なシール性を得るにはある程度の絞めつけ力が必要であり、そのためには工具としてスパナ類を用いることが一般的である。工具を用いる時、ネジ付き袋ナット5側は袋ナット自身の外形を角型にすることにより、スパナがかかり易いが、ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4は、円筒形のままではスパナがかけられないので、ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4にスパナをかけられるように円筒の一部を削り取っておくと作業がし易い。図1において、6はこの目的のためにネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4の削り取られた部分(以下「面取りされた部分」という。)を示している。
【0019】次に、図2に示す本発明の実施形態の接続構造2について説明する。この構造は図1に示す接続構造1と同様に、第1段階の接続をメタルシールユニオン及び袋ナットを用いるものであるが、袋ナットを容器側のテーパーメタルシールユニオンに組み込んだ点が接続構造1と異なる。図2に示す接続構造2は、ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4を接続部とする弁1と、ネジ付き袋ナット5が組み込まれているテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3を接続部とする容器2を用意し、弁1側のネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4のネジ部に容器2側のネジ付き袋ナット5をかぶせ、これをネジ込むことにより、容器2と弁1の第1段階の接続を行なう構造である。
【0020】ここで、ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4は、弁1の下部を加工して製作してもよいし、別々に製作し、図の7(溶接部1)の様に弁1とネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)4を溶接により接続してもよい。また、容器2の上部のテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3とネジ付き袋ナット5については、容器上部を加工してネジ付き袋ナット5とテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3及び容器2を一体化して製作してもよいし、ネジ付き袋ナット5とテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3を一体化して作り、これを容器2に接続し、接続部を溶接してもよい。また、ネジ付き袋ナット5をテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3とは別々に製作し、これを図の様に組み込む場合は、容器2とは別にテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3を製作し、ネジ付き袋ナット5を組み込んだ後テーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3を容器2に接続し、接続部を溶接(8−溶接部2)する。
【0021】さて、各々の接続部を有する容器2と弁1は、接続構造1と同様にまず前処理を行ない、その後、固体を容器2内に入れる場合にはこの段階で固体を入れた後、第1段階の接続を行なう。その後、溶接についてはネジ付き袋ナット5がテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3と一体化されたものであれば、9(溶接部3)を全周溶接することで、第2段階の接続を完了する。また、ネジ付き袋ナット5がテーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)3と別々のものであれば、9(溶接部3)に加え10(溶接部4)も全周溶接することで、第2段階の接続は完了する。尚、溶接に先立ち、接続構造1と同様に容器内に不活性ガス等を充填し、容器内が加圧された状態で第2段階の接続を行なってもよいし、逆に容器内を負圧にした状態で第2段階の接続を行なってもよい。
【0022】続いて、図3に示す本発明の実施形態の接続構造3について、構造及び構造を完成させる手順を述べる。図3に示す接続構造3は、シール部のガスケット類を袋ナットで絞め付けることにより第1段階の接続を行なうものである。具体的には、図3に示す接続構造3は、接続部に適当なガスケット類11を用いるためのシール面を有し、かつ絞め込むためのネジ部を有するネジ付き袋ナット継手13を有する弁1と、ネジ付き袋ナット継手13に接続するためのネジ部とガスケット類11を用いるためのシール面を有するネジ付きガスケット継手12を有する容器2を用意し、シール部にガスケット類11を設置した後、ネジ付き袋ナット継手13をネジ付きガスケット継手12にネジ込むことによりガスケット類11を絞めつけ、第1段階の接続を行なう。
【0023】ここで、ネジ付き袋ナット継手13は、弁1と一体化して製作してもよいし、図3に示すように別々に製作したものを後から溶接(7−溶接部1)して接続してもよい。更に図3に示すネジ付き袋ナット継手13は、シール部を有する部品と袋ナット部を一体化した部品を示しているが、この様に一体化した部品を用いてもよいし、図1及び図2に示す袋ナットのように、シール部の継手とネジ付き袋ナットとを別々に製作し、これを組み込んで使用してもよい。また、ネジ付きガスケット継手12も容器2と一体化して製作してもよいし、別々に製作して接続し、接続部を溶接(8−接続部2)してもよい。
【0024】以上のようにして、ネジ付き袋ナット継手13つきの弁1とネジ付きガスケット継手12つき容器2を用意した後、必要な前処理を行ない、その後固体を容器2内に入れる場合にはこの段階で固体を入れた後、続いてガスケット類11をシール面に設置した後、ネジ付き袋ナット継手13等を用いて絞め付けることにより第1段階の接続を完了する。続いてネジ付き袋ナット継手13とネジ付きガスケット継手12との接続部である9(溶接部3)を外部より全周溶接することにより、第2段階の接続を完了する。ここで、ネジ付き袋ナット継手13が一体でなく、シール部の継手とネジ付き袋ナットが別々のもので、これを組み合わせて使用している場合は、シール部の継手とネジ付き袋ナット13の接続部の根もと部を全周溶接する工程を追加することにより第2段階の接続が完了することは言うまでもない。尚、これらの溶接を行なう際、必要に応じて容器内を加圧したり、負圧にしたりすることは接続構造1及び2と同様に可能である。
【0025】
【実施例】以下、実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[接続構造1を有する容器の作製]以下の(1)〜(4)の操作を行うことにより第1及び第2段階の接続を行い、接続構造1を有する容器を作製した。
(1)上部のみに開口部を有する、ボンベ状で内容積約4リットルのモネル(ニッケル・銅合金)製容器に、内径約20mmφのモネル製ネジ付きテーパーメタルシールユニオン(メススリーブ)を溶接した容器を用意した。
(2)ボンベに使用されている形状のステンレス製弁に、モネル製ネジ付き袋ナットを組み込んだモネル製テーパーメタルシールユニオン(オススリーブ)(内径約20mmφ)を溶接した弁を用意した。
(3)袋ナット部を利用して上記(1)の容器と(2)の弁を接続することにより第1段階の接続を行い、続いて弁のガス充填口を通して容器内にヘリウムガスを0.05MPa-abs.の圧力まで充填した。
(4)容器と弁の接続部である袋ナットの先端部及び付け根の部分を外部より全周溶接した。
[漏洩量の測定]実施例1で作製した容器内にヘリウムガスを追加充填し、容器内の圧力を0.3MPa-Gとした後、外部よりヘリウムガスの漏洩量を測定した結果、実施例1で作製した容器の漏洩量はヘリウムリークディテクターのスニファー法による測定下限値、約2×10-7Pam3/sec以下であった。
【0026】(比較例)ヘリウムガスを充填した溶接する前の容器にヘリウムガスを追加充填し、容器内の圧力を0.3MPa-Gとした後、この容器の袋ナット部のガス漏洩量をヘリウムリークディテクターを用いて外部より測定したところ、漏洩量は、約5×10-6Pam3/secであった。
【0027】(実施例2)実施例1に示した(1)と(2)の操作を行った後、容器内にK3NiF7の固体2Kgを入れ、続いて(3)と(4)の操作を行うことにより、あらかじめK3NiF7が容器内に収納された接続構造1を有する容器を作製した。この容器を減圧した後、350〜400℃に加熱してフッ素ガスを発生させた。フッ素ガスの漏洩を市販のフッ素ガス漏洩検知器により確認したところ、フッ素ガスの濃度は0.3volppm未満であり検出できなかった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の容器と弁の接続方法によれば、接続部からのガスの漏洩を完全に防止できる。また、あらかじめ固体を収納した容器と弁を接続する場合でも、容器内部及び容器内容物をほとんど汚染することがない。従って、固体が加熱するとガスを発生する固体であり、極度に汚染を嫌う物質であっても、内部の固体を汚染することがないので高純度のガスを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
【出願日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【代理人】 【識別番号】100094237
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 平
【公開番号】 特開2001−241549(P2001−241549A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−52642(P2000−52642)