| 【発明の名称】 |
耐熱性シール材 |
| 【発明者】 |
【氏名】塚本 勝朗
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| 【要約】 |
【課題】耐熱性と断熱性とを兼ね備え、しかも所望の形状に安定に成形加工し易く、成形加工後の形状安定性に優れたシール材を実現する。
【解決手段】耐熱性シール材1は、アルミニウム系繊維を用いて形成された金属繊維板2と、金属繊維板2に対して積層された金属板3とを備えている。金属板3は、多数の突起4を一体に有しており、当該突起4が金属繊維板2内に侵入することにより金属繊維板2と結合して一体化している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】アルミニウム系繊維を用いて形成された金属繊維板と、前記金属繊維板に対して積層された金属板とを備え、前記金属板は、複数の突起を一体に有しており、前記突起が前記金属繊維板内に侵入することにより前記金属繊維板と結合している、耐熱性シール材。 【請求項2】前記金属繊維板と前記金属板との間に配置された、ガラス繊維およびセラミック繊維のうちの少なくとも1種を用いて形成された不織布をさらに備えている、請求項1に記載の耐熱性シール材。 【請求項3】前記金属板の両面側に前記金属繊維板が積層されている、請求項1または2に記載の耐熱性シール材。 【請求項4】前記金属繊維板の両面側に前記金属板が積層されている、請求項1または2に記載の耐熱性シール材。 【請求項5】前記金属板の一方の面側に前記金属繊維板が積層されておりかつ前記金属板の他方の面側に積層された前記金属板よりも軟質な第2金属板を更に備え、前記金属板は、前記突起が前記第2金属板内に侵入することにより前記第2金属板と結合している、請求項1に記載の耐熱性シール材。 【請求項6】前記金属繊維板と前記金属板との間および前記金属板と前記第2金属板との間にそれぞれ配置された、ガラス繊維およびセラミック繊維のうちの少なくとも1種を用いて形成された不織布をさらに備えている、請求項5に記載の耐熱性シール材。 【請求項7】前記金属繊維板が無機質目詰め材を含有している、請求項1、2、3、4、5または6に記載の耐熱性シール材。 【請求項8】前記不織布が無機質目詰め材を含有している、請求項2、3、4、6または7に記載の耐熱性シール材。 【請求項9】前記無機質目詰め材がアルミニウム、アルミニウム合金、アルミメッキ鋼材、ステンレス、シリカ、アルミナ、シリコンカーバイト、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、シリコン、ガラスおよび炭素材からなる群から選ばれた少なくとも1種の粉状体である、請求項7または8に記載の耐熱性シール材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、シール材、特に、耐熱性シール材に関する。 【0002】 【従来の技術とその課題】例えば自動車や焼却設備の排気ガス流路において、高温の排気ガスが流れる流路間の接合部位には、排気ガスの漏れを防ぐためのガスケットが配置されている。ここで用いられるガスケットは、耐熱性が要求されるものであることから、通常、ガラス不織布、セラミック織布、膨張黒鉛等の耐熱性を有するシール材を用いて形成されている。 【0003】ところで、上述のガスケットは、流路間の接合部位に対応した各種の形状に設定される必要があることから、通常は上述のシール材を所望の形状に成形することにより製造されている。しかし、上述の耐熱性シール材は、柔軟であって賦形性に乏しく、所望の形状に成形できたとしてもその形状を維持し続けるのが困難である。このため、上述のシール材は、通常、金属板が積層され、それによって形状保持性が付与されている。 【0004】ここで、ガラス不織布やセラミック織布に対して金属板を積層したシール材は、断熱性を示し、接合部間における熱の伝達を有効に遮断することができるが、金属板が有機質の接着剤を用いて積層されているために、所望のガスケット形状に成形する過程で金属板が剥離し易く、成形形状の安定性が損なわれるおそれがある。また、高温下で使用されると接着剤が劣化し、同様に金属板が剥離して形状安定性が損なわれるおそれがあるばかりではなく、シール性そのものが損なわれるおそれがある。 【0005】一方、膨張黒鉛に対して金属板を積層したシール材は、金属板に一体的に設けた多数の鉤部を膨張黒鉛内に侵入させることによって膨張黒鉛と金属板とを結合させているため、成形過程における両者の剥離が起こり難く成形形状は比較的安定しているが、断熱性に乏しく、接合部間における熱の伝達を有効に遮断するのは困難である。 【0006】本発明の目的は、耐熱性と断熱性とを兼ね備え、しかも所望の形状に安定に成形加工し易く、成形加工後の形状安定性に優れたシール材を実現することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の耐熱性シール材は、アルミニウム系繊維を用いて形成された金属繊維板と、金属繊維板に対して積層された金属板とを備えており、金属板は、複数の突起を一体に有しておりかつ当該突起が金属繊維板内に侵入することにより金属繊維板と結合している。 【0008】この耐熱性シール材は、例えば、金属繊維板と金属板との間に配置された、ガラス繊維およびセラミック繊維のうちの少なくとも1種を用いて形成された不織布をさらに備えている。 【0009】この耐熱性シール材の一形態においては、例えば、金属板の両面側に金属繊維板が積層されている。また、この耐熱性シール材の他の形態においては、例えば、金属繊維板の両面側に金属板が積層されている。さらに、この耐熱性シール材の更に他の形態は、例えば、金属板の一方の面側に金属繊維板が積層されておりかつ金属板の他方の面側に積層された金属板よりも軟質な第2金属板を更に備えており、金属板は、突起が第2金属板内に侵入することにより第2金属板と結合している。この形態の場合、耐熱性シール材は、例えば、金属繊維板と金属板との間および金属板と第2金属板との間にそれぞれ配置された、ガラス繊維およびセラミック繊維のうちの少なくとも1種を用いて形成された不織布をさらに備えている。 【0010】さらに、本発明の耐熱性シール材において、金属繊維板は、例えば無機質目詰め材を含有している。また、この耐熱性シール材は、ガラス繊維およびセラミック繊維のうちの少なくとも1種を用いて形成された不織布をさらに備えている場合、当該不織布は、例えば無機質目詰め材を含有している。ここで、無機質目詰め材は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミメッキ鋼材、ステンレス、シリカ、アルミナ、シリコンカーバイト、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、シリコン、ガラスおよび炭素材からなる群から選ばれた少なくとも1種の粉状体である。 【0011】 【発明の実施の形態】実施の形態1本発明の耐熱性シール材の実施の一形態を図1に示す。図において、耐熱性シール材1は、金属繊維板2と、それに積層された金属板3とを主に備えている。 【0012】金属繊維板2は、アルミニウム系繊維が絡み合って形成された不織布状の多孔質な板材である。この金属繊維板2を構成するアルミニウム系繊維は、アルミニウムの繊維または各種のアルミニウム合金の繊維であり、例えば、溶融アルミニウムまたは溶融アルミニウム合金を紡糸して形成されたものである。アルミニウム系繊維の平均繊維径は、通常、80〜110μmに設定されているのが好ましく、95〜100μmに設定されているのがより好ましい。この平均繊維径が80μm未満の場合は、金属繊維板2の製造が困難になり、金属繊維板2がコスト高になるおそれがある。逆に、110μmを超える場合は、アルミニウム系繊維の線径が不均一になり易く、金属繊維板2の密度が不安定になるおそれがある。 【0013】また、ここで用いられるアルミニウム系繊維の比表面積は、通常のアルミニウム繊維、すなわち、アルミニウムを押出して製造されたものよりも20〜30%大きいのが好ましく、具体的には6,000〜15,000cm2/gが好ましく、7,000〜13,000cm2/gがより好ましく、8,000〜11,000cm2/gがさらに好ましい。この比表面積が6,000cm2/gよりも小さい場合は、耐熱性シール材1の断熱性が低下するおそれがある。なお、比表面積が15,000cm2/gを超えるアルミニウム系繊維は製造が困難であって高価であり、経済的ではない。 【0014】このような金属繊維板2の密度(目付量)は、通常、400〜2,000g/m2に設定されているのが好ましく、1,100〜2,000g/m2に設定されているのがより好ましい。この密度が400g/m2未満の場合は、金属板3との結合性が低下し、耐熱性シール材1を所望の形状に成形加工する際に、金属繊維板2と金属板3との間に剥離が生じるおそれがある。また、耐熱性シール材1のシール材としての基本的な機能が損なわれるおそれがある。逆に、2,000g/m2を超える場合は、耐熱性シール材1の断熱性が低下するおそれがある。 【0015】また、金属繊維板2の厚さは、通常、0.5〜6.0mmに設定されるのが好ましく、0.8〜1.5mmに設定されるのがより好ましい。この厚さが0.5mm未満の場合は、耐熱性シール材1の断熱性が低下するおそれがある。逆に、6.0mmを超える場合は、金属繊維板2の密度が不安定になり、目的とする耐熱性シール材1が得られにくくなるおそれがある。 【0016】なお、金属繊維板2は、必要に応じて無機質目詰め材を含有していてもよい。ここで用いられる無機質目詰め材は、金属繊維板2の空隙部分を埋めることにより耐熱性シール材1のシール性、強度、耐熱性および使用部位との馴染み性を高めるためのものである。無機質目詰め材の種類は、特に限定されるものではないが、金属繊維板2内に含有され易く、目的とするシール性等を改善し易いことから、通常、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミメッキ鋼材、ステンレス、シリカ、アルミナ、シリコンカーバイト、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、シリコン、ガラスおよび炭素材からなる群から選ばれた少なくとも1種の粉状体を用いるのが好ましい。 【0017】なお、金属繊維板2における無機質目詰め材の含有量は、通常、耐熱性シール材1により達成すべき所要の効果を損なわない程度に設定するのが好ましい。 【0018】一方、金属板3は、金属繊維板2に対して賦形性を付与するためのものであり、所望の形状に成形加工し易く、しかも成形加工後の形状を安定に維持できるものでありかつ金属繊維板2よりも硬質のものであれば材質が特に限定されるものではないが、通常は鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等が用いられる。金属板3の厚さは、所望の形状に容易に成形加工可能でありかつ成形後の形状を維持可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常は0.08〜0.35mmに設定されるのが好ましく、0.10〜0.30mmに設定されるのがより好ましい。 【0019】この金属板3は、金属繊維板2が積層されている側の面に突出する多数の突起4を一体的に有している。この突起4は、例えば、金属板3に対して規則的に切り込み片を設け、この切り込み片を起立させた突起状またはフック(鉤)状のものであり、軟質なアルミニウム系繊維からなる金属繊維板2内に侵入し、すなわち食い込んで、金属板3と金属繊維板2とを強固に結合して一体化している。 【0020】上述のような耐熱性シール材1は、例えば、多数の突起4を一体的に有する金属板3に対して金属繊維板2を積層し、両者を緩やかに加圧して突起4を金属繊維板2内に侵入させると製造することができる。ここで、突起4の高さが金属繊維板2の厚さよりも大きい場合、突起4の先端部は金属繊維板2の表面から突出することになるが、そのような突出する突起4の先端部は、金属繊維板2の表面側に折り曲げられてもよい。なお、金属繊維板2として無機質目詰め材を含有するものを用いる場合、無機質目詰め材は、予め金属繊維板2に対して散布し、その内部に分散させておくのが好ましい。 【0021】上述の耐熱性シール材1は、例えば、焼却設備や自動車などの高温の排気ガスを発生する装置において、当該排気ガスが流れる流路間の接合部位等を気密に封止するガスケットを形成するための材料として用いられる。この場合、耐熱性シール材1は、接合部位に応じた所望の形状、例えば平坦な円環状や各種の立体的な形状に成形加工される。この際、耐熱性シール材1は、主として上述のようなアルミニウム系繊維を用いて形成された金属繊維板2からなるため所望の形状に成形加工し易く、また、成形加工により設定された形状は、金属板3により安定に保持され得る。また、金属繊維板2と金属板3とは、金属板3側に一体的に設けられた多数の突起4により強固に結合しているため、このような成形加工工程において剥離しにくく、積層状態を安定に維持し得る。 【0022】所望の形状に成形加工された耐熱性シール材1は、その周辺部に対して気密性を確保するためのグロメット加工を施すと、ガスケットとして利用することができる。このようにして形成されたガスケットは、耐熱性シール材1が上述のような金属繊維板2を備えているため、良好な圧縮性および圧縮後の復元性を示し、接合部を確実に気密に封止することができる。また、耐熱性シール材1は、全体として金属材料からなるために良好な耐熱性を示し、同時に、多孔質な金属繊維板2を備えているために良好な断熱性を示し得る。したがって、この耐熱性シール材1を用いて形成されたガスケットは、例えば高温の配管部分と低温の配管部分とを接合するために用いられた場合、高温の配管部分側から低温の配管部分側に熱が伝達するのを有効に抑制することができる。 【0023】なお、耐熱性シール材1は、上述のように様々な形状に安定して成形加工することができるため、単にガスケットを形成するための材料として用いられるだけではなく、自動車のエンジンの排気マニホールド部分のガスケットと当該マニホールドの遮熱用カバーとの両機能を兼ね備えたような複雑な形状の部材を製造するための材料として用いることもできる。より具体的には、耐熱性シール材1は、エンジン本体と排気マニホールドとの接合部を機密に封止するためのガスケット形状と排気マニホールドを覆うような遮熱用カバー形状とを同時に一体的に有するような複雑な形状に成形することができる。この場合、耐熱性シール材1は、良好なシール性を示すため、エンジン本体と排気マニホールドとの接合部を気密に封止することができ、また、良好な断熱性を示すため、排気マニホールド内を流れる高温の排気ガスによる熱がエンジンルーム内に伝達されるのを効果的に抑制することができる。 【0024】実施の形態2図2に、他の実施の形態に係る耐熱性シール材10を示す。図において、耐熱性シール材10は、実施の形態1において用いられるものと同様の2枚の金属繊維板2と、金属板13とを備えた3層構造に形成されており、各金属繊維板2,2は金属板13の両面側にそれぞれ積層されている。ここで用いられる金属板13は、実施の形態1において用いられるものと基本的には同様のものであるが、多数の突起4が両面に突出するように形成されている点が異なっている。 【0025】このような耐熱性シール材10は、2枚の金属繊維板2,2間に金属板13を挟み込み、これらを緩やかに加圧して突起4を金属繊維板2,2内に侵入させると製造することができる。そして、この耐熱性シール材10は、実施の形態1に係る耐熱性シール材1と同様に利用することができ、また、当該耐熱性シール材1と同様の効果を発揮し得る。なお、この耐熱性シール材10は、上述のように構成されているため、圧縮率は比較的小さいものの、圧縮後の復元率が大きい。従って、この耐熱性シール材10は、大きな復元率が要求されるガスケットを形成するために用いられると特に有効である。 【0026】この耐熱性シール材10は、図3に示すように、金属板13と金属繊維板2,2との間に、ガラス繊維およびセラミック繊維のうちの少なくとも1種を用いて形成された不織布15,15がさらに配置されていてもよい。この場合、耐熱性シール材10は、より高い断熱性を発揮し得る。因みに、このような断熱性シール材10では、金属板13の突起4が不織布15,15を貫通して対応する金属繊維板2,2内に侵入し、全体として安定な積層構造を達成することになる。 【0027】実施の形態3図4に、さらに他の実施の形態に係る耐熱性シール材20を示す。図において、耐熱性シール材20は、実施の形態1において用いられるものと同様の金属繊維板2と2枚の金属板3,3とを備えており、各金属板3,3は金属繊維板2の両面側にそれぞれ積層されている。ここで、各金属板3,3は、その多数の突起4が金属繊維板2内に侵入しており、これにより、金属繊維板2と一体化されている。 【0028】このような耐熱性シール材20は、2枚の金属板3,3間に金属繊維板2を挟み込み、これらを緩やかに加圧して各金属板3,3の突起4を金属繊維板2内に侵入させると製造することができる。そして、この耐熱性シール材20は、実施の形態1に係る耐熱性シール材1と同様に利用することができ、また、当該耐熱性シール材1と同様の効果を発揮し得る。なお、この耐熱性シール材20は、上述のように構成されているため、実施の形態2に係る耐熱性シール材10に比べ、圧縮率が大きく、圧縮後の復元率が小さい。このため、この耐熱性シール材20は、大きな圧縮率が要求されるガスケットを形成するために用いられると特に有効である。 【0029】この耐熱性シール材20は、図5に示すように、各金属板3,3と金属繊維板2との間に、ガラス繊維およびセラミック繊維のうちの少なくとも1種を用いて形成された不織布15,15がさらに配置されていてもよい。この場合、耐熱性シール材20は、より高い断熱性を発揮し得る。因みに、このような断熱性シール材20では、各金属板3,3の突起4が不織布15,15を貫通して金属繊維板2内に侵入し、全体として安定な積層構造を達成することになる。 【0030】実施の形態4図6に、さらに他の実施の形態に係る耐熱性シール材30を示す。図において、耐熱性シール材30は、金属板13の両面側にそれぞれ金属繊維板2および第2金属板5が積層された積層構造に形成されている。金属繊維板2は、実施の形態1において用いられている金属繊維板2と同様のものである。また、金属板13は、実施の形態2で用いられている金属板13と同様のものであり、多数の突起4がその両面側に突出している。一方、第2金属板5は、金属板13よりも軟質の金属、例えば、金属板13が鉄やステンレスからなる場合はアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いて構成された板状体である。なお、この第2金属板5の厚さは、通常、金属繊維板2の厚さよりも小さく設定されているのが好ましい。 【0031】このような耐熱性シール材30において、金属繊維板2は、その内部に金属板13の突起4が侵入することにより、金属板13と一体化されている。一方、第2金属板5は、金属板13よりも軟質の金属からなるため、金属板13の突起4がその内部に侵入することにより、金属板13と一体化されている。これにより、耐熱性シール材30は、金属板13に対して金属繊維板2および第2金属板5が一体化した安定な積層構造を達成している。 【0032】このような耐熱性シール材30は、金属繊維板2と第2金属板5との間に金属板13を挟み込み、これらを緩やかに加圧して突起4を金属繊維板2内および第2金属板5内に侵入させると製造することができる。そして、この耐熱性シール材30は、実施の形態1に係る耐熱性シール材1と同様に利用することができ、また、当該耐熱性シール材1と同様の効果を発揮し得る。なお、この耐熱性シール材30は、上述のような第2金属板5を備えているため、圧縮率および圧縮後の復元率を実施の形態2に係る耐熱性シール材10と実施の形態3に係る耐熱性シール材20との中間程度に設定することができる。すなわち、この耐熱性シール材30は、圧縮率と復元率とを概ね均衡させることができるため、圧縮率と復元率とが均衡した特性を要求されるガスケットを形成するために用いられると特に有効である。 【0033】この耐熱性シール材30は、図7に示すように、金属板13と金属繊維板2との間および金属板13と第2金属板5との間に、それぞれガラス繊維およびセラミック繊維のうちの少なくとも1種を用いて形成された不織布15,15がさらに配置されていてもよい。この場合、耐熱性シール材30は、より高い断熱性を発揮し得る。因みに、このような断熱性シール材30では、金属板13の突起4が不織布15,15を貫通して金属繊維板2内および第2金属板5に侵入し、全体として安定な積層構造を達成することになる。 【0034】他の実施の形態上述の実施の形態2〜4において用いられる不織布15は、それぞれの形態の耐熱性シール材のシール性、強度、耐熱性等を高めるために、金属繊維板に含有されるものと同様の無機質目詰め材を含有していてもよい。 【0035】 【実施例】実施例1、2平均繊維径が100μmで平均比表面積が8,000〜11,000cm2/gの範囲にあるアルミニウム繊維からなる、幅500mm、厚さ1.5mmに設定されかつ密度(目付量)が表1に示す通りに設定された金属繊維板2枚と、幅500mm、厚さ0.25mmに設定されかつ高さが約1mmの突起を両面に多数有する鉄製の金属板とを用意した。そして、2枚の金属繊維板間に金属板を挟み込んだ積層体を構成し、この積層体を緩やかに加圧した。これにより、上述の実施の形態2に係る耐熱性シール材を得た。 【0036】実施例3、4実施例1、2で用いたものと同様の金属繊維板と、幅500mm、厚さ0.127mmに設定されかつ高さが約0.8mmの突起を片面に多数有するステンレス製の金属板2枚とを用意した。そして、2枚の金属板間に金属繊維板を挟み込んだ積層体を構成し、この積層体を緩やかに加圧した。これにより、上述の実施の形態3に係る耐熱性シール材を得た。 【0037】実施例5、6実施例1、2で用いたものと同様の金属繊維板および金属板と、幅300mm、厚さ0.25mmに設定されたアルミニウム製の第2金属板とを用意した。そして、金属板を挟み込むようにして金属繊維板と第2金属板とを積層し、この積層体を緩やかに加圧した。これにより、上述の実施の形態4に係る耐熱性シール材を得た。 【0038】比較例1平均繊維径が35μmのガラス繊維からなる、幅1,000mm、厚さ1.5mmに設定されかつ密度(目付量)が35g/m2に設定されたガラス不織布2枚を金属繊維板に代えて用いた点を除き、実施例1、2と同様の耐熱性シール材を得た。 【0039】比較例2幅500mm、厚さ1.5mmに設定された膨張黒鉛2枚を金属繊維板に代えて用いた点を除き、実施例1、2と同様の耐熱性シール材を得た。 【0040】比較例3比較例1で用いたものと同じガラス不織布を金属繊維板に代えて用いた点を除き、実施例3、4と同様の耐熱性シール材を得た。 【0041】比較例4比較例2で用いたものと同じ膨張黒鉛を金属繊維板に代えて用いた点を除き、実施例3、4と同様の耐熱性シール材を得た。 【0042】評価各実施例および各比較例で得られた耐熱性シール材について、耐熱性、断熱性、圧縮復元性および成形性を評価した。結果を表1に示す。なお、評価試験は、下記の方法に従って実施した。 【0043】(耐熱性)耐熱性シール材を500℃に設定されたテスト炉(株式会社千代田セラミック商会の商品名”SUNNY8.5立容積”)中で加熱した。そして、1時間後および3時間後に耐熱性ガスケットをテスト炉から取り出し、その重量変化を調べた。評価の基準は下記の通りである。 ○:重量変化なし。 ×:大幅に重量が減少した。 【0044】(断熱性)電気炉(泉製作所株式会社製)のドアを取り外し、その開口部を厚さ1.0mmのアルミニウム板で閉鎖した。そして、当該アルミニウム板から30mmの間隔を設け、耐熱性シール材をアルミニウム板と対向して配置した。電気炉内の温度を300℃に設定し、2時間後に耐熱性シール材の表面温度(アルミニウム板と対向している面の反対側の面の表面温度)を調べた。評価の基準は次の通りである。 【0045】 ◎:耐熱性シール材の表面に、長時間手を触れることができる程度の温度。 ○:耐熱性シール材の表面に、短時間であれば手を触れることができる程度の温度。 ×:耐熱性シール材の表面に、全く手を触れることができない程度の温度。 【0046】(圧縮復元性)耐熱性シール材に対して350kg/cm2の面圧を加えて圧縮し、その際の圧縮率と、圧縮後の復元率とを測定した。 【0047】(成形性)耐熱性シール材を90度折り曲げ、その際の形状保持性、層間の剥離状況および折り曲げ部のクラック発生状況を調べた。評価の基準は下記の通りである。 ・形状保持性○:折り曲げ形状を維持している。 ×:少しずつ折り曲げ前の形状に復元し始める。 ・剥離○:剥離なし。 △:層間の一部に剥離有り。 ×:著しい剥離有り。 ・クラック○:クラック発生なし。 ×:著しいクラックの発生有り。 【0048】 【表1】
【0049】 【発明の効果】本発明の耐熱性シール材は、アルミニウム系繊維を用いて形成された金属繊維板と、金属繊維板に対して積層された金属板とを備えており、両者が金属板に一体的に設けられた突起により結合しているため、耐熱性と断熱性とを兼ね備え、しかも所望の形状に安定して成形加工し易く、成形加工後の形状安定性に優れている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390015679 【氏名又は名称】ジャパンマテックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月22日(1999.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099841 【弁理士】 【氏名又は名称】市川 恒彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−173784(P2001−173784A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月26日(2001.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−365267 |
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