| 【発明の名称】 |
軸封装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古 川 武 也
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| 【要約】 |
【課題】パッキン片の薄肉単純形状化を図り、コンパクトで信頼性の高い軸封装置を提供することである。
【解決手段】この軸封装置は、回転軸7の周りに配設されたパッキン箱30とこのパッキン箱の開口部を覆うパッキン箱カバー31によって形成される円環状空間に、周方向に複数個のパッキン片32を回転軸に当接するように配置した軸封装置において、半径方向内方に向かって開口する凹部40aが周方向に離間して形成された櫛歯状リング40をパッキン箱30内に内装し、この櫛歯状リングの凹部40aにパッキン片32を嵌装している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】回転軸の周りに配設されたパッキン箱とこのパッキン箱の開口部を覆うパッキン箱カバーによって形成される円環状空間に、周方向に複数個のパッキン片を回転軸に当接するように配置した軸封装置において、半径方向内方に向かって開口する凹部が周方向に離間して形成された櫛歯状リングをパッキン箱内に内装し、この櫛歯状リングの凹部にパッキン片を嵌装したことを特徴とする軸封装置。 【請求項2】前記櫛歯状リングと、前記櫛歯状リングの軸方向側面に当接する円環状リングとを、パッキン箱内に軸方向に複数段配置したことを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。 【請求項3】複数の前記櫛歯状リングを、軸方向に互いに当接させて複数段配置したことを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。 【請求項4】水力機器の回転軸の周りに配設されたパッキン箱とこのパッキン箱の開口部を覆うパッキン箱カバーによって形成される円環状空間に、周方向に複数個のパッキン片を回転軸に当接するように配置した軸封装置において、前記パッキン箱に、このパッキン箱の軸方向の一側面及び内径側側面に開口する複数の凹部を周方向に離間して形成し、この凹部にパッキン片を嵌装したことを特徴とする軸封装置。 【請求項5】前記パッキン片に、前記パッキン片を前記回転軸に向かって押圧する初期押付力を付与する押圧手段を設けたことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかにに記載の軸封装置。 【請求項6】前記パッキンに、前記パッキン片がその適正な摩耗代以上に半径方向内方へ移動することを防止する係止手段を設けたことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の軸封装置。 【請求項7】前記パッキン片がその摩耗により半径方向内方へ移動したことを検出する手段を設けたことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の軸封装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、水車やポンプ水車等の水力機械の軸封装置に係わり、特に、高圧、高速のポンプ水車等の回転軸からの漏水および漏気を防止する軸封装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、水車やポンプ水車等の水力機器においては、主軸に直結されたランナ側の圧力水が、外部に漏水しないように、回転部と静止部の間に、軸封水装置を設けている。この軸封水装置には種々の構造のものがあるが、回転する主軸の表面に固体パッキンを接触摺動させることによってシールする構造のものが多用されている。 【0003】図17は、このような構造の主軸封水装置を備えた水力機器の一部を示したものであり、ケーシング1内の圧力水は、ステイリング2とステイベーン2aで構成された流路を通って整流され、上カバー3と下カバー4により構成される圧力室に流入する。圧力室の入口にはガイドベーン5が配列されており、このガイドベーン5で流量調節された流水は、ランナ6に作用し、ランナ6を回転させた後、吸出管(図示せず)から放水路へ放出される。この間に、流水の一部は、ランナ6の背面にも流れ、上カバー3との間隙を通して主軸7と上カバー3との間に流れようとするが、この圧力水をシールするのが軸封装置8である。なお、ポンプ水車をポンプ運転する場合の水の流れは、上記と逆になる。 【0004】軸封装置8は、図18に示すように、上カバー3に対してボルト9で固定されたパッキン箱10、及びパッキン箱カバ11を備えており、このパッキン箱10内には、パッキン12が水車軸7の回転軸方向に沿って複数段設けられている。尚、パッキン12は、摺動特性を考慮して、通常、焼結カーボン材料で製作されることが多い。これらのパッキン12は円周方向に複数個に分割されており、パッキン押え13の背部に設けられたガータスプリング14のバネ力によって水車軸7に向け、常時押圧されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】軸封装置は、ポンプ水車の高落差化に伴って、ますます高圧、高速の厳しい条件にさらされ、特に封水圧力の高圧化に伴い、パッキン破損発生の危険性が増加する傾向にある。 【0006】ここで、図19により、軸封装置8に作用する圧力の関係を述べる。(図19は、パッキン12、パッキン押さえ13、ガータスプリング14を省略している。)軸封装置8には、通常、100メッシュ程度のストレーナー(図示せず)を通過後の清水がPsなる圧力で給水される。清水給水圧力Psは、土砂の混入した河川水の流入を防ぐため、ランナ6と上カバー3にて構成される空間の圧力Pb(ランナ背圧)に対し、0.1〜0.2MPa程度高い圧力に設定される。給水された清水は、1つには大気解放側(図では上側)へ流出する漏水となり、もうひとつはランナ6と上カバー3にて構成される空間に流れ(図では下側)、河川水を押し戻す役割を果たす。清水給水された直後の圧力室に作用する圧力、すなわち中段パッキン室圧力Pr2と下段パッキン室圧力Pr3は、ほぼ、清水給水圧力Psと同程度の圧力となる。大気解放側に複数段のパッキン12を組み込む場合は、封水効果により、漸次、圧力が低減されるが、本図の場合は、大気解放側を2段としているので、通常、次段のパッキン室である上段パッキン室圧力Pr1は、前段のパッキン室圧力Pr2の半分となる。このような圧力状況において、パッキン箱棚板部101や、パッキン箱カバ11は、圧力室Pr2とPr1の差圧、または、Pr1の圧力によって、2点鎖線で図示するように、内径側が持ち上がるように変形する。前述したように、近年のポンプ水車は、高落差化が進んで給水圧力Psがますます高くなり、この高圧化に伴い、パッキン箱棚板部101やパッキン箱カバ11の変形量が大きくなる傾向にある。 【0007】パッキン箱棚板101やパッキン箱カバー11が、過度の変形を起こすと、図20に示すように、パッキン片12は、両端で支持されたように水圧を受けるため、パッキン片12にはMなる曲げモーメントが発生する。パッキン12は、通常、カーボンなどの脆性材料のため、弾性変形量は極めて小さく、パッキン箱棚板101やパッキン箱カバー11の変形に追従できず、この結果、パッキン12には中央部に大きな応力が発生し、図21のB部のように折損してしまう恐れがある。 【0008】そこで、高圧、高速の厳しい条件において使用される軸封装置のパッキン12は、図18に示すパッキン12厚み寸法tpやパッキン12幅寸法Bpを大きくしてパッキン片12の剛性を確保したり、パッキン箱棚板101厚みtbやパッキン箱カバー厚さtcを大きくして、内径側の変形を抑えることにより、パッキン片12の破断を防止している。 【0009】しかしながら、パッキン12の厚み寸法tpやパッキン箱棚板101の厚みtb、パッキン箱カバー11の厚みtcを増やすと言うことは、即ち、図18に示す軸封装置8全体の軸方向高さ寸法Lsが大きくなることを意味する。この場合、図17に示す水車軸7の軸振れを制御するためのガイド軸受15とランナ6のオーバーハング量が大きくなって軸振れが大となり、運転上、大きな障害となる。 【0010】また、単純にパッキン12の厚み寸法tpを大きくすると、パッキン12と水車軸7との摺動面積が増え、摺動面への潤滑水の不足による固体接触を引き起こす可能性があるため、通常は、図20に示すような溝、或いは給水孔を設けることにより、摺動面へ潤滑水を供給できるようにしている。このような溝を設けた場合、パッキン12摺動面と背面に作用する圧力は図22のようになると考えられる。即ち、摺動面に作用する水圧Piは、溝が設けてあるtg寸法までは、パッキン12背面に作用するパッキン室の圧力Prとほぼ等しく、封水効果を持つシール部寸法tsにおいてのみ圧力が降下する。つまり、パッキン12が本来有すべき機能、即ち、流体をシールするという機能は、パッキン12全体の厚み寸法tpのうちのシール部厚さtsのみであり、それ以外のtgなる寸法は、パッキン12の剛性を確保するためのものにすぎない。換言すれば、シール部寸法tsのみでパッキン12の破断を防止することができれば、パッキン厚さtpとシール部厚さtsを同寸法とし、従来のような複雑な溝加工を行う必要が無くなるのである。 【0011】次ぎに、パッキン12の幅寸法Bpを大きくした場合は、パッキン12を収納するためのパッキン箱10やパッキン箱カバー11も必然的に大きくなり、パッキン箱棚板101やパッキン箱カバ11の取付ボルト16から最内径までのオーバーハング量Lが増えるため、パッキン片12の剛性を確保できても、パッキン箱棚板101やパッキン箱カバー11の変形量が大きくなってしまうという問題がある。 【0012】パッキン片12の曲げモーメントを抑える手段としては、パッキン片12の1片あたりの周方向長さ寸法Lp(図20)を小さくする、即ち、周方向に分割するパッキン片12を多分割化することでも、支点間隔が小さくなるので、曲げモーメントMを抑える効果が得られると期待されるが、単純に多分割化することは、水車軸7外径と、パッキン箱10あるいはパッキン箱カバー11内径とパッキン片で構成される漏水ポート箇所の面積A(図23)の増加を意味し、従来型軸封装置に比し、封水効果の低下を招く。パッキン片12を多分割とし且つ全体的な漏水ポート面積を抑えるためには、漏水ポート1カ所当たりの面積Aを小さくする必要がある。漏水ポート面積Aを小さくするためには、パッキン片の廻り止めコマ17とパッキン片12との間隔Gkや、隣接パッキン間の間隔Gpを小さくする必要があるが、このためには廻り止めコマ17単体での形状寸法、取付位置、取付姿勢、及び隣接する廻り止めコマ17との相対関係寸法Lk(図24)などの精度が要求されるため、非常な困難がともなう。 【0013】本発明は、このような実状に鑑みなされたもので、パッキン片の薄肉単純形状化を図り、コンパクトで信頼性の高い軸封装置を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、回転軸の周りに配設されたパッキン箱とこのパッキン箱の開口部を覆うパッキン箱カバーによって形成される円環状空間に、周方向に複数個のパッキン片を回転軸に当接するように配置した軸封装置において、半径方向内方に向かって開口する凹部が周方向に離間して形成された櫛歯状リングをパッキン箱内に内装し、この櫛歯状リングの凹部にパッキン片を嵌装したことである。この櫛歯状リングは、機械加工によって製作できるので、パッキン片の収納空間は非常に精度が良く、このため、パッキン片を多分割化することが可能となる。また、パッキン箱カバーと櫛歯状リングとパッキン箱棚板を一体締結とすることで、これらの軸方向への変形は小さく抑えることができる。これらにより、パッキン片に発生する曲げモーメントは極めて小さくなり、パッキン片の厚さを薄くしても破断することが無い。従って、軸封装置全体の高さ寸法を小さくすることが可能である。 【0015】本発明の第2の特徴は、前記櫛歯状リングと、前記櫛歯状リングの軸方向側面に当接する円環状リングとを、パッキン箱内に軸方向に複数段配置したことである。これにより、軸封装置全体の封水効果が向上するとともに、パッキン1段分に対する負荷圧力が低減でき、パッキンの延命化を図ることができる。 【0016】本発明の第3の特徴は、複数の前記櫛歯状リングを、軸方向に互いに当接させて複数段配置したことを特徴とする請求項1に記載の水力機械の軸封装置。これにより、封水効果が大幅に向上するとともに、パッキン1片の周方向長さ寸法をさらに小さくし、パッキンに作用する曲げモーメントを抑えることができる。 【0017】本発明の第4の特徴は、回転軸の周りに配設されたパッキン箱とこのパッキン箱の開口部を覆うパッキン箱カバーによって形成される円環状空間に、周方向に複数個のパッキン片を回転軸に当接するように配置した軸封装置において、前記パッキン箱に、このパッキン箱の軸方向の一側面及び内径側側面に開口する複数の凹部を周方向に離間して形成し、この凹部にパッキン片を嵌装したことである。従って、パッキン片の収納空間は精度良く、パッキン片の多分割化が可能となり、パッキン片に発生する曲げモーメントを小さく抑えることができる。 【0018】本発明の第5の特徴は、前記パッキン片に、前記パッキン片を前記回転軸に向かって押圧する初期押付力を付与する押圧手段を設けたことである。従って、主機始動時において、パッキン片と水車軸の間にギャップがあると一時的に多量の漏水が流出してしまうが、本発明によれば、初期的なパッキン位置ズレに対する漏水過多を防止することができる。 【0019】本発明の第6の特徴は、前記パッキンに、前記パッキン片がその適正な摩耗代以上に半径方向内方へ移動することを防止する係止手段を設けたことである。これにより、万一、パッキンの異常摩耗が発生したとしても、パッキン片の強度上、必要な大きさは確保できるので、異常摩耗時のパッキンの折損を防ぐことが可能である。 【0020】本発明の第7の特徴は、前記パッキン片がその摩耗により半径方向内方へ移動したことを検出する手段を設けたことである。これにより、パッキン片の摩耗状況をレコーダー等で記録したり、摩耗の進行度によっては、警報を発する、あるいは主機を停止するなどの手段を講じることにより、信頼性の高い軸封装置となる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。 【0022】図1は、本発明の第1の実施の形態を示す図であって、図17に示すような水力装置に使用された軸封装置を表す斜視図である。図2は、図1に示す軸封装置の縦断面図、図3は図2におけるIII-III断面図、図4は図2におけるIV-IV断面図である。 【0023】この軸封装置210において、廻り止めコマ17と同様の機能、即ちパッキンの周方向の動きを拘束し、径方向への動きを案内する機能を備えた部品として、内径側を櫛歯状とした櫛歯状リング40をパッキン箱30内に備えたことを特徴とする。この櫛歯状リング40は、その内周側に、半径方向内方に向かって開口するとともに、周方向に離間して形成された複数の凹部40aを有している。この凹部40aには、パッキン32が半径方向に摺動可能に配設されている。この櫛歯状リング40は、廻り止めの機能を持つ内径の櫛部を精度良く加工することができるので、パッキン32の多分割化が可能となる。また、パッキン箱カバー取付ボルト39をもって、パッキン箱棚板121と櫛歯状リング40とパッキン箱カバ31を一体締結とすることで、パッキン箱棚板121の軸方向の変形を抑えることができる。また、取付ボルト39のピッチサークルは従来よりも内径側にすることできるので、パッキン箱カバー31のオーバーハング量Lは小さくなり、パッキン箱棚板121やパッキン箱カバー31の変形を、極めて小さくすることができる。以上の効果で、パッキン片32の厚み寸法tpを薄くすることが可能であり、軸封装置全体高さLsを小さくすることができる。さらに、パッキン片32は多分割の薄板とすることで、従来パッキン片32の摺動面に設けていた潤滑水導入用の溝や孔を設ける必要が無く、略直方体の1面のみを摺動面として円筒面とした、ごく単純な形状としても、摺動面には十分な潤滑水が得られる。また、前記櫛歯状リング40と円環状リング41を交互に複数段重ねることにより、パッキン32の1段分に作用する圧力が軽減され、パッキン32の延命効果が図れるとともに、大きな封水効果を得ることができる。 【0024】図5は、本発明の第2の実施の形態である軸封装置220を示す断面図であり、図6は図5におけるVI-VIに沿う断面図、図7は図5において水車軸がないとした場合のVII方向の矢視図である。この軸封装置220においては、複数の櫛歯状リング40が軸方向に直接重ね合わされて配設されている。また、重ね合わされて隣合った2つの櫛歯状リング40は、一方の凹部40aが他方の櫛歯状凸部40bの上に重なるように配置されている。従って、それぞれのリングの凹部40aに嵌装されたパッキン片32をその周方向両端部を直接重ね合わせて配設することがでる。このため、隣接パッキン間隔Gp(図23参照)を0にすることができ、シール性を向上させることができる。また、隣接パッキン間隔Gpを0にできるので、パッキン片32の周方向長さを長くすることによって全周に対するパッキン間隔の比率を増加させる必要が無い。このため、パッキン片32の周方向長さLpを短くすることができ、従ってパッキン片の強度を向上させることができる。このようにして、漏水ルートを極限まで小さくし、封水効果を最大限に発揮できる。 【0025】図8は、本発明の第3の実施の形態である軸封装置230の断面図であり、図9は図8におけるIX-IX線に沿う断面図である。 【0026】この軸封装置230においては、軸封装置210における櫛歯状リング40の凹部40aに相当する凹部をパッキン箱30,50に形成している。すなわち、パッキン箱30,50に、その軸方向の一側面と内径側側面に開口する複数の凹部30a,50aを周方向に離間して形成している。そして、この凹部30a,50aにパッキン片32を半径方向摺動可能に嵌装している。この軸封装置230によっても、軸封装置210と同様の効果が得られる。 【0027】図10ないし図13は、第4の実施の形態である。パッキン片32を水車軸7へ押圧する手段を示す部分斜視図である。パッキン片32を水車軸7に押圧する手段は、図10においては、圧縮コイルスプリング62であり、図11においては、ガータスプリング63でり、図12においては、拡開方向に作用する板バネ64であり、図13においては、ゴムなどの弾性体からなるリング65である。これらに例示するような弾性体を用いて、パッキン32を常に水車軸7に向けて押圧させておくことで、安定した封水効果が得られるとともに、運転始動時における過渡的な漏水過多を防止できる。 【0028】図14、図15は、第5の実施の形態を示すものであって、摩耗によるパッキン片32の半径方向内方への移動を制限するための手段をそれぞれ示す図である。図14においては、パッキン片32の先端下面に段部61を設けるとともに、円環状リング21の上面に凸部62を設け、初期状態において両者間に間隔δを設定している。このようにすることによって、パッキン片32の内周側端面が摩耗しても、パッキン片32は変位δ以上は、半径方向内方に移動できないようにしている。図15においては、凹部40aの入口部に内方に突出する凸部63を設けるとともに、パッキン片32の外周側の両側部に凸部64を設け、初期状態において両者間に間隔δを設定している。このようにすることによって、パッキン片32の内周側端面が摩耗しても、パッキン片32は変位δ以上は、半径方向内方に移動できないようにしている。これらにより、万一、パッキン32の異常摩耗が発生したとしても、パッキン片32の強度上、必要な大きさは確保できるので、異常摩耗時のパッキン32の折損を防ぐことが可能である。 【0029】図16は、第6の実施の形態を示すものであって、パッキン片32の摩耗による半径方向への変位を検出する手段を示す断面図である。この図において、パッキン箱30及び櫛歯状リング40を径方向に貫通するようにガイドブッシュ46を取り付け、このガイドブッシュ46とキャップ47からなる円筒状空間に測定棒48と圧縮コイルスプリング42を備えている。そして、圧縮コイルスプリング42の力によって測定棒48を常にパッキン片32に当接させ、測定棒48が常にパッキン片32の径方向の動きに追従できるようにしている。また、測定棒48の外端部近傍にギャップセンサ49を配置し、これらを用いて測定棒48とギャップセンサ49のギャップSを監視できるようにしている。従って、ギャップセンサ49の出力信号を用いて、パッキン片32の摩耗状況をレコーダー等で記録したり、摩耗の進行度によっては、警報を発することができる。さらに、そのような場合には、主機を停止するなどの手段を講じることがき、したがって軸封装置の信頼性を向上させることができる。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように、本発明による軸封装置は、精度の良いパッキン収納空間を構成できることで、パッキン片を多分割としても封水性能を低下することがなく、しかも、パッキン箱の変形を極めて小さくしてパッキン片に作用する曲げモーメントを抑えることが可能であることから、パッキン片を薄くしても、パッキン破断することが回避でき、またパッキン片を薄くすることで軸封装置全体の高さ寸法を抑えて、水車軸の軸振れ軽減に効果があるとともに、パッキン片形状を単純化することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成11年12月7日(1999.12.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064285 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−165323(P2001−165323A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月22日(2001.6.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−347519 |
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